気が付いたら電車の扉が開くと同時に駈け出していた。ただ隣を並走していた車両の中にいた他人の女性と目が合っただけなのに...でも、なぜだかやっと大切な人を見つけた気がしたから!
それから、駅を出て必死に探した。いつの間にか、かいていた汗が瀧の目に入り沁みてくる。目元をぬぐいながら路地裏を走っていたら、階段の上にいる一人の女性を見つけた。
(あの人だ!)
直感で瀧はそう思ったが、いざ見つけたらなんて声をかけて良いか分からなくなってしまった。
(やばい、なんて声をかければいいんだ!?)
あれこれ考えている間に、女性と階段ですれ違っていく...
(声かけないと!もう自爆してでも!)
瀧は振り返り
「「あの!君の名は!!」」
「「・・・・・・・・」」
「えっと、立花 瀧です」
「!!私は宮水 三葉!!」
「え....み.つは..」
この瞬間、記憶のカギが壊されまるでダムが決壊したように二人の記憶が頭の中に押し寄せる。互いに体が入れ替わっていた日のことや、彗星が落ちた日の二人しか知らない思いでもすべて戻ってきた。
(俺は(私は)なんでこんなにも大切な記憶を今の今まで忘れていたのだろか)
(こんなにも好きな人のことを!!)
気が付いたら二人で抱き合いながら、泣いていた。
「瀧くん!!瀧くんや!!やっと逢えたぁぁ!」
「三葉!!三葉!!ごめんずっと待たせてっ!」
しばらく二人で抱き合いながら、何も会話はせず抱き合っていた。
気持ちが落ち着いてきて、三葉は瀧のワイシャツが濡れているのに気が付いた。
(瀧くん、記憶が戻る前にも関わらず私を探すためにこんなに汗だくになって、もっと好きになってしまうやろに//)
抱き合いながら、そんなことを思っているなんて瀧は気づくわけもなく更なる爆弾を三葉に落としてしまう。
「三葉、もう絶対に離さないから...あの、だからさ・・」
「うん。」
「俺と、付き合ってください!!」
「!!//うん!!ぜったにに離さんといてよ!瀧くん大好き!」
「「あ、会社...」」
二人とも、出社時間などとうに過ぎていた。
「やばい、今日会議あるのに!」
「私も、打ち合わせがあるん。どうしよう..」
二人がテンパり始めた時、前方から世界を飲み込むように暗くなり始めた。
何が何だかわからない二人はただただ強く抱きしめた。
気が付いたら、真っ暗な空間に二人とも浮遊していた。まるで宇宙空間に二人だけ放り出されたかのように。
「三葉大丈夫か!?」
「大丈夫やけど..瀧くんここどこ?」
「分からない、急に目の前が真っ暗になったと思ったらここにいた」
訳が分からない二人に、真っ暗な空間に白い光差し込んできた。過去に経験した入れ替わりよりも、かなり怖いと思う二人だった。白い光を見つめていると、光の中に人影を確認した。顔は確認できないが、おそらく女性ではないかと瀧は思った。その時、明らかに耳から聞こえる声ではなく脳内に直接声が入ってきた。
(急にこの空間に連れてきてしまって、申し訳ございません。でも、こうするしかあなたたちに話しかける方法がありませんでした。)
「三葉、今頭の中に女性の声が聞こえなかったか?」
「私も聞こえた」
二人で確認した直後、話?念話?だかよく分からないが女性が話を続けた。
(私の力のせいで二人に、長い時間つらい思いをさせて申し訳ありませんでした。ですが私は糸守の人々を助けたくて二人にはつらい役目をさせてしましました)
「「え...」」
二人ともこわばっていた表情が驚きを隠せない顔に変わっていく。
(また、大変な役目を負わせてしまいますが、お二人にはよい青春を過ごしてほしいと思いました。ですので記憶も消さずに過去に戻したいと思います。二人が早く出会えるように世界を少し変えますが許してください。戻す過去でも糸守の人々を救って下さい。お二人なら必ずできると信じておりますので。)
「おい、いきなりそんなこと言われたって、俺たちがそんなこと望んでいるか分からないだろ!勝手すぎるだろ!!」
瀧は、声を荒げながら光の中の女性に言った。
(それでは、再び糸守をよろしくお願い致します。)
瀧の訴えを完全に無視して女性は消えていった。その途端世界が真っ白になった。瀧と三葉は強くお互いに抱きしめた。
----♪----♪♪----♪
瀧は目覚ましの音で目が覚めた。
「あれ、なんで家にいるんだ。さっきまで三葉と一緒に・・・って三葉は!?」
さっきまでの出来事が、なぜか夢ではないと思う瀧は三葉の姿を探す。あたりを見回しても三葉の姿はなく、今は使わなくなった高校の制服がハンガーにかかっていた。少し疑問に思ったが今は三葉を探す方が優先だと考えた矢先携帯の着信音がなった。そこには三葉と表示されている。階段で出会って抱き合っているときに交換して良かったと考えながら通話のところをタッチした。
「もしもし、瀧くん!!今どこにいる!?」
「今、なぜか家にいる」
「私も、起きたら糸守の実家にいるやよ!」
「え!だって糸守は彗星被害で、三葉の実家はもうないだろ!」
「そうやけど、なぜか実家にいるん!訳が分からなくて瀧くんに電話したん!」
瀧も三葉が嘘を言ってるとは考えられず、頭が混乱してきたとき、電話ごしに女の子の声がした
「お姉ちゃん朝やよ。起きとる?」
「おきとるよ・・・・・・四葉が小さくなってる!!!!!」
瀧は三葉の大声にびっくりする。
「三葉、どうしたんだ!」
「四葉が小学生に戻ってる!」
「お姉ちゃんねぼけてとるの?ごはんできとるから、はよ来ない!」
耳が痛くなり瀧はいったん携帯を顔の前に持っていった時に瀧は驚きの表示を見た。
「・・2012年」
「三葉!携帯の西暦何年になってる!?」
「西暦?・・・・うそ、2012年になってる」
瀧は思い出した、あの女性が過去に戻すのと、少し世界を変えるって言っていたことを。
「三葉俺たちは、過去に戻されたんだ!そして世界を少し変えるって言っていたから、身の回りで些細な違いがでるかもしらない!」
「えぇぇぇぇぇ!!!」
俺たちは、少し理解したがどうしていいのか分からず途方にくれた。
旋零と申します。おそらく読みづらいと思いますが、ここまで読んでいただきありがとございます。