大したことのない日常にも変化というものはよく起こるものだ。
毎日が同じ一日だったら発狂してる自信があるね。似たような毎日は送れても同じ一日は送りたくないものである。どっかのエンドレスな夏休みが大不評だったように。なんかちがうか。
変化その一
てっしーがギリギリに登校するようになった。いつもは30分前には登校しているのが「二度寝するでヤンス」と五月蠅い悪魔付きで眠いらしい。
あと左門が謎の生物の背中に乗ってよく登校してくる。マジでなんだあれ?
変化その二
てっしーが昼食や帰りの買い食いの誘惑のせいでなんか可哀想なことになりやすくなっている。あとビームをうつ「カロリーを取れ」という悪魔が原因らしいが女の子が人前でお腹の音響かせるのはどうかと思う。
あと左門はかなりの偏食らしく昼に菓子パンかドーナツしか食っていない。早死にしそうだな。
変化その三
最近、見たことない謎の生物?悪魔?がうろつくようになった。何を狙っているのか知らないけど怖いものだ。なんか目が合っただけでいきなり襲いかかってきたし、悪魔って誘惑担当じゃないのか?
あと左門がそれとは別の悪魔とフットサル?してるのを見かけた。あいつは悪魔と友達なのだろうか?
軽く思いつくだけでこれぐらいだろうか。てっしーは仏の修行してるからいいとして、最後のは普通にヤバくないか?物理攻撃してくる悪魔とかタチ悪すぎだろ。襲ってくる理由もよくわからないのに。俺以外だったら大変なことになってたぞ。
今日も放課後の惰眠から嫌な気配を感じて目を覚ましたので、二秒ほど迷ったが帰ろうと思い屋上からの階段を下りてるところで
「——最近の左門くん一人でいる時より楽しそうだよ
そこは少しよかったと思ってたんだ
・・・ちょっとだけね!」
「・・・・・・「良い人」だねぇ」
なんか下校デートしているてっしーと左門がいた。
あれ?まだ校内だから校内デートか?まあそこら辺はどうでもいいとして良い雰囲気だし気付かれないようにさっさと帰――ドン――なんか反転した瞬間に何かにぶつかった。
よろけるように一歩下がるとそこには昨日、俺を追いかけまわした悪魔っぽいムキムキの筋肉がいた。
「脇谷くん!?」
「あ、見つかった」
「フシュー」
「・・・・・・」
どうやらデート中の二人に見つかったらしい。てっしーは目を丸くしてるだけだけど左門の奴は別の意味で驚いているようだ。
「あー、デートの邪魔した?」
「いや違うよ!?それよりその悪魔なに?
・・・・・・もしかして脇谷くんも!?」
「いや、あれは彼が召喚した悪魔じゃないね――て言うか誰?」
「俺はてっしーの前の席の脇谷久喜だ。覚えなくてもいいぞ」
「いやそこは覚えてもらおうよ
――まあそれはそれでよかったよ」
何が良かったのだろうか?あとなんか悪魔が異様にてっしーを見てんだけどなんなんだろうか?好みのタイプなんかな?
「で、左門くん。また悪魔で私への嫌がらせ?」
あ、なんか悪魔が俺を通り越しててっしーに近づいて行く
「——天使ヶ原さんそいつ僕が召喚した悪魔じゃないよ」
「え~?なにそれ?左門くん以外に「ドゴォ」――だれ・・・が?」
「おー、ロッカーがくの字に曲がった。パネエな」
流石、筋肉悪魔。筋肉は伊達じゃないって所か。
「ほら!人間への物理攻撃なんて下品なことさせないよ僕は」
「いや知らんけど
どういうこと!?
左門くんじゃないなら」
「ところで逃げなくていいのか?なんかてっしー狙ってるっぽいけど」
「え?―――のわあああ!?」
なんか必死に避けてる。あ、鬼ごっこが始まった。また何かの修行か何かなんだろうか?
