ハイスクールD×D 慈悲無きエクソシスト   作:ゼルトナー

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 戦闘終了。これでしばらくの間は休める。

 さあ、続きを考えておこうか。


02.会談そしてテロへ 下

 禍の団の襲撃は失敗に終わり、首謀者のカテレア・レヴィアタンは死亡、後に判明した内通者のヴァーリ・ルシファーは赤龍帝との激戦の末、撤退。

 

 禍の団の目的だった三大勢力の一角を潰す目論見を阻止することに成功したが、その代償として駒王学園は消し飛び、現在、三大勢力が修復に取り掛かっている。

 

 ここまでは問題なく進んでいる。しかし、今の位置から目線を上げると般若がいる。先日の一件でトラウマになった、ミカエル様の般若がいる。般若だけはマジでまずい。

 

 ミカエル様の般若だけは無理。冥界に住む魔物の群れに突撃しろと言われたらそっちの方に喜んでいく。そっちの方がまだ優しいし怖くない。それくらいの差がある。

 

 証拠に、ミカエル様以外の三大勢力のトップとグレモリー眷属たちは明らかに距離を取っているし、中には今にも泣き出しそうなのもいる始末だ。

 

 それくらい怖いんだ。本当に怖いんだ。優しい人ほど怒ると怖いという言葉が絶対に当てはまる人なんだ。

 

 だからこれだけは言える。ミカエル様は絶対に怒らせてはいけない。絶対にだ。

 

「さて、リュウガ。何か失礼なことを考えているようですが、この惨事を引き起こしたことに関して、何か言いたいことはありますか?」

 

「いえ、まったくありません」

 

 この人さらっと俺の思考を読み取りやがった。顔に出ていたのか。そんなことないはずだ。ポーカーフェイスは得意中の得意だぞ。まさか、ミカエル様はエスパーだったのか!?

 

「顔に出ているからですよ。それで、見事なまでに原型がどうなっていたのかが分からない程に学舎を溶かした挙げ句、私たちまで巻き添えにして、溶かしそうになっていましたしね。それで何か言いたいことがあったとしたらお笑い草ですよ、ハッハッハッ」

 

「ハッ……ハハハッ」

 

「何を笑っているんですか」

 

「すいません」

 

 ヤバいヤバいって。笑っているけど、目が笑ってない。怖いなんかじゃなくて滅茶苦茶怖すぎる。これに般若もいるって何この人怖い。

 

「ところでミカエル様、そろそろ正座を止めてもいいですか?」

 

「駄目です」

 

「ではせめて膝の上にのせている重りをどかしてください。足が痺れて感覚がなくなってきてるんです」

 

「それなら軽くするだけにしておきましょう。罰はまだ終わっていないので終わるまではそのままです」

 

 そんな殺生な。……軽くなった……のか?感覚がなくなってるせいでわからん。

 

「軽くなったんですか?」

 

「三百キロの重りを二百にしてあげたのですが、軽すぎましたか?なら五十キロ増やしましょう」

 

「これ以上は勘弁してください」

 

 それから一時間くらいみっちりと説教をされ、その間に校舎は元の原型を取り戻した。

 

 校舎を直した三大勢力の奴等にはすまないことをした。あれは本来、壊した俺がやるべきことなんだが、彼らが我先にと直しに行くもんだから俺のやることが無くなってしまった。

 

 とはいうが、校舎を一人で直すには時間が掛かるし、ミカエル様がすぐに説教を始めたからやれるものもやれなかったがな。

 

 さて、足の痺れが取れてきたし、もう立っても大丈夫だろ。

 

 にしても、和平か。ついこの間までは悪魔を殺し続けていたのにそいつらと手を組むのか。

 

 少しずつだが、確実に変わっている。この和平が正しいのかは分からない。だが、これで奴の足取りを掴めるのなら別に良い。

 

 和平が結ばれれば悪魔側との相互情報共有がしやすくなる。その情報の中に奴の情報があるかもしれないんだ。

 

 分かればすぐにでも、殺しにいく。どんなに高い立場にいてもかまわない。奴を殺せれば最後はどうなろうと知ったことじゃない。

 

 そこで俺の人生が終わろうと、法に裁かれて日の光を二度と拝めなくなってもいい。親を殺し、妹から光を奪ったあの影を殺せればいい。あの影は絶対に許さない。そう、絶対にだ。

 

 ……ところであいつら、後ろで何を騒いでいるんだ。

 

