結月ゆかりがISの世界で仮面ライダーになるようです。 作:海棠
イギリスからの代表候補生、セシリア・オルコット。彼女の高慢的な言葉に対して売り言葉に買い言葉。織斑一夏と彼女は論争にまで発展するがそれを止めたのは結月ゆかりだった。
そして、結月ゆかりの意思をガン無視したまま1週間後クラス代表決定戦に巻き込まれる羽目になったのだ。
放課後、私は教室でぼーっとしながら外を見ていた。
すごく夕焼けがきれいで目がまぶしい。
「夕焼けか・・・。私にはまぶしすぎる・・・」
そんな矢車さんみたいなことを言いながら私は荷物を持って教室を出ようとする。
「あ、いましたいました。結月さ~ん」
「ん?」
すると山田先生が胸を揺らしながら教室の中へ入ってきた。
何だ、そのけしからん胸は。体と胸のサイズがあってないんですよ。もげろ、ちくしょう。
「山田先生、どうしたんです?」
「ああ、部屋の合いかぎを渡してなかったな~と思いまして急いでわたしに来たんです~」
「そうですか、お疲れ様です」
「いえいえ、私は教師ですからこれぐらいは当然です」
そう言ってエッヘンと胸を張る山田先生。おう、胸はるなや、もぐぞ。・・・やっぱり年上には見えないんですよね。というより・・・。
「山田先生」
「? なんですか?」
「その髪の毛って染めてるんですか?」
「? 地毛ですよ?」
「・・・そうですか。ありがとうございます」
「? なんかよくわからないですけどどういたしまして」
あれ地毛なのか・・・。少し信じられないですけど先生本人が言ってることだしこれ以上効くのは野暮ってもんです。・・・で、部屋番号は・・・
「1030号室、か・・・」
私は部屋カギを握りしめて教室から出ていった。
割愛。
「ここか」
私はまずドアノブを回してみる。すると予想以上にぐるりと回って少しびっくりした。どうやら開いているようだ。
そして足元や靴箱を確認する。・・・どうやら先客がいるようだ。と言っても同居人だろう。
私はそう思いながら奥に進んでいく。するとそこにはパソコンに向かって一心不乱にキーボードをたたき続ける水色の髪をした女の子がいた。・・・この学校は意外と不良の集まりなんでしょうか?というより水色の髪っておかしいでしょう。・・・そういや私の以前の髪の色もだいぶおかしかったですけど・・・。
今はそんなことはどうでもいい。
ちょっと話しかけて見ましょう。
「すいません」
「っ!!」
あ、ビクンってなりましたね。
「だ、誰?」
と言いながらその子はこちらを振り返りました。あ、眼鏡かけてたんですね。
「はじめまして。今日から同居することになりました、結月ゆかりです。あなたは?」
「更識、簪・・・」
「そうですか。なかなかいい名前ですね」
「お世辞なんていらない…」
「お世辞じゃないですよ」
「・・・///」
あ、赤くなった。少し無愛想ですが根っこは悪い子ではないみたいですね。
「・・・何してるんです?」
「・・・あなたには関係ない」
「そういうと思いましたので勝手に見させてもらいます」
「あ、ちょっと…!」
私は更識さんを押しのけてみようとしましたが彼女の必死の抵抗により結局見ることができませんでした。ちくせう。
そのあとは特に何もすることがなかったので着替えて寝ました。
割愛。
しばらくするとふと目が覚めました。そして時計を確認しますとなんと1時でした。結構寝てましたね、自分。
そして彼女のことがふと気になったのでソコンのあったほうをのぞくとそこには寝る前と変わらず一心不乱にキーボードを打ち込んでいる更識さんの姿が!
