結月ゆかりがISの世界で仮面ライダーになるようです。   作:海棠

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前回のあらすじ
 始まったタッグトーナメント戦。その第一試合でラウラ・箒ペアと一夏・デュノアペアは勝負することとなった。
 そしてとどめの一発を叩き込まれた時、ラウラのISは黒く溶解し、彼女を飲み込んでいった。
そしてそれは、禁断のシステム、"VTシステム"だったのだ。










前回、次回予告を『模倣』だけにしていたのですが、それだけだとあまりにも短かったので続けて書くことにしました。そこのところをご了承ください。
では、始まります。





15話『模倣』『真実』

『模倣』

 

 

 

「放せ! 俺がやるんだ!」

「だめだよ! 今のシールドの残量で何ができるのさ!」

 

私たちがシールドを突き破って中へ侵入するとそこにはなぜか雪片弐型をもって生身で突撃しようとしている織斑さん(バカ)とそれを必死になって羽交い絞めして止めているデュノアさん(男装スパイ)がいました。

 

『…何してるんですか?』

「ああ、聞いてよ結月さん! 織斑君がボーデヴィッヒさんが急に変形したと思ったら狂ったように攻撃しようとするんだよ?! そして僕たち解除されちゃったんだけど、それでも話聞かなくて…!」

『・・・ふーん』

「興味なさげ?! まるで他人みたいに!」

『他人事ですからね。・・・デュノアさん』

「な、なに?」

『そのまま羽交い絞めしていてください』

「う、うん」

『・・・フン!』

「ゲブゥ?!!」

「え?!」

私は軽めに(力入れたら首の骨が折れる可能性があるため)織斑さんを気絶させるためにビンタしておきます。

 

「な、なにするんだよ!」

『あら、気絶しなかった。意外と頑丈ですね。・・・まぁ、一つ言わさせてもらいますがあなたの今の状態で何ができるんです? ISもろくに展開できないような状態のあなたで一体何ができるんです?』

「それでも俺がやるんだ! あの武器は千冬姉ぇのものだ! 俺がやらなきゃダメなんだ!」

『そんな理想をかかかげてるから弱いままなんですよ。理想主義のおぼっちゃまくん』

「なんだと?!」

『お前たちはそこで黙って見てろ。デュノアさんはそのまま抑えててくださいよ。邪魔されても困りますし』

私は二人にそう言うと簪ちゃんの隣に立ちます。どうやらまだ攻撃はされていないみたいです。

 

『簪ちゃん』

『なに?』

『やりますよ』

『うん』

すると簪ちゃんは右手に持っているZECT製マシンガンを構える。

 

『簪ちゃんは後方から援護をお願いします』

『うん』

『私が近距離を務めますから。・・・というわけでちょっと借りますよ』

「あ、ちょ!」

私はそう言いながら織斑さんから雪片弐型をパクると一気に詰め寄った。

 

「俺の武器勝手にとるなよ!」

『武器を召喚していた、お前が悪い・・・。よっと』

そんなことを言いながら攻撃をよける。そして切り付けると普通に防がれた。・・・なるほど。

 

『やっぱり織斑先生は伊達じゃないね・・・!』

『そういうことです』

簪ちゃんが言いたいことを言ってくれたので私は剣でお互いを押さえつけながらそれに同意しておきます。

・・・ま。

 

『剣だけで勝負するとも言ってませんけど、ね・・・!』

私はそう言いながら思い切りどてっ腹に蹴りを入れておく。すると少しのけぞった。

 

『やっぱりこれくらいじゃくたばらないですね』

『ゆかりさんは織斑先生を何だと思ってるの?』ズダダダッ

『その質問はしないでください』

『ああ、うん・・・』

そんなことを話しながらも簪ちゃんは空を飛びながらマシンガンで完璧なサポートをし、私は肉薄し続けていた。

 

『・・・クソが』

私は思わず悪態をつく。

 

『どうしたの?』

『こいつハーゼちゃんをいじらせてくれないんですよ』

『じゃあ、必殺技発動できないの?』

『ええ、結構面倒な動きしますね。こいつ』

そう言いながら私は軽く舌打ちする。

何故必殺技が発動できないのか。ハーゼちゃんをいじろうとしたら思いきり踏み込んで斬りかかってくるので発動しようにも発動できないのが現状ということです。こいつ、わかってやがる・・・!

