港町の小規模艦隊(弱いとは言ってない)   作:酔いどれリンクズ

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3話・大鳳と司令官

「あんた・・・また無駄遣いしたわね・・・?」

「いや、月報で開発の数増やさないと思ってな?今月は開発資材が多めに貰える、って聞いたからな?いや、聞きましたのでね?」

 

 

マルキュウマルマル。

日本海に面した小さな港町の一角。

執務室や宿舎が一緒になっている庁舎・・・解りやすく言えば、地方の片田舎に存在する駐在所みたいな風貌の家の玄関先で、そこに在籍している卜部と言う司令官が、鬼の形相をしているその彼の部下である艦娘『叢雲』の前で正座をして怒られている。

この小さな田舎町でよく見られている光景だ。

 

 

「あれ?また叢雲さんに司令は怒られてるんですか?今日は何を?」

「あ、おはよう、大鳳。今日は叢雲に黙って武器開発して失敗したみたいで、無駄に資材使っちゃったんだって?」

「比叡さん、おはようございます。そうなんですか。開発で失敗してしまうのは仕方ないですけど、黙って行ったら怒られますね。」

 

 

比叡から事の次第を聞いたのは、大鳳と言う、卜部指揮下の数少ない艦娘の一人である。

装甲空母と言う通常の空母とは違う彼女は海の哨戒に出ることが多く、余り、この町に居ることはない。

今日は非番、と言うこともあり、宿舎で1日のんびりしようとしていたようだ。

 

 

「大鳳ッ!いいところにッ!!お前の装備を新調しようとして開発してたんだッ!!助けてくれッ!!もう2時間このままなんだッ!!」

「私の装備を開発しようとしてたんですか?私が秘書官でいないとうまく作れないですよ?・・・まぁ、私の装備を作ってくれるのは嬉しいですけど・・・」

「頼むッ!!今座ってるところ、石が多いから痛いんだッ!!叢雲に何とか言ってくれッ!!」

「大鳳?助けなくていいわよ?こいつが作ろうとしたのは艦載機じゃないから。」

「え?何を作ろうとしてたんですか?」

「・・・じ・・・」

「え?」

「バルジらしいよ?大鳳『薄い』からバルジ着けたら、よくなるんじゃないかって?」

「おいッ!?比叡ッ!!『薄い』何て言ってねぇぞッ!!『細い』し装甲空母なんだからもう少し体しっかりしたほうg「提督?」あ、はい。」

「・・・ギルティ。」

「ちょ、おい、止めろッ!!その銃は深海棲艦に向けろッ!他の人より丈夫とは言えそんなもの撃たれたらッ!!」

「反省してください♪提督?」

「マジでかんb、ギャーーーーーーーーーーーーッ!!!!」

 

 

平和で静かな港町に爆発音が鳴り響いたのはわりとよくある光景だった。

 

 

 

 

「くそ・・・容赦しろよな、お前・・・普通の人間だったら死ぬぞ・・・?」

「女の子にあんなこと言うからですよ?少しは反省してください。」

 

 

大鳳が放った銃弾は爆撃機に変わり、彼の頭上に爆弾を雨のように降り注いだ。

いつものボサボサ髪は、それ以上にボサボサになり所々焼け焦げている。

 

 

「で?今日は当番でもないし、非番なんだろ?何で執務室にいるんだよ?」

「ムラクモさんから監視を頼まれました。これ以上開発されると、私たちが出撃できないくらいに資材がなくなるので。」

「それくらい考えてるっつうの。それにどうせまともに海出るのお前くらいじゃないか。」

「いつ、出撃の要請が来るかわからないんですから、備蓄はしっかりやっておくべきですよ?それに提督の『あの子』は私たちより燃料や鋼材使うじゃないですか?ちゃんとその分は残しておかないと。」

「使わないに越したことないじゃないか・・・それに今はリミッター付けてるからいいけど『あれ』の環境汚染が原因で深海棲艦が増えてるって話もあるんだ・・・使うべきじゃねぇよ『あれ』は。」

「だとしても『あの子』のお陰で、日本海域を解放できましたし、私たちの同胞も助かったんです・・・それに『あの子』に乗る提督は格好いいですよ?」

「1つ間違えれば、世界を滅ぼす事ができる『あれ』の何処が格好いいんだか・・・まあ、いい。ほれ、終わったぞ?次のやつは?」

「今日の分は今ので終わりみたいです。時間もありますし、たまには『あの子』の整備でもしては如何です?」

「明石がその辺ちゃんとやってるだろ?そうだッ!明石に頼んで新しい装備を「駄目です。」・・・いいじゃねぇか。『あれ』の開発費は別口なんだから。」

「駄目です♪開発はさせない、って頼まれてるんですから・・・ですが、折角なので、あの子を見に行きましょう?喜びますよ?」

「はー・・・まぁ、たまにはいいか。昼飯食ってから行くぞ、大鳳?ちゃんと食べないとホントにバルジ着けるぞ?」

「まだ言うんですか・・・でしたら、今日のお昼は提督の奢りですよ?」

「わかったよ・・・ちゃっかりしてるな、お前は。」

 

 

そう言って二人は執務室を後にする。

そしてまた、隠れて開発を行ったため、その夜、叢雲の雷が落ちたのはいつかの話で・・・

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