Outer Gods 〜はぐれ者達は夢を見る〜 作:絶望危惧種
では、どうぞ!^^*
ヒトの姿を失い、シユウとして生まれ落ち、はや3日。
俺は今、黎明の亡都に来ている。
理由は2つ。
1つ目は、単にこの場所が好きで、落ち着くから。
2つ目は、せっかくシユウになったんだから、戦い方ぐらい知っておかないとなー、と思ったからだ。主な理由は2つ目だったりする。
そんな訳で俺のチュートリアル戦に丁度いいアラガミを探しているのだが……おっ、あれは?
あの青紫っぽい体表、背中にタービンのついたワニみたいなシルエット……うん、ウコンバサラだね。
確かウコンバサラに有効なのは氷、その次に火。んで、雷の攻撃をしてくるから……おお、俺相性いいじゃん。
よし決めた。チュートリアル戦の相手はこいつにしよう!
小型種じゃ物足りないだろうし、かといって大型種は強すぎるから、丁度いいね。
早速近づいてみる。向こうも俺の存在に気付いた様だった。
「グギャァァァ!!」
おお怖い怖い。俺を見た途端に威嚇してきた。こいつからは理性の欠片も感じないから、殺っちゃっても大丈夫そうだ。
「行くぞオラァァァァ!!!!」
よし。まずはシユウの代名詞、火球を試してみよう。
えーっと、攻撃のモーションは確か……かめ〇め波みたいに腰のあたりで力をこめて……おお、キタキタキタ!!
原理はよく分からんけど、エネルギー体が出来てきたぞ!
あとは、もの凄い勢いでこちらに迫るウコンバサラに狙いを定めて……!
「
ドガァァァーン!!
超!エキサイティン!!!
くぅーっ!決まった!
俺の放った火球はウコンバサラの顔面に見事命中、その余波で怯ませることに成功した。
うし、この隙に距離をとって……次はあのホーミング弾を撃ってみるか。
さっきの要領でエネルギー弾を空に打ち上げて……そりゃっ!
ウコンバサラに目掛けて……あれ?
俺が打ち上げたエネルギー弾は、ウコンバサラを追尾することなく、そのまま空の彼方へ消えていった。
ありゃ?追尾ってどうやるんだ?
と、考えているうちにいつの間にかウコンバサラがすぐそこまで接近していた。
「クギャァァァァオ!」
突進した勢いのまま、その大きな口で俺を噛み砕かんとする。
「うおっとっとぉっ!?」
慌てて地面を叩きつけるようにしてバックステップ。すると、叩いた場所が爆発。ウコンバサラの大顎が砕かれた。いわゆる結合崩壊だ。
おお、なんか出来ちゃったよ。
だいぶカッコ悪いモーションだったが、偶然にもシユウの回避技を習得した。
これ楽勝じゃないか?と、俺はこの時油断していた。
先ほどの爆発で起きた土煙の向こう側の、キュイイイイインというタービンの回転音に気付かなかったのだ。
「グギャァァァァァ!!」
バチバチバチバチっ!!
俺に目掛け、電撃ビームが伸びてきた。回避しようとしたが、時すでにお寿司。そのまま直撃をくらった。
「あばばばばばばばっ!?」
しびびびびれるるるるゥゥゥ!?
はあ、はあ……いくら得意な属性とはいえ、かなり効いたぜ……。
畜生、ふざけやがって!もう怒った!
「ヤロウオブクラッシャァァァァーッ!!」
元グリーンベレーではないが、怒った俺は活性化状態になりつつ、ウコンバサラに突撃した。
✱✱✱✱✱
いやー、今日1日で色々な技を習得できたなぁ。
ん?ウコンバサラはどうなったかって?もちろん美味しくいただきました。口の中でパチパチってはじける、なかなか癖になる味でした。
もしかしたらシユウ堕天種になる日も近いかもなぁ。
……さて、現実逃避もここまでにしようか。
結論から言います。今、俺、大ピンチ。
「だれか助けてぇぇぇぇーっ!」
お米大好き系アイドルみたく叫んでみた……なんてしている場合じゃなかった。
俺は今、滑空しながら両手から熱波を放出して全力で逃げていた。
後ろからは追ってくるのは、イェン・ツィー、チョウワン×3、オウガテイル、ラーヴァナ。とてもじゃないが勝てる気がしない。
さらに、さっきから熱波をぶっぱなし続けているせいで、徐々に速度が遅くなってきている。エネルギー切れで追いつかれるのも時間の問題だった。
そんな時、目の前に見覚えのある姿があった。
「……シユウ?一体どうしたのだ?」
漆黒の体躯から他のアラガミとは別格の強者のオーラを放つ、ディアウス・ピター……俺達のリーダーがそこにいた。
「リーダーァァァ!!助けてぇぇぇぇっ!!」
俺はなりふり構わずディアウス・ピターに助けを求めた。すると彼は自身の頭上に電撃の球体を生成し、それを放った。
……俺に向かって。
「あばばばばばばばなななにすすすんでですかかかかか!?」
「……あ、すまぬ。何故か無性に攻撃したくなってだな……」
……あ、なるほど。イェン・ツィーの感応波の影響か……。
「さて、なかなか面倒なことになっているな……」
ディアウス・ピターは気を取り直し、向かってくるアラガミを睨みつける。
そして、アラガミ達がある一定の距離にまで接近したところで、その場で大きく跳躍した。
「喰らうがいいッッ!!」
着地すると、衝撃波と同時に、彼を中心に強力な円状の電撃が流れ、アラガミ達を一気に行動不能にした。
す、すげぇ……圧倒的じゃねぇか……。
「今だ、退くぞシユウ」
「あ、りょ、了解!」
声をかけられ、慌てて反応する。
スタン状態が続くのは一時的。その間に、俺とディアウス・ピターは撤退した。
✱✱✱✱✱
そして、俺達の縄張りにて……。
「アッハッハッハッハッ!!なんだよそれ、だせぇ話だなおいっ!」
ディアウス・ピターが俺の話をすると、コンゴウが大爆笑していた。まさにハガンコンゴウだ。
「もう、コンゴウ。あんまり笑わないの。シユウが可哀想よ。シユウも気にしちゃダメよ?」
サリエルがそう言ってフォローしてくれるも、心なしかその眠たそうな表情が若干笑っているようにも見えた。
「……はいはい。どーせ俺は臆病者ですよーだ」
と、やけになっていじけていると、ディアウス・ピターが俺に話しかけてくる。
「……シユウよ、そう卑下する事でもないぞ」
俺は帝王に向き合い、話の続きを聞く。
「我々は、この世界に抗い、『生きる』ことを目的としている。ならば、今回のお前の行動は我々にとって至極当然の判断だった……そう思わんか?」
「リーダー……」
この時、俺は心を打たれた。
ディアウス・ピターは強さだけでなく、群れの長としてのカリスマ性をも兼ね備えた、本当の強者だった。
俺、ここに来てよかった……と、改めて思った。
「リーダー。俺、もっと強くなります!」
感謝の意を込め、その決意を口にする。すると、ディアウス・ピターは。
「うむ。期待しているぞ」
そう言い残して、背中のマントのような羽を翻し、どこかへ歩いていった。
ホントにカッコイイ……と、俺は尊敬と憧れの目で、その後ろ姿を、見えなくなるまで見ていたのだった。
次回は2月までにだせるといいなぁ……。
出来るだけはやく上げられるよう頑張ります。
それでは、感想等お待ちしております^^*