 

『簪ちゃん』

『なに?』

『数秒間でいいですから何かこいつの気を散らすこととかできません?』

『一応できるよ』

『じゃあお願いします』

私がそう言うと簪ちゃんはボーデヴィッヒさんの後ろに回り込んでマシンガンと左腰に装備していたクナイガンを持って構えるとすごい勢いで撃ち始めた。

するとさすがにうっとおしかったのだろうか。簪ちゃんの方を向くとそっちに突っ込もうとした。

 

『させるか』

私はそう言いながら雪片弐型をボーデヴィッヒさんに投げつける。彼女はそれを振り向きざまにはじくと今度はこっちに突っ込んできた。ちなみにはじかれた雪片弐型は壁に突き刺さりました。

 

「おれの雪片がぁ!」

なにか織斑さんがわめいていますが無視です。

 

『この時を待っていた』

私はそうつぶやくとゼクターレバーPを倒してすぐに戻すと走り出します。

 

【Rider_Punch!】

 

私は一閃をジャンプしてよけると飛び込みざまに顔面にパンチをくらわした。

すると顔面の部分が欠けてそこからボーデヴィッヒさんの顔がのぞいた。

 

「ラウラ!」

「ボーデヴィッヒさん!」

「あ・・・」

『おい、貴様』

私はボーデヴィッヒさんに問う。

 

『生きたいか?』

するとボーデヴィッヒさんは泣きながら言う。

 

 

 

「生き・・・たい・・・!」

 

 

 

よし、なら話は決まりだ。

 

「たす・・・けて・・・」

『任せろ。今から助けてやる』

私は再び黒いものに飲み込まれるボーデヴィッヒさんの腹に思いきり蹴りを入れる。

そして彼女が後ろにのけぞったのと同時にゼクターレバーKを作動させる。

 

『ライダージャンプ・・・』【Rider_Jump!】

 

私は跳びあがると再びレバーを作動させる。

 

『ライダーキック・・・!』【Rider_Kick!】

 

私は彼女が振り回している剣を蹴りはじくともう片方の足で彼女自体を蹴り飛ばした。

すると彼女はごろごろと地面を転がった。そして再び立ち上がったその時、黒い外殻がひび割れてボロボロと崩れ始めた。

その外殻が完全に崩れ去ると意識を失ったボーデヴィッヒさんがその場に倒れました。・・・ふぅ。

 

『一件落着ですね』

『そうだね』

「オイ待てよ!」

私たちが立ち去ろうとしたその時、織斑さんが声をかけてきました。なんか怒ったような感じですが、どうしたんでしょう。というより簪ちゃんがすごく機嫌が悪いですね。全身装甲からでも機嫌の悪さがわかります

 

『どうしたんですか?』

「もしもあの時ラウラが"助けて"って言わなかったらお前どうしてたんだよ?!」

『殺していたでしょうね、あのVTシステムもろとも』

「なんでそんなことできるんだよ! 同じ人間だろ?!」

『生きる気力がないやつを助けても、仕方がないだろう』

「で、でもよ・・・!」

『そもそも』

そう言いながら私は少しため息をついて言った。

 

 

『私は弱い者の味方ではありません。生きたいと願う者の味方です』

 

 

「ど、どういうことだ?」

『・・・この世界で最もしてはいけないことはなんだと思いますか?』

「・・・殺人、か?」

『いえ、違います。それよりもっと単純なことです』

すると全員が押し黙った。

 

『・・・こんなこともわからないんですか』

私はあきれたようにつぶやくとマスク越しに頭に手を当ててやれやれというポーズをとった。

 

 

 

 

『生きることをあきらめることです。そんな人間は生きてても死んでいることと変わらない』

 

 

 

 

すると織斑さんは叫びました。

「そんなことねぇ!」

『じゃあお前は家族を失って生きることに絶望し、あきらめた人に生きろというのか。それがどれだけ残酷かも知らずに…!』

「・・・!」

『私はボーデヴィッヒさんがあの時"生きたい"と言ったから助けた。ただそれだけです。あと』

「?」

『もう少し考えてからものを言え。・・・帰りますよ、簪ちゃん」

『うん」

私たちは変身を解除しながらその場を後にしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『真実』

 

 

 

「・・・で、話してくれませんか?」

私たちは織斑先生に詰め寄っていた。

 

「・・・なんのことだ」

「ボーデヴィッヒさんのことです。あそこまであなたに執着していたのには何か理由があるからです。それに」

「?」

私は一拍おいて言った。

 

