DW 作:委員長※永琳は俺の嫁
明晰夢《めいせきむ》 明晰夢という言葉を知っているだろうか、明晰夢という言葉に馴染みがないならこうえいえばいいだろうか、意識的に行動することのできる夢。
その夢では何でもできる、好きなものを食べ、ほしいものを手にいれ、好きなあの子と濃密な時間を過ごすこともできる。「夢は見るもの、目標は叶えるもの」と、某有名人だか誰かいっていたが、叶える夢もあるのだよといいたい。それこそが明晰夢なんだ。
だけど、この明晰夢はちょっとコツを掴めばできる人もいれば、一生できない人もいる。つまり、夢を見るだけで終わる人もいるのだ。
でも、明晰夢にも欠点はあるんだ。それが、明晰夢でみたものは所詮夢、夢から覚めればそこは普段と変わらない現実しかまっていないんだ。
好きなものが食べれない、欲しいもの手に入らない、あの子と簡素な時間しか過ごせない。だから、明晰夢を見ることのできる人物は遠い視点で物事を見ている。
ここは、とある公立高校の一年生のクラス。この校区で平均的なものが通う学校だ。私の主観でいうと、夢が定まっていない若者がとりあえず通う学校でおる。当然、それほど難しい高校でもないので中学からの知り合いが多数在籍している。まぁ、私はそのなかの唯一の例外だけど…。
「おぃ、いまからカラオケ行かね?親睦会もかねてさぁ。皆もいくらしいぜ」
ほら、クラスに一人はいる。こうやって人に接することが得意で、人と人をくっつける仲介的存在の人間。彼の名前は平田愛彦《ひらたなるひこ》。顔は好みが別れるタイプで未だにフリーなのだが、その仲介的存在の力で友達の数は四桁という武勇伝を持つ。また、彼のお陰でカップルになれたものも多いので巷はでは通称ラヴ彦と呼ばれていたりもする。
えっ?考えてないで返事をしなくていいのか?冗談はよしてほしい、ラヴ彦は私みたいな人に話しかけるわけがない。
私の後ろにいるもっと印象が強くて、クラスリーダ的存在、委員長の癖にギャルっぽさもある人物、七瀬燐子《ななせりんこ》を誘っているんだろう。
「良いわよ、皆で親睦会やりましょ♪」
女の子らしいきれいな声で彼女はいった。さすが委員長、クラス行事には問答無用で入ってこれる。さらにその美貌で呼ばれないはずもない。同じ女とは思えないほどだ。
さて、私は家に帰るとするかどうせやることもないしテレビでも見ておこう。と、私が席をたとうとするとラヴ彦と目があった。とっさに目を伏せる、私のようなものと目をあわせては気分を害すからである。
私は「あっ、ごめん」といって軽く手を振りクラスの外に出ようとした、が!
その手をラヴ彦が掴んだのである。頭が真っ白になる。えっ?えっ!?
「何帰ろうとしてるんだよ、"副"委員長。逃げるのはよくないぜ?」
彼は笑いながら副委員長こと私、峯月亜瑠葉《ほうづきあるは》の腕を握ったのであった。見つめあう二人、突然ラヴ彦がニカッと笑う、私は赤面して顔を伏せ、もごもごといった。
「えっと、私みたいな人がいっても楽しくないし、私音痴だし、あと見たいテレビあるし」
「はいはい、言い訳言い訳。そんなことで俺の誘いを突っぱねようだなんてあまいわ!!」
「ひぇえ!!」
「そうよ、副委員長! いきましょうよ。私も話してみたいと思ってたの」
「わ、わかった」
「よし、全員参加とはいかないがかなり数は揃った!! さぁいこうすぐいこう今すぐいこう!!」
こうして、私はラヴ彦の積極的な言いくるめと委員長の後押しがあってカラオケにいくことになった。
カラオケは近くにものすごく広い場所がある。グダグタックスというのだが生憎知らない
今回参加したのはクラスですぐ用事のない、言わば暇人どもである。ほかのものはクラブ入部申請の手続きだったり、本気で拒絶したりと様々な理由で参加したのは十名、内あと七名は名前すら知らない。
おのおの好きな曲を歌い、私はそれを傍観していた。カラオケ自体来たのは初めてで知らなかったのだが、なんでも採点機能なるものがあるらしい。皆それで高得点をだしたり普通の得点で「俺まだ喉があったまってないから」と意味不明な言い訳をいったりしている。私はというとドリンクバーなるものを気に入り、ずっとジュースを飲んでいる。もちろん、一度も歌っていない。ブタコーラ、うまい。
と、ブタコーラの味を楽しんでいると不意に目の前にマイクが突きつけられた。
「ファッ!?」
「いや、ファッ!? じゃねーよ。副委員長もジュースばっかのんでねーで歌えよ。有名な曲いれといたから」
と、無理矢理マイク渡された。同時に曲が始まる、これなんて新手のいじめ?
