カードファイト!!ヴァンガード 熱血の先導者と努力の先導者 作:先導
さて、今回は準決勝でのリン姉さんとカムイ君のファイトとなります。ラストをかざる決勝戦に出るのは果たして・・・。
それではどうぞ!
カードキャピタルショップ大会第3回戦も終了し、残す試合は準決勝と決勝のみとなった。準決勝に出場することになったのは、ここまで勝ち上がってきた櫂、リン、ミサキ、カムイの4人だった。そして行われた準決勝の組み合わせ抽選、準決勝で戦うことになったのは、櫂はミサキと、カムイはリンとファイトすることになった。準決勝に挑むファイターはスタンディングテーブル(仮)の前に立ち、自分のデッキをスタンディングテーブル(仮)に置く。
「・・・店長!何であの女あんなに上から目線なんだよ!もう少しこの台高くしろよ!」
カムイは小学生故に身長も低いわけでスタンディングテーブル(仮)に立ってカードを扱うのは難しい。ゆえにスタンディングテーブル(仮)についてある台座の上に立ってファイトするわけだが、やはり小学生から見れば、中高生は上から目線のように感じ取ってしまうのだろう。
「いや・・・それ以上高いと、カード扱いづらいですよ?」
「もう1段上がるけど、やめといたほうが・・・」
「YHっす・・・」
「・・・そうか・・・。なら、しょうがねぇけど、なんか気に入らねぇなぁ・・・」
「あはは・・・」
シンの説明とエイジとレイジの説得で今の高さで納得したが、あまり釈然としないカムイ。
「それでは、カードキャピタルショップ大会、いよいよ決勝トーナメントが始まります!2試合同時に行います!まずは・・・櫂トシキ君対戸倉ミサキさん!」
「がんばってください、戸倉さん!」
「お前ならやれるぞ、戸倉!」
これから戦う櫂とミサキは互いに対峙し合っている。カズヤとソウジはミサキを応援している。
「そして、こちらは・・・葛木カムイ君対、日下部リンさん!」
「カムイさんなら、カードショップクイーンなんて楽勝ですよ!」
「KRっす!」
エイジとレイジが言った二つ名にアイチとカズヤは首を傾げる。
「「カードショップクイーン?」」
「ショップ大会の優勝を根こそぎ奪っていってたら、いつの間にかそんなあだ名がついたんだって噂で聞いたぜ」
「日下部からしたら迷惑なあだ名だな。後、言い方めちゃくちゃ悪いな」
「あはは・・・」
2人の疑問にソウジが答え、カズヤの一言にアイチは苦笑いを浮かべる。そんな会話を聞いていたリンはアイチ、カズヤ、ソウジを睨み付ける。それを見た3人はその視線から逸らす。
「決勝の準備運動にゃちょうどいい!お前に勝って櫂に・・・えっと・・・り・・・リフォームさせてもらうぜ!!」
「リベンジだよ~☆リフォームしちゃってどうすんの~」
「・・・・・・」
「おっと・・・出しゃばりすぎたかな?」
カムイの言い間違いにシズクはそれを正しく直す。リンはそんなシズクに軽く睨みをきらせ、黙らせる。シズクはそっぽを向いて視線を逸らす。
「・・・あなたは本当に櫂先輩に挑めるほどの力を蓄えられたのですか?私にはそんな風には見えません」
「な、何ぃ⁉」
「だってそうでしょう?私から見て・・・今のあなたの実力は櫂先輩と戦った時と全く持って同じ。成長のかけらも感じられません」
「て、てめぇ・・・」
リンのきつい言葉にカムイは苛立たせている。
「はーい、そこまで。勝負は、ファイトで決着をつけましょう!」
リンとカムイの間に一触即発の雰囲気が漂っている。そこでシンがストップをかけ、場を元通りにさせる。
「シンさん、そろそろ進めて」
「・・・店長でしょ。では、両者、互いに準備してください」
準決勝に挑む4人はまずはデッキをシャッフルし、ファイトの準備を執り行う。そんな中ミサキは、櫂の実力を考察する。その考えは櫂にもあり、ミサキの強さを見極めようとしている。
