ハイスクールD×D 慈悲無きエクソシスト   作:ゼルトナー

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 やっちまった。他に書いているのがあるのに妄想が爆発してもうひとつ書いちゃった。言えることはひとつだけ。
反省はする、だが後悔はしない。


 と思う。長文ではありますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。前書きが長くなりましたがどうぞ。


00.プロローグ

 人とは実に面白いものだと思ったことはないだろうか?

 

 例えば目の前に突然雷が落ちたとしよう。反応は人それぞれだろうが、大半の人の反応は突然の事すぎて気付かないか、あるいは気付いても何が起きたのか理解できないのではないか?他にも自分が死にそうになったことに気付いて恐怖に陥る人がいたりするのではないだろうか。

 

 俺はそのように人が突然の出来事が起きたら別々の反応をするのが面白いと思っている。

 

 ん?何でこんな話をしているのかだって?それはだな、現在進行形で俺がその状況に陥っているからだ。

 

 俺の目の前に広がっているものを簡単に話すと、先が見えない。そして白く、広く、何も無い不思議な空間に居るということだけだ。

 

 はっきり言って、なぜ此処に居るのか突然の事すぎて理解が出来ていない。

 

 こうなったときにはまず心を落ち着かせてみよう。それから来る前の事を思い出していこう。

 

 たしか俺はさっきまで家に帰ろうと夜道を歩いていた筈だ。その帰り道の途中にある曲がり角を曲がろうとしたらいつの間にか、こんなところにいると。

 

 ………いや、どういうことだ。これだけだと何が起きたのかさっぱり解らん。

 

 俺の身に何が起きたんだ?体は五体満足、体が水の中を漂っている感覚と飛行機に乗っているときに一瞬だけ感じる浮遊感の様なものが感じられるな。いや、それともこれが無重力の中に浮いているとでも言うのかな。

 

 この感覚がなんなのか、いまいち理解ができない。

 

 こんな訳の解らない状態で色んな事を考えようとするとうまく考えを纏められないな。そんなときは体を動かそう。俺の場合、分からない事が有ったら少し体を動かす様にしている。それだけでだいぶ頭が回るからな。

 

 そうと決まれば早速………なんで動かない。

 

 何かに体を押さえつけられているかのように体が動かない。

 

 なんなんだこの空間は。どうしてここにいるのか分からないのと変な感覚に陥っていたり、挙げ句の果てには体を動かすこともできない。

 

 なんなんだ、畜生。さっきから訳の解らないことばかり起きやがって、どうなってんだここは!

 

 とりあえず、深呼吸をして落ち着こう。……よし、落ち着いた。さて、今の状況をもう一度、確認してみよう。

 

 俺は白い空間に居て体は何かに押さえつけられていて身動がとれず、宙に浮いている。此処にいる理由もさっぱり分からない。………本当にここはどこなんだ?俺はどうして此処にいるんだ。

 

「ふむ、目が覚めたかの?若者よ」

 

 なっ、なんだこいつは!?

 

 俺の目の前には今の今まで誰もいなかったのにそれが以前からずっとそこにいたかのようにそいつはいた。

 

 人のように見えるが、男なのか女なのかは分からない。そこにいるそいつは、人の形をしているだけの存在としか見れない。

 

「お主の身に何が起きたのか覚えておるか?」

 

 ……俺の身に起きたこと?その質問の答えは覚えていないし、分からないだ。俺がここに来た原因はおそらく、帰り道になにかが起きたからだ。

 

 どんなにバカなやつでもこんなところに来たのはそうとしか考えないだろう。

 

「そうか。そうだろうな、無理もない、突然起きた出来事なのだからのう。お主が認識する前に起きたのだから仕方ないと言えば仕方ないの」

 

 なに、どういうことだ?その話し方から考えるとお前は俺がここに来た原因を知っているのか。知っているなら教えてくれ!!ここはどこで俺の身に一体なにがあったんだ。

 

「これからゆっくり話していくつもりだからそう急かすでない。さて、まずお主がここに来てしまったのは、簡単なこと。死んでしまったのからだ、お主は」

 

 俺が死んだ?……そうか、どうして俺は死んだんだ。

 

「お主は帰り道を歩いていたときに後ろから強盗に襲われたからじゃ。それも急所を何度も鈍器でたたかれての」

 

 強盗に襲われた?なぜだ、あの帰り道は夜でも街灯が道を昼のように照らしていて強盗に襲われることはない道だぞ。

 

 どうしてそんなところでなんで強盗に襲われたんだ。

 

「夜道は危険に決まっておるわ。どんなに明るい場所でも、光の届かぬ場所は探せば幾らでもあるわ」

 

 だとすると、俺は街灯が途切れた道で襲われたのか?

