カードファイト!!ヴァンガード 熱血の先導者と努力の先導者   作:先導

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アニメでAL4の1人、キョウのむらくもを見たわけですが・・・決闘龍zanbakuや、愛とアレスター、レフトアレスターの能力が合わせてかもですが、鬼畜すぎる・・・。メガコロニーのスタンビートルじゃあるまいに・・・。

さて、今回はサブタイトルの通り、あの忍者ファイターの登場回です。

それではどうぞ!


忍者ファイター参上

カードキャピタルショップ大会の1回戦、EブロックとFブロックの試合が行われ、Eブロックはカズヤが、Fブロックではカムイが勝利を収め、1回戦を突破した。そして、今行われているGブロック1回戦の勝者が決まり、Hブロックの1回戦も終わりを迎えようとしていた。

 

「いけ、ボーテックス・ドラゴン。この世の全てを焼き尽くせ!」

 

「くっ・・・」

 

櫂のアタックで相手ファイターのダメージは6、勝者は櫂となった。勝利を収めた櫂は三和とリンが待っている席に向かう。

 

「やったな、櫂。1回戦突破だ」

 

「さすがは櫂先輩。お見事でした」

 

「当然だ」

 

三和とリンの言葉に櫂は当たり前だといわんばかりに鼻を鳴らしている。

 

 

 

RIDE13「忍者ファイター参上」

 

 

 

今現在AブロックとBブロックで別のファイターたちが1回戦を行っている間、アイチはトーナメント表を確認して、今勝ち上がっているメンバーを確認している。

 

(ミサキさんもカムイ君、カズヤさんもリンちゃんも・・・そして、櫂君も勝ち進んだ。僕も、がんばらないと)

 

アイチはこれらを見て、がんばろうと思った時、井崎とメグミがアイチに声をかける。

 

「お、アイチ!見てみろよ!」

 

「今すっごい面白いファイトやってるよ」

 

「えっ?」

 

Aブロックの1回戦を確認してみると、今ファイトを行っているのは子供のファイター。そしてもう1人は忍者のような姿をし、素顔を兜で隠している中年男性だ。

 

「これで某の勝ちでござる」

 

「に、忍者⁉」

 

「忍法!火炎地獄!!」

 

忍者ファイターは忍者らしい言葉を放ちながら、子供ファイターにとどめをさす。

 

「な?いった通りすげぇだろ?」

 

「いい大人があれって、ちょー面白いでしょ。ねぇ森川。・・・森川?」

 

森川はメグミが訪ねても何の反応もしないので、どうしたことかと思っていると、森川は忍者ファイターに見惚れていた。

 

「やべぇ・・・かっこよすぎるぜ・・・」

 

「「「ええええええ!!?」」」

 

まさかの発言にアイチ、井崎、メグミは驚愕の反応を見せている。そうしている間にファイトは終了している。勝ったのは忍者ファイターだった。

 

「ふむ、なかなか良い戦いでござった」

 

「くっそー・・・」

 

子供ファイターは本当に悔しそうな顔をしている。

 

「やや、そう落ち込むでない。お主もあっぱれな戦いぶりでござった。雪辱戦ならいつでも受けるでござるよ」

 

「いやだね!お前みたいな変な奴は、もうファイトするもんか!」

 

「へ⁉変な奴・・・?」

 

子供の辛辣ながらももっともらしい発言に忍者ファイターは動揺する。

 

「大人のくせにそんな格好して、忍法だのござるだの、思いっきり変じゃないか!」

 

「なっ・・・」

 

「おかげでこっちは調子を狂わされて負けたんだ!お前なんか!ヘンテコ時代劇の中にでも帰りやがれーー!!」

 

子供ファイターは忍者ファイターに罵声を浴びせてそのままショップから出ていった。忍者ファイターは膝をついて顔を俯かせる。

 

「・・・ひどいでござる」

 

「・・・」

 

雷のように尖った髪、顎鬚を生やした中年が忍者ファイターの方をポンと置き、励ましている。

 

「変わった参加者もいるんだな・・・」

 