(・・・彼はこのショップのお客の中で、最強・・・)
(戸倉ミサキ・・・ヴァンガードファイトを覚えたばかりだそうだが・・・容赦はしない)
そう考えているうちに、4人の準備は万端となり、いつでもファイトできる態勢になった。
(櫂君とミサキさん・・・カムイ君とリンちゃん・・・いったい、誰と誰が決勝戦に勝ち進むんだろう・・・)
アイチはこれからファイト始める4人を見つめ、誰が勝ち上がるか予想をしている。
「では、いきますよ!試合開始です!!」
シンの合図によって、ようやく準決勝がスタートされた。
RIDE18「強さの頂」
「「「「スタンドアップ・((ザ・))ヴァンガード!!」」」」
「リザードランナーアンドゥー!」
「ロゼンジ・メイガス」
櫂とミサキのファイトが始まったと同時にリンとカムイのファイトも始まった。
「リザードランナーアンドゥー!」
「バトルライザー!」
リザードランナーアンドゥー PW6000
バトルライザー(醒) PW3000
「あんま先攻は好きじゃねぇんだけど・・・まぁいいや。全力でやればどうってことはねぇ!ドロー!叫んで踊れる実況シャウトに、俺様ライド!」
『キャッホーイ!ライドされてうれしいでーす!!』
叫んで踊れる実況シャウト PW7000
「バトルライザーは、リアガードサークルに移動!さて、まずは、手札を整えるか。
シャウトのスキル発動!自身をレストして、手札を1枚ドロップ!そして1枚ドロー!・・・よし、まずまずだぜ!ターンエンドだ!」
R シャウト(レスト) R
R R バトルライザー カムイの手札5枚 山札42枚
「それなりの戦力になったわけですか。では見せていただきましょうか、櫂先輩の敗北から、どれだけ強くなったか。私のターン、ドロー。ドラゴンモンクゴジョーにライド!さらに、アイアンテイル・ドラゴンをコール!」
ドラゴンモンクゴジョー PW7000
アイアンテイル・ドラゴン PW7000
アイアンテイル ゴジョー R
R R R
「まずはアイアンテイルでシャウトに攻撃!」
「ノーガード!ダメージトリガーチェック『アシュラ・カイザー』」
『アツーーーーイ!!』
アイアンテイルによる炎のブレス攻撃でシャウトは大声で叫んでいる。
「次です。ゴジョーでシャウトに攻撃!」
「これもノーガードだ!」
「チェック・ザ・ドライブトリガー『アイアンテイル・ドラゴン』」
『アアアーーーウチ!!』
ゴジョーの武器による攻撃によってシャウトはかなり大袈裟に叫んでいる。
「ダメージトリガーチェック『クイーン・オブ・ハート』」
「ターンエンドです」
PW7000➡PW7000
PW7000➡PW7000 リンの手札5枚 山札42枚 カムイのダメージ2枚
「俺のターンだ!ドロー!ジェノサイド・ジャックに、俺様ライド!」
ジェノサイド・ジャック PW11000
「ジェノサイド・ジャックのカウンターブラスト!拘束解除!クイーン・オブ・ハート、シャイニング・レディ、ハングリー・ダンプティをコール!」
ハングリー・ダンプティ PW9000
クイーン・オブ・ハート PW6000
シャイニング・レディ(☆) PW5000
「ハングリー・ダンプティのスキル発動!こいつがリアガードに登場した時、ノヴァグラップラーのヴァンガードがいれば、裏のダメージを表にする!」
「ふむ・・・」
ハングリー ジェノサイド クイーン
R シャイニング バトルライザー
「来た!カムイさんの必勝パターン!」
「KHっす!」
「容赦なしだ!一気に畳み掛けてやる!ハングリー・ダンプティでゴジョーに攻撃!」
「ノーガード。ダメージトリガーチェック『忍獣ハガクレ』」
「シャイニング・レディのブーストをつけて、ジェノサイド・ジャックでゴジョーに攻撃!
