結月ゆかりがISの世界で仮面ライダーになるようです。 作:海棠
臨海学校に訪れた一同。そして月影京水と更識簪が手を組んで結月ゆかりを脱がせると彼女の服の下は傷だらけだった。
そして夕食でクジラの肉を食べたのであった。
次の日、私たちは収集させられていた。といっても専用機持ちのみ集合だった。
・・・というより。
「なんで私も?」
「お前のそれは専用機ではないとでも?」
それもそうか。・・・まあ、これISじゃないですけど。
「まあ、それはいいとしまして・・・なんで篠ノ之さんもいるんですか?」
「わ、私がいたら悪いのか!?」
「あなた専用機持ってないじゃないですか」
「くっ・・・!」
「私はさっさと終わらせたいんですからさっさとどっか行ってくださいよ。それにホラ、見てくださいよ、織斑先生の顔。今にもキレそうですよ?」
「いや、あれキレてるだろ」
「いや、キレる寸前ですよ」
「もうすぐキレそうなんだが」
やれやれ。
「先生、牛乳飲みましょうよ」
「フン!」
「あぶねっ!」
「げぶぅ!」
なんかアドバイス送ったら急に殴りかかってきたので近くにいた織斑さんを掴んで引き寄せると盾にしました。
「なにすんだよ!」
「近くにいた、お前が悪い」
「いや、そんなこt「おひさ~」・・・誰だ、あんた」
全員が声のしたほうを向くと、そこには黒いソフト帽をかぶった青色の上着にピンク色のシャツを着た女の人がいた。・・・って。
「なんだ、束さんじゃないですか」
「「「「「「え?!!」」」」」」
「篠ノ之博士、お久しぶりです」
「いや~、お久しぶりだね~。あ、そうでもないか~。ニャハハ~」
そう笑いながら束さんは私と簪ちゃんを抱きしめてくる。
「おい、どういうことだ! 説明しろ!」
「ちょっとぉ?! ちーちゃん、帽子ごとアイアンクローはやめてよ! これゆかりちゃんからもらったものなんだよ?!!」
「おい! どういうことだ!!」
なんか篠ノ之さんが私に詰め寄ってきました。そして胸ぐらをつかんでそう叫んできました。とてもうるさいです。
「どうせあなたに何を言っても同じでしょう?」
私はそう返してへらへらと笑います。
「貴様っ・・・!」
「ちょーっと箒ちゃん」
さらに力が入った篠ノ之さんの腕をいつの間にか織斑先生の拘束から逃れた束さんがつかんだ。そして恐ろしく平坦なトーンと真顔で言った。
「それ以上力を入れてみろ。さすがの箒ちゃんでも怒るよ」
わーお。いつも何かしらの表情をしてる人が真顔になるほど怖いものはないって聞くけどまさにその通りですね。
「くっ・・・!」
するとしぶしぶと篠ノ之さんは私から手を放しました。
「・・・で、貴様が何の用だ」
「あー、そうだったそうだった! すっかり忘れるところだったよ!」
手をパンパンたたきながら束さんはそう言うとポケットからケータイを取り出して連絡し始めた。
「ああ、くーちゃん? もういいよ。降ろして」
どうやらクロエさんに連絡しているようです。すると上から何かが落ちてくる音が聞こえてきました。
「あ、ゆかりちゃんとかんちゃんはこっちね」
「ああ、はい」「?」
私と簪ちゃんは束さんに手を引かれて少し離れました。すると砂浜に巨大なコンテナが落ちてきました。
「ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
あ、また織斑さんが吹っ飛ばされた。
「あ、いーくん飛ばされちゃった。まあ、いいや」
「で、この中には何が入ってるんです?」
「箒ちゃんの誕生日プレゼント」
「・・・まさかISとかいいませんよね?」
「・・・やっぱりわかっちゃう?」
「まぁ、なんとなく察しはしてましたよ」
「やっぱり、反対する?」
「理由に納得がいかなかったら反対しますよ。今は中立ってところです。さ、話してくださいよ」
「・・・うれしそうな顔を見たかったから、かな?」
「・・・あー、なるほど」
私はそう言いながら篠ノ之さんを見ました。なぜか頭から砂に埋まっている織斑さんを助けようと躍起になっています。
・・・・・・。
「別にいいんじゃないですかね?」
「なんでそう思うの?」
