結月ゆかりがISの世界で仮面ライダーになるようです。   作:海棠

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前回のあらすじ
見事にセシリアに勝利した結月を待っていたのは一夏であった。
彼の夢を空想だと言って鼻で笑った結月に対して猛然と攻撃を仕掛ける一夏。
そして彼女は彼に現実を教えるために様々な武器で応戦して勝利をもぎ取ったのであった。








8話『祝杯』

「ただいま、簪ちゃん」

「おかえり」

変身を解除した結月は簪を抱きしめる。そしてそのまま頭をなでる。

 

「おい、結月」

「・・・なんですか?今いいところなんですから邪魔しないでください」

「(コクコク)」

そこに織斑先生がやってきた。しかも少し厳しい表情をしている。それに対して二人の少女はいいところを邪魔されたのですごく憎々しげな表情をしていた。

 

「お前の機体は危険だ。こちらで預かさせてもらう」

「お断りです。そもそも危険以外の理由を聞かされてないのにどうして渡すと思ったんですか?いや、そもそもどういう風に危険なんですか?」

「オルコットの時に使った機体はまだいい。しかし、織斑の時に使った機体はあの人型の化け物まで召喚できるではないか」

「そんなに親の仇みたいに言わなくてもいいじゃないですか。ろーちゃんに罪はありませんよ」

「とにかくだ。あの化け物を召喚できるとなるとお前が何をしでかすかわからないのでな、こちらで預からせてもらう」

すると結月はニヤァと笑った。まるで今の状況を少し楽しんでいるみたいに。それに対して簪は親の仇のように織斑千冬をにらみつけていた。

 

「・・・それ用の書類は用意してますか?というよりそもそも学園長からの許可は取ってるんですか?というより本人の意向を無視してやろうとするのは教師としてどうなんですかねぇ?」

「・・・」

「言い返せないみたいですねぇ。今から訴えればこっちの勝ちですよ?あなたが今やっているのは職権乱用ですからねぇ」

すると結月は急に真顔になって言った。

 

 

「ブリュンヒルデだからって調子乗ってんじゃねーぞ」

 

 

「・・・っ!」ゾクッ

するとその場の気温が急激に下がったような気がした。織斑千冬は背筋に氷を入れられたような感覚にかられた。そして恐ろしいほどの殺気を感じた。彼女が今まで感じたことがないようなほどの濃密な殺気だった。彼女が昔出場したモント・ブロッソでもここまでの殺気は味わったことがなかった。

それもそのはずである。

 

 

彼女、結月ゆかりは実際に戦争を経験しているのだから。

 

 

「じゃあ私たちはこれで。ああ、そうそう」

「?」

「クラス代表の座は他の二人に渡しますよ。よかったですねぇ、自分の弟がクラス代表になれる確率が高くなって。じゃあ今度こそまた明日」

そう言って結月は立ち去った。ちなみに簪は彼女の腕に抱き着いていた。

 

 

 

その日の夜&視点変更

 

 

 

「ゆかりさん」

私が寝転んでいると簪ちゃんが急に声をかけてきました。

 

「どうしました?簪ちゃん」

「今日はありがとね」

「え? なにがです?」

「織斑一夏を倒してくれて」

なんだ、そんなことですか。私は体を起こすと簪ちゃんの方へ向く。水色の髪と赤い目がきれいだったとだけ言っておきましょう。

 

私は微笑みながら言った。

「別にあれぐらい大したことありませんよ。それに私も気に入らなかったですし」

「そう、なんだ。一緒だね」

「ええ、そうですね」

・・・この子のために戦うのも、悪くないかもしれませんね。

私はそんなことを思いながら再び寝転ぶと目を閉じた。そしてそのまま意識は闇の中へ落ちた。

 

 

 

次の日

 

 

 

『『『織斑君、クラス代表おめでとー!!!』』』

「え?え?え?」

次の日、織斑さんが教室に入るとクラッカーとともにお祝いの言葉が飛びかいました。

 

「ど、どういうことだ?」

「織斑くん、君クラス代表になったんだよー?」

「よかったね~」

「な、なんで俺なんだよ。あの試合だったらセシリアとか結月のほうが適任じゃねぇのか?」

すると私とオルコットさんは目線があい、そして言った。

 