忍者ファイターを見て、アイチと井崎とメグミは苦笑いを浮かべている。

 

「ああ、あの人、半年に一度、ショップ大会の時にだけ現れる名物なんだ」

 

「えっ?」

 

「なんだよ戸倉、あのへんな奴知ってんのか?」

 

ミサキの言葉にアイチはキョトンとし、ファイトを見ていたカズヤがミサキに近づき、そう訪ねた。

 

「まぁね。普段から店に来てくれてるのかもしれないけど、素顔を知らないから、わからないものの方が多いけどね」

 

「じゃあ正体不明ってことかよ?」

 

「当たり前だろ!!忍者が正体ばらしてどうすんだよ!!」

 

「そ、そうだよな、わりぃ、森川・・・」

 

「「「あはは・・・」」」

 

森川の忍者に対する力説にカズヤは怯んでしまい謝罪する。その森川の様子に苦笑いする中学生3人。

 

「はーい、ちょっと場所をあけてねー」

 

シンはトーナメント表に近づき、勝者の線を赤ペンでなぞっていく。

 

「お、アイチの次の対戦相手も決まったみたいだぜ」

 

「おー、本当だ。アイチ、確認してみなよ」

 

アイチは次なる対戦相手の名前を確認する。次なる相手は、ニンジャマスターMとなっている。

 

「ニンジャマスターMって・・・もしかして・・・」

 

アイチは先ほどの忍者ファイターに視線を向けようとするが、そこにはすでに忍者ファイターの姿はなかった。

 

「あれ?」

 

「消えた!!」

 

「あそこ」

 

ミサキが指を指す場所を見ると、壁の一部が不自然にも出っ張っている。これが布であることは一目瞭然だ。そこに店長代理がやってきて、すんすんとにおいをかいでいる。

 

「にゃあ~」

 

(しっしっ!某は今壁でござるよ!)

 

店長代理の鳴き声に合わせて、布がはがれ、そこから先ほどの忍者ファイターが現れる。

 

「あっ・・・」

 

忍者ファイター、ニンジャマスターMが登場したことにより、ほとんどの観客はニンジャマスターMに注目している。

 

「・・・こほんっ!某の忍法、隠れ身の術を見破るとはお主、できるでござるな」

 

「にゃあ?」

 

「猫を称賛してどうする!」

 

バシンッ!

 

ニンジャマスターMは店長代理を褒めているが、店長代理は何のことかわからないでいる。その様子に雷髪の中年男性はハリセンでニンジャマスターMを叩く。

 

「あれ、漫才コンビか何かか?」

 

「さ、さあ・・・?」

 

その様子を見てカズヤとソウジは呆れに近い表情をしている。そうしている間にニンジャマスターMはトーナメント表を確認し、アイチに向き直る。

 

「ほお、君が次の対戦相手でござるか。先導アイチ君」

 

「えっ?」

 

「いい戦いをしようでござる」

 

ニンジャマスターMはアイチに近づき、手を差し伸べ握手を求めている。

 

「何で僕の名前を知ってるんですか?」

 

アイチのもっともな疑問にニンジャマスターMは動揺し、ぎこちなく回答する。

 

「あっ!いや・・・その・・・忍者はなんでもお見通しなのでござる!」

 

「すげえ!さすがは忍者!」

 

「イグザクトリー!忍者はすごいのでござるよ、森川カツミ君!」

 

「おお!!俺の名前まで!!何で⁉何で⁉」

 

名前をいい当てたことに対して森川は興奮している。他の中学生3人組はもう1つ、疑問に思っていることがある。

 

「あの・・・前にどこかで会いませんでした?」

 

「俺もなんとなく見覚えがあるんだよなぁ」

 

「アイチに井崎も?実はあたしも」

 

「ぬおっ・・・⁉」

 

ニンジャマスターMは中学生組3人の言葉に激しく動揺している。

 

「なんだよ、お前ら忍者に知り合いがいたのかよ!」

 

「いや、そうじゃないんだけど・・・」

 

「そ、そうでござろう!勘違いでござるよ!」

 

アイチの言葉に便乗して、勘違いでやり過ごそうとするニンジャマスターM。

 

