…………俺は断罪人、罪深き者を始末するもの…
永き年を経て、俺は断罪人として戻ってきた
白は残すが黒は消す、黒とは罪、人を何も思っていない…漆黒
数百年前、俺は家族を目の前で殺された…俺はそいつを憎み、復讐を誓った
そして…俺は復讐に成功した、奴の首を刈り取った
俺は断罪人…この世の罪ありし者を破壊する者…滅する者
俺はずっと黒を消してきた…だが、世界は黒く染まっていた…犯罪が犯されても許してしまう、そんな世界になった…だから壊そうと思った……黒い世界なら一度壊し白い世界にしようと…
だが…ある一人の男が俺を殺した…断罪人が黒に殺された…あいつが…あいつが!!
あいつが…憎い!!ずっと恨んできた!!俺は正しいことをしているだけだ!!なのになのに!!何故俺を殺したっ!?思い出すだけでも殺気が蔓延る!
…………しかし、奴は消えた…俺が消す前に…
…………今日のターゲットは、死してなお…また生きようとする転生人…生き返ること、生きていることが罪なのだ、だから俺は…そいつを殺す……
殺してやる…もう一度この手で……次は跡形もなく消す…
ヒリス「………………ユーリさん、フレンさん…先に行ってください」
断罪人の気配を気取ったヒリスはユーリたちを先に行かせようとする、一対一で勝負するつもりだ
フレン「いや、君を置いていくわけには…」
止めようとするフレンにユーリはそっと肩に手を置いた、ヒリスの心情を分かっての行動だろう
ユーリ「ヒリス、帰ってこいよ?」
ヒリス「分かってます、ちゃんと戻ってきます」
一礼しヒリスは断罪人の元へ
………近づいてきた、自ら命を捨てに来たか……いや、そんなはずはない…黒の人間ほど生きたいはず…なら馬鹿と言うことか?
ヒリス「僕を殺そうとしているんですか…?」
?「……お前か、転生人は」
ヒリス「確かに転生したけど…どうして知ってるの?ゼウスさんたち見たいな神様には見えないのに」
こいつ…本当に子供なのか?
ヒリス「……何で知ってるの?僕をどれだけ知ってるの…」
それほど罪を重ねたのか?この体で…ならこれ以上広がらないように……
?「…………」ジャキッ
ヒリス「殺すんですか…」
?「子供だろうが…罪を犯した人間には死を!」
ヒリス「そう…ですか………」
?「お前は先程から何故そんな顔をする…殺される恐怖があるはずなのに…お前には過去を悔やんでいる顔だ」
自分は何人もの、人間を殺してきた、子供、大人を含めて…だから顔を見れば心境が分かるようになった
ヒリス「………殺せるなら…殺したらいいんじゃないですか……僕は…死神なんだから…人に災いをもたらすんだから!!」
?「死…神……?」
こいつの言動にも驚いたが…死神とは……もう少し聞き出す必要がある…
俺は何だか策にはまっている気がしたが…口が勝手に動いた
?「何故だ、何故お前が死神と?」
ヒリス「僕を育ててきてくれた人が…皆死んだから…」
俺は絶句した、こいつは若い頃から自分のせいで殺したと思っている…それだけで死神と呼ばれるとは…劣悪の環境の中…こいつはどうやって生きてきたのか…
そして禁断の言葉を口にしてしまった
?「お前が死んだ理由は何だ?」
ヒリス「雪で遊んでたら…車に跳ねられて…僕夢中で音にも気がつかなくて…」
………………何なんだ、こいつの人生は…こいつの姿を見るからしてまだ小学生ぐらいだろう、なのに…死んだのか?
ヒリス「……お兄さんも僕を敵対してるんでしょ…だから…戦うよ」
…クソッ……最悪だ…生きているだけでも罪なはずなのに…何でなんだ…?
だが…俺はこいつの意思を受け止めよう、それが奴に対しての報いだ
?「……良いだろう、俺にお前の気持ちをぶつけてみろ!」
ヒリス「簡単に…簡単に言わないでよ!!」
っ!?早い…こいつ強い!
?「これぐらいで…当てれると思うな!!」
ヒリス「うぐっ……まだだよ…僕は不死身なんだから…死なないんだから……」
?「不死だと…ふざけやがって」
最初からこいつの相手も劣悪だったが、今回はこれ以上にないほど…疲れる奴のようだ…
ヒリス「皆…死ぬんだ…僕に関わったから!!!」ズドンッ!!