「「辞退したんです(よ)」」

「な、なんでだよ」

「・・・じゃあ、えーと、パルキアさんからでいいや」

「セシリアですわ!・・・コホン。わたくしが辞退したのは今までの行いを自分で見直して反省したからですわ。そしてみなさま」

『?』

「今までの無礼な発言、申し訳ございませんでした!!」

するとクラスの皆は顔を合わせると口々に言った。

 

「大丈夫だよ~」

「気にしてないって」

「そうそう」

「皆さん、ありがとうございます!」

私はそれを聞くと笑顔のオルコットさんに笑顔で近づいていく。クラス全体が少し緊張し始めた。何ですか、人を化け物みたいに。

 

「コルセットさん、いいことを教えましょう」

「オルコットですわ」

「天道さんが言っていました。「無視ですのね」『人に謝ることができる人は将来のびる人だ』と。そして、先日は怖がらせてすいませんでした」

そして頭を下げると急にクラスが騒然となった。横目で見たら織斑先生ややっぱり体とアンバランスな胸をお持ちな山田先生も驚いていた。・・・なんですか、そんなに私が謝るのが意外ですかコノヤロー。

 

「いえいえ、私があんな態度をしたのが元々の原因ですわ。こちらこそごめんなさい」

「じゃあ、仲直りの握手」

「はい」

私たちは笑顔で握手した。

 

「・・・で、なんで結月さんはクラス代表の座を降りたの?」

そうでした。その説明をすっかり忘れていました。いや~、私ってば忘れん坊なんですから~。

 

「・・・面倒だからですよ。クラス代表になって行動が制限されたらたまったもんじゃないですからね」

「アハハ、ゆづゆづらしいね~」

袖のだぶだぶな子がやっぱり袖を揺らしながらのほほんとつぶやいた。・・・やっぱり何ですか、あの子。狙ってああいう格好してるんでしょうか?ああいう子ほど裏で何考えてるかわからないので用心するに越したことはないでしょうね。あー、帰ったら何作ろ。

 

 

 

割愛。

 

 

 

「おい、結月!」

全ての授業が終わり、私が帰る準備をしていると織斑さんが声をかけてきた。

 

「・・・なんですか?私は今忙しいんです。他をあたることですね」

 

 

「そんなこと言うなって。・・・今日の夜、開いてるか?」

 

 

少し脳が震えた気がした。

 

「・・・」

私はポケットからケータイを取り出すと番号を打ち始める。

 

「・・・なにしてんだ?」

「今から通報を」

「待って! なんでそんなことすんだよ?!!」

織斑さんがケータイを取ろうとしたので私はその腕を逆にひねる。

 

「イテテテテテテテ!!!!」

「え、だって、『今日の夜開いてるか』って完全にナンパのそれじゃないですか」

「知らねぇよそんなこと!」

「じゃあ今覚えてください」

「ところでこの状況はいつまで続くんだ?!!」

私は腕をひねるのをやめるとケータイをポケットの中に突っ込んだ。

 

「今終わりましたよ」

「あ、そうだな・・・」

「? なんか疲れてます?」

「誰のせいだ誰の」

「?」

「・・・まあ、いいや。でさ、今日の夜にクラス代表になったということでお祝いすることになったんだ」

「へぇ、よかったですね」

「他人事だな」

「他人ですし。で、それで?」

「あ、ああ。それでさ、結月にも参加してほしいんだけど・・・」

「お断りします」

そう言いながら私はすたすたと廊下に出ていく。後ろから織斑さんが追いかけてくる音が聞こえました。こっち来んな。

 

「なんでだよ」

「面倒だからです」

「ケーキ食えるんだぞ?」

「私がものにつられる性格だとでも? ああ、あと」

「?」

私は織斑さんのほうへ振り返りながら言いました。

 

 

「さんをつけろよでこすけ野郎」

 

 

「・・・え」

「じゃあ私はこれで」

少し呆然としている織斑さんをほうって私は帰りを急ぎました。

 

 

 

割愛。

 

 

 

「・・・」

私がしばらく廊下を歩いていると視線を感じました。最初は気のせいではないかと思っていましたがどうやらそうではないみたいですね。

私は少し立ち止まると視線の感じる方を向いて言いました。

 

「・・・で、さっきからじろじろと見ているそこの人、さっさと出てきたらどうですか?」

すると角っこからセンスを持った水色の髪をした女の子と名前も知らない袖がだぶだぶなクラスメートがいた。

 

「良く気付いたわね」

そう言いながら水色の髪の女はセンスをパッと開いた。そこには筆で『これはびっくり!』と書かれていた。意外と達筆ですねぇ。

 

