2016年秋季限定海域プレイバック ~祈りを越えて   作:黒鋼提督

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Ep.2-2 武蔵の大咆哮

ゴキンッ!!

 

鈍い音が響いた。

空母棲姫の細首があり得ない方向に折れた音だ。

 

武蔵「悪いな…この程度じゃ満足出来ないんだ…。」

 

数分前まで空母棲姫だった鉄屑を海面に投げ捨て、武蔵は歯噛みした。

 

武蔵「次だ…次こそ…だな?大和よ。」

大和「えぇ、次の局面こそ…私達の舞台になるわ。」

武蔵「もう…もう少しだ…。」

 

身震いする武蔵の背を大和は優しく撫で、

 

大和「さぁ、補給部隊との合流地点へ進みますよ。」

 

武蔵は静かに頷いた。

 

 

速吸「大和さん、武蔵さん!速吸補給部隊、合流します!」

 

笑顔で手を振る速吸を迎えるのは、決戦部隊が敵本陣に突入するその隙を作るために編成された艦隊。

全艦隊でも主力中の主力である大和・武蔵に一航戦赤城・加賀に扶桑・山城を擁する主力級の重編成である。

現在は前哨戦であるMS諸島北部を撃破し、敵の残存艦隊が集結している海域への作戦行動前に洋上補給を行っている。

 

速吸がテキパキと洋上補給を済ませると青葉と衣笠が牽引して来た兵装との各艦換装が行われた。

大和には試製51cm連装砲「龍鳴(りゅうめい)」。

武蔵には特殊46cm三連装砲「虎崩(こほう)」。

一航戦の2人は烈風(六〇一空)を多数再編成し、扶桑・山城は徹甲弾を撤去し三式弾を満載した。

 

武蔵はその異様な46cm三連装砲を撫でながら、

 

武蔵「あぁ…相棒…ひさしぶりだなぁ…。」

 

その武蔵を興味深そうな顔で青葉が訪ねる。

 

青葉「あのー?武蔵さん!少しいいですか?」

武蔵「あぁ?すまん、どうした?」

青葉「あ、いえいえ!少し気になっただけなのですが、その主砲…なんでそんなに砲身、短いんですか?」

 

確かに青葉が疑問に思う程にその砲身は短かった。

隣の大和が装備する試製段階の51cm連装砲と比べると1/5ほどに見える。

 

青葉「そんなに短かったら折角の長距離射撃出来ないんじゃないですか?」

 

青葉の素朴な疑問に答えず、

武蔵は弾薬より燃料を満載し、立ち上がった。

 

武蔵「補給、ありがとな。」

 

武蔵は青葉の頭をクシャクシャと撫でた。

青葉の頭には?マークが出ているが、武蔵は笑顔で離れて行った。

 

 

 

大和「各艦!装具点検!準備はいいですか?」

武蔵「おう!」

赤城「一航戦、準備万端です。」

加賀「はい。」

山城「お、お姉様!はやくはやく!」

 

扶桑は少し離れた場所で青葉と何か話しているようだったが、山城が呼びかけるとすぐ艦隊に合流した。

 

扶桑「お待たせしました。扶桑、問題ありません。」

大和「了解です。以上を持ちまして洋上補給完了とします。速吸さん、ありがとう。」

速吸「は、はい!速吸補給部隊、任務を完了し帰還します。皆様の御健闘をお祈りしています!」

 

 

速吸達補給部隊が離れていくと大和は最後の作戦確認を行った。

 

大和「では、本作戦最終局面の確認を行います。」

大和「この後、当艦隊は南進し、敵残存艦隊が集結する地点正面へ突入します。」

大和「私達が会戦し敵の視線が集中した所で二航戦と五航戦がそれぞれ率いる第一・第二支援艦隊がさらに陽動作戦を決行。」

大和「多重の陽動により敵中枢ががら空きになった刹那を見極め、Bismarck率いる決戦艦隊が殴り込みます。」

大和「以上が本作戦の大綱となります。」

大和「本作戦の成否は私達がどれだけ敵艦隊を引き付けられるかにかかっています。」

大和「各員、最大限の奮闘を願います!」

 

赤城・加賀「はい!」

扶桑・山城「了解です。」

 

大和「…武蔵?」

 

武蔵は腕を組み静かに遥か彼方の海面を眺めていた。

 

武蔵「わかっている…わかっているさ…大和。」

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