灼眼のシャナ Ⅳ(リターン)   作:無明星

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どうも、無明星です。
今作より新章となります。今だ明かされない謎の多い影獣との白熱のバトルもこれから増やしていくつもりなので楽しみにしてください。
さて、新章1話目に参ります。


《2章》影獣十四神
~広がる深淵~


 悠二たちは影獣、イルフィスについて話し合っている。その話を聞いていたサーレが訪ねる。

 

「そのイルフィスってやつ、何者なんだ?」

 

「あんたらを襲ったやつの親玉だ。まあ、あいつの上にもいるようだかな。あとは……」

 

その後もルギーが簡潔に説明する。

 

「なるほどな、状況は大方理解した」

 

「それで、なにか思い当たることはある?」

 

悠二は訪ねるが、サーレは首を横に振る。う~んと全員が唸る。すると、シャナが突如何かを思い出し、あ、と声を漏らす。

 

「どうしたの、シャナ?」

 

「そう言えば、あいつらの気になること言ってた」

 

「気になること?」

 

「うん。『ランク』とか、『クラス』とか」

 

「確か影獣十四神の奴らにそれぞれあるって言ってたな」

 

カトラスの言うとおり、戦闘中にイルフィスが言っていた。

 

「だが、『ランク』はいいとして、『クラス』は何なんだ?」

 

「奴は『ラドン』だったな。そもそも何なんだ?」

 

ルギーとカトラスが言う。それに答えたのは悠二だ。

 

「以前に本で読んだことがあるんだけど、ラドンはギリシャ神話に出てくるドラゴンのことなんだ」

 

へぇ~と全員が唸る。

 

「そして、ラドンは黄金の林檎の樹の守護者として書かれているんだ」

 

「ははぁん、それであのバリアか。これは厄介だな」

 

カトラスの言うことは正しい。あのバリアをどうにかしない限り勝機は無いだろう。

 行き詰まったそのとき、シャナのケータイの着信音が鳴り響いた。電話だ。手早くとると、相手の声が飛んできた。

 

『もしもし?贄殿か?』

 

「何?爆弾女」

 

『よし、贄殿だな。手短に話すぞ!正体不明の敵襲で空港がパニック起こしてる。一般人を避難させてんだが、向こうの数が多すぎて手に負えねぇ。加勢頼む!』

 

「今どこにいるの!?」

 

『フランクフルト空港だ!黒い奴らが玉になってるからすぐわかる』

 

「わかった、すぐ行く!悠二!大至急フランクフルト空港に向かう!」

 

「わかった」

 

疾風の如く悠二たちは山小屋を飛び出していった。

 

「ルギー、黒い奴らって……」

 

「ああ、()()だ。俺たちも行くぞ!」

 

カトラスとルギーもすぐ行動に移す。それにサーレがぎこちない口調で呼び止める。

 

「すまねぇが俺は……」

 

「御前さんは相方の側にいてやれ」

 

そう言い残して、空港へ向かう。

 

 

 

 

 空港にたどり着いたシャナたちはエントランスに溢れかった黒い奴らを見つける。

 

「シャナ!あいつらって……」

 

「間違いない、影獣!」

 

シャナたちの気配に気づいた数体の影獣が振り返った瞬間、その影獣の体はシャナと悠二によって真っ二つに斬り裂かれる。その後も、次々と斬り倒していく。

 

「グォアァァァ!」

 

悲痛の声が轟くが2人の耳には入らない。一方的に圧倒していく2人の後にカトラスとルギーも到着する。

 

「ヒュ~、こりゃ俺らの出る幕なしかな?」

 

かもな、とルギーに返すカトラス。緊張感の無い話をしているにも関わらず、警戒を怠ってはいないようだ。

 その習慣のおかげか、或いは察知していたのか、音もなく背後から現れた影獣に反応する。襲いかかろうと近づいてきたところを、ルギーが肘打ちでダウンさせる。

 

「さて、俺たちも行くか!」

 

カトラスは刀を構えるとおう!、とこたえる。




最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
ドイツ全域で沸き上がる影獣の脅威に市民は大混乱。得体の知れないものと激突するシャナたち。果たして勝つのはどちらなのか!といった興奮を巻き起こすお話は乞うご期待の方針で。
次回は3/30更新予定です。今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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