Outer Gods 〜はぐれ者達は夢を見る〜 作:絶望危惧種
どうも、絶滅危惧種と申します。
拙い文章ではありますが、どうかよろしくお願いします。
それでは第1話、どうぞ!
――始まりというのはいつも、突然訪れるもの。
荒廃したこの地で、今、新しい何かが起ころうとしていた。
✱✱✱✱✱
―――まぶしい。
……うぅーっ、まだ眠いってのに。もう朝なのか……?
重いまぶたをゆっくり開いてみると、わぁ……綺麗な青空………………は?
あれ?天井どこ行ったの?ほら、小説とかアニメでもよくあるじゃん、「目が覚めたら見知らぬ天井だった」って。その天井すらなくなってるってどゆことよ。
慌てて体を起こして辺りを見回してみると、なんともまあ見事に荒れ果てた都市が広がっているわけで。
あー、なんだ夢かよ……リアルな夢だなぁおい。
よーし、もっかい寝るかー。
そう思ってゴロンと寝転がると、頭に鋭い痛みが突き刺さった。
あいたっ!?いてて、なんだよもう………なんだ、石ころか……って、待て待て待て!?
痛み!?これ現実!?なんで俺は世紀末感漂う荒地にいるわけ!?
お、落ち着くんだ俺。よーく思い出すんだ。
たしか俺は昨日の夜、自分の部屋のベッドで、ゲームしながら寝落ちして………目が覚めたら、知らない土地にいた。
くそ、どうなってんだよ……。
いつもの癖で頭をボリボリ掻き毟ろうとすると、ガチャン!と金属のような音がした。
なんだ?と思って両手を前に出してみると、見なれた人間の肌色ではなく、鉛色の金属の羽のような腕が出てきた。
うん、どうかんがえてもおかしい。本当にありがとうございました……じゃなくて、何なんだよこれ……!
なにか……俺の姿を見れるものは……!
近くを探してみると、すぐそばに川が流れていたので、それを覗いてみる。
おいおい嘘だろ……!?
そこに映っていたのは、鋼の翼を持った人型のバケモノ……シユウだった。
アイエエエエ! シユウ!? シユウナンデ!?
目が覚めたら体がシユウになっていたとか、どこぞの高校生探偵もビックリだよ!!
ってことは、ここGOD EATERの世界かよ!?何、俺転生したの!?クッソ、訳わかんねぇよ……。
俺が今の現状を飲み込めず、頭を抱えていると。
ズシンっ!!
と、背後から何かの音が聞こえた。
恐る恐る振り返ってみると……。
「グギャオォォォォォォォォ!!」
全身黒色の凶悪なフォルムのライオンの様な怪物……GOD EATERでは帝王の名でお馴染み、ディアウス・ピターがいた。
「ギャオォオォォン!!!???(嘘だろぉおぉぉぉッ!?)」
やばい、やばいですって。シユウとピターさんとじゃ性能の差がありすぎだし、何より俺生まれたてなのよ?チュートリアルからラスボス級ぶっ込んでくるとか無理ゲーすぎるでしょ!?
と、俺が腰を抜かしながらこの世の不条理を嘆いているのもお構い無しで、帝王は俺との距離をジリジリと縮めてきた。
あ……もうこれ終わりですわ。生まれ落ちてたった5分間、短い人生(?)だった……。
全てを諦めて、もうじき来るであろう痛みを待った……のだが、それは一向に訪れなかった。
代わりに、とんでもない事態に陥ることとなる。
「ガルルルル……(貴様、意志を持っているのか?)」
……き、キェァァァェェェェシャァベッタァァァァァァァ!!!
い、今確かに、こいつ俺に話しかけてきたぞ!?どどど、どうなってやがる!?
「ガルルルル……(もう1度だけ問う。貴様は、意志を持っているのか?)」
「グァウ……(お、おう……多分)」
質問の意味がよく分からなかったので曖昧に返してみる。すると帝王は、しばらく唸るように考え込み、そして再び俺の方に向き直った。
「ガウッ……(ならば、我々の元にこないか?)」
……あらっ?これもしかして助かるんじゃね?
