ハイスクールD×D 神の代席に座す者   作:隣の鈴木

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 今回、今までと違って大分ラブコメチックになっているかもしれないです。そういうのいいから!って人も飛ばさずに読んでくれると作者は嬉しいです。

 3話までは深夜テンションで徹夜で書いてます、なので以降更新がぱったりなんてこともあるかもしれません。

 そうならないためにも……皆さん分かっているのでしょう?


3話

side 小猫

 

 ……寒い。

 未だに、姉さまが私を置いてどこかに行ってしまったことが受け入れられない。

 

 リアス様のお陰で私は生き延びることが出来た。

 リアス様に新しく生きる目的も与えてもらえた。

 

 でも……

 

「……姉さま」

 

 悲しみさえ受け付けられない不器用な心に、冷たい雪は容赦なく降りしきる。

 天気予報によれば今年の雪は随分と早く訪れたものらしい。

 

 ふと、公園の傍を通りすぎたとき、可笑しなものを見た気がして振り返った。

 

「……飯ぃ、……クリスマス、……魔力」

 

 うわ言をあげる倒れた男性がいました。見たところ年齢は私と同じか少し上くらい。

 積雪がないとはいえこの天気、放っておけば死んでしまいかねません。

 

 先ほどのうわ言が気になりますが、この人からは極小の魔力しか感じませんし、問題ないでしょう。

 

 もしかしたら、リアス様の言っていたアレなのかもしれませんが。

 

 

 

side me

 

 

「今日は楽しいクリスマス♪」

 

 歌っていた。

 せっかくのクリスマスなのだから楽しまねばなるまい。

 

 私だ、何とか生きている。

 なぜクリスマスか分かったかって?

 

 『魔力を消費して日付を確かめる神器』を創造したからさ。

 日付を確かめてすぐに分かったこの神器はポンコツだって。表示された日付は11月24日。1ヶ月もずれた日付を表示するなんて、役立たずにもほどがあるよ、まったく。

 

 だって、11月に雪が降るわけないよな。思わず笑ってしまったよ。

 

 ともあれせっかくのクリスマス。

 これは何か美味しいものでも食べてお祝いをしなきゃならない。

 

 まぁ、もう3日は何も食べていないんだけれどね。

 

 ふざけてるの?お陰で『魔力を使わずに空腹を誤魔化す神器』使っちゃったよ。

 今はとっても幸せな気分だけど、恐らく30分もしない内にこの世とさよならだよ。

 

 

 どうやら30分もなかったようだ。

 あぁ、意識が……遠く。

 

 

 

 

 

「……さん……いさん……お兄さん、起きてください!」

 

 あれ?ここ天国かな?

 目を覚ますと、綺麗な白髪の少女が私の頬を叩いていた。

 

「こんなところで寝ていると死んでしまいます」

 

 少女からは目を覚ましたのを確認してか、先ほどまでの焦りはなくなった。焦りがなくなったどころか、完全な無表情だ。

 

「助かったよ、お腹が減って倒れていたようだ」

「そうですか」

 

 そう言って少女はトテトテとどこかに行ってしまった。

 体を襲う、非情なほどの倦怠感と共にここが現実という名の地獄であると思い出す。

 

 だよね、目が覚めたら美少女がいて、世話やいてくれるなんて都合のいい話はない。ここ最近身をもって学んだことだ。

 

 どういうことだろうか、走り去った美少女が戻ってきた。しまった、警察でも呼ばれたかな。

 

「どうぞ」

 

 缶らしきものをこちらに差し出している。

 

「それは何だい」

「コーンポタージュです。お嫌いですか」

 

 一瞬、天使かと思った。降りしきり雪も合わさって演出は完璧だった。だからこそ荒んでいた心から疑ってしまった。

 

「くれるのかい」

「ええ、あなたの為に買ってきました」

 

 泣いた。もうほとんど何も言えなくなって、ありがとうと小さく言って受け取り飲もうとした。だけど、悴んだ手でプルタブを開けるのは難しくて、美少女に開けて貰った。

 

 

「落ち着きましたか」

 

 コーンポタージュを飲み終わってからも、しばらく泣いていた私の傍に美少女はいてくれた。美少女の前でみっともなく泣くくらいには憔悴していたのだろう。

 

「ありがとう、君名前は」

「塔城小猫です」

 

 塔城小猫。

 しっかりと記憶した。

 命の恩人として生涯忘れることもないだろう。ひとしきり泣いて心にも余裕が出来た。

 

「自分で言うのもなんだが、私は臭うだろう」

「いえ、もっと臭うのを知っているので大丈夫です」

 

 小猫さんが立ち去るタイミングを失っているのではと、気を使っての言葉だったのだが、即答されてしまった。

 しかも、微妙にフォローになっていない。

 

「少し聞きたいことがあったのです」

「何だい。命の恩人からの質問だ、私に答えられることなら何でも正直に答えるよ」

 

 それが今出来る唯一の恩返しなら、そうする他あるまい。

 

「ありがとうございます。では、お兄さんはチュウニビョウなのですか」

「……それはどうして」

「リアス様が言っていました、日本ではチュウニビョウと呼ばれる人がいて、その人たちは魔力とか、悪魔とか言っているけれど、関係ない一般人だから間違えないように気を付けなければいけないと」

 

 恐らくそんなうわ言を私が言っていたのだろう。しかし、間違えるとは何と、変な人とだろうか、確かにアレは一過性のものだから、一概に変な人扱いは可哀想な気もする。

 

「いいや、違うよ」

「では魔法使いなのですか」

 

 それはどうなのだろう。

 神器を使う者が魔法使いなら魔法使いなのかもしれない。

 

「まぁ、あながち間違っていないのかもしれないが、出来損ないの魔法使いってところかな」

「……出来損ない」

 

 一瞬小猫さん表情に影が射した気がした。

 「今はこれが精一杯」そんなどこかで聞いたことのある台詞と共に、カイロ神器を小猫さんのてもとに出す。

 

 少しだけ小猫さんの表情が緩んだ。

 その表情だけでハートを射られまくっているような感覚に陥る。

 

「おかしなお兄さんですね、カイロは魔法じゃないことくらい私でも分かります」

 

 ええそうですね、私もそう思います。仰る通りです。

 何段か飛び越えてハートブレイクした気がする。

 

「いつの日か一人前になったら恩返しをしに行ってもいいかい?」

「期待せずにまってます」

 

 最高の日だった。これでこの寒さがあと3ヶ月以上続くという事実がねじ曲げれば完璧だった。

 

「ところでお兄さん名前を聞いてもいいですか?」

 

 雪の降る11月。この日私は生まれ変わったような気持ちだった。

 前の名前はもう忘れた。 

 

霜月樅(しもつきもみ)

「変わった名前ですね」

「君のは良い名だ」

 

 雪の降るなか、傘も指さずに無表情な彼女と笑い合うのを楽しんだ日を私が忘れることはない。




 個人的に小猫推しの私です。原作を読んだだけでそれも曹操倒す辺りまでしか読んでません。

 なので設定や口調、これからのストーリー等が曖昧です。
 これを機にアニメを見てみるのも良いのかもしれませんが、アニメはエロ色強すぎてお茶の間で見るわけにもいかずムムム。
 悩み処ですね。

 あっ、あと書いてたら良い感じになったんでここまでを『1章 ホームレス編』としようかな、なんて思ってます。
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