「一体どうしたんだ、ゼノヴィア」

 

「ん?ああ、久しぶりだね、リュウガ」

 

「此方こそ、久しぶりだな、ゼノヴィア。ちなみに何をしてるんだ」

 

「実はね、ギャスパーがリュウガにお礼を言いたいと言っていたんだけどね、悪魔祓いだと分かった途端、逃げようとしているものだからこうして押さえつけているんだ」

 

 ゼノヴィア、それ押さえつけているじゃない、脅していいるだ。喉元にデュランダルを突き立てるのはどうかと思う。

 

 俺が助けた少女が今にも泣き出しそうになっているじゃないか。

 

「そ、そうか。なら早くそれを下ろしてやれ、その子が怖がっているだろ」

 

「うん?そうか、なら下ろそう」

 

 ゼノヴィアがデュランダルを下ろすと生きた心地がしなかったのか、少女がその場にへなへなと力なく座りこんだ。

 

「大丈夫か」

 

 座りこんだ少女と同じ高さになるように視線を降ろし、少女の顔を覗く。

 

 金髪なのはアーシアと同じだが、この子は人形のように端整な顔をしているな。

 

 

「は、はい。だ、大丈夫ですぅ」

 

「本当か?喉に聖剣を突き立てられていたんだ。体のどこかに異常は起きていないか」

 

「ほ、本当に大丈夫です。そ、その、気遣ってくれてありがとうございます。えへへ」

 

 ………何この子、かわいい。話し方もそうだが、何よりこの華奢で小さな体がさらにそのかわいさを際立てている。

こんな子が悪魔になっているなんて、この世はなんて残酷なんだ。

 

 ああ、神よなぜこの子を悪魔にしてしまったんですか?もっと早くこの子と出会うのが早ければ私の孤児院にいれていたのに、なぜこのようなことになってしまったんだ。

 

「あ、あの!!」

 

 っと、いかんいかん。ついありもしないことを願ってしまった。

 

「言うのが遅くなってしまったんですけど、あの時、僕を魔術師たちから助けてくれてありがとうございます!!」

 

 さらに律儀ときた。本当、何でこんなにいい子が悪魔なんかになってしまったんだ。

 

「なに、気にすることはないさ。俺も君のようなかわいい女の子を助けられたんだ。お礼はいらないよ。ああ、そうだ、飴、舐めるかい?」

 

「え、あ、はい!いただきます」

 

 うん。元気そうでなによりだ。

 

 袋を開けて飴を口の中に頬張ると、パアッと明るくなる。

 

「お、美味しい、美味しいです!これ、イチゴ味ですね」

 

「その通りだ。そのイチゴ飴は家で作ったものでね、腕によりをかけて作った自慢の飴だ。喜んでもらえてなによりだ」

 

 こんなに喜んでくれるなんて、嬉しいな。ここに来る前に子供たちと一緒に飴を作って補充して良かった。

 

 飴を舐めている子があまりにも可愛かったのか、腕が自然と頭を撫でていた。

 

「ふぇ!?な、なんですか、急に」

 

「あ、いや、その、すまん。手が自然とな。家の孤児院にいる子供たちと同じようにしてしまったんだ。驚かせてすまん。迷惑だったな」

 

「い、いえ、そんなことないです。むしろその、気持ち良かったです」

 

 最後辺りはなんて言っていたのか聞こえんが、失礼なことをしてしまったな。

 

 今度からは気をつけよう。

 

「あ、そうだ、さっき僕のことを女の子って言ってましたよね?」

 

 ん?なんだ、藪から棒に。

 

「ああ、確かにそう言ったな。なんだ、女の子じゃなくて名前で呼んでほしかったのか」

 

 そういえばこの子の名前を聞いていなかったな。確か、ゼノヴィアとの会話の時に名前をチラッと聞いた気がするんだが、なんだったかな。

 

「あ!そうだった、名乗ってませんでした。僕はギャスパー・ヴラディって言います。名乗るのが遅くなってすいません」

 

「いや、俺も名乗っていないからお互い様さ。おれはリュウガだ。姓はないからリュウガとだけ呼んでくれ。あるいはお兄さんでもいいぞ。よろしくな、ギャスパーちゃん」

 

「は、はい。こちらこそよろしくお願いします」

 

 握手をするために手を差し出すが、ここでひとつの疑問が頭をよぎった。

 