 

「その通り。それも偶然な」

 

 偶然だと?なにが偶然なんだ。

 

「お主を殺した強盗だがな、あやつがお主を襲った場所が偶然街灯のない場所だっただけで、犯行は素人以下のものだったぞ」

 

 ……具体的にはどんな犯行内容だったんだ。

 

「そうさな、強盗犯の凶器はシャベルでの、それをお主の頭に何度も叩きつけた。それからお主のポケットから財布を抜き取り逃亡したんじゃ。ここまでは簡潔に話したから分かるじゃろ」

 

 ああ、分かるさ。それで、具体的にはどうなんだ、気になるから早く話してくれ。

 

「具体的に話すと、シャベルでお主の頭を叩き続けていたら鈍器の音に気付いた近所の者に犯行現場を見られ、それに気付いて慌てた犯人はシャベルを手放し、財布を抜き取ったものの、手袋をしていなかったせいで現場の至るところに指紋がついていたんじゃ。そんなことに気づかず、犯人はシャベルをおいたまま逃げ出したのじゃ。どうかね、素人以下の犯行じゃろ」

 

 ………何も言えない。

 

 え、なに、俺はそんな素人以下の奴にに殺されたのか?嘘だろ、どうして後ろから近づいていたのに気づかなかったんだよ。

 

 犯行前の自分に忠告しておきたかった。もう無理な話だが。

 

「そんなに凹むでないわ。狙われたが運の尽きと諦めてその事実を受け入れい」

 

 そうか、そうだよな。狙われた以前に、その事に気付かなかった俺が悪いんだ。まだ納得はできないが過ぎてしまったことは仕方ない。素直にそれを受け入れよう。

 

「うむ、潔く事実を受け入れてくれて助かる。おかげで余計な手間をかけずに話を進められるわ」

 

 そうか、何度も言うが、過ぎたことを気にしすぎると次に進めないんだ。ならさっさとその事を受け入れた方がいいだろ。

 

「そうじゃな。さて、次にここがどこかということ質問じゃったな。ここは、生と死の境界じゃ」

 

 生と死の境界?

 

「そう、ここは己が死んだことに気づかず、まだ生きていると思い込んでおる亡者が集まる場所じゃよ」

 

 ……だとすると俺は自分が死んだことに気付かなかったからここにいるのか?

 

「その通りじゃ。お主は亡者のなかでも珍しいケースでな、生きていると思っていないんじゃよ」

 

 …………?どういうことだ?俺は自分が気付かないまま死んだ。なら、生きていると思う筈だろ?

 

「いやいや、だってお主---生きようと思っていなかったであろう?」

 

 …………どうしてそう思う、いやそれを知っているんだ。

 

「失礼は承知だと思うが、お主の記憶を話している間に見させてもらったわ」

 

 なぜ俺の記憶を見たんだ。

 

「さっきも言ったが、お主は珍しいケースだったのでな、どのような人生を歩めばその様になるのか気になってしまったんじゃ。許せ」

 

 別にいいさ。見られて困るようなことはしていないからな。

 

「そうか。それでお主が生きる意思をなくしていたのは、妹の死が切っ掛けでよいな?」

 

 ああ、そうだ。妹が死んだ日、俺は生きる意味を完全に無くしたんだ。

 

 「お主と妹を捨てた親と、離ればなれになって行く友人たち、兄弟のように共に育った犬との別れ、自分を社会に出れるまで育ててくれた祖父母との死別、しかし社会に出ても理不尽に責められ、無理難題の仕事を丸投げされ続けてお主は見も心も既に疲れきっていた」 

 

 そうさ、だが俺は、妹のために強くなければ成らなかった。そうでなければいけなかった。すべては妹のためと思ってこの身を削ってきた。だが、あの日、妹はっ!!

 

「死んだ、交通事故でな」

 

 それも飲酒運転が原因の事故でな。ふざけるな、フザケルナヨ。どうして、なんで妹がそんなことで死ななきゃいけなかったんだ!!

