DW   作:委員長※永琳は俺の嫁

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四月九日(水)~四月十日(木)


明晰夢、その1-1

 一陣の風が吹く、風に乗せられた花の香りが心地よい。私は目を覚ました、周りには当然ながら自分の部屋のものは一切ない、あるのは延々と広がる草原だけだ。服装は寝たときと同じではだけた制服だ、眠って目が覚めたら朝になっていたいという時に限ってコレをみる。

私の場合夢を自由に操作できるわけではなく、ただ歩いたり時間を潰せば目が覚めるというものである、記憶の整理のために過去に起きた出来事が過ぎる。私は溜め息をつくと歩き出す、どうせ時間が経てば目が覚めるのだ。この世界を楽しもうではないか……。

 私はコレを一つの世界だと思っている、人間の頭脳はまだまだ未知数で、たぶんそのなかに世界を創造できる力があるんだと思う。皆は想像する記憶という材料を元に不鮮明なイメージを脳裏に過ぎらせる。でも、想像はできても創造はできない、それは神の領域だからとか物理の法則から外れるからだとかいろんな憶測が飛びかっているけど、正直私は思う。人間は創造することができる、ただそれは使うには適正がいるんだって、だから明晰夢が見れる人は選ばれた人間なんだ・・・ってどうみたって変な考え方だけど私はそれでいい、すこし腐っていたほうがおいしいお肉と同じだから・・・。

 

 物思いに耽っているとついぼぉーっとしながら歩いてしまう、そのためそれにぶつかるまで私は存在にすら気付かなかった。それに跳ね返されしりもちをつくと、咄嗟に「すいません」と謝った。しかし、ここで疑問に思う。ここは私の世界、ほかのものが存在するわけが無いし、仮に存在しても触れられるわけが無い。そのとき、知らない男性の声が上から降ってきた「亜瑠葉」と言っているようだ。一瞬で青ざめ、ぎこちなく顔を上げた。

 そこには写真の中にいた「チチオヤ」が無表情で私を見下ろしていた。「あ、あ」と声を詰まらせているとそれは無表情のままその体勢で後ろにスライドするように移動していった。一瞬呆気に取られていたが、すぐに我に帰りそいつを追いかけた。喋れると言う事はもしかしたら意思の疎通ができるかもしれない、私の空白を埋められるかもしれない!!

 だがすぐに駆け出したにもかかわらず男との距離は広がる一方であった、夢の中なのに息が上がる。苦しい、何かに蹴躓いて転んでしまった、どんくさいこんなことなら日ごろから鍛えておけば・・ってここ夢の中だ。私の意識はここで一旦途切れた。

 

「……るは……きろ……ふく……きろって」

「(何よ・・もう少し寝かせてよ)」

「副委員長!! 起きろってば!!」

「はへぇ? ラヴ・・彦?」

 

 身体を揺り動かされて変な声を上げて目を覚ます。目の前にはラヴ彦・・・ラヴ彦!? 急に頭が半覚醒しがばっと身体を起こす、がラヴ彦の顔が近づいていたため頭を思い切りぶつけてしまった。悶絶する二人、痛みで完全に覚醒した。あれ、なんで痛みがあるの? ここは現実? 明晰夢? それとも別な・・・。

 

「痛てて、急に顔上げんなよ・・・」

「ご、ごめん」

「それより副委員長、ここってどこなんだ? 俺は寝たはずなんだけど・・あとラヴ彦ってなんだ?」

「ちょっと考えさせて」

「お、おぅ」

 

 一方的に質問してくるラヴ彦片手で制し考えはじめた、ラヴ彦のいっていることが正しければ恐らくここは夢の中、ラヴ彦は明晰夢が初めてだから戸惑っている。普通ならこれで正解なのだが、私の経験上明晰夢で人格のある人とあうことは無い、それに痛覚など夢なんだからあるわけもない。でも、どちらも実際に起きている。

 ……これは言うべきではないかもしれない、私は制した手をさげラヴ彦に向かっていった。

 

