カードファイト!!ヴァンガード 熱血の先導者と努力の先導者   作:先導

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今回は見ての通りのオリジナルです。

オリジナルが苦手なこともありますが、今回ちょっと急ぎ気味で無理やりな感じると思います。こんな駄文ですみません。最後まで読んでくださるとうれしいです。

それでは、どうぞ!


スバルの男への道のり

宮地学園高等部のお昼休み、各生徒は昼ご飯をとったり、購買部で昼食を買ったりする生徒が多い。カズヤたちの場合だと前者だ。だが今日は珍しく、カズヤ、ソウジ、ミサキの3人で昼食をとっている。ソウジとミサキは弁当で、カズヤはパンを食べている。

 

「・・・昨日はお楽しみだったじゃない。他所のショップで」

 

「ぶふーー!!」

 

明らかに不機嫌そうに言うミサキの言葉にカズヤは口に含んでいた野菜ジュースを噴出する。そのジュースはソウジの顔に直撃する。

 

「カズヤ、お前なぁ・・・」

 

「い、いや!あれは武者修行だって!別にいいだろ!」

 

「物は言いようね」

 

カズヤに怒りを示すソウジを無視し、カズヤは言い訳をする。ミサキはため息をこぼす。

 

「・・・で、どうだったの?全国大会に出場したチームがいたんでしょ?」

 

「・・・ああ。もうめちゃくちゃ強かった。悔しいけど、ものすごく。あのファイトを見て、今のままじゃダメだって、思い知らされたよ。もっとレベルアップしてぇ・・・」

 

カズヤの脳裏に浮かび上がったのは、昨日のファイト、大文字ゴウキの圧倒的な強さだった。今のレベルに不甲斐なさを感じ、カズヤは拳を強く握りしめる。

 

「そんなカズヤに朗報だ!俺、いい催し物をやってるカードショップ知ってんだ!きっとレベルアップ間違いなしだ!」

 

「・・・また他所のショップに行く気?」

 

ソウジの言葉にミサキは鋭くソウジを睨み付ける。カードキャピタルを手伝ってる身としては、あまりいい気分でないから当然だ。

 

「で、でしたら今日は戸倉さんもご一緒にどうですか?」

 

「・・・なんで?」

 

ソウジの一言にミサキはさらに睨みを強める。

 

「も、もちろん戸倉さん、いや、カードキャピタルに利点がありますよ!」

 

「利点?」

 

「あそこ、カードショップ魁っていうんですけど、そこの店長がめちゃくちゃてきとうで他のショップの宣伝をしても怒らないんです!他所の地域のお客さんを呼ぶチャンスですよ!」

 

「それ、店として成り立ってんのか?」

 

「それだけじゃなくて、魁には強力なスポンサーがいるという噂があって、その人とうまく交渉できれば、キャピタルの支援を多少は行ってくれるかもしれません!」

 

「スポンサー、ねぇ・・・」

 

ソウジの説明を聞いても、ミサキは半信半疑で聞いており、疑いの目でソウジを見つめる。

 

「その店がどうとかはともかく、それがマジなら確かに利点かもな。戸倉、どうだ?」

 

「ちょっと待って、今の話信じたわけじゃないし・・・それに今日も店の手伝いが・・・」

 

「んなのもんシンさんに頼めば一発だろ!ちょっと電話するわ!」

 

「勝手なことを!」

 

カズヤはミサキの意見を聞かず、携帯を取り出し、シンに電話をかける。

 

「はぁ・・・あいつあんなに強引だっけ?」

 

「あいつが変わったんですよ。ヴァンガード始めるまであいつ、いっつもつまんなそうにしてましたから」

 

「ふーん」

 

ミサキとソウジがそう話している間にカズヤは通話を終えたようだ。

 

「シンさんがたまには羽目を外してこいだってよ。これで決まりだな」

 

「はぁ・・・わかった。今回だけだからね」

 

「と、戸倉さん・・・!」

 

「そうこなくっちゃな!」

 

ミサキはため息をこぼしながらも、カズヤとソウジと共にカードショップ魁に向かうことを決めたのであった。

 

 

 

RIDE21「スバルの男への道のり」

 

 

 

宮地学園の授業を終え、3人はカードショップ魁の道のりを歩いていく。ソウジの手には1枚のポスター。そこには地区予選腕試し!カードショップ魁ショップ大会というお知らせが乗っている。

 

「にしてもショップの代表はもう決まってんのに、もうショップ大会を開くってのはどうなのよ、早くねぇか?」

 