ここで、ジェノサイド・ジャックのスキル発動!ノヴァグラップラーのシャイニング・レディにブーストされたから、パワープラス5000!」
「ノーガード」
「ドライブトリガーチェック『
「ダメージトリガーチェック『忍竜ドレッドマスター』」
「まだまだ、終わらせねぇぜ!バトルライザーのブーストをつけて、クイーン・オブ・ハートでゴジョーに攻撃!
バトルライザーのスキルでブーストされたクイーンにパワープラス3000!」
「ガンルーでガード」
「ちぃ・・・3ダメージは与えられなかったか。ターンエンド。バトルライザーはスキルで山札に戻して、デッキをシャッフル」
PW9000➡PW7000
PW21000➡PW7000
PW12000➡PW7000+SH10000=17000 カムイの手札3枚 山札39枚 リンのダメージ2枚
「まぁこれで、ダメージ2枚。互いに大きい打撃を与えたわけだ」
「大きな打撃?たった2ダメージで何をおっしゃいますか」
「何ぃ⁉」
「確かに2ダメージを与えたのは評価します。ですが・・・本物の致命的な打撃というものは、こういうことをいうんですよ。ブレイジングコア・ドラゴンにライド!さらに、ガトリングクロー・ドラゴンをコール!」
ブレイジングコア・ドラゴン PW9000
ガトリングクロー・ドラゴン(引) PW4000
「ブレイジングコア・ドラゴンのスキル発動。カウンターブラスト。リアガードのアイアンテイルと、ガトリングクローをソウルに移動させることによって、山札から爆炎の破壊神、ブレイジングフレア・ドラゴンを降臨させる!」
「な、なんだとぉ⁉」
「封じられし三体の破壊神よ・・・爆炎の力を得て蘇れ!スペリオルライド・ザ・ヴァンガード!!ブレイジングフレア・ドラゴン!!」
ブレイジングフレア・ドラゴン PW10000
「一気にグレード3だとぉ⁉そんなスキルを持ってやがったのか!」
「おいおい、それくらい知っておけよ・・・。カズヤでもやってただろ?一気にグレード3になるの」
「でも、アリフ以外にあれができるかげろうがあったなんて知らなかったよ・・・」
リンの先ほどの動作を見て、後江中学生3人組はそんな会話を行ている。
「一言言っておきます。私を櫂先輩と一緒と思わないことですね。ドラゴンナイト・ネハーレン、忍竜ドレッドマスターをコール」
忍竜ドレッドマスター PW7000
ネハーレン ブレイジングフレア R
ドレッドマスター R R
「ブレイジングフレアでハングリー・ダンプティを攻撃!」
「くっ・・・」
「リアガードに攻撃した⁉トリガーも乗ってないのに⁉」
「ノヴァグラップラーはユニットをスタンドさせて、初めて機能するデッキだ。攻撃するユニットを失ってしまえば、ユニットのスタンドも役に立たなくなるんだよ」
「それに、ブレイジングフレアのパワーは10000。ツインドライブでトリガーが出たとしても、防がれる可能性を考えたうえでの行動でしょうね」
グレード3のヴァンガードがリアガードに攻撃する行為にアイチは驚愕し、雷門とマークがその疑問を答える。
「けど、ダメージをもらうよりかはマシだ!その攻撃、受けてやるぜ!」
「・・・チェック・ザ・ドライブトリガー。ツインドライブ。ファーストチェック『忍獣チガスミ』セカンドチェック『ガトリングクロー・ドラゴン(引)』ゲット、ドロートリガー。ネハーレンにパワープラス5000を与え、1枚ドロー」
ブレイジングフレアはハングリー・ダンプティに狙いを定め、口から最大級の炎を吐きだす。ハングリー・ダンプティに炎が迫ったが、ロック・ザ・ウォールがその炎を全て吸収していった。
「ドレッドマスターのブーストをつけ、ネハーレンでジェノサイド・ジャックに攻撃!」
「ノーガード!ダメージトリガーチェック『アシュラ・カイザー』」
「ターンエンド」
PW10000➡PW9000+SH10000=19000
PW21000➡PW11000 リンの手札4枚 山札35枚 カムイのダメージ3枚
「なるほど、確かに櫂とは全然違うな。さすが、カードショップクイーンだな」
「・・・・・・」
カムイのその2名を聞いたリンは少し険しい表情になる。
「けどな、こっちだってやられっぱなしってわけじゃねぇ!スタンド&ドロー!いくぜ・・・超俺様ライド!不滅のヒーロー爆誕!