「でござるぞ、アイチ殿」

 

「えー、でもさぁ、この声にも聞き覚えあるじゃん?」

 

メグミの一声に、アイチはそれに該当しそうな人物を思い当たる。

 

「もしかして・・・マーク先生?」

 

「!!??」

 

そう、このニンジャマスターMの正体は、後江中学の歴史を担当している教師、マーク・ホワイティングなのだ。

 

「NOOOOOO!!NO!ダレデスカ、ソレ?ホワイ?」

 

「でも・・・」

 

「NO!NO!NOO!」

 

マーク改め、ニンジャマスターMはあくまでも正体を隠したいらしく、動揺しながらも否定していた。その様子にアイチ、井崎、メグミは苦笑いをする。

 

「あー、あー、それでは、1回戦を勝ち進んだファイターのみんな、集まってくれるかな?」

 

「隙あり!それでは御免!!」

 

「⁉煙玉⁉」

 

ニンジャマスターMは煙玉を使用するが、出てきた煙は姿を包み込めないほど小さく、しょぼかった。

 

「「しょぼ!!」」

 

「はっはっはー、室内でござるからなー」

 

「その心遣いはありがたいけどね」

 

「周囲への配慮を忘れないとは、なんて素晴らしい忍者なんだ!」

 

ニンジャマスターMの変な心遣いに森川は感動に打ち震えていた。

 

「・・・・・・///」

 

その光景をテーブルで見ていたリンは何やら顔を赤らめている。

 

「ん?どうした?風邪か?」

 

「いえ、何でもありません///」

 

リンはニンジャマスターMの正体に一発で気づいているため、ニンジャマスターMの先ほどまでの行動がリンにとって恥ずかしい以外の何ものでもなかった。

 

 

1回戦を勝ち抜いたメンバーはトーナメント表の前に集まり、シンから決勝トーナメントのもう1つのルールを聞く。

 

「決勝トーナメントについて説明します。この後行われる2回戦に勝利した8名が各ブロックの代表として、決勝トーナメントに進出することになります。決勝トーナメントの組み合わせはこの8名が確定した後、改めて抽選を行います」

 

つまりは、2回戦で勝利した者は各ブロックの代表となり、抽選で選ばれた2チームが3回戦の対戦する相手ということになる。

 

(ということは、組み合わせ次第では、いきなり櫂君と対戦する可能性があるってことか・・・)

 

このルールを理解したアイチはちらりと櫂を見つめる。

 

「では、これより2回戦最初の2試合を始めます。まずはAブロック、今回初参加ながら、見事1回戦を突破した先導アイチ君!」

 

「あっ⁉え、えーと・・・あの・・・どうも・・・」

 

「緊張しすぎだぜアイチ、リラックスしな」

 

いきなり呼ばれたアイチは動揺し、カズヤがそれを少しほぐす。

 

「対するは、謎の覆面カードファイター、ニンジャマスターM!」

 

「ござーるでござる!」

 

『あははは!』

 

ニンジャマスターMの返事に子供達には大うけである。ある程度子供には人気があるようだ。

 

「続いてCブロック!こちらも初参加ながら、その強さを知らない人はいない、日下部リンさん!」

 

「・・・・・・」

 

「対するは、前回優勝の稲葉カズキ君!」

 

「えっ⁉」

 

前回優勝者と聞き、アイチはその相手、稲葉カズキを確認する。それに気づいたカズキはアイチに顔を向ける。

 

「なんだ?」

 

「いえ、ぜ、前回の優勝者っていわれたから・・・」

 

「前回だけじゃないぜ?その前も、さらにその前も、優勝したのは俺だ」

 

「そ、そうなんですか・・・」

 

連続で優勝を収めた聞いたアイチはちらりとリンの方を確認する。

 

「何か?」

 

「う、ううん・・・。ただ、優勝者だから強いのかなって・・・」

 

「優勝者が強いのは当たり前です。くだらないことを言ってる暇があるなら、自分のファイトで勝つことだけを考えなさい」

 

「ご、ごめん・・・」

 