「それで物事が吉と出るか凶と出るかは与えられた彼女次第ですから。それにそんな理由であげるとなるとあなたにとっては吉ですから」
「・・・そっか」
「さ、行ってあげたらどうですか?」
「うん!」
束さんは頷くとそのまま篠ノ之さんに突撃していきました。
「箒ちゃーん!」
「な、なんですか?」
「箒ちゃんに誕生日プレゼントがあるんだよー!!」
「は、はぁ?」
「じゃあコンテナ、オープン!」
束さんがそう叫ぶとコンテナのドアが開いて真っ赤なISがその顔をのぞかせた。
へぇ、なかなかにかっこいいじゃないですか。
「ずいぶんと大層な誕生日プレゼントですね」
「でしょでしょ? 箒ちゃんもそう思うでしょ?」
「で、このISの名前は何て言うんです?」
「"
「・・・ええ。いいと思いますよ。その外見にあった名前をしてますし」
「さ、箒ちゃん」
「え、あ、はい」
「乗って乗って。セッティングするからさ」
「お、おお」
そんな光景を私と簪ちゃんは遠目で見ていた。
「・・・簪ちゃん、あれ見てくださいよ。あの締まらない顔」
「見る面影がないね・・・」
「たぶんろくなことが起こりませんよ」
「だけど篠ノ之博士、すごくうれしそうだね」
「そりゃそうですよ。家族と触れ合うことができるほどうれしいものはありません。それが普段じゃ会えないような状態であればなおさらです」
そう言いながら私は昔の光景を思いだした。
「これが私のIS・・・」
「そうだよ! これが箒ちゃんのISだよ!」
「そ、そうか。エヘヘ・・・」
「よかったぁ」
「? なにがです?」
「箒ちゃん、私のこと怖がってるからもらってくれないかと思ってたよ。箒ちゃんも私の夢、わかってくれるよね?」
「夢・・・?」
「うん! 昔言ってたじゃん! "みんなで宇宙行こう"って!」
そのときの束さんの目はすごく純粋だった。・・・ああ、そうか。
「あの人、純粋なんだ」
「え?」
「純粋だから、夢をあきらめきれないんだ」
「ゆかりさん的にどう?」
「・・・まぁ、何とも言えませんよね」
「・・・そっか」
すると急に山田先生が慌てたように走ってきた。
「お、織斑先生! た、大変ですぅ!」
「なに、どうした?」
「実は…」
すると織斑先生の耳元に山田先生がこそこそと話しかけました。すると、織斑先生の顔が見る見るうちに緊張したような感じになっていきました。
そして山田先生の口元から離れると私たちに呼びかけました。
「おい、貴様ら。緊急事態だ。今から会議室に集合しろ」
「は?」
「お前らの力が必要なんだ」
私と簪ちゃんといつの間にか隣にいたラウラさんは顔を見合わせました。
中略。
私たちは今、会議室に集合していた。そしてとりあえずの説明を受けた後全員が黙りこくっている。
だが、私にとっては関係ない。状況を完全に把握するために再度確認しよう。
「で、つまり"銀の福音"っていう軍事用のISがなんか暴走してこっちに突っ込んできてるからアメリカ軍から緊急要請が来たんですよね」
「ああ、そうだな」
「なんで受け取ったんですか?」
「このままでは危険だろう! わからないか!」
「わかってますよ。私が訊きたいのはそれで私たちを集合させる意味はあるのかと聞いてるんです」
「ここに集めた理由か。そう言えば説明してなかったな」
「それが第一だろうがこの野郎」
「今のため口は無しにしてやる。で、だ。なぜ私が貴様らを集合させたかというと」
全員が息をのむ。
「貴様たちにこのISを迎撃してもらいたいのだ」
「「「ハァ?!/さよなら/お疲れ様でした」」」
私と簪ちゃんと私たちにつられたラウラさんは席から立ち上がり、束さんは驚愕した顔で織斑先生に詰め寄った。
「ちーちゃん何言ってるの?! いや、ほんとに何言ってるの?!」
「何を言ってるって、その言葉通りの意味だろう」
「いや、わかるよ?! その言葉の意味自体は分かるよ?! だけどさ、いっくんたちにやらせるってのはどうかと思うよ?!」
「こいつらならできる。私は信じてる」
「それですべて済むと思ったら大間違いだよちーちゃん。相手は軍所属のISだよ? 競技用のとは全く違うんだよ? わかってるの?」
論争を続ける二人。すると、織斑さんが声をあげた。