「ええ。気配とかを感じたので。人の尾行をするときはもっと気配を殺さないとばれますよ?」

私は肩をすくめてにやけながら言った。

 

「・・・で、あなた簪ちゃんに似ていますがお姉さんですか?」

「あら、なぜそう思うのかしら?」

「リボンの色が黄色なのと顔の骨格が似ていること、さらには髪の毛と瞳の色が同じなこと、ですかね」

「・・・完璧ね。じゃあ自己紹介するわ」

すると彼女はセンスを閉じてまたパッと開く。そこには『楯無』と書かれていた。

 

 

「私の名前は更識楯無。この学園の生徒会長よ。そして隣のこの子は私の家に代々仕える布仏家の娘、布仏本音よ」

「あらためてよろしくね~」

ああ、【のほとけほんね】というんですか、この子。

 

「・・・で、その生徒会長さんが一般生徒である私に何の御用で?」

「あの機体に乗ってて一般生徒を名乗るのね」

「ええ。面倒ごとには極力巻き込まれたくないので」

「・・・簪ちゃんをご存知かしら?」

急に話飛ぶな、この人。

 

「ええ、簪ちゃんがどうしたんです?」

「・・・どういう関係なのかしら?」

「どういう関係ってルームメイト兼親友ですよ。それ以上でもそれ以下でもない」

「そう」

「で、そろそろ帰りたいんですが」

「私と戦ってみない?」

「ハハハ、ご冗談を。最強さんと戦う趣味は持ち合わせていませんよ」

「・・・なんで最強だと知ってるのかしら?」

「そんなに目を鋭くしなくてもいいじゃないですか。簪ちゃんが教えてくれたんですよ。『お姉ちゃんはこの学園で最強だから気を付けて』って」

「あら、そう」

その時の会長さんの顔は少しすねたような表情をしていた。大方、私と簪ちゃんが仲がいいことがうらやましいんでしょう。しかし、私はそれに対して手助けするつもりは今のところ一切ありません。自分から進もうとしない人に手を差し伸べても無意味ですからね。

 

「じゃ、そういうことで」

私は横を通り抜けて走った。簪ちゃんが部屋でおなかすかせてるだろうから早くいかないと。

 

その後、なんか新聞部の先輩が来ましたが玄関前でご退場してもらったのはここだけの話です。私はマスコミが嫌いですからね。

 

 

 

次の日

 

 

 

教室に入るとなぜかざわざわとしていました。少し眉をひそめていると一人の女子生徒が声をかけてきました。この私に声をかけてくるとは、とんだもの好きですね。

「結月さん結月さん!」

「?」

「聞いた?今日転校生が来るんだって!」

「転校生?」

 

この微妙な時期に転校生?なんか妙というかなんというか・・・。

 

「で、どこからです?」

「えーと、確か中国の代表候補生だって!」

今度こそ雲行きが怪しくなってきました。この時期に爆発専門国(中国)から代表候補生が来るのはなんか策略を感じます。

 

「おりむーが勝ったらみんなが幸せになれるんだよ~?」

布仏さんがニコニコしながら織斑さんに近づいて言った。・・・彼女の目が薄く開いていたことに気づいたのはどうやら私だけのようでしたが。

 

「え?なんで?」

「クラス対抗戦の優勝クラスには、食堂のデザートのフリーパスが贈呈されるんだよ~?」

もので釣るとは汚いですね。そしてつられる側もどうかと思いますが。

 

「でも大丈夫だよ!」

「そうそう! 織斑君なら大丈夫だよ!」

「大丈夫!織斑君なら勝てるよ!専用機持ちのクラスはウチだけなんだから!」

クラスの人たちが口々に言う。・・・あのペースだとクラス代表戦までには間に合いそうですね、簪ちゃんの専用機。そういやあの子は4組か。

 

 

 

「その情報、古いよ!」

 

 

 

・・・なんか面倒くさいことに巻き込まれる気がしました。

 

 

続く




おまけ≪カード編≫
【Tiger】
虎が描かれているカード。これをスキャンすることで大砲を召喚することができる。
何故虎かというと【大砲➡アハトアハト➡ティーガー➡虎】という作者の連想によるもの。




次回の『結月ゆかりはISの世界で仮面ライダーになるようです。』は!


「お前、鈴か?」

「なんで肩出してるんですかあの人」

「酢豚って何ですか酢豚って・・・」

「衝撃砲、ねぇ・・・」


次回、『酢豚』
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