[番外編]テニスの王子様の世界にチート転生者が来たようです   作:型破 優位

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お待たせしました。
約一ヶ月ぶりの更新。

次はノゲノラ出します。


vs立海大付属

「ゲームオンバイ立海。六ー四」

 

 関東大会初戦早くもD1とD2を取られ、銀華中は崖っぷちの状態になっていた。

 

「……すまない、中田さん……」

 

「気にするな。シングルスの俺たちを信じろ」

 

 その言葉に応えたのは、S3堂本だった。

 銀華中は間違いなく強くなっている。

 原作の銀華中なら全セットポイントすら取れずに負けていたであろう立海相手に、D2はニー六、D1は四ー六と善戦しているのだ。

 

「堂本。気張らずに行けよ」

 

「分かってる。一泡吹かせてやる」

 

 S3の相手は二年の切原 赤也。

 相手をいたぶるテニススタイルを得意とする者だ。

 

「気を付けろよ堂本。あいつのプレイスタイルは危険だ」

 

「それは中田が同じプレイスタイルを本気でやったときよりもか?」

 

 堂本はその性格上、テニス部で唯一佑馬を呼び捨てにしている。

 その堂本の確認は同じプレイスタイルで佑馬がやったときよりも危険なのかどうか。

 そんなの答えは決まっている。

 

「そんなわけあるか」

 

「なら、大丈夫だ」

 

 佑馬の返答に何故か安心したように言う堂本。

 その言葉に少し首を傾げたが、すぐに意味を理解して首を縦に振った。

 

「頑張れよ」

 

「ああ」

 

 堂本は佑馬の言葉に強く頷いて、テニスコートに向かった。

 

◆◆◆

 

「……クソッ」

 

 佑馬は珍しく苛立っていた。

 

「アヒャヒャヒャ!真っ赤に染まり上がれぇ!」

 

「ぐはッ!」

 

 堂本は現在、切原によって全身傷だらけになっていた。

 いくら佑馬とはいえ、仲間が傷つけられて黙っていられるほど、人を思いやる気持ちはなくなっていない。

 

「ゲーム立海。四ー三。チェンジコート」

 

 チェンジコートになり、堂本がフラフラしながらベンチに戻ってきた。

 

「大丈夫か堂本」

 

「ああ……なんとかな……」

 

 本人は大丈夫だと言っているが、どう見ても重傷だった。

 

「棄権しろ堂本。これ以上やったら身体が壊れるぞ」

 

「それは出来ないな。あと三ゲーム取ったら勝てるんだ」

 

 水分を取り、再びコートに向かう堂本。

 最初の三ゲームは堂本がおしていたのだ。

 ただ、四ゲーム目に入ったとき、堂本の球が切原の腹に当たってから状況が一変したのだ。

 

 切原の眼が赤く変わり、口調は激しく、プレイスタイルも攻撃的なものになったのだ。

 

 その切原がチェンジコートのため、佑馬の座っているベンチの近くを通りすぎる。

 

「切原、これ以上はやめろ」

 

「はぁ?何言っちゃってるんですかぁ?完全に潰すに決まってるじゃん」

 

「……やり過ぎた場合は実力で止めにいくから覚悟してろよ」

 

「お前ら程度で俺に叶うわけがねぇだろ!」

 

 佑馬を嘲笑いながら切原はコートへと向かい、試合は堂本のサーブで再開した。

 

「はぁッ!」

 

「ヒャッヒャッヒャ!くらえぇ!」

 

 堂本のサーブを切原は再び堂本に当てにいく。

 

「ぐはっ!」

 

「……ッ」

 

 切原の打球に当たり、倒れる堂本。

 それを見てる佑馬の握力がどんどん上がっていく。

 

 再びサーブを打つ堂本だが、その球もまた、切原よって堂本の元へと打ち返され、堂本が倒された。

 

「……ッ!」

 

 なんとか立ち上がり再びサーブを打つ堂本。

 

「アヒャヒャヒャ!さっさと死ねぇ!」

 

 それをさらにスピードを上げて堂本に打ち込まれた球は

 