「いいのか?あの悪魔とやらてっしーを追いかけてったけど。助けなくていいの?」
「なんで僕が?別に仲がいいわけでもないのに」
「ふーん?つーか、あれホントにてっしー狙いか?なんか知能低そうだったけど」
ついでに言うとそこまで賢くもなさそうだし、ザコに分類される奴なんだろう。
「あれの狙いは僕だよ。僕は偉い悪魔でもバンバン召喚するから悪魔とかに嫌われてるんだよね」
「へー。むしろ偉い悪魔が召喚したってだけで従う方が驚きだけど?
なんか契約とかして魂を要求するイメージがあるし」
「そういうのもいるけど。召喚されたらある程度命令を聞くタイプもいるのさ。僕が主に
「雑談してないで助けてよ!?」
あ、てっしー帰ってきた。
「悪魔と鬼ごっこするなんててっしーも暇だね」
「鬼ごっこじゃないんだけど!?命狙われてたよね!?なに見てたの!?」
「てっしーの苦行?」
「いいんじゃない?天使ヶ原さんは完全にとばっちりだけど楽しそうだし」
「楽しくねーよ!」
口調が崩れてるけどまあ、気にするだけ無駄だろうから流しておく
「さっきのは?撒いたの?」
「なんとかね・・・・・・
それより左門くん!とばっちりってどういうこと!?」
「あーそれ?
さっきも言ったけど僕は偉い悪魔でもバンバン召喚するから悪魔とかに嫌われてるんだよね。だからたまにああやって嫌がらせが来る」
「ある意味自業自得だな」
というか偉い悪魔バンバン召喚するとか普通に考えたら自滅ルートだけど。それをしのげる程度には実力はあるんだろう。
そう考えるとすげーなこいつ。ただの性格悪い奴にしか見えないのに。
「じゃあなんで私が狙われたの!?」
「さあ?
もしかしたら僕と天使ヶ原さんが友達だという不愉快な勘違いでもしたんじゃない?」
「それが理由!?」
「あ、やっぱ友達以上の関係なんだ」
「いや違うからね?ていうか友達以上の関係って何!?」
「そう言う不愉快な関係にしないでくれない?僕は天使ヶ原さんみたいな「良い人」が大っ嫌いでさ」
じゃあ、なんなんだよお前らの関係は?
と、適当な雑談していたのが悪かったのか、騒がしくしていたからかまたさっきの悪魔が出てきた。
「また出たな」
「左門くん!出番だよ!あれ倒して!」
てっしーのセリフだけ聞くとヒロインみたいだな。てっしーは性格上主人公側なのにね。
「いやだよ」
「え?」
「あー、やっぱりか」
そりゃ断るよねえ。堂々と嫌いって言いきるくらいには好感度低いみたいだし。
「それじゃあ俺帰るよ。無関係っぽいし」
「いや僕は天使ヶ原さんのこと嫌いだし」
「え?え?」
てっしーは こんらん している!
「んじゃ帰るわ」
「僕も帰らせてもらうよ。それじゃ頑張ってね」
わきやと さもんは にげだし た!
てっしーは ぼうぜん としてい る!
「いやー!?」
後ろから悲鳴が聞こえるけどてっしーなら大丈夫だろう。特に理由はないけど大丈夫だろう。
「左門もほどほどの時に助けてやれよ?」
「え?なんでだい?悪魔に殺されるなんてウケるじゃん」
「んー?お前なら暴力で「良い人」のままで死ぬことを許容するようには見えないけど
そうでないなら悪魔でてっしーに嫌がらせしないと思うけど」
「・・・・・・」
なんだこいつ急に黙り込んで
「そうだね
天使ヶ原さんには地獄に落ちるような人間になってから死んで欲しいね」
左門は急にすっげー邪悪な顔してどっかへ向かった。
あの様子だと助けるんだろうな。
「仲いいなあ」
ついうっかりそんな言葉が漏れたが誰にも聞かれずに消えていった。
帰るか。
次の日、登校したら無事だったらしいてっしーに説教された。
解せぬ。