「・・・あの子、普通の子じゃないですよね?」

「・・・なぜそう思う」

「あの眼帯です。何かけがを隠しているようには見えませんでしたから」

「・・・わかった。話そう」

すると織斑先生は何か覚悟したような目つきになって言った。

 

「・・・ラウラは、試験管ベビーなんだ」

・・・やっぱりか。

 

「・・・それで、なぜあなたに執着する理由になるんですか? ・・・まぁ、なんとなく予想できてますけど」

「ラウラは生まれてから様々な実験につき合わされた。そこまではよかったんだ」

良くねぇだろ何言ってんだコイツ。

 

「・・・ISが生まれるまでは」

またか、またこのパターンか。もううんざりだ。

私はこめかみが痛くなったような感覚に襲われた。私は少しこめかみ部分をおさえる。多分私は今すごく嫌そうな顔をしているんだろう。

 

「ISがあいつを変えたんだ。いや、変えられたんだ。あいつはそれで"落ちこぼれ"の各印を押されたんだ」

「そんなときにあなたが来た、と…?」

「ああ、その通りだ。私はラウラに様々なことを教えた」

「・・・」

「だが、今回のようなことが起こってしまった・・・」

そして織斑先生はつらそうな顔をする。それがあの雨の中自分の思いを吐露した束さんと重なって見えた。

だからこそ、私はこう言おう。

 

「あなたのやったことは間違いではありませんよ、織斑先生」

「・・・なに?」

「あなたのおかげでボーデヴィッヒさんは救われたんでしょう。ですが、あの時言ったように先生の存在があなたの中で大きすぎたんではないでしょうか?」

「・・・」

「それはあなたのせいではありません。あなたを目標にして振り切れなかった彼女が悪い。ですが、それでもあの出来事はあの子のせいじゃない」

私はそこでいったん言葉を切って、再度口を開く。

 

「"力こそがすべて"、"完璧こそが至高"という強迫観念めいたものを彼女に押し付けた上にあまつさえ彼女の心に付け込んでVTシステムを勝手に搭載した女尊男卑主義者(ボンクラ)及び織斑先生妄信者(能無し)の連中が悪いんです」

「・・・」

「じゃあ私たちはこれで」

そう言いながら私たちはその場を去ろうとする。

 

「待ってくれ」

「なんでしょう?」

「私は、どうすればいい?」

「自分で考えてください、と言いたいですが」

「え」

なんですか、簪ちゃん。そんな意外そうな顔して。

 

「ここまで来たら乗り掛かった舟です。それにここで帰ったら後味が悪いですからね」

私はそう言いながら少し微笑む。

 

「キッカケを作ってあげればいいんです。それさえあれば彼女は変われるでしょう」

「そういうものなのか?」

「いつもの先生はどうしたんですか? そんなに自信なさげな先生なんて私初めて見ましたけど。ま、変われますよ。彼女がそれなりの努力をしたら、ですが」

「・・・」

「彼女はとても幸運です。彼女が変わろうと思えば変われる環境がここには存在します。世界中でも彼女と同じような境遇に置かれた人が多数います。その中でも彼女は幸せ者です。なぜなら、再度言いますが彼女には変われる環境がすぐ目の前にありますからね。変わるかどうかは彼女次第、ですが。じゃ、今度こそ私たちはこれで」

そう言いながら今度こそ私たちはその場を後にしました。

 

「ゆかりさん、今日の晩御飯は何にするの?」

「今日は野菜中心にしますよ」

「えー」

「好き嫌いはだめですよ」

 

 

 

 

視点変更。

 

 

 

 

「はっ!」

「目が覚めたか?」

ラウラ・ボーデヴィッヒは、保健室のベッドで目覚めた。

 

「きょ、教官?!」

「ああ、今来たところだ」

織斑千冬はラウラのいるベッドのふちに腰かけながらそう答えた。

 

「お前のISからVTシステムが検出された。そして作動した。その時のことを覚えているか?」

「・・・はい、覚えています」

そう言いながらラウラはうつむいた。

 

「私が、望んだからですね・・・」

「ラウラ、お前はいったい、何のために生きている?」

「え?」

「お前は何のために生きている」

「私は…」

彼女は困惑した。今まで力のために生きてきたつもりだった。しかし、その力の末がVTシステムだというのなら、その力は否定されたことになる。なぜなら、それを打ち破った人物がいるからだ。

 

結月ゆかり。

 

彼女は強かった。自分よりも強い"何か"を持っていた。だが、その"何か"が彼女にとっては未知のものであった。

 

