結月ゆかりがISの世界で仮面ライダーになるようです。   作:海棠

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前回のあらすじ
 侵入してきた黒いIS。それは何と無人機であった。それをハーゼのスキャンで知った結月ゆかりは容赦ない一撃を叩き込んでいく。その時、篠ノ之箒が余計な騒音を起こしたおかげで織斑一夏はシールドエネルギーを削られてしまう。そして破壊した結月ゆかりは篠ノ之箒を責め上げるのであった。



「IS適性【B】なのにM.R.Sに乗る子か~。ンフフフフ、束さん興味持っちゃったな~」


11話『遭遇』

「え? このままじゃ学年対抗トーナメント戦に間に合わない、ですか?」

「うん、このままじゃぎりぎり間に合わないの・・・。どうすればいいと思う?」

「どうすればいいと思うって言われましてもねぇ・・・、私は技術者じゃないですからホントはどうしようもないんですけど、友達ですからねぇ。手ぐらいはあなたに差し伸べたいんですよ」

「その気持ちはすごくうれしいよ」

私たちは腕組みしながら話し合います。

 

「・・・あれ? そういやクラス対抗戦までには間に合う計算でしたよね」

「・・・そうだったね」

「・・・ところで」

「?」

「・・・今どこまで進んでるんです?」

「・・・一から作り直してるから一応骨組みまでは・・・」

「ちょっと待ってください。今すごく聞き捨てならない言葉が出ましたけど」

すると簪ちゃんは申し訳なさそうに笑うと舌を出して呟いた。

 

 

 

「・・・てへっ」

 

 

 

どうしましょう。すごく今ビンタしたくなりました。

 

「なんで作り直してるんですか?」

「・・・ゆかりさんを見てたら全身装甲(フルスキン)のほうが安全かなーと思って・・・」

「あ、これ私のせいなんですか?」

「ほかにも理由はあるよ? シールドエネルギーを無視する攻撃を防げるんじゃないかなーと思って」

「あー、それには一理ありますね。・・・で、作れるんですか?」

「間違いなく機動力は下がるけどなんとか・・・」

「機動力下がるのはだめですよ。確かに守りを固めることは大事ですが動きが遅かったらいい的ですからね」

「う、うん。そうだよね・・・」

「で、もう骨組みまではできてるんですよね?」

「うん」

「少し見せてくれませんか?」

「いいよ」

そう言いながら簪ちゃんはPCにディスクを入れた。

 

 

 

割愛。

 

 

 

「あー・・・、これくらいはできてるんですか」

「うん。一応装甲をつけたらこんな感じになるというプロットはできてるの。だけど、このまま組み立てたら間違いなく機動力は劣悪になるし…」

「・・・ところで」

「?」

「なんか変形しそうな造形ですよね」

「バイクとかに?」

「電人ザボーガーですか?」

「むしろ宇宙鉄人キョーダインとか?」

「ろーちゃんもバイクに変形できますよ」

「ホント?!」

「あるカード使えば、ですが。ところであなたのISって今はどこに所属しています?」

「前は持倉技研だったんだけど、私から願い下げたから今は多分どこの企業にも属してないはずだよ」

「なんで願い下げを?」

「私のISを途中放棄してそのまんまだもん」

「ああ、成程」

・・・ん? 待ってくださいよ? それなら・・・。

 

「それなら逆に好都合ですね」

「なんで?」

「もしかしたら事情を話したら私の所属している企業なら手伝ってくれるかもしれません」

「ホント?! ・・・あれ?」

「ん? どうしました?」

「・・・さっき、企業に所属してるって言ったよね?」

「ええ、言いましたね」

「・・・どこに所属してるの?」

「・・・」

痛いとこ突かれましたね・・・。

 

「・・・さすが簪ちゃんですね。そこに気づくとは・・・」

「で、どこの企業なの?」

「ZECT」

「え? でも…」

「ZECT」

「あそこISじゃなくてM.R.S・・・」

「私のあれ、ISじゃないですもん」

「・・・え?」

簪ちゃんは目を丸くしながら口をぱっくりと開けていた。

 