いや、でもこれが罠で、ついて行ったらそのままガブッ!……っていう可能性もあるよな。
「グァ、グァウ……?(もし、断ったら?)」
念のため、帝王に尋ねてみる。
「ガルルルル……(その時は敵とみなし、即刻食い殺す)」
「グァァァァウ!!(はいもちろん是非とも仲間に入れさせてくださいませ!!)」
うん、何でも平和的な解決が一番だよ。アラガミ、ミンナトモダチ。……多分。
まあそういう訳で、俺はディアウス・ピターさんの雄々しい姿のあとについていくことになった。
✱✱✱✱✱✱
ディアウス・ピターのあとに続いて歩くこと、ざっと20分ぐらい。その間に今の状況を少し整理してみた。
まず、この世界は間違いなくGOD EATERの世界だ。近くにそびえ立つでっかい大穴の空いたビルを見たら、信じるしかなかったよ。
時系列は恐らく、ブラッド隊の登場する2、もしくはレイジバーストの可能性が高い。少し離れたところで赤い雨が降ってたからね。
次に、俺がシユウになった理由だが、さっぱり分からん。
目が覚めたらシユウになっていたとしか言えないし、こうなった以上は、この世界で精一杯生きていくしかないなあって、半ば諦めてます……。
そして、これが一番の謎なんだが……なぜか前にいるディアウス・ピターとだけは意思疎通が出来る。
ここまでの道にもオウガテイルやコンゴウとかの小型、中型アラガミがいたが、とても理性を持っているとは思えなかった。つまり、こいつが特別だということ。
まあそうだろうなぁ……シオちゃんとか、アラガミ化したリンドウさんとかならともかく、自然に自我をもったアラガミがわんさかいたら、今頃人類滅んでるもんね。榊のおっさんが大喜びするだろうけど。
(※ここからは日本語に吹き替えてお送りします……)
「さあ、着いたぞ」
ディアウス・ピターにそう言われ、思考を中断して周囲を確認する。
「おお……」
そこに広がっていたのは、ひび割れたコンクリートからところどころ緑が顔を出し、近くには澄んだ川が流れている……要するに、黎明の亡都とかなり似通った雰囲気の土地だった。
少し離れたところには、小型、中型のアラガミ達が数匹見えた。
実は俺、黎明の亡都が好きだったりするので、こういう雰囲気の場所に来れたのは結構嬉しかった。
そんな風に感傷に浸っていると、何を思ったか隣にいたディアウス・ピターが、突然空にむかって、
「グオォォォォオァァァァァ!!!!」
と、咆哮した。
なんだなんだ!?と思っていると、先ほど遠くにいたアラガミ達がこちらにやってくるのが見えた。
「ちょっ!?なんかこっちに来てるけど大丈夫なの?」
不安になってディアウス・ピターに話しかけると、彼(?)は平然とした様子で答えてくれた。
「案ずるな。奴らは私の同胞だ」
同胞って、サリエルとかコンゴウとか種族全然違うやつとかいるけど……。
そんな俺の疑問をよそに、いつの間にか俺と帝王の周りにアラガミ達が集まってきた。
「おっすリーダー。今日は突然どうしたよ?」
目の前にいたコンゴウが話しかけてきた。こいつも喋るのか。それに、リーダーってディアウス・ピターのことか?