「なら、ヒントを教えてやる。お前はラウラ・ボーデヴィッヒだ。違うか?」

「いえ、違いません!」

「私にはなれない。いいな?」

「は、はい!」

「生きる意味を持ちたいか?」

「はい!」

この時、彼女の脳裏にあの時の光景が思い出された。

 

 

 

『生きたいか?』

 

 

 

あの全身装甲をまとった彼女が自分にそう質問してきた。そして自分は

 

 

 

『生き・・・たい・・・!』

 

 

 

そう答えた。その言葉に嘘は一切ない。あの時、本当に"生きたい"と願ったのだから。

今考えてみればこのことも含めて自分に訊いてきたのかもしれない、とラウラ・ボーデヴィッヒは人知れず思った。

 

「だったら、私以外の誰かに自分からついていったらどうだ」

「え・・・?」

「結月ゆかり。あいつは誰も追いかけてないが、強いぞ。ある意味では私よりも強い」

「教官、よりも、ですか・・・?」

「ああ。私が導き出せなかった答えをもう見つけていた」

「・・・」

「ま、少なくともこれは助言だ。鵜呑みにはするな」

「・・・はい」

そう返事するのを聞くと織斑千冬は満足そうにうなずいてそのまま出ていった。

 

 

 

 

視点変更。

 

 

 

 

「お疲れー」

「なんでいるんですか・・・」

私たちが部屋に戻るといつの間にか束さんが居座っていました。そしてボーデヴィッヒさん似の人も。

 

「で、こちらの方は?」

「あ、そうだったそうだった。さ、くーちゃん自己紹介して」

「はじめまして、クロエ・クロニクルです。よろしくお願いします」

「・・・試験管ベビーですか?」

「ご名答。あの子と同じ試験管ベビーだよ」

「どこで手に入れたんですか?」

「・・・今から数年前の話なんだけどね。試験管ベビーを製造している工場があったんだ。そこをつぶすために私は乗り込んだんだよ。・・・だけど遅かった」

「遅かった、とは?」

「中がずたずたに壊されてたんだよ」

「・・・どんな風に、ですか?」

「保護液が床にまき散ってて、ほとんどの赤ちゃんが床に投げ出されていた。中にはそうじゃなかったのもあったけど、何か撃ち抜かれたようにぐしゃぐしゃになっていたよ」

「・・・そんなこと、いったい誰が」

「監視カメラの映像も見ようとしたけど全部データが破損してて見れなかったよ。そして研究員も全員殺されてた。この子の仲間もいたんだけど、この子を残して全員殺されちゃったみたいで」

「なんでその子だけ生き残ってたの?」

「隠れてたんだよ。・・・再度聞くことになるけどどんな姿の奴か、覚えてないの?」

束さんがクロエさんに尋ねる。

 

「覚えてません・・・。私もあの時の記憶があいまいで・・・」

クロエさんは少しつらそうに答えた。

 

「じゃあ、私たちも自己紹介しましょうか」

「うん」

「私の名前は結月ゆかりです」

「更識簪、です」

「そしてこの子が」

私はそう言いながらデッキからカードを一枚抜いて床に投げる。するとそこからろーちゃんが召喚された。

 

「ろーちゃんです」

「「?!」」

「ろーちゃん」

『?』

「今から晩御飯作りますから手伝ってください」

『…(コクッ』

「ゆかりさん、私も手伝う」

「あ、はい。ありがとうございます」

「え?! なんでかんちゃんびっくりしてないの?!」

「慣れたから」

「慣れちゃったの?!」

そんなことを言いながら作った晩御飯はすごくおいしかった。

 

 

 

 

次の日。

 

 

 

 

次の日の朝、教室に入るといの一番に月影さんが話しかけてきた。

「結月ちゃん、大変だったらしいじゃない! デュノアちゃんから聞いたわ!」

「ああ、大丈夫でしたよ。簪ちゃんのおかげです」

「なら、今度3人で出かけないかしら。私から日頃のお礼がしたいわ」

「いいんですか?」

「ええ、友達じゃない」

「じゃあお言葉に甘えて」

そんなことを話してるうちにいつも通り織斑先生と山田先生が入ってきた。私たちはいつも通り席に座った。

 

「……えっと…今日も皆さんに、嬉しいお知らせがあります…」

なんか歯切れが悪そうに山田先生は言った。

 

(ああ、成程。そういうことか)

(結月ちゃん、察したのね。私もだわ)

(こいつ、直接脳内に…!)