「……いい加減にしろよ」

 

 佑馬が素手(・・)で止めた。

 

「キミ!今は試合中だ!コートから―――」

 

「うるせぇよ」

 

 審判が注意を促そうとするも、佑馬の殺気に当てられてダンマリしてしまった。

 

「またあんたかよ。雑魚が出てくる場所じゃ――」

 

「てめぇも黙ってろ」

 

 そして、切原もまた言葉を投げ掛けるも、さらに強くなった殺気に当てられて一気に萎縮してしまった。

 

「さっき言ったよな?これ以上は実力で止めにいくって。調子に乗るのも大概にしろよ―――」

 

「おい中田……なんで出てきた」

 

 さらに怒気と殺気を強めて言う佑馬に、反論が出たのは庇ったはずの堂本だった。

 

「俺は棄権もしないし、お前に庇われる筋合いもない……早くコートから出ていけ」

 

「これ以上は危険だ。諦めろ」

 

「だから早く出ていけ!俺はここで負けるわけにはいかないんだよ!せめて悔いがないようやらせてくれ!」

 

 佑馬の冷たい言葉に、全力で反論する堂本。

 佑馬もここまでの意志がある人に対して自分の意見を強制するほど冷めていない。

 

「……本当にいけるな?」

 

「任せてくれ」

 

 強い意志を持った眼で佑馬を見る堂本。

 それに対して首を縦に振り、審判と切原に一礼してベンチへと戻った。

 

 そして、その後の切原は何かが切れたかのように萎縮して、堂本が七ー五で勝利を掴み取った。

 

◆◆◆

 

 S2の柳対福士は福士が四ゲーム連取で銀華中有利となっていた。

 

 ただ、柳はおされているというよりは観察しているといったスタイルを取っており、福士も油断せずに常に全力でプレイを続けた。

 

 そして第五ゲームに入ったとき、柳が動いた。

 

 四ゲームで集めたデータを元に、福士を一気に押し始めた。

 福士の癖を見抜き、打ちにくいコース、打ちにくい打球を打って確実にポイントを取っていく。

 

「ゲーム立海。三ー四。チェンジコート」

 

 三ゲーム連取されて疲れてベンチに戻ってきた福士に佑馬は労いの言葉をかける。

 

「ここが踏ん張りどころだな。相手は福士のデータをしっかりと集めたからここから一気にくるぞ」

 

「気を付けるよ……せめて、中田さんに繋げないと」

 

 息を切らしながらも、まだ余裕がある雰囲気で答える福士は、かなり心強い。

 

 この福士といい堂本といい、銀華中の中でもトップクラスの伸びを見せ、今や青学の不二と同レベルの実力を持っている。

 

 この二人はもう既に全国区だろう。

 

 水分を取り、汗を拭いてから再びコートに向かう福士を眺め、佑馬もストレッチを始めた。

 

◆◆◆

 

「ゲームオンバイ立海。七ー六」

 

 柳対福士、結果は福士の惜敗となった。

 

「すみません中田さん……負けてしまいました」

 

「いや、よく頑張った。試合には負けても、次に繋がるいい試合だったぞ……よし、じゃあ俺もいくか」

 

 落ち込んでいる福士を慰め、軽く伸びをして身体をほぐしてからコートへと向かう佑馬。

 

 対面のコートにいるのは真田だ。

 

「先程はうちの赤也が失礼したな」

 

「いや、こちらこそ悪かった。俺が途中で入ったせいで切原は負けたようなものだからな」

 

あれぐらい(・・・・・)の覇気で萎縮した赤也が未熟なだけだ。それに、勝ちはもう決まってしまったしな」

 

 謝罪されたと思ったら貶され、微妙な気持ちになったが気持ちを切り替えてベースラインまで下がる。

 

「せいぜい楽しませてくれよ?」

 

「それはこちらのセリフというものだ」

 

 最後までお互いに上から目線で言葉を交わして、真田がサーブの準備をし、佑馬はラケットを構えた。




今回はここまで!
次で関東大会終了です。
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