ストライク・ザ・ブラッド〜空白の20年〜   作:黒 蓮

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Twitterでは言いましたがUA40000越えありがとうございます!
駄文かつ駄作ですがお付き合いくださる方が多くて嬉しい限りです…

短いですが次回は長めの予定


第45話

古城の気持ちとは裏腹に今日もまた陽は昇り1日の始まりを告げる。

たとえ那月がいなくなっても世界は変わらず前に進み続ける。

そんな当たり前のことが今の古城には激しく堪えた。

 

「古城…?南宮先生は…ううん、やっぱりなんでもないよ」

 

優麻は自分よりも彼女と接点のあった古城が彼女の気持ちを理解していないわけがないと考え直し、何も言わず1人放心する少年の傍へと近づいていく。

 

「悪い優麻。少し1人にしてくれるか」

「そうだね、姫柊さんたちは古城の家に帰されてるはずだから事情はボクから話しておくよ」

 

自分のわがままにもかかわらず何も言わず1人にしてくれる優麻に心の中で感謝しつつ、古城は霧になり姿を消した。

 

 

なにを考えるわけでもなく古城は島の外縁部、誰もいない場所へときていた。

水平線から顔を出す朝日を目に様々なことを考える。

いつもは吸血鬼の本能的に嫌っている陽の光もどこか暖かく感じられ、そこに那月の優しさを重ね合わせてしまう。

 

「第四真祖か…」

 

そう呟きながら傍へ落ちていた小石を海面へ滑らせるように投げた。

一瞬にして小さな石が跳ねることもなく海面を引き裂いていく。

膂力も魔力も常人のそれを超越していることを改めて感じる。

それでも古城には那月はおろか静寂破り(ペーパーノイズ)にさえ及ぶイメージが湧かなかった。

 

今までなら自分の力とそれを応用するための発想でどうにかなったがそんな小細工ではどうにもならないレベルがあるということを古城は今回身をもって知ることになったのだった──

 

 

古城と別れた優麻は雪菜や紗矢華が待つ暁家へと向かった。

玄関のドアの前で一瞬躊躇った後、インターホンを押す。

 

「先輩!大丈夫で──」

 

部屋の中から雪菜が凄い勢いで走ってきたが古城がいないことに気づきその先を口にすることは無い。

 

「古城は?」

 

雪菜の後ろから遅れてきた紗矢華が優麻へと問いかける。

 

「そうだね、何から話せばいいものかな…」

 

部屋の中へと入ってから、優麻は雪菜と紗矢華の大声で起きてきた凪沙を交え3人に事の顛末を説明した。

 

「そうですか…南宮先生が…」

「それで古城くんは?」

 

凪沙は古城の方が心配で仕方がないようだ。

 

「古城は1人にしてくれってどこかへ行っちゃったよ」

「なんで止めなかったのよ!」

「落ち着いてください、紗矢華さん。私達だってその場にいたら…」

「いいんだよ姫柊さん。ボクは古城のわがままを聞いてあげたかったんだ、きっと古城は僕達の前じゃ気丈に振る舞うだろうから」

 

それは幼馴染の優麻だけでなく他の誰もが知るところだった。

 

「まあまあ古城くんなら普通にしてるならうっかり死んじゃうこともないだろうし、帰ってくるのを待とうよ!」

 

暗くなる雰囲気を危惧したのか凪沙が突拍子もないことを口にした。

しかし彼女たちには待つ以外の選択肢がないため、そこで会話は途切れてしまう。

 

用件を済ませた優麻が帰ってからも重苦しい空気が漂っていたが、凪沙が学校へ行ってからは雪菜も紗矢華も普段通りに過ごすことに努めた。

 

 

それから古城がいないまま2日が経った日ようやく古城は家へ帰ってきた。

玄関のドアが開く音がし、雪菜と紗矢華、凪沙の3人は古城の方へと走っていく。

 

「先輩!今まで一体どこに行ってたんですか!」

「ああ、悪いな姫柊」

 

古城は無気力な声で謝りながら3人を横切ってしまう。

 

「もうちょっとなにかあるでしょ!?こっちがどれだけ心配したかと…」

「なあ煌坂、ほっといてくれないか?」

「え…」

 

それは紗矢華の知る古城の声とはあまりにもかけ離れていた。

あまりの衝撃に返す言葉も見つけられず、古城はどんどん自室へと歩いていく。

これを止めなければもう以前の古城には戻らないのではないかと思いながらも止めることができず、3人は古城が自室のドアを閉めるまでただ呆然とそれを眺めていた。

 

それからというもの古城は凪沙の作る料理にも手をつけず、トイレにも行かず自室へと籠り続けた。

時々、雪菜と紗矢華が本当に部屋にいるのか確認したがまったく動く気配もないまま2週間が過ぎ、毎晩魘されている古城を心配するのだった──




眠気MAXで駄文(元から)で申し訳ないですが予告通り更新しました…

次回か次次回で新章の導入入れます。

感想評価等駄文ですが待ってます苦笑

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