『HA-HAHAHAHA!』
「インビンシブルのスキル発動!ソウルチャージ『タフ・ボーイ』裏返すダメージがないため、ダメージはそのままだ。
クイーン・オブ・ハートを移動して、キング・オブ・ソードを2体コール!」
キング インビンシブル キング
R シャイニング クイーン
「まずは左のキング・オブ・ソードでブレイジングフレアを攻撃!」
「ガトリングクローでガード」
「このままいくぜ!シャイニング・レディのブーストをつけて、インビンシブルでブレイジングフレアに攻撃だ!」
「ノーガード」
「ツインドライブ!ファーストチェック『ロック・ザ・ウォール』セカンドチェック『ロック・ザ・ウォール』」
『HA-HAっHAっHAっー!トーーウ!!』
インビンシブルは高笑いをしながらブレイジングフレアに1撃必殺のパンチを繰り出す。ブレイジングフレアの腹部に拳を乗せたが、ブレイジングフレアは特に痛がっている様子はない。
「ダメージトリガーチェック『封竜ブロケード』」
「クイーン・オブ・ハートのブースト、右のキング・オブ・ソードでブレイジングフレアに攻撃!
クイーン・オブ・ハートのスキルで、キング・オブ・ソードをブーストした時、こいつにパワープラス4000!」
「ノーガード。ダメージトリガーチェック『ブレイジングフレア・ドラゴン』」
「ターンエンドだ!」
PW10000➡PW10000+SH5000=15000
PW15000➡PW10000
PW20000➡PW10000 カムイの手札3枚 山札34枚 リンのダメージ4枚(裏1枚)
「ダメージ4対3!カムイさん、このまま圧していけば勝てます!」
「OKっすよ、カムイさん!」
「どうだ!俺だって櫂のリベンジのために、何もしてこなかったわけじゃねぇんだよ!」
カムイの言葉を聞いて、リンは少し嘲笑うような顔になる。
「・・・ふふふ、これがあなたの実力ですか?笑わせてくれますね」
「なんだとぉ!!?」
「確かに常人からすれば、強くなった方でしょう。ですが・・・真の強さの頂に立とうと考える私の敵ではないですね。そのことを、このファイトで証明してみせましょう。スタンド&ドロー。ライド・ザ・ヴァンガード!ボーテックス・ドラゴン!!」
ボーテックス・ドラゴン PW10000
「!ボーテックス・ドラゴン・・・」
「あれは、確か櫂君も使っていた切り札・・・だよね?」
「ああ。でも前にも言ったけど、あれを使いこなすには骨が折れるぞ?」
「確か、インビンシブルと同じで、ソウルが8枚で、表のダメージが5枚の状態で発動するん・・・だったよな?でも日下部のダメージって、裏のカードが1枚あるぞ?」
カズヤの言う通り、リンのダメージには裏のカードが1枚ある。このままでは例えソウルが8枚揃ったとしても、効果は発動しないのだ。
「んー、だったら問題ないんじゃないかな?」
「えっ?どうして?」
「ヴァンガードファイトって大抵、最後までイメージできたものが勝つんでしょ?だったら問題ないっしょ☆」
「答えになってねぇんだよ。何が言いてぇんだっつの」
「まぁ、見てなって☆」
まったく答えになってない発言にカズヤは少し苛立つが、シズクは心配ないような表情でファイトを見ている。