リンの厳しい指摘にアイチは思わずリンに謝罪する。

 

「それに、私はこんな所で負ける気はさらさらありません。慢心ではないですが、勝つ自信があります」

 

「なんだと?最近ちょっとのしてきたからって、調子に乗ってんじゃねぇぞ!」

 

「ふん・・・」

 

「なっ!今鼻で笑ったな⁉」

 

リンの言葉と態度にカズキは憤慨し、一触即発の雰囲気が出る。

 

「はい!いい感じに盛り上がってきましたね!勝負はファイトでつけましょう!」

 

「シンさん、この状況でもノリノリだな・・・」

 

一触即発の雰囲気でもノリノリのテンションを出しているシンにカズヤは苦笑いを浮かべる。

 

「さあ!2回戦にいってみよう!」

 

Aブロックの進出者、アイチとニンジャマスターM、Cブロックの進出者、リンとカズキはスタンディングテーブル(仮)の前に立ち、デッキを設置する。

 

「この勝負見ものだぜ!」

 

「なんせ、カードキャピタルの優勝者と各ショップ大会の優勝者のファイトだもんな」

 

「「うん!」」

 

「こっちの勝負も目が離せないぞ?」

 

「アイチとあの忍者野郎のファイトか」

 

リンとカズキのファイトも気になるが、それと同じように目が離せない、アイチとニンジャマスターMのファイトにも注目する一同。

 

「アイチ・・・」

 

これからファイトを行うアイチを心配そうに見つめるエミ。

 

(大丈夫かな、リンちゃん・・・)

 

アイチはファイトの準備を行いながらもリンを心配している。

 

「心ここにあらずという感じでござるな」

 

「!ああ、ごめんなさい!」

 

「目標を見つけ、そこに向かって懸命に走る・・・どう生きるか決めたようですね、先導アイチ」

 

「え?やっぱりマーク先生?」

 

「オウ!!?NO!某は忍者!ニンジャマスターMでござる!」

 

アイチの確信に近い言葉にニンジャマスターMは慌て、それらを否定する。

 

「いざ!尋常に勝負!!」

 

「はい!」

 

「それでは2回戦、試合開始!!」

 

シンの合図と共に各ブロックの試合が始まった。

 

「スタンドアップ・ザ・ヴァンガード!!」

 

「ヴァンガード・スタンドアップ!!」

 

「リザードランナーアンドゥー!」

 

「同じく、リザードランナーアンドゥー!」

 

Cブロックのリンとカズキの試合が始まる一方で、アイチとニンジャマスターMの試合も始まった。

 

「スタンドアップ・ヴァンガード!!」

 

「スタンドアップでござる」

 

「ばーくがる!」

 

「忍獣ハガクレ!」

 

ばーくがる  PW4000

 

忍獣ハガクレ  PW5000

 

「我がぬばたま忍軍の恐ろしさ、たっぷり思い知るがいいでござる。某の先攻でござる。ドローでござる。いくでござるよ。忍法、変わり身の術!」

 

「変わり身の術⁉」

 

ハガクレは煙玉を使い、煙で自身の姿を消す。そして、煙が晴れるとハガクレは別のユニットに変化していた。

 

「忍竜ドレッドマスターでござる!」

 

忍竜ドレッドマスター  PW7000

 

「すっげぇ!さすが忍者!一瞬で姿を変えやがった!」

 

「ただのライドじゃねぇか・・・」

 

「一々大袈裟だよね、あの人・・・」

 

森川は興奮しているが、実際にやっているのはヴァンガードのライドのため、井崎とメグミは呆れている。

 

「ターン終了でござる」

 

R ドレッドマスター R

R    R     R  ニンジャマスターMの手札5枚 山札43枚

 

「(ふぅ・・・忍者って言うから、何が起こるのかと思ったけど、案外普通なんだな)

僕のターン!ドロー!僕は、うぃんがるにライド!ばーくがるは移動して、小さな賢者マロンをコールします!」

 

うぃんがる  PW6000

小さな賢者マロン  PW8000

 

マロン うぃんがる R

 R  ばーくがる R

 

