艦隊これくしょん~皇国の元帥~   作:鈴木颯手

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第一話

「…ん?ここはどこだ?」

 

フソウ皇国海軍元帥唐草昌平は気が付くと薄暗い部屋のなかにいた。

 

「俺は確か執務室で書類整理を行っていたはずだが…」

 

暗くてよく見えないがここは自分がいた執務室ではないことはわかった。

 

昌平は取り合えず自分がおかれている状況を確認するために自分の状況を確認する。

 

まず服装。フソウ皇国海軍元帥として書類整理を行っていたために軍服を着ていたはずだが昌平が愛用する黒いシャツに黒いズボン。そして膝下まである黒いコート。間違っても書類整理を行っていた時に着ていた服装ではなかったか。そして、背中にはなにやら鉄のような何かが四つほどついていた。こんなものはつけていない昌平は不気味に思うが気持ちを落ち着かせて次にいくことにした。

 

持ち物。特に持っていなかった。

 

次に部屋の状況。

 

コンクリートで出来ているが家具などは置かれておらず正面に扉があるだけであった。

 

昌平は何があってもいいように警戒しながら扉を開ける。扉のなかにいた。向こう側は大きな指令室のような作りとなっていた。昌平がいた部屋よりも明るくいっしゅん目を細めるもやはりここにも動くものはなかった。

 

「…今は情報を手にいれることが先決か」

 

昌平は警戒しながら電源の落ちているパソコンに近づく。昌平の使っているものとは違うものだがなんとか電源をいれた。

 

「…やはりここはフソウ皇国ではないか」

 

ここの情報を信じるならここは日本国と言うところでここは東南アジア諸国にある鎮守府の司令塔らしい。しかしこの様さを見る限りずっと前に破棄されたようだ。

 

「しかし日本国も東南アジアも聞いたことがない。もしやここは異世界と言うことになるか?」

 

昌平もよく読むフソウ皇国で売られている空想科学小説に頻繁に使われている内容だ。

 

「しかしここまで大規模な悪戯と言うわけでもあるまい。ここは異世界と来たと仮定して情報を集めるか」

 

更にパソコンを弄っていると様々な単語が出てきた。

 

「深海棲艦?艦娘?…成る程、ここの目的も深海棲艦にあるわけか」

 

深海棲艦。数年前に突如として現れた謎の勢力は瞬く間にハワイ諸島を占領。奪還に来たアメリカ海軍を全滅させるとその勢いのままアメリカに進撃。同国を一年かけて滅ぼすとその勢力は東太平洋のみならず西太平洋、パナマ運河を占領して大西洋に進出した。

 

国連は直ちに大規模な艦隊を編成して謎の勢力撃滅を目的として進撃するも参加した百以上の艦隊をすべて全滅させた。この結果日本国は防衛力をほぼ失い中国や韓国に諸島を奪われるがそこに深海棲艦が進出した。その結果日本国の南端の諸島はほぼ占領され中国や韓国は沿岸部に甚大な被害を受け国は瓦解。東南アジア諸国も内陸部を有する国を残して滅亡。

 

そのまま海はすべて深海棲艦に奪われるのかと思ったとき奇跡は起きた。深海棲艦がインド洋に進出したときに日本国で深海棲艦に対抗できる人型兵器、通称艦娘の開発に成功したのである。

 

艦娘は第二次世界対戦の頃の軍艦がモチーフとなっており火力などはイージス艦に劣るものの艦娘兵装は深海棲艦にダメージをあたえることができたのである。これにより日本国は滅亡を回避でき各国も艦娘の開発に勤しんでなんとか防衛戦を張ることに成功したのである。

 

日本国はその後破竹の勢いで日本海、オホーツク海、東シナ海を奪還。東南アジア諸国に希望を与えたのである。

 

その後日本国はここを南方鎮守府の拠点として東南アジア諸国を解放していくが一年前から深海棲艦の上位と思われる鬼や姫といった個体が出現。再び日本国近海まで押し戻されることなったのであった。

 

ここまでがこの世界の歴史であった。

 

「成る程、かなり混沌とした世界のようだな」

 

昌平は読み終えると司令官の席と思われる場所にあったこの鎮守府の地図を片手に探索へと出掛けていった。

 

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