結月ゆかりがISの世界で仮面ライダーになるようです。   作:海棠

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前回のあらすじ
第一試合で見事に醜態をさらして敗北した織斑一夏に対して、圧倒的な実力で相手をたたきのめした結月ゆかり。

そして彼女の精神攻撃によりセシリア・オルコットは気絶してしまったのだ。







今回は一夏ファンの皆様には不快に思われる描写が多々存在します。それが嫌な方は今すぐブラウザバックをお願いします。それでもいいという方はどうぞそのまま下へ。


7話『一夏』

「帰りましたよ、簪ちゃん」

結月がそう言うとなぜか彼女は目をキラキラさせながら待っていた。

 

「・・・どうしたんですか?」

「ゆかりさんって、"仮面ライダー"なの?」

「かめんらいだー? なんですか?それ」

「都市伝説で有名なの。人知れずいろんな悪の秘密結社から人々を守る存在なの!」

すると結月少しは顔を伏せた後、再びあげて言った。

 

「・・・私はたぶん違いますよ。」

「そうなの?」

「私は自分を守るのが精一杯です。そんなすごい称号は私にとってまぶしすぎます」

「そう・・・」

「ですが」

「?」

「あなたの味方であることは間違いないですよ」

「・・・そっか」

すると彼女はベルトを取り外して簪に預けるともう一つのアタッシュケースからもう一個のベルトを取り出した。

 

「あれ? これで行かないの?」

「まさか。もしそれで行くんだったら変身なんて解除してませんよ」

「それもそっか」

「じゃあ再び行ってきますね」

「うん、勝ってきてね」

「言われなくとも」

そして結月は再びアリーナの中へ入って行った。

 

「おい! あんたどういうことだ?!」

するとすでに準備していた織斑から声をかけられる。その声はどことなく彼女を非難するような声だった。

 

「へ? なにがです?」

「セシリアに何したんだよ!」

「ちょっと現実突き付けただけですよ。あれぐらいなら気絶しないと思ったんですよ。思ってたんですよ。・・・まあ、耐えられなかったようですがね。・・・こんな説明で満足ですか? 理想主義のお坊ちゃん」

「なんだと?!」

「だって、そうじゃないですか。『皆を守る』? バカなことを言わないでくださいよ。あなたみたいなド素人が何で人を守れるんですか? 冗談もほどほどにしてくださいよ」

「これからうまくなればいいだろ!」

「いいわけないですよ。バカですか?」

「なっ!!」

「そうしている間に世界で何人の人が死んでるか知ってるんですか? ISを使ったテロなんて今になってもなくならないんですよ? それなのに皆を守る(笑)? ハッ、寝言は寝てから言ってくださいよ」

「てめぇ・・・!」

「ま、茶番もここまでにしときましょうか。今は」

そう言いながら彼女はポケットからデッキを取り出して顔付近に構える。

 

「変身」

そう言いながら彼女はデッキをベルトを差し込んだ。

 

【HENSHIN】

 

するとベルトから体にかけてアーマーが展開されていく。そして頭の先からつま先まで展開し終わるとどこからともなく女声の音声が流れる。

 

 

 

【CHENGE! ALTERNATIVE!】

 

 

 

今の彼女は先ほどと違ってコオロギをほうふつとさせるような姿のアーマーを着こんでいた。

『ここであなた()現実を教える(倒す)ことが先決ですからね』

「う、うぉおおおおおおおお!!!!!」

織斑は叫びながら突っ込んでくる。

 

『・・・天道さんは言ってました。"何も警戒せずに突っ込んでいくのは愚の骨頂だ"と』

そう言いながら彼女はデッキからカードを一枚引き抜いて右腕に装着されているバイザーに読み込ませる。

 

【Tiger】

 

すると巨大な大砲が上から落下してきた。彼女はそれを掴むと一夏に向けて発射した。

 

弾丸はまっすぐ一夏に向かっていった。ここで一夏が止まっていたらかろうじてよけれたかもしれない。しかし、彼は刀を構えて突っ込んでいる最中であった。そして彼には弾丸を刀ではじくという芸当は身に着けていなかった。

 

