DW 作:委員長※永琳は俺の嫁
そこには文字通り人が密集していた。数でいえば千は越えるのではないか、さながら全校集会のようだ。色々な国籍の人がいる。でも、みんなの話している言葉がわかる。これは夢の世界だからなのだろうか、本当にもしかして私の妄想どおりここは『世界』なのだろうか。
と、私達が集団に混ざった瞬間、空が暗転した。
『ソレ』は暗転した空から現れた。いや、降りてきたといったほうが良かったのかもしれない、一筋の光が天からベールのように落とされ『ソレ』はゆっくりと降りてくる。いずれにせよ『ソレ』は集まった千人の人間を狂わせるには丁度いいものであった。-時を知らぬ若さ、美しい髭が整えられた顔、カープを描いて微笑んでいる唇、オリンポスの神を髣髴させる眉、ふさふさとした波打つ巻毛にひなげしの冠を載せていた。シャープな身体にはイエス=キリストを想像させる祭服が纏っているが、どう見ても胴体と首がくっついてるとは思えない、それほど印象がある顔は大きかった-
その姿を見てあるものは叫び、あるものは逃げ惑い、あるものは自傷行為にすら走った。幸い一番遠くにいたもの達は(峯月亜瑠葉、七瀬燐子、平田愛彦を含む)奇行に走ることは無かった。一筋の光は群集の真ん中に路を変える、『ソレ』を囲むように群衆は円状になって動かなくなった。否、動けなかった。巨顔は群集の真ん中で胴体のようなものを地に付かせると、そのカープを描いた口角を一層吊り上げた。パチパチと目の前に火花が散るイメージが湧く、何か力が直接脳に働きかけている、そう直感できたのはごく僅かなものたちだけであろう。次に円状に広がった群集の一番『ソレ』に近いものが頭を抱えて両膝を折る、惨状はドミノ倒しのように広がっていく、叫ぶもの、逃げ惑うもの、自傷に走るものもその行為を止め皆同じような態勢になる。それは峯月亜瑠葉、七瀬燐子、平田愛彦も例外ではなかった。この集まった千人の人間の中に例外があるはずも無い。
さて、両膝を折って倒れたものの脳内には低音だが聞き取りやすく、また一言一言に重みがあるものだった。それが目の前に黒い字幕が浮んでいるかのごとく単語単語が浮んでは消え、浮んでは消えを繰り返す。最初の単語は「あーあー」、「テスト中」等他愛も無いもの、次に「この言語は貴方の母国語?」と表記された。それに続いて「YES」「NO」と表記が出る。
「何……これ?」
私は目の前の「YES」「NO」と表記された文字に手をかざしてみる、かざした部分に面した表記がオレンジ色の枠線を纏った。どうやら、タッチパネルのようなものらしい、私は当然「YES」を押した。すると、選択肢は二つとも消え次の選択肢が表れる。
「貴方の性別は」「男」「女」
もちろん「女」だ。また同じように質問が出る。
「未成年ですか」「YES」「NO」
「YES」を押す、質問が出る。
「動物が好き」「YES」「NO」
動物は好きなほうだ「YES」、質問が続く。
「貴方はここに来るのは初めてですか」
すこし、不思議に思いながらも「NO」を押した。今までと変わった問題が出る。
「では、今から貴方は変形します。異論は認めません、よろしいですか?」「YES」「はい」
何で急に!? わけがわからない、選択肢は二つしかない、どちらも肯定こんなの押せるわけが……ときづくと右上にカウンターが設置されていて10,9,8……のように徐々に減っていく時間がない、周りを見渡すと皆もあわてているようだ。私はすぅーっと息を吸い込むと「はい」を選択した。ファンファーレのようなものが聞こえ、質問と同じような感じで単語が現れた。
「おめでとうございます、貴方はドリームワールドの住民になりました。変形は今すぐ始まります、ではよいライフを」
