灼眼のシャナ Ⅳ(リターン) 作:無明星
前回前置きが長々となってしまったので、今回は手短にさせて頂きます。
さあ、そろそろ本編へ参りましょう。
『スタールチュロッセ』から10km圏内のところにある山小屋まで運ばれた2人、
「取り敢えず、ゆっくり休んでな。俺は茶でも淹れてくるわ」
と、サーレに言い残し奥の方へいってしまった。
ほんの30分前の話、あの影に殺されかけたあの時、目の前が真っ白に光った思ったら、激しい衝動音と共に遥か遠方で凄まじい音がした。何が起きたのか理解出来なかった。ゆっくりと目を開けてみると、ついさっきまで影のいた場所に1人の男が立っていた。そこからは、少々記憶が曖昧になっている。途中、意識が飛んだときもあった気がする。ただ確かなことは、あの影はこの事件と何らかの繋がりがあることと、そいつと対峙する存在と思われる男に俺達は保護されたということだけだ。しかし、これだけでも充分有力な情報であろう。だが、今はそれを本部に伝達する手段がない……。なぜなら、報告に使う道具一式を奴の攻撃を食らったときに、使い物にならないほど無惨な姿と変わり果ててしまったからだ。今すぐ戻ろうにも、キアラが目覚めない限り本部に戻ることが出来ない。ましてや、今この体で向かったとしても、途中で力尽きてしまう恐れがある。 そうなった場合、今度こそあの影に殺され兼ねない……。今は安静にしているのが賢明だろう。
かれこれ頭を整理していると、男が湯呑みを3人分持って戻って来た。
「ほれ、これでも飲みな」
と湯呑みに入った緑茶をサーレに手渡した。
「これはどうも。助けていただいた上に、お茶まで出していただいて……」
「気にするな!それに、そこまでかしこまる必要もない、もっと気を楽にしな。緊張は身体に毒だぜ?」
「では、お言葉に甘えて」
男は俺が腰掛けているソファーの真正面にある肘掛けつきの椅子に座り、右足を上にして足を組んだ。そして、湯呑みの緑茶を二口ほど胃に放り込み尋ねて来た。
「ところで、御前さんはあそこで何を?」
「ドイツの外界宿総本部跡地の調査だ。日本の外界宿から来た」
「なるほど……、因みにあんたの名は?」
「サーレ。〈鬼功の繰り手〉サーレ・ハビヒツブルグだ」
「〈絢の羂挂〉ギゾー。宜しく頼む」
「〈蒼麟の煌畫〉ハバルスキー、以後お見知りおきを」
「ルギー・クランクリットだ。〈激昂の衝拳〉と呼ばれている。宜しくな、サーレ!」
ルギーの容姿は髪が青く上下左右に跳ねている。サングラスを掛けていて瞳は見ることが出来ない。体型はサーレに似ていて、若干ルギーの方が筋肉質なくらい。服装はオレンジ色のシャツに上下黒ベースのジャケットを着ている。
そして、首に下げているメダルのようなものが、〈蒼麟の煌畫〉なのだろうと思いながら、サーレは緑茶を口にした。
……さて、どうしたものか……
今回の件の報告もそうだが、彼が何故あそこにいたのかが気になって仕方がない。直接聞こうにも、中々そういった空気でないような気がしてならない……。しかし、この沈黙が続くのも正直つらい……。
「ところで、は此処に1人で?」
「あぁ、此処には俺だけだ。まあ、誰も来ないってことはねぇがな」
そんなことを言うとちょっと自慢気に笑い声を放った。
なんだ、けっこう話しやすいな。そう思ったが故につい口が滑った。
「あんたは何で此処にいるんだ?」
「ん?」
あ、やっちまった……地雷を踏んでしまったかのような空気が漂った。俺は一瞬死を覚悟した。
皆さん、GWはどのように過ごしましたか?最大9日の休息、仕事をしてた人もいれば海外へ行った人もいるでしょう。しかし、どちらもトラブルに注意したことでしょう。GW明けのこの時期も『サーレ』たちのようなトラブル(そんなに起こらないと思いますが……)に巻き込まれないようにお気をつけてください。
次回は6/5とさせて頂きます。最後まで読んでくださりありがとうございました。引き続き、『灼眼のシャナⅣ(リターン)』を宜しくお願いします。