「このマロンで、ドレッドマスターに攻撃します!」

 

「うむ。防御なしでござる。ダメージトリガーチェックでござる『忍竜ボイドマスター』」

 

「ばーくがるがブーストしたうぃんがるでドレッドマスターを攻撃します!」

 

「防御なしでござる」

 

「ドライブトリガーチェック『沈黙の騎士ギャラティン』」

 

「ダメージトリガーチェックでござる『鎧の化身バー』」

 

「ターン終了です」

 

PW8000➡PW7000

PW10000➡PW7000  アイチの手札5枚 山札42枚  ニンジャマスターMのダメージ2枚

 

「ううむ、2枚のダメージでござるか。よかろう、それくらい耐え忍んでやるでござる。心に刃をのせる・・・それこそが忍者でござる」

 

「おおお!」

 

「まんまじゃん・・・」

 

森川は興奮してるが、井崎とメグミは忍びの文字がまんますぎて苦笑いを浮かべるしかなかった。

 

「某のスタンド&ドロー!忍法、変わり身の術!忍獣チガスミ!」

 

忍獣チガスミ  PW8000

 

「さあ、ニンジャマスターの戦い方をとくと見るでござる。忍法、分身の術!!」

 

チガスミは両隣に煙玉を投げ、煙を発生させる。煙が晴れると、そこにはチガスミが2体ほど増えていた。

 

「すっげえ!!本当に分身しやがった!!」

 

「違う違う、ヴァンガードと同じカードをコールしただけだって」

 

「今の森川、まさにバカミの汚名にピッタリだよ・・・」

 

森川はイメージでの光景にさらに興奮した時に、井崎が補足をし、メグミはこっそりと罵倒する。が、よほど興奮しているのか森川は全く聞いていない。

 

(やっぱりだ・・・ちょっと変わった人だけど・・・やってるのは普通のヴァンガードファイト・・・僕もいつも通りやれば・・・)

 

「それはどうでござるかな?」

 

「えっ⁉」

 

アイチの顔の表情で察したのかニンジャマスターMはアイチの考えを論破する。

 

「某を普通のファイターだと思っているなら、取り返しのつかないことになるでござる。ふっふっふ・・・ドレッドマスター、参れ!」

 

チガスミ チガスミ   チガスミ

 R    R   ドレッドマスター

 

「ドレッドマスターの支援を受け、右のチガスミでうぃんがるを攻撃でござる!」

 

「ノーガード!ダメージトリガーチェック『竪琴の騎士トリスタン』」

 

「突然でござるが、お主の手札は何枚でござる?」

 

「え?5枚・・・ですけど?」

 

「某は2枚・・・というわけで、ドレッドマスターのスキル、カウンターブラストを払い、発動でござる!ドレッドマスターが支援を成功し、なおかつ、こちらの方が手札が少ないので、お主には手札を1枚捨てていただくでござる!!」

 

「えええ!!?ここから1枚・・・⁉」

 

「ま、マジかよ!!?」

 

ドレッドマスターの相手の手札を削らせるスキルに驚愕するアイチとカズヤ。

 

「ふっふっふっふ、相手の戦力がこちらより上回っているのであれば、対等になるまで削っていく・・・これぞ、ぬばたま忍軍が得意とする戦い方!名付けて忍法、手札減らしの術でござる!!」

 

「おおおお!!」

 

「まんまじゃねぇか!」

 

「本当に術名がバカすぎる・・・」

 

森川は術名に言うまでもなく興奮しており、井崎とメグミは疲れがたまるくらい呆れていた。

 

「ぬばたまってあんなことまでできんのかよ・・・」

 

「カード数こそ少ねぇけど、能力はマジで一級品だぜ」

 

ぬばたまの能力を初めて知るカズヤは戦慄し、ソウジはぬばたまの能力を評価している。

 

「うっ・・・ごめん、バロン」

 

アイチが5枚のうち捨てた1枚は大いなる賢者バロンだった。

 

「でも、大丈夫。削られたといっても、たったの1枚!このくらい・・・」

 

「お主、ヴァンガードファイトにおけるカード1枚の重みを理解していないようでござるな」

 