・・・あー、説明してなかった私が悪かったかなぁ。

 

 

 

 

次の日。

 

 

 

 

今日は休日です。そして私たちは街の郊外を歩いております。

「・・・で、どこ行くの?」

「ZECT本社」

「え」

「なんで『なんで?』みたいな顔してるんですか? 昨日『もしかしたら事情話したら手伝ってくれるかもしれない』って言ったじゃないですか」

「え? それって前日に言うものじゃないの?」

「そんなこと私が知るか」

「なんで?! なんでひらきなったの?!」

そんな会話をしながら途中で私たちはとある大きなビルの前で立ち止りました。

 

「? どうしたの?」

「着きましたよ」

「ウェ?」

「はい、ここです」

私が上を指さすとそこには【ZECT】と書かれた看板が!

 

「入りますよ」

「ゑ」

「着いてきてください」

「いやちょっと待って事前に連絡入れとかないとダメじゃないいやその前にこんな見切り発車みたいな状態で何で今まで生きてこれたのいや昔はそうじゃなかったかもしれなかったかもしれないけどなんでそんなにフリーダムなの」

「すいませーん。結月ゆかりでーす」

「話聞いてよ」

「やあ、久しぶりだね。結月君」

するとロビーの奥から見たところ40代の男性がやってきた。

 

「あ、お久しぶりです。結城さん」

「うん、いつも通り目が死んでるね。ところで、後ろの子は?」

「ああ、この子のISを作ってほしいんです」

「いや、その前に名前をだね・・・」

「ああ、そういうことですか。ほら、簪ちゃん。自己紹介」

「フリすごく雑じゃない? まあ、いいけど。・・・更識簪。結月さんのクラスメートしてます」

「ああ、初めまして。僕の名前は結城丈二。M.R.Sの開発者さ」

「あ、あなたが・・・M.R.Sの、開発者…」

「そんなにかしこまらなくても」

「というわけで結城さん」

「?」

「この子のISを作ってほしいんです」

「うん、何がどうしてそうなっちゃったかな?」

「実は・・・」

 

 

 

事情説明中…

 

 

 

「…ということでして」

「なるほど。で、そのISのデータは?」

「・・・ここにあります」

「ああ、これかい。わかった。ついてきてくれ」

「はい」

 

 

 

しばらくして。

 

 

 

「なるほど、ねぇ…」

モニターにうつされた情報を見ながら結城さんはつぶやいた。

 

「で、結城さん」

「あぁ。できるかどうか、だね?」

「はい」

「できるよ」

「「ホントですか?!」」

私たち二人は少し身を乗り出して大きな声で言った。

 

「ああ。この子の作ったデータが非常に完成度が高くてね、実を言えばこのまま組み立ててもいいくらいなんだ」

「ですけど・・・」

「機動力や燃費の問題がある、だね?」

「はい」

「安心してくれてかまわない。装甲はZECT製のものを使うし出力や機動力は昔私が開発していた特性ブースターを改造して取り付けよう。それだと燃費も格段に良くなるはずだ」

「…何日くらいかかりますか?」

恐る恐るという風に簪ちゃんは結城さんに訊いた。

 

「さっき言った機材は全て手元にあるから今日中に完成するよ。なんならデータにある武器もこちらが作って装備させてもいいけど」

「い、いいんですか?」

「結月君の友達だからね。これくらいはしてもいいかな、って」

「…じゃあお願いします」

そう言いながらも簪ちゃんの顔はすごくうれしそうに輝いていた。

 

「結月さん」

「なんですか? 簪ちゃん」

「遊びに行こう」

「急にシフト転換しないでくれます?」

「ちょっと待ってくれ」

「?」

「これ持っていきなさい」

そう言いながら結城さんはケータイを簪ちゃんに渡しました。

 

「…ケータイ?」

「完成したらそのケータイに連絡するから」

「ああ、はい」

「じゃあしばらく遊んできていいよ」

「「はーい」」

そう言いながら私たちは出ていきました。

 

 

 

しばらくして。

 

 

 

「どこ行きましょうか」

「私g「チョーっとそこのチミ!」・・・」

私たちが奇声が聞こえたほうを向くと

 