「ボーテックスのスキルでソウルチャージ『ブレイジングコア・ドラゴン』ボーテックスにパワープラス2000。忍獣チガスミをコール」
忍獣チガスミ PW8000
ネハーレン ボーテックス チガスミ
ドレッドマスター R R
「まずは、ボーテックスでインビンシブルを攻撃!」
「・・・ここは通す。ノーガードだ」
「いい度胸です。では・・・チェック・ザ・ドライブトリガー。ツインドライブ。ファーストチェック『ドラゴンモンクゲンジョウ(治)』ゲット、ヒールトリガー」
「!そうか!ダメージを回復することができるってことは・・・」
「!裏返ったダメージを回復させて裏を0にするってことか!」
「ダメージを1枚回復し、さらにチガスミにパワープラス5000。セカンドチェック『槍の化身ター(☆)』ゲット、クリティカルトリガー」
「ダブルトリガーだと⁉」
「パワーはネハーレンに与え、クリティカルはボーテックスに与えます」
『うおおおおお!!』
ボーテックスは空を舞い、インビンシブルに接近し、爪でインビンシブル引っ掻ける。爪に引っ掻かれたインビンシブルは苦し気に切り口を抑える。
「くっ・・・ダメージチェック『ジェノサイド・ジャック』『クイーン・オブ・ハート』」
「ダメージ5・・・かなりやばくないか?」
「KYっすよ、カムイさん!」
「チガスミでインビンシブルを攻撃!
そちらの手札は3枚、こちらは4枚。よって、チガスミのスキル発動!こちらの手札が多いのであれば、チガスミにパワープラス3000」
「ロック・ザ・ウォールでガード!」
「ほう・・・」
「ロック・ザ・ウォールのスキルで、ガードを終えたら、ロック・ザ・ウォールはソウルへ移動させる」
「ではこれならどうです?ドレッドマスターのブーストをつけ、ネハーレンでインビンシブルを攻撃!」
「ガード!ロック・ザ・ウォール!さらにもう1枚、ロック・ザ・ウォールでガード!」
「凌いだ!!」
「ロック・ザ・ウォールはスキルへ移動。もう1体のロック・ザ・ウォールもソウルへ」
「ターンエンド」
PW12000➡PW10000
PW16000➡PW10000+SH10000=20000
PW21000➡PW10000+SH20000=30000 リンの手札4枚 山札29枚 カムイのダメージ5枚
「ふむ・・・カムイ君、インターセプトせず、ユニットを残すのはいい判断だ」
「後は、次で引くカード次第、ですか」
雷門とマークが2人のファイトを考察していると・・・
「ファイナルターン」
櫂がミサキにファイナルターン宣言を言い放った。
「⁉まだ終わりじゃない!」
ミサキは勝負を諦めず、勝利の打開策を考える。
(この手札で凌げるはず・・・相手の場で攻撃に参加するユニットは、ネハーレン2体とボーテックス・ドラゴン・・・最初のネハーレンの攻撃を、ロゼンジでガード・・・次にボーッテックス。手札を使い切ってのガード・・・後は、トリガーとして引けてないロゼンジが・・・)
「トリガー期待か」
「!」
だがそんな憶測も、櫂には見破られている。
「勝負を捨てないファイトは評価しよう。だがここまでだ!」
「くっ・・・」
櫂のアタックファイズに入る。
「エルモがブーストしたネハーレンでアマテラスを攻撃!」
「ロゼンジ・メイガスでガード。
(まだだよ・・・守り切ってみせる!)」
