灼眼のシャナ Ⅳ(リターン) 作:無明星
今回はバトルシーンを書きました。しっかり書けているかちょっぴり心配です。皆さんに伝わるように努力したので暖かい気持ちで読んでいってもらえると有りがたいです。
それでは本編をお楽しみください。
無数に湧いてくる影を次々と倒していく。大して強くないので1体を倒すのにそこまで苦労はしないが、数が数だけに苦戦を強いられる。
「チッ!こいつらどんだけ出てくんだよ!」
道に迷っていた彼は近寄る影を刀で凪ぎ払いながら愚痴をこぼす。だが確かに厄介だ。このまま潰していくだけではきりがない。
「もしかしたらだけど、親玉っぽい奴を倒せばこの状況を打開できないかな?」
「他に策はないし、それが最善策だな」
「うん。じゃあ、それで行こう!」
悠二の案に他の2人も賛同する。多分、この状況下ではその方法が妥当だろう。あたりを見回し、親玉らしき奴を探す。
「あいつじゃねぇか?こいつらの中で存在の力が頭ひとつ抜けてるぜ」
そう言った先には他の奴より実体がはっきりしていて、見た感じ熊に似た姿をしている。その右手には鋭い刃を両端に備えた斧がある。刃の部分は縦30横45厚さ2.5センチで刃は鉄の塊の中心から半径22.5センチの弧を描いている。柄は75センチくらいだ。
先に奴の懐に飛び込んだのは刀を振り回す彼だ。親玉影が振り下ろす斧を刀一本で弾き返す。奴にほんの少し隙が生まれるが彼もまた隙が出来ている。おそらく、あの攻撃はかなりの威力があり、まともに食らえば真っ二つにされるだろう。
「おっも!化け物かよこいつ!」
1人でどうにか出来る相手ではない。悠仁はそう思った。
「シャナ!僕たちも行こう!」
「言われなくても!」
悠二たちも親玉影と交戦を開始する。3人がかりでやっと攻撃が届くくらいだ。奴は攻撃は単発で1パターンだが、それをカバーするだけの攻撃力がある。さらには体力も桁外れに高く、奴を倒す前に3人が先に潰れそうになる。そして、決着が着いたのはそれから10分後のことだった。
奴は力無く地面に倒れ込み、ズシンと重々しい音と衝撃を放つと体がみるみる透けていき、終いにはその姿は無きものとなった。
あとに残った影は攻撃を止め、親玉影を追うように薄っすらと姿を消していく。
「あ~、疲れた……あんな化け物とは二度と戦いたくねぇ」
「同感ね」
「まったくだよ……」
3人とも地面に座り込み一息つく。
「しかし何者なんだ?やたら強力だったが正体については一切情報なしときた」
「確かに……一体何者なん……」
「あれ?カトラスじゃねぇか!」
悠仁の言葉を遮った声の主は彼らが通って来た道の方にいた。
「ルギー!?なんだ、来てたのか」
カトラスと呼ばれた彼は久しぶりに友人に会うかのように返事を返す。悠二とシャナは彼の名がカトラスだということを今この瞬間、初めて知った。名前を聞くタイミングならいくらでもあったが、話に夢中になっていたり、それを見て嫉妬したりとすっかり忘れていた。そして同時に自分たちも名乗っていなかったという現実が2人の脳に痛々しく突き刺さる。
「そういえば、まだ名前言っていなかったね。僕は坂井悠二、よろしく」
「シャナよ、そしてこっちがアラストール」
「アラストール、『天罰神』といえばわかるであろう」
悠仁たちが自己紹介すると彼もまた、忘れていたという顔した。
「俺はカトラス。よろしくな!悠二、シャナ、アラストール」
彼も自分の名を語る。そして、しばらく彼は硬直状態になった。何か記憶を探っているように見える。
「悠二?あんたが、坂井悠二?」
「そうだけど……」
そう答えると彼は唖然としていた。何度か目を擦り、頬をつねり、何度も悠二の顔を睨み付ける。
「えぇぇぇぇぇぇ!?あんた、〈廻世の行者〉なの!?本物!?」
彼は目を飛び出させ驚いた。さっきまで地に足をつけていた彼からはとても想像もできない。
「ってことは、あんたが〈炎髪灼眼〉か!俺、あんたたちに会いたかったんだよ!」
彼のテンションはやけに上昇している。いや、今も上昇し続けている……この瞬間、2人はこう思っただろう。
『『なんか、面倒くさそうだな……』』
最近、なにかと忙しくなり大変な時期に差し掛かってきているので、投稿日を少々遅らせる予定ですのでご了承ください。しかし、そんな大変なことも吹き飛ばす勢いで戦いはますます激化していきますのでこれからもよろしくお願いします。
次回は9/10投稿予定です。最後まで読んで下さりありがとうございました。