 

 

なんかおかしな格好をした危ない女がいました。

 

 

 

「「・・・」」

私たちは思わず絶句してしまいました。

 

「はろはろ~」

そう言いながらその女は近づいてきました。私たちは思わず距離を保ちます。

 

「・・・誰、あの人? 知り合い?」

「あんな知り合いいたらもうすでに絶交してますよ。というより今すぐ通報したいですよ」

「というよりなんであんなにやたらとなれなれしいんだろ…」

「服装もおかしいですよ。見てください、あのメカのうさ耳。あんなもの見るのは初めてですよ」

「なにあの『不思議の国のアリス』から出てきたような恰好…。さすがの私でも少しひいちゃうよ・・・」

「(さすがの私でも?)ああいうのはシカトするのが一番いいんです。Let’s say あれは幻覚」

「Yes,あれは幻覚」

「よし、じゃあどこ行きますか?」

「ゲームセンター行きたい」

「よし、じゃあ行きましょうか」

「ちょいちょいちょーい! 君たちなんでこの束さんを確認したうえで無視するの? しかも幻覚扱いってなんだよふざけんな」

うわ、幻覚じゃなかった。そして簪ちゃんを見るとすごく嫌そうな顔をしていました。

 

「うわ・・・」「・・・チッ」

「その露骨に嫌そうな反応するのやめてくれない? さすがの束さんでも割と傷つくんだけど」

「勝手に傷ついといてください」「そうだそうだ」

「うわ、この子たち冷たい」

「暖かくする理由がないですからね」「うんうん」

「ちょっと君たちなんなの? まず『誰?』とか聞かないの?」

「ま、とりあえず通報ですね」

「うん」

「ストーーーーーップ! 君たち束さんを知らないね?!」

「知ってるわけないじゃないですかあなたみたいな変質者」

「へ、変質っ・・・!」

「ねぇ、さっさと通報してよ」

「はいはい、わかってます」

「だから待ってってば!」

「・・・うるさいな、コイツ」

「さっさとここを離れようよ」

そう言いながら私たちはすたすたと早歩きをし始める。

 

「ちょっと待って! うわ! 意外と速いね君たち!」

「あれは空耳です。気のせいです」

「うん、そうだね。・・・結月さん」

「なんですか?」

「たぶん私たち疲れてるんだよ。だからあんな変なものが見えちゃうんだ」

「そうですね。あんなおかしな格好している危ない女なんていまどきいるわけないですよね。口裂け女でもまだまともな服装してますよ」

「「アハハハハハハハハハハ」」

 

 

 

しばらくして。&視点変更

 

 

 

「ここなら追いつかれませんね」「うん」

そう言いながら結月ゆかりと更識簪は公園までたどり着いた。

 

「ちょっと・・・まっ、て・・・くる・・・しい・・・」

そして篠ノ之束にすぐに追いつかれてた。

 

