Fate sky/arrow   作:haru10aki

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童女と王(1)

「構成材質、解明______」

童女は、学習机の上に置いた木の棒を、人差し指でトントンと叩き、木の棒に魔術を施す。

「内部構造、強化______」

木の棒がギシと音を立てた。

「構成材質、変化______」

木の棒が少しずつ白く染まっていく。

「工程、終了」

黒っぽい木の棒は、完全に白く染まりきった。

「内部構造、粉砕」

木の棒は、ぺきゃ、という情けない音を立てて、砕け散った。

砕け散った木の棒の芯からは、サラサラと白い粉が出てきている。童女は、それを指ですくって舐めた。

「うん!あまぁい!」

少女は、親にそれを見せに行こうとした。

「おとーちゃん、おかーちゃん。あまぁいお菓子ができたよ!」

父親も母親も、良い笑顔で笑っていた。

「これでうちの家系も安心ね」

「聖杯戦争でマスターになるのもそう遠くないな」

魔術師の家系に生まれた彼女は、素晴らしい日々を過ごしていた。

しかし_________________

 

「火事だ!逃げろ!」

 

「あそこに子供が!」

 

「せめて_____あの子だけでも!」

「意識は!?」

「あぁ、家が!?」

 

______________童女(わたし)は、それからの記憶があまりない。

 

「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ」

私は前の家と同じ所に建った、前より一回り小さい家に住んでいる。

召喚の儀は、家の一階にある魔術工房だ。

祖父からは、新築祝いと、香典の代わりに、大量の資材を納入した蔵が送られた。

聖杯戦争については、祖父の兄の友人の師が教えてくれた。わたしはこの聖杯戦争に勝利して、父さんと母さんを取り戻す。

触媒に用意したのは粘土板。随分と年季が入った物の様だ。

「来れ。天秤の守り手よ」

そこに現れた男に、私は今から救われる。

これは、童女(わたし)自分(わたし)になる物語。

「キャスター、英雄王ギルガメッシュだ。貴様が、(オレ)のマスターか?」

「ええ。わたしは剣崎鋏(けんざきはさみ)。お会いできて光栄です。英雄王ギルガメッシュ」

_______セイバーが召喚される一週間前、ここで、キャスターが召喚された。

「で、工房は何処だ。ここか?ならば良い。地脈もある程度通っている。大源(マナ)の密度も高い。でかしたぞ小娘!我にピッタリの工房を用意してくれた!では今から武装を整える。貴様、アミュレットの制作経験はあるか?無い!?ならば宝石魔術か投影魔術を使う事は可能か?何、変化魔術なら得意だと?む、図面を引くのも得意?ならば我の書く図面を更に良きものにし、良き材質に変化させよ。資材は何がある?何、家の裏の蔵に木材が大量にあると。ならばそれを取って来い。なぁに、力を増強する魔道具を今作る。それを使ってお前が取りに行け!」

キャスターはまくしたてる様にそう言った後、適当な腕輪に杖をコツンと当てた後私の腕に付けた。次に直ぐ机に向かい、粘土板に図面を引き始めた。

「さぁ、その腕輪はもう魔道具となった。さっさと資材を取ってこんか小娘!」

どうやら、椅子にふんぞり返っている王とは違うらしい。

私の聖杯戦争は、慌ただしい始まりを告げた。

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