それを機にプツンという音とともに目の前が暗転し猛烈な頭痛を感じる、頭が痛いひっかきまわされているようだ。つらい、すると何かの箱が降ってきた。それは私を覆うとそれ以降の光は遮断され、視界は永遠の闇でふさがり、手は辛うじて動かせるも頭を抱えるばかり、寝転がる程度のスペースはあるのだが気にしている余裕はない、とにかく頭が……とおもっていると全身に激痛が走る。そこで私の意識は遠のいた。
ぐにゃぐにゃとしたイメージ、その中にはある男性が居る。「チチオヤ」と紹介された男性とお母さんが居る、どちらもあの写真のころのように元気で若々しくエネルギーに溢れている。そんな二人が仲良く手をつないで歩いている、化粧はその年代を象徴させているがそれでもお母さんは魅力的だった。そこでイメージは消える。かわりに嫌な世界が広がっていた。先程と同じ夢の世界、ドリームワールドっといってたっけ? すると、なにか違和感を感じる。
私自身眼鏡をかけるほど目が悪くないがギリギリ眼鏡をかけない位である。眼鏡は個人的に好かなくつけないのだが、そんなことはどうでもいい。今はクリアな視界というのだろうか、目を凝らせば空の奥の奥の雲まではっきりと見える。私にこんな超人的な視力はない、見える範囲は大体見積もっても一キロ位だ。「変形」となにか関係があるのか、ふと下を見ると手鏡なるものが落ちていた。それを拾い上げ自身を見てみる。その変形した姿に私はただただ驚愕するしかなかった。
手鏡に映った私の姿はおおよそ人間と呼べるにはふさわしくないものが頭の上に付いていた。力を入れればぴくぴくと動く、触感は餃子の皮を何枚か重ねた感じ、二等辺三角形が丸みをおびた近い形をしていて裏表がある、いわゆる裏という部分は銀色の犬科に良く見られる毛並みで、表の部分はピンク色の多分肉の部分、指を入れるとぞぞっと背中に寒気を感じ勝手に横にひしゃげる。このような突起物は私の頭の上に最初からそうであったかのように生えていて、澄ませば色々な音を間近で聞いたような感覚に陥る。言わずもがなこれは耳というものであろう。もっと言えば私は呆気に取られていた箇所がもうニ、三個ある、まずは私は黒く長い髪は母親からもほめられるほど大事にしていたもので、手入れも欠かしては居なかった。その髪は今は白銀の銀世界の如く、その色に染まっている
。
三個めはいい意味で驚いた、私は比較的スレンダーなほうで母親も同じ、掴める程度にしかなかった桃のようなものが……ビフォーアフターびっくりのバレーボールサイズにまで大きくなっているではないか、これに関しては小さくガッツポーズしたのは秘密である。服装は学生服という露出が極端に少ないものから一変して露出の高いものになっていた。胸はどうやらブラジャーの変わりにさらしを巻いてるみたいで固定されている、それを支えるように白をベースに上と下に赤と黒の三角が交互にデザインされた胸部装備のようなもの、下は同じく白をベースに赤と黒の三角をデザインされたスカートだ。とにかく露出が多くかなり恥かしいため顔が紅潮した。腕に何かの特殊な布で作られたアームのようなもので肘関節が露出するがそれ以外の二の腕中間から手首までそれがぴっちりと肌に合うように付いていた。手には厚い革で作られた茶色と白の手袋が付けられている。
このような姿に変わったのは私だけではないと思い周りを見渡した……とここで耳に規則正しい音が聞こえてきたのである。それは私の夢の意識をブラックアウトさせて、現実世界の私は目を覚ました。となりでけたたましく目覚まし時計が機械音を上げている、寝ぼけ眼を擦り時間を見る。午前七時半。身の支度に三十分、ご飯に十分、学校に十分、朝礼は八時二十五分。とりあえず多い急ぎで着替えてパンを咥えながら学校に向かったのは恥かしい話だ。
パン咥えるとかなにそれひy
どうも、委員長です。クトゥルフやっほーです。
最高です