「えっ⁉」

 

「そのことを身をもって勉強するがいいでござる。ヴァンガードのチガスミでうぃんがるを攻撃!」

 

「ノーガードです!」

 

「ドライブトリガーチェックでござる『鎧の化身バー』」

 

「ダメージトリガーチェック『閃光の盾イゾルデ』」

 

「アイチ・・・」

 

劣勢を強いられているアイチにエミは本気で心配している。

 

「女神さま、心配そうですよ」

 

「MSっす」

 

「あの忍者強いな。お義兄さんがんばって!」

 

ニンジャマスターMの実力に戦慄を覚えながらもアイチを応援するカムイ。

 

「もう一方のチガスミでうぃんがるを攻撃でござる」

 

「薔薇の騎士モルガーナでガードします!」

 

「ターン終了でござる」

 

PW15000➡PW6000

PW8000➡PW6000

PW8000➡PW6000  ニンジャマスターMの手札3枚 山札39枚  アイチのダメージ2枚

 

「うーむ、手札・・・いや、戦力を削るとは、ぬばたま忍軍恐るべし・・・」

 

「スキルだってば・・・」

 

「もうやだこのバカミ・・・」

 

「(相手がどんな戦い方でこようが関係ない。僕は僕の戦い方をする!)

僕のターン!スタンド&ドロー!立ち上がれ!僕の分身!ライド!ブラスター・ブレード!!

 

ブラスター・ブレード  PW9000

 

「沈黙の騎士ギャラティンをコール!」

 

沈黙の騎士ギャラティン  PW10000

 

マロン ブラスター・ブレード ギャラティン

 R    ばーくがる      R

 

「ギャラティンでそのままチガスミに攻撃です!」

 

「はて?どちらのチガスミでござるかな?」

 

「えっ?」

 

言葉の意味がわからず、相手の盤面を見てようやく気が付くアイチ。

 

「あっ・・・そうか、分身の術・・・」

 

実際には同じ名前のユニットが並べてあるだけだが。

 

「えっと、ヴァンガードのチガスミです!」

 

「よかろう。防御なしでござる。ダメージトリガーチェックでござる『エグザイル・ドラゴン』」

 

「ばーくがるのブーストを受けたブラスター・ブレードで同じチガスミを攻撃!」

 

「防御なしでござる」

 

「ドライブトリガーチェック『孤高の騎士ガンスロッド』」

 

「ダメージトリガーチェックでござる『ドラゴンナイトネハーレン』」

 

ニンジャマスターMはアイチが先ほどドライブチェックで手札を加えたことにより、口元をにやりと笑みを浮かべさせる。

 

「続けてマロンで、やっぱり同じチガスミを攻撃します!」

 

マロンは魔術で雷を発生させて、本物のチガスミに直撃させたが、そこにあったのはチガスミの着物をきさせた丸太だった。

 

「ふっふっふっふっふ、これぞ忍法、空蝉の術!」

 

「すげぇ・・・」

 

「だーかーらー、ただガーディアンをコールして、ガードしただけだって・・・」

 

「ちなみに今使ったカードは忍獣ハガクレだよ」

 

見惚れている森川に井崎が補足を入れて、メグミはニンジャマスターMが使ったカードの名を述べる。

 

「だよね・・・」

 

「ただのコールで終わると思ってるでござるか?」

 

「えっ?」

 

「某の手札は2枚・・・お主は3枚」

 

「⁉まさか、また⁉」

 

「いかにも!ハガクレのスキル、カウンターブラストを払い、発動でござる!さあ、お主の手札を捨てていただくでござる!」

 

(この中から1枚・・・)

 

アイチは自分の持っているカードを確認する。

 

(ダメだ・・・アルフレッドは攻撃の切り札、エレインは防御・・・どちらも切れない・・・)

 

苦渋の決断をし、アイチが捨てたカードは・・・

 

「くっ・・・孤高の騎士ガンスロッドはドロップします」

 

「ああああ!!グレード3を捨てさせられた!」

 

「そっちかよ」

 