・・・もう言いたいことはお分かりだろう。弾丸は一夏に直撃し、爆発を起こした。その衝撃で彼は壁にたたきつけられる。

 

『これやっぱりいいですねぇ~』

彼女はうれしそうな声でつぶやいた。そして一夏が起き上がった途端、もう一回発射した。今度の彼は止まってはいたが、構えていなかったので完全なる不意打ちに近い状況であった。故に再び直撃してまた壁にたたきつけられる。

 

「おい! 飛び道具なんて卑怯だぞ!」

箒が叫んだ。しかし結月ゆかりにとっては関係のない話であった。

そして観客の多くからブーイングが起こる。『卑怯だ』とか『正々堂々と戦え』とか。中には彼女を応援する声もあったが、彼女にとっては割と些細なことであった。

そんな中起き上がった一夏が叫んだ。

 

「てめぇ! 卑怯だぞ!」

『卑怯じゃないですよ。戦術ですよ戦術。天道さんが言っていました。"やるときは徹底的にやった方が後で後悔しない"って』

「お前皆から卑怯者とか言われて悔しくねぇのかよ!」

するとゆかりは首をかしげた。まるで『何言ってんだこいつ』と思っているようだった。

 

『確かに、今見ています大衆の皆様は私のことを"卑怯者"とののしるでしょうね』

「だったら・・・!」

『だけどそれが何の問題だというのです?』

「・・・!」

『私は自分が正しいと思った行動をしています。はっきり言ってそちらの事情なんて知ったこっちゃあないんですよ。剣に対して剣で返す必要はこちらには一切ないわけですしね。

・・・どうですか? 私おかしなこと言ってますか?』

「てめぇ・・・!」

『そんな憎々しげな顔をされてもねぇ・・・。で、さっさとやられてくれません? もうですね、面倒くさくなりました』

「お前、それでさ、悔しくねぇのかよ! 恥ずかしくねぇのかよ!」

『? 何がです?』

「こんな勝ち方で本当にうれしいのかよ!」

『ええ』

「これは試合だぞ?! お互い正々堂々とするのがルールってもんだろ?!」

『そっちが勝手に思ってるだけでしょ? ここは剣道とは違うんですよ? 戦って相手を負かした方が生き残る。それが戦いというものです。敗者が褒められるのはその時だけです。しかもそれは純粋にほめてるんじゃない。同情も混ぜてほめてるんです。それぐらいだったら勝ってののしられる方を選びますよ。惨めな思いなんてしたくないですしね』

「こっちは剣だけなんだぞ?!」

『知るかそんなこと。文句はそのISを作った方々に言ってください。私に言われてもこm『ねーねー私にもやらせてよー』・・・あー、わかりましたよ』

すると彼女は大砲を地面に落とした。

 

『『『?』』』「?」

その突然の行動に観客も一夏も不思議そうな顔で彼女を見た。

 

『今日は特別です』

そう言いながら彼女は2枚カードを取り出した。

 

『剣で、勝負してあげますよ』

そう言いながら彼女はそのうち一枚をスキャンした。

 

【Simulation Fox】

 

すると彼は狐に包まれたような感覚にかられた。そしてハッとして彼女を見ると

 

 

 

 

 

彼女の右手には雪片弍型(・・・・)が握られていた。

 

 

 

 

 

『(ブンブンッ)・・・案外悪くないですね。ですがそんなに良くもない。これは使ってる人次第ですね』

皆がぽかんとしている中、彼女はそれを2,3回振るとそんな辛口な評価を口にした。

 

「てめぇ・・・!なんで千冬姉の武器をもってやがる!」

『コピーしたんですから持ってて当然ですよね? あとコレもともとは織斑先生の武器だったんですか? ・・・ああ、だからか』

(だからこんなに)

すると彼女は納得したように少しため息をつくともう一枚のカードをスキャンした。

 

「それは千冬姉の武器だ!! かえせぇえええ!!!」

 

完全に頭に血が上った彼は彼女に突っ込んでいく。

 

(だからこんなに弱いのか)

『・・・天道さんが言っていました。"感情に任せて動くのは獣以下だ"と。そして』

次の瞬間、一夏は横に吹っ飛ばされた。そして壁にたたきつけられる。いったい何事か、と起き上がってみるとそこには

 