 

「不幸な事故だったんだ。そう思え」

 

 そう思ったさ、けどな、妹のために生きてきた俺にとって、それはあまりにも大きすぎることなんだ。

 

 どんなに辛いことがあっても妹の、あの空高くに輝く太陽のような笑顔だけで俺は何度も救われたんだ。

 

 仕事から疲れきって帰ってくると妹はいつも笑顔で玄関まで迎えに来てくれてたんだ。学校の部活で疲れているのに、妹は、そんな様子を見せないでお帰りって言ってくれてたんだ。料理を作って待ってくれていたんだ。どんなに遅くなってもそうしてくれていたんだ。

 

 その健気な行動に何度も心と体を癒されたんだ。俺にとって妹は--

 

「妹の存在は全てだったと、自分なんかどうでもよくなるくらいに」

 

 そうさ、その妹が死んだ瞬間、俺の世界は崩壊したんだ。家を支える柱が無くなれば家なんて簡単に倒壊するもんだろ。それと同じさ。

 

「それでお主は生きる意味を無くしたと?」

 

 そうさ、それが生きていると思っていない理由さ。どうだ、よく分かっただろ。

 

「……よく、よく分かった。うん、では、最後にお主の今後についてじゃ」

 

 俺の今後について?

 

「そう、お主は死んだ。死んだものは生き返らぬ。死んだ者は次の生を受けるまで死の世界でさ迷い続けるのだが、ここに迷い込んだ者は別じゃ」

 

 べつ?というとどうなるんだ。

 

「来世のお主が以前の様にならぬように幾つかお主の願う形で生を受けるようにしておる」

 

 いいのか、そんなことをして。

 

「良いのだ。ここに来たものを死の世界に送るには前世の未練を和らげる必要があるからの。そのためにわしはここにおり、お主の話を聞いていたのじゃから。さあ、来世には何を願う?」

 

 そうだな、来世も妹と一緒に生活したい。もう一度、あの頃の喜びを味わいたいんだ。

 

「うむ、分かった。他に何かあるかの?」

 

 なら、妹をどんなことからも、ありとあらゆるもの全てから守る力と、知恵と、勇気を与えてくれ。

 

「うむ、よかろう。他に望むことはあるかの?」

 

 そうだな………だったら、生きる意味を与えてくれないか。

 

「ん?妹がいれば良いのではないのか?」

 

 たしかにそうだが、妹はいつか俺のもとを離れる。その前に妹だけじゃなくって、俺に他の、別の生きる意味をなんでもいいから与えてくれないか?

 

 前世ではそれが原因でいろいろと大変な目に何度もあったからな。

 

「それは自分でどうにかしろ。と言いたいが、多少の縁を与えてやろう。その縁を上手く使うかどうかはお主次第じゃ」

 

 ありがとう。わざわざこんなことを聞き受けてくれて。

 

「お主を死の世界に送るためじゃ。気にせんでよいわ」

 

 そうか、なんか、その言葉を聞いたら眠くなってきたな。

 

「それは、未練が和らいできた証拠じゃ。お主が目を閉じた瞬間に未練はなくなり、死の世界に送られるじゃろう。しかし、それは普段眠るのと同じ。目を覚ませば来世になっていることじゃ」

 

 そうなのか。

 

「うむ、それと来世に行っても今のお主は無くなっておるからな」

 

 何、それはどういうことだ?

 

「死の世界に送られればそこで前世の記憶とここでの会話の記憶全てを消されることになっておるからじゃ」

 

 そうなのか、たけど、それでもいいや。来世は前世と比べてまともな人生を送れるからな。

 

「そうか、なら良い。ゆっくりと眠るがよい」

 

 そうさせてもらう。おやすみ。何から、何ま、で、あり、が…と……う。

 

 

 

 

 

 

 

「行ったか。ならば、ワシもやるべき事をするとしようかの」

 

 まずは、あやつが産まれてから数年もしないうちに妹が産まれるようにしよう。

 

 次にあやつの求めたものを与える前に、来世がどの様な世界なのか見ておくとしよう。…………………そうか、次はこの世界に新たな生として産まれるのか。

 

 ならば、知恵は最高のものになるようにしよう。勇気は周りの者から学べるようにしよう。力は限界のない無限の可能性を与えよう。

 

 そして最後に生きる意味の縁を与えよう。生きる屍にならず、生きることの素晴らしさを己で見出だせるように縁を与えよう。

 

 これでよい。この光の玉があやつの求めたものを一つに纏めたもの。これを来世のお主に送ろう。

 

 そしておまけに、これは珍しいものを見れたワシからの礼じゃ。受けとれい。

 

 ワシがしてやれるのはここまでじゃ。あとは、お主の人生じゃ。健やかに生きるがよい。

 