ミサキのダメージは5・・・もう攻撃は受けてはならない状況下だ。残ったユニットの攻撃はヒールトリガーにかけるつもりなのであろう。
(向こうの攻撃、何とか凌ぎきらないと・・・)
「ジャランがブーストしたボーテックス・ドラゴンでアマテラスを攻撃!」
「メイデン・オブ・ライブラと、みるくでガード!」
これでミサキの手札は0枚となり、かなり後がない状況だ。
(手札を全部使い切ったけど・・・守りのパワーは十分。これで、ドライブトリガーさえ出なければ・・・)
「ツインドライブ。ファーストチェック。セカンドチェック。ゲット、ドライブトリガー。スタンドトリガーの効果で、ボーテックス・ドラゴンにパワープラス5000。さらにネハーレンをスタンド」
ここでトリガーが来てしまい、ボーテックスのパワーはアマテラスのシールドを上回った。これにより、攻撃はヒットされた。
(手札を全て使い切っても・・・守れなかった・・・)
ダメージチェックで出てきたのはオラクルガーディアンジェミニ。ノートリガー。よって、ミサキのダメージは6となった。
「櫂トシキ君対戸倉ミサキさん!勝者は櫂君!」
パチパチパチ!
健闘したファイトに観客は櫂とミサキに拍手を送る。
「やっぱつえぇ・・・」
「絶対相手したくないよね・・・」
「いやぁ、姉ちゃんもがんばった!」
井崎とメグミは櫂のファイトに素直な感想を述べ、三和は櫂にもミサキにも握手を交わす。
「わああああ!!戸倉さんが!戸倉さんがぁ!!」
「うるっせぇ!黙れバカ!・・・けど、戸倉が負けるとはな・・・」
ミサキが負けたことでソウジはショックを受け、カズヤがそれを黙らせる。櫂が強いのは誰もが知っていること。だがそれでもカズヤはミサキが負けたことは信じられなかった。
(櫂君が決勝に・・・やっぱり、すごいな・・・)
アイチは櫂のファイトにかなり関心を抱いている。
(櫂先輩・・・やはり勝ちましたか・・・)
(櫂・・・!)
リンはわかっていたという表情をし、カムイは櫂に対して闘志を燃やしている。ファイトを終えた櫂はせっせと三和がいるテーブルへと戻っていく。
「いいファイトだったな、櫂」
「・・・ふん、勝って当然だ」
三和は櫂に声をかけるが、当の櫂は表情を変えていない。
「(ここで勝てば、櫂と再戦できる!絶対にこのターンで決めてやる!)
俺のスタンド&ドロー!」
カムイは櫂へのリベンジのために、このターンで決着をつけようと決め、ドローフェイズに入る。カムイは引いたカードを見て、笑みを浮かべる。
「ここでもう1度ライドだ!インビンシブルからインビンシブルへ!」
『HAっHAっHAっHA!!』
「またインビンシブルにライド・・・ということは・・・」
「インビンシブルのスキルでソウルチャージ『ラウンドガールクララ(治)』」
「これでソウルが8枚か・・・準備は万端ってところか・・・」
「いけぇ、カムイさん!このターンで決めちゃってください!!」
「IKっすー!!」
キング インビンシブル キング
R シャイニング クイーン
「左のキング・オブ・ソードでボーテックスを攻撃!」
「チガスミでインターセプト」
「まだまだ!クイーン・オブ・ハートのブーストをつけて、キング・オブ・ソードでボーテックスを攻撃!
