楽しんで頂ければ、作者冥利につきます。
この力があれば何だって出来る。
恐れるものは何もない。
そう思っていた時期が私にもありました。
出来ないこと?あるよ、お家を手に入れること。あと、冬を越えることも出来ないかもしれない。
恐れるもの?あるよ、冬の寒さ、ゴミを漁っても全く食べ物が出てこない日とか、あと公園にたむろするDQN。
力を使えばいいのにと思うかもしれない。
だが、あの神器、1つ落とし穴があったのだ。
自身の魔力を使用して神器の創造を行い、その神器を自身の魂に取り入れる。創造出来る神器に制限はない。
そう、この神器魔力を使うのだ。
神器を創造する際の魔力は自動で消費されるため、魔力の使い方が悪いというわけではない。
最初、『10秒毎に力を倍にする神器』を創造しようとして何故だか上手くいかなかった。
いきなり張り切り過ぎたかと思い、まずは『力を倍にする神器』を創造してみようと試みた。だが、上手くいかなかった。
焦った。悪魔やらなんやらがいるらしい上に、自分の戸籍があるのかも怪しい世界でチートが正しく機能しないのだ。下手をすれば、家なし、文なし、チートなしになってしまう。
能力を確認しようとした際に脳内に流れ込んできたチート能力の取り扱い説明情報(以下、取説)を、読み返した。脳内で。
結果、使い方を間違えていたのが原因だったようだ。
以下、取説『よくあるQ&A』からの抜粋
Q.13 神器が創造されません何故ですか?
A.13 魔力が足りていない、もしくは神器の発動を妨害されているからです。以上の理由以外で、思い描いたものとは少し違う神器が創造されることはあれど、何も創造されないということはありません。
らしいです。因みに必要とされる魔力の量は、創造する神器のスペックに比例して大きくなるとのこと。
では、どうすれば自身の総魔力量は増えるのか。それも取説に書いてあった。
Q.15 どうすれば魔力は増えますか
A.15 自身の総魔力量のことであれば、魔力を使っているうちに増えます。ですが、才能の要素が強いので、修行をしたところで増える量は高が知れています。
その時は、少しがっかりしたけれど便利なことには変わらないと自分を納得させた。
だけど、練習にとスペックの低い神器を創造しようとしても上手くいかない。少しずつハードルを下げていき、『よく切れる包丁型の神器』とか、『商店街のお店からおまけをもらえる神器』とか、まで下げても上手くいかなかったとき、がっかりは絶望に変わった。
最終的に『40~60℃程度で発熱する手のひらサイズの神器』なら創造することが出来た……良かった。
良くねーよ!
私の神器はカイロ創るだけの能力かってーの!
神は私に恨みでもあるのか!
あの時の微妙な顔はこれがわかっていたからなのか!
なら、先に言えよ、教えてくれてもいいだろう!
「あなたは魔力が少ないからそれは向いていません。こちらとかどうですか?」とかさ!
悪魔とか天使とかより先に教えて欲しかったよ!
八つ当たり気味になってしまうが、結局私の魔力が極端に低いのが原因なのだろう。もしかしたら、これが世界の平均なのかもしれないが。
もう少し……いや、もうけっこう魔力が高かったら『魔力を倍加させる神器』とかを創ってどうとでも出来たのに。
そんなこんなで、私は今公園在住、ホームレスとして暮らしています。夢のチート転生者生活はどこへやら……。
というか、このカイロ神器も役立たず。
何だよ、使用には魔力が必要って。
魔力増加の為の修行になるとか思った時期もあったが、実働10分で
ポンコツかよ。
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