 

 

 

 

 

 

 私は走っている。看護婦に注意されても気にすることなく私は走り続けている。妻の待つ病室に向けて私は走っている。息切れを起こすがそんなことも気にせず無我夢中にがむしゃらに走り続けた。

 

 そしてとうとう、私は妻の待つ病室の前にたどり着いた。

 

 唾を飲み込み、ドアを二度叩いた。すると中から妻がどうぞと声を掛けた。

 

 恐る恐ると私はドアを開けた。開けた先には、ベッドに寝込んでいる妻と数分前に産まれたばかりの私たちの愛の結晶がそこにいた。

 

 気持ちが焦るが、その気持ちを押し殺してゆっくりと、子供が起きないように静かに私は妻の元に歩み寄った。

 

「沙耶、お疲れさま」

 

 今はこれだけしか言えなかった。

 

「ありがとう、リュウ。日頃から私を助けてくれたおかげで、掛け替えのない命を授かることができたわ」

 

「ああ、そうだね」

 

「もう、あなたの子供が産まれたのにいつもと同じ返事なんてしないでよ。あなたが喜ばないと悲しくなるわ」

 

「そんなことはないさ。やっと産まれた子供だ。喜ばない親がどこにいるんだ」

 

 そうさ、やっと産まれた子供なんだ。これで喜ばないなんてことはない。心のそこから嬉しいと思っているよ。まだ、実感がないだけさ。

 

「そう、だったら、この子を抱いてあげて」

 

「……今は遠慮するよ。もう少しだけ沙耶が抱いてあげていてくれ」

 

 まだ子供を抱く勇気がないんだ。意気地のないことだとは思うが、どうしてもまだ心の準備が出来ていないんだ。

 

「もう、そんなこと言って、いいから抱いてあげなさい」

 

 ………はあ、どうやら、これは私がこの子を抱くまで沙耶は食い下がる気はないみたいだ。こんなに強い目で見つめられたら、私が折れるしかないみたいだ。

 

「分かった、降参だ。沙耶の言う通りにするよ」

 

 情けない話だ。妻に言われて渋々と子供を抱こうとするなんて。

 

「今は寝ているけど、起きないようにゆっくりと抱いてあげて」

 

 子供を受けとると、腕がズシリと重くなった。軽いな、けど、体重とは違う別のなにかが、重いように感じる。………そうか、これが、命の重みなのか。

 

「あら、やっと笑顔を見せたわね」

 

「無理もないだろ。この子を抱くまで緊張していたんだから。けど、この子を抱いたら、不思議だけど、暖かいと思えたんだ」

 

 そう、命の重みは、なぜか心を暖めているような気がするんだ。この気持ちを今まで感じたことはあったんだろうか?あったとすれば、それは沙耶と過ごしてきた日々にしかない。

 

 そのはずなのに、なぜかこの二つの暖かさは別々のものだと思える。なんなんだ、このもどかしさは。

 

「どうしたの?なにか悩みごとでも?」

 

「……いや、なんでもない」

 

「そう。……ねえ、この子の名前は決めてあるの?」

 

 ついに来たか。この日のために私は持てる知恵を振り絞ってこの子の名前を考えてきたんだ。気に入ってくれると良いな。

 

「もちろん、決めているさ。この子の名前はリュウガ、リュウガだ」

 

「リュウガ……貴方の名前から取ったのね」

 

「ああ、どうしても子供にはこの名前を付けたいと思っていたんだ。変、かな」

 

「う~ん、ちょっとネーミングセンスが気になるけど、その子が喜んでいるのなら、私は気にしないわ」

 

 それはどういうことだと、言おうとすると、リュウガが私の指を握りした。

 

「これは、そういうことなのか?」

 

 名前が気に入ったから指を握っているのか?

 

「そうだと思うわ。その子自身が気に入ったのだと思うから、私は気にしないの」

 

 そうか、そうなのか。気に入ってくれたか。嬉しいぞ。悩んだ甲斐があったというものだ。

 

「リュウガ、それがお前の名前だ。いつか、そう遠くない未来でお前が私と、母さん以上の悪魔祓いになるのを期待しているぞ」




 さあ、これから忙しくなるぞ。(白目)
 もうひとつのもなるべく早く投稿できるようにしよう。
やっちまったことは仕方ないし、頑張って定期的に投稿できるようにしよう。

 感想、評価、誤字報告、気になった点がありましたら是非、教えてください。これからもよろしくお願いします。
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