クイーンのスキルでキング・オブ・ソードにパワープラス4000!」
「ガード『ドラゴンモンクゲンジョウ(治)』さらにネハーレンでインターセプト」
「それならこいつでどうだぁ!シャイニング・レディのブースト、インビンシブルでボーテックスを攻撃!」
「ノーガード」
「ツインドライブ!ファーストチェック『ジェノサイド・ジャック』セカンドチェック『バトルライザー(醒)』スタンドトリガー!左のキング・オブ・ソードをスタンド!インビンシブルにパワープラス5000!」
『HAっHAっHAっー!』
インビンシブルは高笑いをしながらボーテックスに強力なアッパーを仕掛ける。渾身の1撃をくらったボーテックスは反動で後ろに後ずさる。
「ダメージトリガーチェック『ワイバーンガードバリィ』」
「よし!アタックがヒットした!インビンシブルのスキル発動!ソウルにあるカード8枚をドロップゾーンに!」
ソウルブラスト『叫んで踊れる実況シャウト』『ジェノサイド・ジャック』『タフ・ボーイ』『ロック・ザ・ウォール』『ロック・ザ・ウォール』『ロック・ザ・ウォール』『
「そして、カウンターブラスト(5)!トルネード・スタンド・ギャラクティカ!!」
インビンシブルの能力でインビンシブルを含めたすべてのユニットがスタンドされた。
「やっぱ来やがったか・・・俺がやられた技・・・めちゃ厄介だぜ・・・」
「へっ!これで俺はもう3回攻撃できるぜ!」
「やってごらんなさい」
「何ぃ⁉やってやろうじゃねぇか!左のキング・オブ・ソードでボーテックスを攻撃!」
「ノーガード。ダメージトリガーチェック『ガトリングクロー・ドラゴン(引)』ゲット、ドロートリガー。ボーテックスにパワープラス5000。1枚ドロー」
「くっ・・・シャイニング・レディのブースト、インビンシブルでボーテックスを攻撃!」
『HAHAHAHA!』
「槍の化身ター2体でガード」
再び起き上がったインビンシブルはもう1度ボーッテックスにパンチを喰らわせようとしたが、2人のターが槍でインビンシブルの攻撃を防ぎ、事なきを得るボーテックス。
「ツインドライブ!ファーストチェック『タフ・ボーイ』セカンドチェック『ドグー・メカニック』まだまだぁ!クイーン・オブ・ハートのブースト、右のキング・オブ・ソードでボーテックスを攻撃!
クイーンのスキル!キング・オブ・ソードにパワープラス4000!」
「忍獣ハガクレでガード」
「そ、そんなバカな⁉俺の6回の攻撃を防ぎきるなんて!!」
「とどめは、させなかったようですね」
「くっ・・・ターンエンド」
PW10000➡PW10000+SH5000=15000
PW20000➡PW10000+SH15000=25000
PW15000➡PW10000
PW10000➡PW10000(+5000)
PW15000➡PW15000+SH10000=25000
PW20000➡PW15000+SH10000=25000 カムイの手札4枚 山札26枚 リンのダメージ5枚
「5ダメージの状態でカムイの攻撃を防ぎきるなんて・・・やっぱ日下部は強いな・・・」
「でも、カムイ君もすごいですよ。あのリンちゃんをここまで追い詰めるなんて・・・」
「結局は両方すげぇってこったな」
「あなたに、強さの頂というものが何かを教えてあげましょう。ファイナルターン!!」
『!!』
リンのファイナルターン宣言に観戦者全員が息をのむ。カムイは次の一手に身構える。
「スタンド&ドロー。・・・ここであなたが来るとは・・・」
リンは引いたカードに笑みを浮かべる。
「ボーテックスのスキルでソウルチャージ『ワイバーンガードバリィ』パワープラス2000。
そして、ボーテックス・ドラゴンのスキルを発動!!」
「くぅ・・・!!」
「あれは、櫂君が見せた技・・・!」
「カウンターブラスト(5)!そして、ソウル8枚をソウルブラスト!!」