 この子、今ヴラディって名乗らなかったか。ヴラディと言えば、吸血鬼の家系の一つじゃないか。なぜそんな子がここにいるんだ。

 

 いや、待てよ。まさか、この子はハーフか。だとしたらこの子は今までどんな扱いをされてきたんだ。あそこはハーフというだけでひどい差別をされているんだ。

 

 ………その事は言及しない方が良さそうだ。トラウマになっているかもしれないし、無理に聞くことでもないしな。

 

「そ、それでですけど、リュウガお兄さん」

 

 早速、お兄さんって言ってくれるこの子はなんて優しい子なんだ。まるで天使だ。悪魔なんかじゃなく天使だ。

 

「僕、女の子じゃなくて男の子です」

 

 ……………………………………………………………ふむ、どうやら耳がいかれたらしい。

 

 この子が女の子じゃなくて男の子なんて言ったのは気のせいだろ。

 

「すまない、耳がいかれたらしい。もう一度言ってくれるかい?」

 

「すいません、すいません。僕は男の子なんですぅ!!」

 

 何……だと。こんなにかわいい子が、天使のように華奢でかわいいこの子が男?

 

 なぜだ、なぜこの世はこんなに残酷なんだ。ひどい、酷すぎる!どうしてだ、どうしてなんだよ!?

 

 この世に神はいないのかっ!!あ、我らが神は亡くなられていたんだった。

 

 ………そうだ、逆に考えるんだ。かわいいんだから良いんじゃないかと。

 

 そうだよ、そう考えれば良いじゃないか。なんだ、簡単なことじゃないか。ハッハッハッ。

 

「それがどうかしたのかい?」

 

「………へ?ぼ、僕、男なんですよ?」

 

「それがどうした?」

 

「ぼ、僕は女装をしているんですよ。それを変だと思わないんですか!?」

 

 そんなことか。やれやれ、困ったもんだ。

 

「そんなことがどうした?世の中に君のようなひとは何人もいるんだ。ギャスパー君はその中の一人に過ぎないだろ?」

 

「そ、そうですけど……」

 

 まったく、この子は深く考え過ぎだな。それにーー

 

「それは君にとって大切なことなんだろ?だったらそれを否定するのは、あまりにも酷なことじゃないか」

 

 ギャスパー君の頬に手をあて、孤児院の子供たちに向けるような笑顔をしてあげた。こうすれば大体の子は落ち着くからな。

 

「リュ、リュウガさん………」

 

 うん、落ち着いたようだな。顔が赤くなっているが、興奮したせいだろ。

 

 ――っ!?殺気。

 

「キャッ!?」

 

 ギャスパー君を前に突き飛ばして後方に飛ぶと、そこにデュランダルが降り下ろされていた。

 

「いきなり何をするんだ、ゼノヴィア!?俺を殺す気か!!」

 

 ゼノヴィアが地面に叩きつけられたデュランダルを俺に向けてきた。なんで!?

 

「そのつもりはないが、あのまま見ているのは、将来を約束した身としては許せなかったのでね」

 

「おいおい、なんか知らんが、勘違いしてないか!?俺もゼノヴィアのことしか見ていないぞ!?」

 

「ではさっきのはなんだ!!明らかにギャスパーを堕とそうとしていただろ!!」

 

「何を言っているんだ!?俺はただ、ギャスパー君を落ち着かせようと――」

 

「問答無用だ!今この場でその性根を叩き直してやる!」

 

「それで叩き直そうとするなーッ!?叩き直される前に俺が死ぬわーッ!?」

 

 くそっ!?なんでこんなに疲れなきゃいけないんだ!!

今日は厄日だ、畜生ッ!!

 

「くそったれーーっ!?」

 

「まて、逃げるな、そこで止まれッ!!」

 

 だから、デュランダルを振り回しながら走ってくるなーーッ!?って、うわっ、いま頭を掠めた、髪の毛の先が少しだけ切れたぞ。

 

 勘弁してくれーーっ!?俺はもう、疲れたんだーー!!

 




 読み返して思ったこと

「あれ、なんか、ギャスパーがヒロインになってね?………気のせいだな。タグにはゼノヴィアがヒロインってしてるんだし問題ない問題ない」

 と思った。そうだよね!?ギャスパーがヒロインになりそうだけど気のせいだよね!?場合によってはギャスパーをヒロインに昇格しなきゃまずいか!?だれか、助けてくださいお願いします、まじで。

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