「ごめん、私にもわからないや」

「だ、だよな~。聞いてもわからないってわかってたけど質問しちゃう俺って何なんだろう」

「仕方ないよ、突然のことでパニックになっちゃてんだとおもうよ」

「仕方ねぇか、ごめんな副委員長」

「いいよ、正直ラヴ……平田君がいなかったら私もパニックなっていたし」

「そうだな。副委員長も女の子だしな」

「えっと、それってどういう意味かな?」

「うん? 普通の意味だけど」

「(何か貶されたような気がする……)」

 

 と、私が落ち込んでいるとちらちらとラヴ彦が私のことを見てくる。何かあったのか、まさか何か付いているとか!? と、思いラヴ彦に聞いてみた。

 

「平田君。さっきからちらちら見ているけど、私に何か付いてるの?」

「えっと、おいしいから黙っていたけど結構大人物つけているんだな」

 

 ラヴ彦の視線を辿っていくと私の胸部におのずと視線がいく、普段はきっちりとしまっているボタンも寝るときに息苦しかったのでボタンを外したままだった・・・つまり、私のシャツがはだけてブラジャーがこんにちわしているのだ。

 当然おんなのこらしく「キャー」と悲鳴を上げてラヴ彦を殴る、ラヴ彦の頬に真っ赤な紅葉が咲いた。

 その悲鳴を聞きつけたのか一人の女性がこっちに駆け寄ってきた。その女性は見知った顔、というより今日カラオケに行った燐子である。燐子の服装はパジャマで女の子らしくてかわいい、制服が少し大きくてわからなかったけど、燐子はかなりスタイルがいい。私はそれをみると少し興奮し叫び気味に言ってしまった。

 

「り、りんこぉー!! ……あ、ごめん」

「何か変に訛った覚えかたされちゃったわね……というか何で謝るのよ」

「いや、呼び捨てにしちゃったから……」

「もう水臭いわね、謝る必要は無いのよ!! 私達もう友達でしょ!!」

「とも、だち?」

「そう、友達」

「それより、悲鳴上げてどうした……ああ、そういうことね」

 

 燐子は叩かれた頬を擦っているラヴ彦と私の胸部を見てにやつきながら、多分間違った方向で解釈してしまった。多分、燐子はこう考えているだろう。気絶している私に欲情したラヴ彦が襲い掛かかろうとしたところ目を覚まして頬を叩かれたと……。

 私が必死に訂正しようとしたが、片手で制されてしまった。私、夢の中では強気になれるけどこの人には無理みたいです。というか、この分だとこの人がいる限りラヴ彦の前でも萎縮しそうだな・・・。「ははは」と笑っていると燐子が何かを思い出したのか「あっ」と声を上げる。

 

「一体どうしたの?」

「そういえばあそこに人だかりが出来ているのよ!!」

「人だかり?それてどれくらい?」

「結構な数がいたわよ、なんかみんなパジャマだったけど、あれ私もパジャマだ」

「燐子さん、たぶんここは夢の中じゃないかな?かなり特殊な」

「えっーここ夢なの!? って、それもそうかパジャマだし、それよりもアルハちゃんいってみよ。愛彦君もはやくこないと置いていっちゃうよ」

「お、おぅ!!」

「アルハちゃん・・・なんかむず痒いな」

 

 下の名前で呼ばれることなど早々無いので首の後ろが痒くなる。

 対話は普通にこなすことができたが、頭の中はいろいろなことが渦巻いて混沌としていた。「意思のある人格の出現」「痛覚のある夢」「多人数との明晰夢のリンク」「突如現れた私のチチオヤらしきもの」頭が痛くなりそうだ。わからないことが多すぎる。……それにしても大人数が集まるかぁ・・・嫌な予感がするけどなー。私は燐子とラヴ彦のあとを付いていった。

 

 




実は女の子主人公初めてなんです。

描写は研究中のため地の文がながくなるけど……小説だし仕方ないw
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