しかし、知らない曲なら適当にわかるところ以外流せばいいのだが、残念なことにめっちゃ有名な曲「翼をください」である。有名過ぎて泣けます。
「~ッ!!」
結果、38点ですって泣けます。はんっ、これでわかったでしょう。私はこんなとこにきていい人間ではない。ほら、空気もこんな凍って…。
「・・っぷ、アハハハハハハハ」
ラヴ彦の笑いを切っ掛けに皆も笑い出す、特に七瀬燐子は目じりに涙を溜め腹を抱えて笑っている。全員が狂ったように・・・でもこの狂いかた悪くない。私も笑った、狂ったように笑った。しばらくすると、笑いは止みラヴ彦がいった。
「ごめん、なんかごめんだけわらってしまう……さ、38点って」
「だから、音痴っていったじゃない!!」
「たしかに音がかなり外れていたわね。正直、採点まで笑いをこらえるのが辛かったわ」
「委員長まで……もう」
「学校外で委員長なんてやめてよ、ほら燐子ってよんで、り・ん・こ!さんはいっ!!」
「り、りんこぉー?」
「よく出来ました!!よろしくね、えーっと」
「峯月亜瑠葉……よろしく」
「よろしくね、アルハちゃん♪」
その後私は歌うことはなかったが大いに楽しませてもらった、今日私は自分の居場所を見つけた。
帰るのがすっかり遅くなり時間は午後九時を越えてしまった。私の家は駅から歩いて十分という駅近マンションでその八階の「803」号室だ。オートロックと最新式なのだがある裏技をつかうと気づかれずにはいることができるのだ。無事家の前までつくと深呼吸をする、ここが正念場だ。ここさえクリアーできれば、私はびくびくしながらそぉーっと家のドアを開けた。しかし願いむなしく、そこには鬼のような顔をしてたお母さんが立っていた。
「……ただいま」
「はい、ここでしつもーん。今、何時ですか?」
「……九時」
「はぁー、心配するんだから遅くなるときは連絡くらい入れなさい。今日はお母さんも疲れたからこのくらいで勘弁してあげるわ」
「ほっ」
「ただし!! 次、遅くなるときに連絡入れなかったらお父さん直伝のコブラツイストかけるからね!!」
「はいっ!!」
そういうと私はとぼとぼと自分の部屋に向かった。このマンションは三つの個室(私室)と皆が集まるリビング、それに続くようにキッチンがある。トイレは玄関の近くという風に構成されている。私の部屋はトイレ、第一私室と通りすぎ、第一私室のはす向かいにある第二私室とされるこの部屋である。
木製の固いドアで鍵付き、鍵を閉めれば丸太でも持ってこない限りドアをぶち破ることはできないだろう。この辺は管理人の趣味だ。その木製のドアに全体的に丸い扇形の木製のネームプレートのようなものが紐でぶら下がっている、木製のネームプレートにはカタカナの浮き彫りで「アルハ」と彫られている。
ドアノブを捻りなかにはいる、中は特筆すべきものは一切ない、勉強机、ベット、参考書や好きな漫画、CD 等がおいている本棚。申し訳なくおかれているちょっと変わった人形。
友達など作ったことのない典型的な子供の部屋である、私はひとつため息をつくと机の上に立て掛けられた写真立てを見る。なかには楽しそうに笑っている母と父と言われた男の間に幼い頃の私がいる写真だ、写したのは外で青々とした木々が生えている。もう一度私はため息をついた。
私は写真立てをそっと伏せた、これは過去の記憶、過去の事はどんなに泣き叫んでも変える事はできない。所詮過ぎたことなのだ、過ぎたことを気にしていては前には進めない、ましてや無い記憶の事など・・・。考えるのを止め制服のリボンを解きシャツのボタンを上から三つほどまで開ける、少し大人びた黒色のブラジャーがはだけたシャツの間から見え隠れする。そのままベットに倒れこんだ、片腕で目を押さえると普段と慣れないことをして疲れていたのかすぐに眠りに付いた。そのとき部屋においていたアナログ目覚まし時計が狂ったように動き零時を指した。
クトゥルフ神話っていいよねw
語られる人がいたらミニメでもなんでもいい語りましょう!!