「俺、やります」
「え?!」
すると織斑先生は満足そうな顔になり、束さんは驚いた顔をして織斑さんに詰め寄って言った。
「わかってるの?! 相手は軍用だよ?! いっくんたちの実力じゃ勝てないような武装と運動性能してるんだよ?!」
「それでも!」
束さんは急に大声を出されて少しひるんだ。
「俺が、俺たちがやらなきゃ・・・、ほかの子たちが危険にさらされちまうんだろ?」
「いっくん・・・」
「だったら俺がやってやる!」
「だったら手伝おう」
「箒ちゃん?!」
「一夏いるところに私ありだ。それにこのISは次世代機のはずだ」
「そ、そうだけど・・・」
「だったら迎撃できるはずだ。私と一夏が手を合わせればな」
「で、でも・・・」
「決まりだ。織斑、篠ノ之とともに出撃しろ。そして迎撃してこい」
「ああ! みんな!」
織斑さんはこっちを向いた。そして言った。
「俺に力を貸してくれるか?」
そして手を突き出してきた。
「ええ!」(凰さん)
「うん!」(デュノアさん)
「ああ!」(篠ノ之さん)
私はため息をつきました。
「おい、結月」
「なんですか」
「お前も力を貸してやれ」
「は?」
私は久々にカチンと来ました。
「やですよ。バカバカしい」
「なに?」
「そもそも」
私は織斑さんに人差し指を突き付けてきっぱりと言いました。
「お前のそのヒーロー面にはもううんざりだ」
すると周りから抗議の声が聞こえてきた。
「なっ! 貴様、一夏の気持ちを侮辱する気か!」
「一夏は皆のためを思ってやってるんだよ?!」
「あなたねぇ! あの時から思ってたけどここぞというときに薄情なのよ!」
「貴様、仲間たちが危険にさらされようとしているんだぞ! 何とも思わないのか!」
「そこまで言うならお前らで勝手にやってろ。私は、いや」
私は簪ちゃんとラウラさんを見る。すると二人とも頷いた。
「私たちは一切かかわる気はありませんので」
そう言って私たちは立ち去ろうとする。すると織斑さんが胸倉をつかんできた。
「なんでそんなことが言えるんだよ!」
「ああ、簪ちゃん? ラウラさんを連れて退出しててください。すぐに終わらせますので」
そう言うと簪ちゃんは頷いてラウラさんの手を引いて退出した。その時のラウラさんはすごく複雑そうな顔をしていた。
「なぁ、答えろ!」
「あーあーうるさいです。そんな大きな声で言わなくても聞こえてますから」
「じゃあ答えろ!」
「日本語って通じます? まぁ、いいや。で、なんでしたっけ?」
「なんでそんなことが言えるんだよ!」
「なにがですか?」
「その"かかわる気はない"だよ!」
「ああ、そのことですか」
私はへらへらと笑いながら言った。
「面倒だし、私たちがやる必要性がないからですよ」
「なんでやる必要性がないんだよ! やらなかったらこっちがやられるんだぞ?!」
「そもそも」
私はそこで区切って再び口を開いた。
「IS学園はどこからも干渉されないって国際ルールで決まってるんですよ? それを無視した緊急要請なんて国際違反もいいところです。それに」
「それに?」
「お前に協力する気は一切ない」
私はそう言い切ると胸倉をつかんでいる腕を払いのけました。
「ヒーローごっこなら勝手にやってろ」
そう言うと再び織斑さんは胸倉をつかんできた。
「ごっこじゃねぇ! 俺は本k「それ以上掴むなよいっくん。君のその腕が切り取られたくなければ」・・・はい」
「束さん、ありがとうございます」
私はそう言って席に座った。
「退出するんじゃなかったのか」
「気分が変わりました。どうなるか見てみようと思いまして」
「興味本位か」
「だめですか?」
私がニヤニヤしながらそう言うと織斑先生はバツが悪そうに頭をかいた。
「しかしな・・・」
「いいじゃん、入れても。そもそもわたしみたいな部外者がいるわけだしさ。その代り何もしないってことでいいじゃん」
「・・・お前はよくあいつの肩を持つな。他人に興味を持たないお前が一体どうしてそいつに執着する」
「フッフッフ、なんでだろうね~?」
二人の間に険悪なムードが流れる。
「まぁまぁ、さっさと出撃してくださいよ。このままじゃ大変なことになりますよ?」