「まあ待て。全員揃ってから話すことにする」
「あいよー」
こいつら、人間みたいだな……。
すると今度は上空からフワフワーっと、二つの影が降りてきた。
「もーっ、せっかく気持ちよく寝てたのに。突然なんですかリーダー?」
「そうよ、まったく。アタシはエルちゃんの枕になりながら気持ちよくなってたのに!その至福の時間を邪魔しないでもらえるかしら!」
眠たそうな表情を浮かべながら(ってか、あの表情って変わるのか……?)そう訴えるサリエルと、なにやら不穏な発言をしたザイゴート。こいつらも俺達同様、意思疎通ができるようだ。
「むっ……す、すまん」
帝王さんが対応に困ってます。そこら辺にしてあげて……と、内心思う俺だった。
そして、遠くからジャキンジャキンと金属音を立ててやってくるサソリみたいな奴と、ちっこい犬っころぽいのがいた。
「すまない!少し遅れてしまった!!」
「だーから早く行こうって言ったのに!」
やって来たのは黄色っぽい体表の荷電性ボルグ・カムランと、オウガテイルだった。
体の大きなボルグ・カムランに説教じみたことをしているオウガテイルの姿は、まるで人間の兄弟の様で少し微笑ましいものがあった。
「さて、全員揃ったようだな」
ディアウス・ピターが全員にむかって話し始めた。
「今日集まってもらったのは他でもない。我々の元に新たな同胞が加わったのだ」
アラガミ達の視線が一斉に俺へと注がれる。……こうして見るとすげぇ迫力だな。まさにオールスターって感じだわ。
「紹介を済ませなければな……私がこの群れの長。かの小さき種族からは、『ディアウス・ピター』と呼ばれている」
ディアウス・ピターがそう言うと、次々とアラガミ達が自己紹介を始めた……なんというか、シュールだ。
「わたしは『サリエル』って呼ばれてるわ。よろしくね」
サリエルはその場で自身のスカートのような羽をヒラヒラとさせながら、クルクルと回ってみせる。その姿はすごく優雅に見えた。
「アタシは『ザイゴート』。エルちゃんともどもよろしくねーっ」
サリエルの頭の上にちょこんと乗っかりながら自己紹介するザイゴート。ペットみたいでちょっと可愛いかも。
「次は俺かな。『コンゴウ』だ。俺は音に敏感だから、近くで大きな音たてないでくれよ?」
なるほど、そう来たか。確かにコンゴウは耳がとんでもなくいいけど。それが弱点って、可哀想な話だな。
「さて、私たちで最後か。私は『ボルグ・カムラン』、そしてこっちの小さいのが……」
「どうも、『オウガテイル』です。いつもこのでっかいノロマのサポートをしてます」
「くっ……事実だから言い返せん……!!」
オウガテイルに貶されるボルグ・カムランの構図。うわ、辛辣……。
と、一通り彼らの自己紹介が終わり、次は俺の番という雰囲気が漂っていた。
こういう自己紹介っていつ以来かな、と考えつつ、口を開いた。
「俺は……『シユウ』だ。どうか、よろしく頼む」
名乗り終わると、隣にいたディアウス・ピターが俺の正面に出て、俺と向かい合った。
「……さて、シユウ。お前自身、疑問に感じていることが多いだろう。なぜ我々は『意志』を持っているのか、と」
帝王は俺の心をズバリ読んできた。その言葉に首肯すると、彼は話を続けた。
「これは、我々の予想に過ぎないが……恐らく我々は、かの小さき種族を何度も喰らい、その結果、彼らの持つ『意志』を、この身に宿したのではないかと考えている」
ディアウス・ピターの言う小さい種族っていうのは、多分人間のことだろう。にわかには信じられないけど、不可能ではないはず。
現に、シオちゃんという前列や、感情を持っているのではないか?というアラガミはこれまでにゲームやアニメでも出てきたはずだ。
そう考えると、アラガミってすごいな……と改めて思った。
「そして、『意志』を持ってしまった我々は、この星の『意志』に従うことを拒み、自分のおもうがままに生きる道を選んだ。……それが、この群れの成り立ちだ」
それを聞いて、俺は驚いた。まさか、終末捕食という地球の意志に逆らうアラガミがいたとは。
でも、ここでなら……こんな世界でもどうにか生きていけるんじゃないか……?話を聞いていて、そんな希望がわいてきた。
「……シユウ、改めて問おう。我々と共に、この星の意志に逆らい生きる……その『意志』はあるか?」
ディアウス・ピターが再び、俺に問いかける。
俺が出した答えは、もちろん。
「ああ。是非とも、仲間にしてくれ」
すると、ディアウス・ピターはその表情を少し歪ませ、獰猛な笑みを浮かべた。
「そうか……ようこそ、『はぐれ者達の楽園』へ。歓迎するぞ、シユウ」
まだ、俺自身の身に何が起きたのか、分からないことだらけだけど……それでも俺は、この世界でアラガミとして、この仲間達とともに生きていこうと、そう思った。
――始まりとは、いつも突然訪れるもの。
荒廃したこの地で、彼らはどんな物語を刻み、そして、どんな未来を形作るのか。
世界に抗うはぐれ者達の新たな物語が、始まりを告げた。
如何だったでしょうか?
GOD EATERはレイジバーストまでしかプレイしていません&最近GOD EATERに触れていませんので、訂正などありましたら、どうぞ気軽にお申し付け下さい。
(現在センター試験直前のため、2話投稿が遅れる可能性があります。それでもいい!という方は、どうか気長にお待ちください。)
それでは、ご感想ご指摘等、よろしくお願いします!