 

 

 

【Cricket】 『あなたの相手はこの子です』

 

 

 

 

穴の開いた白い仮面をつけたような怪物がたたずんでいた。

 

すると観客側が騒然となる。

 

 

『何アレ?!!』『なんか急に出てきたよ?!』『自分が戦わないなんて卑怯だぞー!!』『正々堂々と戦えー!!』『すごーい!』『いろんなもの呼び出せるんだー!!』『なんかあれかっこよくない?!ヤバイ!!』『よく見るとあの化け物なかなかいい体してるわよ?!』『あら~^』

 

 

先ほどとは違い、予想外の出来事が起こったのでなんとなく楽しそうな感じだった。

 

「おい! なんだソレ?!!」

『私のもう一人の相棒です。"ろーちゃん"』

『・・・?』

『これで戦って』

そう言いながら彼女は雪片弍型を怪物こと"ろーちゃん"に手渡す。

 

『(コクリ)』

『じゃ、後はよろしく』

そう言われると怪物は雪片弍型を構えて彼に襲い掛かった。彼も応戦するが元々パワーに大きな差があるため壁に押さえつけられる。

 

「ぐっ・・・! おい!」

『?』

「卑怯だぞ! お前が戦え!!」

『別に私が相手をするとは一言も言ってませんよ? 望み通りにしてあげたじゃないですか。それに』

「なんだよ?!」

『ろーちゃんがあなたと戦いたいと言ってきたんですよ、私に。そしてろーちゃんは接近戦が得意です。そしてあなたは剣で戦えと要求してきた。だから私はあなたの武器をコピーしてろーちゃんに渡したんですよ。お互い願いかなったりで Win-Win じゃないですか。で、そんなに私と話してていいんですか?』

「あぁ?!」

『ろーちゃん、結構強いですよ?』

次の瞬間、彼は腕を掴まれて投げ飛ばされた。そのまま落下して地面をゴロゴロと転がる。

 

「くっ・・・!」

『・・・!』ブォンッ

「うわ!」

彼がかろうじてよけるとろーちゃんの振り下ろした剣が地面をえぐった。怪物はそれをすぐに引っこ抜くとすぐに彼に肉薄する。

 

「うおっ!こいつ意外とはえぇ!!」

『どうです? 手応えあるでしょ?』

「うっせぇ!!」

『ハハハ。これはお厳しい』

彼女は壁にもたれかかりながらケラケラと笑った。その間も怪物は一夏に肉薄し続ける。

 

(・・・スラスターを余分に噴かしすぎてますね。スロットルワークも甘いですし。これじゃあエネルギーもすぐに減りますよ。)

彼女は背を壁にもたれて腕組みをしながらマスクごしにボーッと考えていた。

 

(・・・というより、あれってそもそも上級者用の武装じゃないんですか。何ですか、剣一本って。今頃の量産型でももう少しまともな武装もらえますよ。そもそもなんでセッティングもしてない機体にド素人をのせてなんで勝てると思ったんでしょう? いや、その前になんで織斑さんの指導役が同じクラスの篠ノ之さんだけだったんでしょうか? 調べたところによると彼女、適性Cでしたよね? しかも剣道しか頭に入ってないような頑固者ですし・・・。・・・なんで一夏さんや周りの人たちは止めなかったんでしょう? "篠ノ之博士の妹だし大丈夫"とか思ってたんでしょうか? そうなるとかなりのバカしか集まってませんよね。しかも1週間も猶予があったんですからその間に止めるとかどうとかすればいいじゃないですか。だから一回戦であんな恥ずかしい負け方をした挙句、今はこうやってろーちゃんにボコボコにされてるわけですし。・・・というより織斑先生と彼は違うんですから、あんな武装を持たせて"さあ、行ってこい"なんて愚の骨頂ですよ。織斑先生も何考えてんだか・・・。あ、叩きのめされてる。あ、蹴られた。しかも空中コンボくらってるし。あ、落ちた)

そんなことを考えながら結月ゆかりはテクテクと怪物こと"ろーちゃん"の隣に来た。

 