私が月影さんを見ると月影さんはこっちを見てピースサインをした。この人も気づいてたのかな。ちなみに月影さんは私の隣です。

すると廊下からデュノアさんが入ってきました。スカートをはいて(・・・・・・・・)

 

「シャルロット・デュノアです。改めて皆さん、よろしくお願いします!」

『『『え?』』』

全員の目が点になりました。いや、皆さん気づいてなかったんですか・・・。

 

「え? え? どういうこと?」

「つまり…デュノアさんは、実は女の子で…」

困惑する皆さんに対して山田先生は歯切れが悪そうに言った。

 

「えッ!? それってつまりデュノアくんは今まで男のフリをしていたって事ですか!?」

この発言を皮切りにして教室が騒がしくなった。

 

「お、織斑くんは知ってたの!? デュノアくんの正体についてッ!」

「そ、それは・・・」

おい、もたもたせずにはっきり言えや。もう弁解の余地もないだろうが。

 

「……あれ? そう言えばおとといって、確か大浴場は男子が貸し切りで使ってたわよね?!」

「えッ!? じゃあもしかしてデュノアくんが、織斑くんと一緒のお風呂に入ったりなんて事が!?」

『『『キャーーーーーッ!!!』』』

沸き立つ教室。するとその時、廊下に続くドアがぴしゃんと開いた。

全員がドアの方を見る。するとそこにはものすごく不機嫌そうな顔をした凰さんがいた。どうやら話をかぎつけてきたようですね。・・・あれ?

 

「今って、ホームルームでしたよね・・・?」

私のそんな言葉をよそに彼女は織斑さんの席までずかずかと歩いていきます。そして彼の席の前に立つと不機嫌そうな顔と声で言いました。

 

「たって」

「え?」

「たって」

「え、でも」

「たて」

「あ、はい」

そして彼がたったのを確認すると一歩踏み込んで思いきり頬にビンタしました。

 

「げぼぉ?!!」

「このド変態!!」

そう叫ぶと彼女はそのままずかずかと歩いて出ていきました。季節外れの紅葉が彼の頬に出来上がりました。

 

「いいビンタだ、感動的だな。しかも有意義だ」(^U^)

「俺にとっては有意義じゃねぇよ!」

私がとてもいい笑顔でそう言うと織斑さんはそう言い返してきました。

 

するとボーデヴィッヒさんが入ってきました。そして私の席にまで歩いてきました。

「なんですか? 仕返しなら受け付けませんよ」

 

 

 

Mutter(おかーさん)

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?

思わず硬直している私をよそに周りは話し始めます。

「今、ラウラさんなんて言ったの?」

「確か、今の聞き間違いじゃなかったら今ラウラさん、ゆかりさんのことを"お母さん"って」

「ええ?!」

「・・・ハァ?!」

私は思わず立ち上がりました。

 

「なんで私が"おかーさん"なんですか?!」

「我がシュヴァルツェ・ハーゼの副隊長から聞きました! 自分の目標にしている女性のことを"おかーさん"って日本では言うと聞きました!」

「副隊長さん何教えてるんですか?!」

「というわけでおかーさん!」

「わたしはおかーさんじゃありません。結月ゆかりです」

「え・・・」

「・・・あーもう見るな! そんな捨てられた子犬みたいな目でこっちみんな! そして周りもニヤニヤしてこっち見るな! 月影さんも何にやついてるんですか!」

「いや、結月ちゃん」

「なんですか?」

「顔、紅くなってる上ににやついてるわよ?」

「は、はぁ?! あ、紅くなってませんしにやついてませんよ!」

「おかーさん、どうしたんですか?」

「だから・・・あーもう!」

私は髪をガシガシして荒いため息をつくと言います。

 

「あーもう、なんでこんな面倒なことに巻き込まれるんですかね、私は」

「・・・で、おかーさん。ダメでしたか?」

「まだ引きずるかソレ。・・・あー、いいですよ」

「え?」

「おかーさんって呼んでいいですよ! 言わせんな恥ずかしい!」

「はい! おかーさん!」

すると周りがヒューヒュー言い始めた。ああ、もう、やかましい!

 

 

続く




試験管ベビーを壊滅させた犯人は今までをしっかりと呼んでたら大体わかると思います。





次回の『結月ゆかりはISの世界で仮面ライダーになるようです。』は!


「そういえば近いうちに臨海学校がありましたね」

「水着買いに行こうよ」

「アレ? デートしてたんじゃなかったんですか?」

「天道さんが言っていた・・・」


次回、『買物』
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