「・・・そうだな。よし、織斑に篠ノ之ついてこい」
「「ああ/はい」」
そして3人は出て行った。
しばらくして。
『一夏! なぜ、あの密漁船を守る!?』
『確かにあれは密漁船だ。だからって見殺しにしていいわけ・・・』
『あいつらは犯罪者だ! 死んで当然だ!』
『死んでいい命なんて・・・ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!』
『い、一夏ー!!』
「「「一夏(さん)!!」」」
堕ちてゆく織斑さんの映像を私はコーヒーを飲みながら見ていました。
結果的に作戦は最悪の形で失敗しました。調子乗った篠ノ之さんが油断したせいで織斑さんを攻撃してしまい、さらには追い打ちを喰らったことで墜落してしまいました。
そして私は頬杖をつきながら織斑先生をにらみつけて言いました。
「なんで先生の方々が行かないんですか」
すると皆がこちらを見てきました。
「どういうことだ」
「言葉通りの意味ですよ」
私は立ち上がりながら次の言葉をつなげます。
「あなた方は何のために存在してるんですか? 生徒を守るのが先生の義務ではないんですか? あなたは何を思って先生をやってるんですか?」
「な、なにを」
「そもそも、いくら織斑さんが活躍してるところを見たいとか思ってるのは別にいいです。それは姉弟として普通のことでしょう。ですが今は状況が状況です。相手は暴走してますから止まってはくれません。はっきり言って戦争と同じようなものです。モンド・グロッソみたいなスポーツとは違うんですよ? 生半可な覚悟でできるわけないでしょ。戦争を知らない人なんかに戦争の何がわかるというのですか」
私はそれだけ言うと満足したので部屋から出て行こうとします。すると腕を掴まれました。
見ると凰さんが真剣な顔をこちらを見ていました。
「なんですか?」
「あなたにいったい何がわかるのよ」
「?」
「あいつはとことんお人よしなのよ! だから密漁船にも甘いの! だけd「それがどうかしましたか?」っ・・・!」
「私にとっては関係ないことです」
私は腕を振り払うと言葉をつづけた。
「篠ノ之さんの行動は褒めたものじゃありませんが、あの時言ったことには賛同しますよ」
「な、なんでよ」
「何かを守るためには何かが犠牲になるんです。時にはそれが自分だったりします」
「それだったら・・・」
「私が怒ってるのはあんなに大口をたたいておいて全然成果をたたき出せていない二人に対して怒ってるんです。実力が伴わないくせに大口たたくなって話です。じゃあ」
そう言い切って私は今度こそ出て行った。すると束さんが待ち構えていました。
「・・・悪い方に傾きましたね」
「うん・・・」
「なんか浮かない顔してますね」
「うん、だって、私がもうちょっといえばこんなことは怒らなかったかもしれないと思ったらすごく悔しくて、こんなんだったら人なんて愛さなかったらよかった。愛なんて知らなきゃよかった」
そう言うと束さんはずりずりと壁に背中を押し付けながら体育座りした。そして顔を膝にうずめた。その背中は少し震えていた。
私はそれに対して右手の人差し指を上に突き上げながら言いました。
「天道さんが言っていました・・・」
「え・・・?」
束さんが顔をあげます。その顔は涙でぐしょぐしょになっていました。
「"人は人を愛すると弱くなる。だけど、恥ずかしがる事はない。それは本当の弱さじゃないから。弱さを知ってる人間だけが本当に強くなれるんだ"ってね」
「・・・」
「あなたはもっと強くなれるはずです。なぜかって? あなたは弱さを知っているから」
「ねえ、ゆかりちゃん」
「なんですか?」
「胸、かりてもいい?」
「貸すほどありませんがどうぞ」
「うん・・・」
すると束さんは私の胸に顔をうずめると嗚咽の声をだし始めた。
私はそれを聞くと頭をなで始めた。
続く
次回の『結月ゆかりはISの世界で仮面ライダーになるようです。』は!
「僕たちの実力じゃ難しいよ!」
「どうやら私も、だいぶ甘い人間みたいです」
「アァアアアアアアアアア!!!!』」
「力がなくて泣いている人たちを全て救える力、私はそれがほしい・・・!」
次回、『決戦』