「やっぱ森川は森川だ・・・」

 

「しかも攻撃失敗・・・アイチの奴、超ピンチだぜ・・・」

 

「忍びとの戦いは、攻める時も守る時も、気を抜いたらいけないのでござる」

 

「くっ・・・ターン終了」

 

PW10000➡PW8000

PW13000➡PW8000

PW8000➡PW8000+SH10000=18000  アイチの手札2枚 山札38枚  ニンジャマスターMのダメージ4枚(裏2枚)

 

「ふっふっふ、手札がじわじわと削られていく恐ろしさ、わかってきたでござろう。さあ、こちらの番でござるよ。スタンド&ドロー。忍法、変わり身の術!忍竜ボイドマスターでござる!!」

 

忍竜ボイドマスター  PW9000

 

「鎧の化身バー、参れ!」

 

鎧の化身バー  PW8000

 

チガスミ ボイドマスター   チガスミ

 R     バー    ドレッドマスター

 

「チガスミ、ブラスター・ブレードを攻撃!ドレッドマスターで支援するでござる!」

 

「ドレッドマスター・・・この攻撃を受けたら、また手札を捨てることに・・・」

 

「さあ、どうするでござる?」

 

アイチがこの攻撃に悩んでいると、Cブロックのファイトの決着がつきそうになっている。

 

「リアガードのドラゴニック・オーバーロードのカウンターブラスト!パワープラス5000!これで準備は整いました。ドレッドマスターのブーストをつけて、ボイドマスターで相手ヴァンガードのゴクウを攻撃!

ヴァンガードの封竜ブロケードの能力で、インターセプトを封じる!」

 

カズキの手札は2枚、そのカード内容はシールド5000のグレード1、防御値なしのグレード3となっているため、インターセプトを封じられた今、明らかに防御が足りない。

 

「ガードは・・・ない・・・ダメージトリガーチェック。トリガー・・・なし・・・」

 

「アタックがヒットしたので、ドレッドマスター、ボイドマスターのカウンターブラスト!こちらの手札は0、そちらは2枚。あなたのカードを捨ててもらいます」

 

「くっ・・・」

 

「ドラゴニック・オーバーロードでテージャスを攻撃!」

 

リンはドラゴニック・オーバーロードでリアガードを攻撃している。とどめをさす前に、敵を滅ぼすかの如く動きだ。

 

「リアガードに攻撃がヒットしたので、オーバーロードはスタンド。オーバーロードでガンルーを攻撃」

 

この攻撃で、カズキの前列のリアガードは全滅した。

 

「攻撃がヒット。オーバーロードはスタンド。封竜ブロケードでゴクウを攻撃!」

 

「ガードは・・・もうない・・・」

 

「チェック・ザ・ドライブトリガー。ツインドライブ。1枚目。2枚目。クリティカルトリガーゲット。パワーはオーバーロードに、クリティカルはヴァンガードに。裁きの炎を下せ、封竜ブロケード!!」

 

ブロケードによる攻撃によって、カズキのダメージは6枚、勝者はリンとなった。

 

「勝者、日下部リンさん!」

 

「バカな・・・この俺が、こんなにも簡単に・・・っ!」

 

「やっぱすげぇ・・・」

 

「強い・・・」

 

「・・・また格段に強くなったか・・・」

 

前回優勝者であるカズキを圧倒的実力の差でねじ伏せたリンにはカズヤは感服、ミサキは静かながらに戦慄を覚える。櫂の言葉によると、リンはさらに実力を上げたようだ。

 

「・・・少しは楽しませてくれると期待していたのですが・・・この程度でがっかりです。あなたに優勝者を語る資格などない」

 

リンはカズキに失望した表情で辛辣ともとれる言葉を述べ、櫂と三和がいるテーブルへと戻っていく。

 

「リンちゃん・・・すごい・・・」

 

リンのファイトをアイチは少し見惚れていた。

 

「どうしたでござる?攻撃を受けるでござるか?ガードでござるか?」

 

「あ・・・えっと・・・」

 

ニンジャマスターMが口を開き、それにアイチは目の前のファイトに集中をする。

 

(そうだ・・・こんなところでぐずぐずしてる場合じゃない・・・櫂君と戦うためにも!)