「「チッ」」

「だからそんなに露骨に嫌そうな顔するの本当にやめてくれない? ガチで傷つくんだけど」

「人違いじゃないですか?」

「いーや! 束さんは君に用があるんだ!」

「・・・ゆかりさん」

「?」

「この人ニートなんだよ。だから服装も前時代的な服装になっちゃうんだよ」

「・・・あっ(察し)」

「違うよ! そんな憐れんだ目でこっちを見るな! これが正装だよ!」

「そんなにいい年こいて中二病患者とか、引くわ・・・」

「どうあがいても私はおかしな人扱いかな?!」

「いやなら服装かえてからこればいいじゃないですか」「うんうん」

「ぐぬぬ・・・、じゃあ質問していい?」

「・・・それくらいなら」

「(コクコク」

「ISのこと、どう思ってる?」

「・・・無限の可能性、ですかね? 人によって殺戮兵器にもなるし、宇宙に行くための翼にもなるし、競技用の道具にもなる」

「そうだね、そのt「ですが」え?」

「【IS】自体の紹介の仕方が仕方ですけどねぇ。はっきり言ってデモンストレーションがへたくそです」

「え?」

「そもそも【白騎士事件】自体間違いだったんですよ。・・・【篠ノ之束】さん」

「え?!」

「・・・いつ気づいてたの?」

「あなたに会った時から。私って意外と情報通ですからね。あなたのことも知ってるんですよ」

「そうなんだ。で、あの事件の何が間違いだって言うんだい?」

「じゃあよく聞いといてください。そもそもあなたは宇宙に行くためだけにISを開発した。それは私は知ってますし、その夢自体は認めましょう。だが、そんな夢は皆に理解されなかった。逆に鼻で笑われた。むかついたあなたは軍のミサイルをすべてハッキングして日本の空ですべて撃ち落とさせた。それが【白騎士事件】の真相だ。」

「そう、だったんだ・・・」

「・・・」

更識簪が呆然としたようにつぶやく。そして篠ノ之束本人はにらみつけるように結月ゆかりを見ていた。

 

「ですが、犠牲者0というのは大嘘です」

「「え?」」

「実際にはミサイルの破片でたくさんの人が大けがしたり、死んだりした。家族を失った人もいた。そんな情報すべてを政府が握りつぶしただけで。そしてさらには織斑千冬をモンド・グロッソから引きずり落とす、・・・いや、勝たせないようにするために織斑一夏は誘拐された。あの時、ドイツZECT第3部隊がもう少し遅れていたら死んでいたかもしれないんですよ。

・・・あなたは、何を思ってあの時ミサイルをすべて撃ち落とさせたのか、今、説明してもらえますか?」

「・・・許せなかったんだ」

「聞こえませんよ」

「許せなかったんだよ!」

束が叫んだ瞬間、雨が降り始めた。

 

「私の夢を鼻で笑ったやつが許せなかったんだよ! 自分たちだけじゃ何にもできないくせして! 私の世紀の発明を理解せずに鼻で笑うやつらが!」

「だったら理解されるまで言い続ければいいじゃないですか」

「そんなことしてて何になる! 結局無駄なんだよ!」

「じゃあ、あなたの培ってきた努力も無駄なんですか?」

「・・・それは」

「・・・あなたにも理解者がいたから理解されないことに余計にむかついたんじゃないんですか?」

「・・・」

「少なくとも私は理解してますよ」

「え・・・」

「私は理解してますよ。あなたの【夢】」

そう言いながら彼女はフッと笑って雨が降る空を見上げた。

 

「不思議ですよね、【夢】って」

「?」

「追っかけてる間はすっごく熱くて、終わったら急に冷めちゃうんですから」

そう言いながら彼女は束を見た。その目に光はともっていなかったが驚くほどまっすぐで、さすがの束もたじろいでしまった。

 

「質問、していいかな?」

「どうぞ」

「なんでM.R.Sを使ってるの? あなたの適正ならISに乗っても大丈夫じゃん」

「・・・嫌なんですよ」

「え?」

「嫌な思い出がよみがえるんです。それにISはもともと宇宙に飛ぶための翼です。そんなものを戦いに使いたくないんですよ。・・・ま、結局は私の一人よがりみたいなところはありますけど」

「そう、なん、だ・・・」

そう言いながら束がうつむくと同時に誰かのケータイが鳴った。

すると更識簪が先ほど結城丈二からケータイを取り出すと応答する。

 

「あ、はい。もしもし」

『ああ、簪君。君のISが完成したんだ。早く帰ってきてくれ』

「ああ、はい。わかりました。帰ろう、結月さん」

「え? ・・・ああ、そういうことですか。ハイ、簪ちゃん」

「・・・」

結月ゆかりは更識簪に手をつながれてその場を後にした。そんな光景を一人寂しそうに篠ノ之束は見ていた。

天気はいつの間にか雨がやみ、空には虹がかかっていた。

 

 

続く




おまけ≪カード編≫
【Cockroach】
10秒間加速するカード。要するにアクセルフォーム。




次回の『結月ゆかりはISの世界で仮面ライダーになるようです。』は!


「シャルル・デュノアです」
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

「認めんぞ、お前が教官の弟など!」

「わが魂はぁああああああああ!!!!」

「こっち来ないでください」


次回、『疑惑』
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