『よくやりましたね。えらいえらい』ナデナデ

『♪』

「ガハッ・・・!」

『・・・ろーちゃん。あれやるよ』

『(コクリ)』

『・・・さて』

彼女はスッと構える。そして化け物はなぜか雪片弐型を地面に突き刺した。

 

『来てくださいよ、一夏さん。私を倒すんじゃなかったんですか?』

「くそっ・・・!」

彼はその言葉に反応してふらふらと立ち上がった。

 

『・・・というよりろーちゃんに勝てないくせしてよく私を倒そうとか思いましたよね?逆にびっくりしましたよ』

「・・・」

彼からの返事はない。肩を上下させて荒く空気を吸っていた。

 

『織斑さん。私はあなたがなんであろうがどうでもいいんです。織斑千冬(ブリュンヒルデ)の弟さんだからどうしたんです? それは殺してはいけない理由にはならないわけですよ、常識的に考えて』

「・・・っ!」

『あなたは言いましたよね? 【皆を守る】って。その腕っぷしでどうやって守るんです? そして何があなたをそこまで奮い立たせるんです? そんなかなうはずがない理想をどうやったら抱けるんです?』

「・・・お前は」

『?』

「お前はいったい何なんだよ!」

『結月ゆかりですが?』

「そういう意味じゃねぇよ!」

『は?』

 

「お前はなんでそんなに残酷になれるんだよ?!!」

 

すると彼女はやれやれと首を振った。

『なんだ、そんなことですか。理由を説明しましょうか?』

「ああ!」

『"友達"じゃないからです。あと、助けを求めている人じゃないからです』

「は?」

『友達だったらさすがに私もここまで残酷にはなりませんよ。ですが他人となると別です。助けを求めていない人となるとなおさらです』

「だけど、俺たちクラスメートだろ?!」

『は? それがなぜ友達と結びつくんです? クラスメートでも嫌いな人は出てきますよ。いや、クラスメートだからこそ、かもしれませんがね』

「な、なにを・・・」

『もういいです。ここで終わらせますから』

そう言いながら彼女はカードを1枚引き抜いて読み込ませる。

 

 

【Cockroach】

 

 

すると突然彼女が彼の眼前から消えた。

「?!」

 

『10秒間私は高速で動き回ります』ビュンッ

 

「っ!」

 

『その間に』ビュンッ

 

「くっ!」

 

『私に攻撃を当てて見せてくださいよ』ビュンッ

 

「このっ!」

 

『・・・ま』ビュンッ

彼女はバッタが描かれているカードを取り出すとスキャンした。

 

 

【Grasshopper】

 

 

すると彼女の足に緑色の電流が走った。

そして彼の後ろに回り込むと背中を蹴飛ばして怪物のほうに飛ばす。

すると怪物は少しジャンプすると彼を地面にたたきつけた。

彼のシールドエネルギーはゼロになった。

 

『10秒待ってやるとは一言も言ってませんけどねぇ』

 

笛が鳴る。音声が響く。

 

 

 

 

 

『試合終了。勝者:結月ゆかり』

 

 

 

 

 

『ハッハッハッハッハッハッ!織斑一夏の華麗なるFinish(フィニッシュ)Death(デース)!』

この時の結月ゆかりは(簪ちゃん以外にとっては)完全に悪役のそれであった。が、一部の人たちは彼女を面白そうに見つめていた。

 

 

続く




おまけ
オルタナティブ(ゼクトルーパーⅡ型)
身長:186cm
体重:不明
パンチ力:2t
キック力:2.5t
結城博士がもしも彼女がはーぜの変身機能を失った時のための予備として作ったもの。
いわゆるゼクトルーパーの強化改造なので決定打と呼べる攻撃はできないがその代わりにカードを使って様々な武器を召喚できる。
次回のあとがきからはそのカードの紹介をおまけに書くつもりです。




次回の『結月ゆかりはISの世界で仮面ライダーになるようです。』は!


『『『織斑君、クラス代表おめでとー!!』』』

「・・・そこにいる人、さっさと出てきたらどうですか?」

「最強さんと戦う趣味は持ち合わせていませんよ」

「その情報、古いわよ!」


次回、『祝杯』
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