?「うがっ!?」
ヒリスの大剣が断罪人の胸を傷付ける、昔の押さえていた感情が一気に放出されてしまったような力、それはまるで本当の死神だった
……だけどな…俺も負けられない
?「……まだだ…まだ俺も行けるぞ…カハッ……はぁはぁ…」
先程の斬撃で内蔵も少し位置が外れてしまったようだ
ヒリス「何で…僕に構うの…」
?「…お前を殺すためだ…それが今の俺の使命……うっ…」
体が言うことを聞かなくなってきた…本当にヤバイと思ったとき…あいつが俺を見て喋ってきた
ヒリス「…もう皆に傷ついてほしくない…死んでほしくない…僕一人になりたくない…」
あいつが涙を流しながら武器を落としたとき…俺は斬ったほうが良かったと思うのに…何故か体はあいつを抱き締めていた
…久々だ、まるであの時の弟と一緒に暮らしていたときのような…暖かい感じだ、自分はこいつを殺すと決めていたのに…罪を滅ぼすと昔から決め…殺してきたのに…何故なんだ?俺は何故こいつに優しくしてしまう?
?「…………止めだ、お前を何故か殺せない……だけど…お前が俺に本当の気持ちを言うまで離せない…だから思いっきり吐け、楽になるから…」
ヒリスは泣き声をあげて俺に抱きついてきた…そして洗いざらい話してくれた…俺はやはり間違っていたようだ…黒い世界にも白い奴がいる…俺はそいつらを助けてやればよかった…なら今後改めなければと思った
ヒリス「……ごめんなさい…僕のせいで怪我しちゃってますよね…治しますから…」
?「…決めた、お前に着いていこう」
ヒリス「へ?」
何か凄く意外そうな顔をされた…確かに先程まで敵意がむき出しの男から言われたらそう反応するのも無理はない
ヒリス「来てくれるの!やった!」
?「…はい?」
…何か変だな
ヒリス「僕はヒリス·ノーウェン!」
自己紹介する流れにしたか…やはり子供だな
ヘルメス「ヘルメス·アドランティアだ」
ヒリス「じゃあヘルメスお兄ちゃん!」
ヘルメス「いやヘルメスだけでいいからな…」
こいつと喋っていると何だか調子が狂う…だがこいつにとっては初めての友のような感じなんだろうから許すとしよう
ヘルメス「行くか、何時までも居るわけにはいけないしな」
ヒリス「うん」
歩く前にヒリスが手を差し出してきた、握手とも思えたがもしかしたらと思い俺は手を繋いだまま歩いてみた
…ヒリスの顔がさっきよりも明るくなった、やはり手を繋いでいたかったのだろう…
ヘルメス「それで何処行くのか、分かってるのか?」
ヒリス「此方だよ」グイグイ
ヘルメス「お、おいおいそんなに引っ張るな」
それでも俺は何だか笑顔になっていた
ヒリス「まだ手を離したくないもん!」
ヘルメス「こりゃ本当の白だな…」
ヒリス「何か言った?」
ヘルメス「いんや、何にも?」
少年&青年移動中
ユーリ「お、戻ってき…増えたな」
こいつは…男だな、髪や顔が女っぽいやつも見たことがあるからよく分かる
フレン「ヒリス、その人は?」
こいつらの服装を見てから少し見当がついた、多分…騎士だろう
ヒリス「ヘルメス·アドランティアだよ」
ユーリ「へぇー」
ヘルメス「お前たちは?」
ユーリ「ユーリ、ユーリ·ローウェル」
フレン「フレン·シーフォです」
ユーリは気だるそうだが…フレンというこいつは心まで清みきっている
ヘルメス「それよりヒリスと俺を何処か安全なところに連れていってくれないか?」
ユーリ「そう慌てるなよ、此処も安全になるんだしな?」
ヘルメス「それはどういう…」
俺がそう思った瞬間そこら辺りが光り、目を開けたときにはあのうるさかった魔物が一匹たりとも気配がしなくなった
フレン「これで任務完了…と、僕は言いたいんだけど…ユーリ!」
ユーリ「何だよ?」
ヘルメス「……ヒリス、あっちに行くぞ」
俺は喧嘩を子供に見せるほど馬鹿ではない
それに
ヒリス「行こ行こ!」
笑顔を向けてくるこいつがいるんだ、この笑顔に俺は改心させられた…いや色々あってのことだが
?「ユーリ、フレン!喧嘩してねぇでさっさと手伝え!」
突如現れた男によってユーリとフレンが頭を殴られた、殴られた二人は渋々向こうに行った、多分この男はこいつらの騎士の隊長だろう
ナイレン「お、お前たち見ない顔だな?俺はナイレン·フェドロック、あいつらを含めた騎士団の部隊長だ」
ヘルメス「俺はヘルメス·アドランティア、それで此方のが…ヒリス、家族の関係ではないが友人のような関係だ」
ナイレンと言った男の目…人を助けようとする、慈しみの目だ…この男はどんなことがあろうと仲間を捨てず市民を守るやつだ
ヒリス「うーん…それより僕たち結局何処に行けばいいの?」
………………忘れていた
ナイレン「行く当てないのか?なら俺たちに着いてきな、町まで案内してやる」
…成程、こいつもお人好しだ
メカ龍「あー、面接とか試験とか緊張した…」