 

「ふむ・・・」

 

「(ダメージを受けたうえで捨てるくらいなら・・・ここで使う!)

世界樹の巫女エレインでガード!」

 

「手札を無意味に捨てたくなければ、今のように使うしかない。それはそれで賢明な判断でござるが・・・手札が減り、追い詰められてるのに、違いはないのでござる」

 

「確かに、僕の手札は後1枚・・・けど、それはあなたも同じです!」

 

「先導アイチ、言うよね~」

 

「三和先輩、静かに」

 

「ドレッドマスターもハガクレも、手札が相手と同じか、少ない時でないとスキルを使用できません!」

 

「いかにも」

 

「つまり、このスキルを使うには、自分の手札を常に少ない状態にしておかないといけない!」

 

「確かにそうでござる」

 

「手札が少ない条件が同じであれば、十分に戦えます!」

 

「着眼点はいいでござるが、1つ忘れているでござるよ」

 

「えっ?」

 

「某のヴァンガードはすでにグレード3。攻撃するたびにツインドライブするでござる!」

 

「なっ・・・」

 

「バーの支援を受け、忍竜ボイドマスターでブラスター・ブレードを攻撃するでござる!」

 

「くっ・・・ガードはしません・・・」

 

「ツインドライブチェックでござる。1枚目『エグザイル・ドラゴン』2枚目『槍の化身ター(☆)』槍の化身ターのクリティカルトリガー発動でござる。攻撃を終えていないチガスミのパワープラス5000。ボイドマスターのクリティカルをプラス1するでござる」

 

ボイドマスターは姿を消し、ブラスター・ブレードの視界から消える。そして、ブラスター・ブレードの目の前に現れ、ボイドマスターはブラスター・ブレードに蹴りを放つ。

 

「ダメージトリガーチェック。1枚目『うぃんがる』2枚目『小さな賢者マロン』」

 

「これで某の手札は3枚、お主は1枚のまま・・・もうお主の手札を削る必要はないのでござる」

 

「くっ・・・」

 

「ここからが、ニンジャマスターMの本領発揮でござるよ」

 

「えっ?」

 

「左のチガスミでブラスター・ブレードを攻撃するでござる。

こちらの手札の方が多いので、バトル終了までに、チガスミのパワープラス3000!」

 

「さっきのクリティカルトリガーの5000を足して・・・合計で16000⁉防御が足りない・・・ノーガード!ダメージトリガーチェック『孤高の騎士ガンスロッド』」

 

「これで5枚目のダメージかよ・・・」

 

「しかも手札は1枚きり・・・」

 

「やっぱり忍者には勝てねぇのか⁉」

 

「手札が多くても少なくても、我がぬばたま忍軍からは逃れられないのでござるよ。お主は蟻地獄に嵌まった蟻も同然でござる」

 

PW15000➡PW9000+SH10000=19000

PW17000➡PW9000

PW16000➡PW9000  ニンジャマスターMの手札3枚 山札34枚  アイチのダメージ5枚

 

「さあ、某のターンは終了でござる。次がお主の最後の攻撃。よく考えてから攻撃するでござる。しかし手札が1枚では、どうしようもないでござるな」

 

劣勢を強いられるアイチに次のターン、どう対処をするのであろうか・・・

 

to be continued…




アイチ「隣でファイトしてたリンちゃんは早々と勝ちぬけて・・・」

ニンジャマスターM「どうしました?未来をイメージするのも大事ですが、今を勝ち抜く努力も怠ってはだめでござるよ、アイチ君」

アイチ「はい、せんせ・・・違った、えっと・・・ニンジャマスター」

ニンジャマスターM「人間とは、虚像と実像の世界に生きる!忍者は虚像を相手に似せて戦うのでござる!」

アイチ「そうか!」

RIDE14「忍者ファイター退場、教師ファイター現る」

アイチ「僕は勝利をイメージする!わかりました、先生!」

ニンジャマスターM「よくできました・・・えっ・・・?」

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