・・・寝ないんでしょうか?少しイタズラ心がうずいたので気づかれぬよう2年間で培ってきたスニーキング技術でこっそりと彼女の後ろに近づきました。
「あれ?寝ないんですか?」
「?!?!?!」
あ、椅子から落ちた。
「いいいいいいいつの間に?!」
「さっきです」
「そ、そう…」
「で、寝ないんですか?」
「うん。そんなヒマない」
彼女はいきなりのアクシデントに驚いたのか完全に周りに気がいってませんでした。私はここぞとばかりにモニターをチラ見します。・・・ふむ、コレの組み立てをしてたのですか。
「・・・そのモニターに映ってるものですか?」
「! ・・・そう」
「そこまで一人でやったんですか?」
「(コクリ)」
「へぇ、すごいですね」
「・・・だからお世辞はいらない」
「いえいえ、お世辞ではありませんよ」
「・・・そう」
「早めに寝てくださいね。朝起きれなくなったら大変ですよ」
私はそう言うと部屋に戻りました。
割愛。
「更識さん、起きてください。朝ですよ」
「うぅ~ん・・・」
「まさかあの後もいじってたんですか?」
「・・・」
「だから言ったじゃないですか。朝起きれなくなりますよって」
私は布団から出てこない更識さんを揺さぶりながら言います。
「朝ごはん冷めちゃいますよ?」
「・・・チケット買えばもらえるもん」
「そうなんですか?それは知らなかったです。・・・で、今日は私が作ったのでさっさと起きて食べましょう。『一緒に食べるごはんほどおいしいものはない』と天道さんも言ってましたし」
「・・・うん」
「よし」
更識さんが布団からもぞもぞと出てくる様子を私は満足な気持ちで頷くとすぐに台所に戻った。
そしてしばらくしてから更識さんも出てきた。
「「いただきまーす」」
二人で手を合わせてそう言うとカチャカチャと音を立てながらご飯を食べ始める。
「・・・おいしい」
「そうですか? これでもうまくできなかった方なんですが」
「・・・最近カロリーメイトしか食べてなかったから」
そう言いながら彼女は少し微笑む。・・・よし、今かな。
「・・・そう言えばあなたに会った時からずっと気になっていたんですが」
「・・・?」
「何故ISを一人で作ることに拘るんです? 誰かの手を借りればいいじゃないですか」
「・・・それじゃ、ダメ」
「?」
「お姉ちゃんは自分のISを一人で作ったの。・・・だから、私にもできると証明したいの!」
・・・ハハーン、なるほど。
「お姉ちゃんに昔何か言われたんですね?」
「!」
図星ですかー。
「だったら私に話してみてください。・・・何か役に立てるかもしれませんよ?」
「・・・じゃあ愚痴になるけど、いい?」
「ええ。ですがご飯を食べながらでお願いします」
「実は…」
割愛。
「・・・ということなの」
「・・・成程ねぇ」
成程、大体わかりました。
彼女の話によれば彼女の姉は自分たちが代々受け継いできた名前を継いだ時、更識さんに「あなたは無能のままでいい」と言ったそうです。それが彼女にとって結構傷ついたみたいで今は関係がぎくしゃくしているようです。
・・・どっちもコミュ障か。
「あのですね、更識さん」
「?」
あーあ、なんでこんな面倒なことに私はいっつも自分から首を突っ込んじゃうんでしょうか。
「この世の中に一人で何でもできる人間なんて存在しないんですよ」
「・・・え?」
「だってそうじゃないですか。よく考えてみてください。今日食べた朝ご飯は私が作りましたが、その食材は誰が作ってますか?」
「・・・農家の、人?」
「ええ、その通りです。そしてISのコアは誰が作りましたか?」
「・・・篠ノ之、博士」
「ホラ。一人ではできないでしょう?」
「・・・あ」
「たぶんあなたのお姉さんもいろいろな人の助けを借りてISを作ったんだと思いますよ?一匹狼とかほざいてる奴らもどこかで人の助けを借りているんです。そう考えたら、今まで自分がやっていたことは、まあ、無駄とは言いませんが少し頑固だったと思いませんか?」
「・・・確かに」
私は手を差し伸べます。
「・・・何か、手助けできることはありますか?」
「・・・手伝ってくれるの?」