ソウルブラスト『リザードランナーアンドゥー』『ドラゴンモンクゴジョー』『ガトリングクロー・ドラゴン(引)』『アイアンテイル・ドラゴン』『ブレイジングフレア・ドラゴン』『ブレイジングコア・ドラゴン』『ブレイジングコア・ドラゴン』『ワイバーンガードバリィ』
「さあ、イメージなさい。渦巻く地獄の業火を持つ、禍々しく、偉大なる竜の咆哮を!2体のキング・オブ・ソード、クイーン・オブ・ハートを退却!バーニング・ヘル!!」
ボーテックスは口から地獄の炎を吹きだし、2体のキング・オブ・ソードとクイーン・オブ・ハートはその炎に焼かれて消えていった。
「く、くそ!」
「チガスミ、リザードソルジャーガンルーをコール」
リザードソルジャーガンルー(醒) PW5000
「そして・・・コール・ザ・リアガード!この世のもの全てのものを焼き尽くす黙示録の炎!ドラゴニック・オーバーロード!!」
ドラゴニック・オーバーロード PW11000
チガスミ ボーテックス オーバーロード
ドレッドマスター ガンルー R
「ドレッドマスターのブーストをつけ、チガスミでインビンシブルを攻撃!」
「くっ・・・バトルライザーでガード!」
「オーバーロードでインビンシブルを攻撃!」
「タフ・ボーイでガード!」
「ガンルーのブースト、ボーテックスでインビンシブルを攻撃!」
「終わらせてたまるかぁ!ジェノサイド・ジャックと、ドグー・メカニックでガード!」
「チェック・ザ・ドライブトリガー。ツインドライブ。ファーストチェック『ワイバーンガードバリィ』セカンドチェック『リザードソルジャーガンルー(醒)』ゲット、スタンドトリガー。ボーテックス・ドラゴンにパワープラス5000。そして、オーバーロードをスタンド」
「なっ・・・ダメージトリガー・・・チェック『ラッキー・ガール(醒)』」
『うおおおおHAっHA-!!』
ボーテックスは地獄の炎をインビンシブルに吐き、インビンシブルを焼き尽くす。インビンシブルはやられながらも笑い、消滅していった。
「これぞ、強さの頂の一歩となる道です」
PW15000➡PW10000+SH10000=20000
PW11000➡PW10000+SH5000=15000
PW17000(+5000)➡PW10000+SH10000=20000
リンのダメージ5枚 カムイのダメージ6枚 勝者リン
「勝者、日下部リンさん!!」
「くうううぅぅ・・・櫂のリベンジはお預けかよ!くそぉ!」
準決勝で脱落したカムイは相当悔しがり、リンは黙々とデッキを片付ける。
「やったじゃん、リンリン!決勝だよ、決勝!」
「これぐらい、当然のこと。・・・決勝で櫂先輩に勝利を収め・・・次なる高みの目標を、必ず実現してみせましょう」
リンが目標を呟いていると、その様子を見たシンが笑みを浮かべる。
「日下部さん、10分の休憩の後、決勝戦ですから、準備しててくださいよ」
「言われるまでもありません」
「リンリン、デッキの調整、手伝ってあげようか?それなりに知識あるの、知ってるっしょ☆」
「結構です」
決勝に備えて、リンはあえて櫂と三和の席に移動せず、別の席でデッキの調整を行う。シズクは茶々を入れながらもリンの傍にいる。トーナメント表の前で宮地高校生3人は会話を行っている。
「ショップ大会、おもしろかったな」
「ああ。優勝できなかったのは、残念だがな。戸倉は楽しかったか?」
「別に。私はシンさんに無理やり出場させられただけだし」
「・・・のわりにゃ、なんか思うところあるみてぇだな」
素っ気なくカズヤの問いを返すミサキだが、やはり思うところはあるのか、トーナメント表をじっと見つめている。シンはミサキに近づき、一声をかける。
「ミサキ、もうちょっと、待っててごらん。きっといいことがあるからね」
「え?」
シンの言った意味がわからず、ミサキはキョトンとなる。シンの言ういいこととはいったい・・・。
to be continued…
RIDE19「決着!ショップ大会」