そう言いながら彼女は手をつないできました。
「ええ、喜んで」
私は微笑みながら言った。
「・・・これからよろしくね、結月さん」
「おっと、そんな堅苦しい呼び方は無しでお願いしますよ。ゆかりでいいです」
「・・・じゃあ、ゆかりさん」
「はい、更識s「名前で呼んで」・・・簪ちゃん、でいいですか?」
「うん」
私たち二人は笑いあった。
割愛。
ところ変わってここは教室。オルコット嬢と織斑さんは少しギスギスしております。で、私はいつもと同じようにだらんとしております。
「そういえば、織斑には専用機が届くんだったな」
「専用機?」
「すごーい!」
「よかったじゃん、織斑君!」
「いいな~」
皆さんは口々にすごいと言いますがどうせ作る側としてはデータとりでしょう。私はそんなことを思いながらため息をついた。
「え?専用機ってそんなすごいことなのか?」
全員がずっこけました。昨日も見ましたよ、こんな光景。
「ああ、すごいことだぞ。結月」
「ああん?」
「・・・この際その態度は無しにしてやる。専用機とはどんなものか、説明しろ」
「チッ。・・・政府からの贔屓。以上」
すると出席簿が飛んできたので首をかしげてよけると後ろのガラスを突き破って外へ飛んで行った。
「・・・いきなり暴力とは先生のやることじゃあないですねぇ」
「お前があまりにもふざけているからだ」
「え? 違うんですか?」
後、暴力未遂だぞ、わかってんのか。訴えたらこっちが勝つんだぞ。
「・・・まあ、いい。専用機というのは選ばれたものが手にすることができる自分用の機体だな。代表例だったら代表候補生だな」
「じゃあ、俺って代表候補生?」
「なわけないでしょ織斑さん。あなたは唯一ISを使える男性なんですからどうせデータ取りの為ですよ」
「そ、そうか・・・」
「おい、言い方というものがあるだろ」
「何か間違ったことを言ってますか?ふつうド素人には訓練用の機体を使わせるんです。それなのに専用機なんてデータ取り以外の何があるというんです?」
そういうと織斑先生は黙った。フフ、勝ったぜ。
「あら、ということはアンフェアにならずに済みますわね」
どっから出てきたイギリスお嬢。貴様はお呼びじゃない。
「で、そこのお方の専用機は?」
「・・・どこからも報告がない」
まあ、当然でしょうね。
「あら。ということは」
なんだ、そのいい獲物を見つけたみたいな表情は。
「あなたにはハンデをつけてあげましょうか?」
「・・・ハァ」
私はうんざりして思わずため息をついてしまいました。
「なんですの?!昨日から思っていましたがその態度は少し見余るものがありますわよ?!!」
「黙ってろ」
『『『?!』』』
むかついた、さすがの私でもむかついた。もう我慢ならん。といっても試合で発散するわけじゃないけどね。
「黙れ、オルコット嬢。今までお前がどんな育て方されたかこっちは知らないし、知りたくもないが、貴様が培ってきた努力を自ら無下にしたいのならそのまま罵倒でもなんでも続けてろ。それが嫌なら今すぐ黙れ」
「な、なにを・・・」
「そもそもてめぇは何のためにここに来た?私たちをバカにするためか?それとも男子をバカにするためか?なんだ?あぁ?答えろや」
「う・・・うぅ・・・」
「なんだ?不利になった途端黙んのか?なめんじゃねぇぞゴラ」
「おい、やめろよ!」
なんか織斑さんが入ってきました。何してんだ、この人。
「なんですか?織斑さん。今こいつに尋問かけてる最中なんです。邪魔しないでくれますか?」
「やめろよ!泣いてんだろうが!」
「私にとっては関係ありません。言質さえ取れれば十分です」
「だからって泣かすことないだろ!」
「この人が勝手に泣きました。私は泣かしてませんよ」
「だからって・・・!」
「うるさいですね。やめればいいんでしょう?やめれば」
私はそう言いながら席に着いた。そのあとのクラスの空気は最悪だった。・・・やりすぎたかな。
続く
次回の『結月ゆかりはISの世界で仮面ライダーになるようです。』は!
「俺は最高の姉を持ったよ」
「簪ちゃん、ここで見ていてね」
「変身」
「ライダー、キック…!」
次回、『黒兎』!