「噂だと店長はファイターの意思を尊重したいんだってよ」

 

カズヤの疑問にそう答えるソウジ。ミサキはソウジの持ってるポスターを取り上げ、大会参加条件を目に通す。参加するための条件はショップの代表に選ばれたもののみと書かれている。

 

「あんたの言ういい催し物の意味はよくわかったわ。私も・・・橘は抽選で代表に選ばれてたのよね」

 

「やはりファイターとして、レベルはあげとかなければいけませんし!・・・と、つきました」

 

そう話している間に3人はカードショップ魁の店の前までやってきた。

 

「うし、入るか」

 

カズヤが先陣を切って店の中に入り、ソウジとミサキもカズヤの後に続く。最初に目に映ったのは、数多くのショーケースだ。ショーケースの中には、ヴァンガードのカードが入っている。

 

「おお、すげぇな・・・」

 

「ファイトできる場所は2階にあんだぜ」

 

「なるほど、下は販売所ってことね」

 

1階が販売所だとわかり、さらに奥を進んでいると、カズヤにとって見知った顔が2人いた。

 

「お、お前ら!」

 

「あっ、カズヤんにソウきゅんにミサQじゃ~ん☆」

 

「ミサキ!変なあだ名をつけないで!」

 

「あ、昨日の・・・こんにちは」

 

その人物はリンの友人と名乗るギャル風少女、日向シズクとチーム男前の1人である少年、天城スバルだった。

 

「あ、俺あいつ知ってるぞ!去年全国大会に出場したチーム男前の天城スバルじゃねぇか!」

 

「へぇ、昨日カムイが言ってた他所のショップのチームか・・・」

 

ソウジとミサキはスバルと会うのは初めてだが、ミサキは話を聞いてた程度、ソウジは全国大会で見たことがあることもあり、存在は知っていたようだ。

 

「あれあれ?スバルん、カズヤんたちと知り合い?」

 

「うん。橘さんとは昨日、ちょっとね。日向さんも彼らを知ってるの?」

 

「まぁねぇ~☆」

 

「お前ら同級生かなんかか?」

 

「そだよ~☆晴海中学のクラスメイト☆」

 

どうやらシズクとスバルは互いに晴海中学の同級生らしい。

 

「そういや、ここと晴海中って案外近かったけか。てことは地元か」

 

「ふーん。で、スバルも腕試しか?」

 

「はい。ちょっとでもゴウキさん、チーム男前に貢献したくて、少しレベルアップとでもと思って」

 

「うちはそんなスバルんの付き添いだよ☆」

 

スバルもレベルアップを目的のためにこのショップ大会に参加しに来たのだ。

 

「そうか。で、受付って・・・」

 

「ですから!!何度言えばわかるのですか!!」

 

「うおっ、なんだ⁉」

 

「ま、またですか・・・」

 

「あの人が来ると、いっつもああなるんだよねぇー☆」

 

受付のことを聞こうとした時、2階から大きな怒声が聞こえてきて、ビックリする宮地高校生組。何度か来たことがあるスバルとシズクはまたかといった表情になる。

 

「2階から聞こえてくるけど・・・」

 

「ちょっと見てみましょう!」

 

3人が2階の様子を見てみるとそこには1人の女子高生がいかにもダルそうな顎ヒゲを生やした中年男性を注意している姿がいた。

 

「仮にも店長なのですからしっかりと!」

 

「ですから何度も言ってるじゃないですか。平常運転が俺のモットーだって。それは、他のファイターにも、言えたことですよね?」

 

「はぁ・・・お客様と店を思う気持ちは本物ですのに、なぜ本人はこんなに怠け者なんでしょう?」

 

「・・・なんか、あれだな」

 

「ああ。いつも見てる光景とよく似てる」

 

「何で私を見るのよ?」

 

今見ている光景が日頃からよく見てるミサキとシンの光景に似ており、それが少し厳しめ程度に感じているカズヤとソウジは思わずミサキを見る。注意していた女子高生は3人に気が付く。

 

「あ、あら。私としたことが、初めてのお客様の前ではしたない・・・」

 

女子高生は咳払いし、礼儀正しく挨拶する。

 

「ようこそいらっしゃいまし、カードショップ魁へ」

 

「おい、さっきのなかったことにしようとしやがるぞ」

 

「つーかあの制服、晴海高校のあれじゃねぇか?」

 

ソウジの言う通り、女子高生の制服は晴海高校の制服だ。それを着ているということはまさかと思って、階段から上がってきたスバルとシズクを見るカズヤとソウジ。

 

「あはは、相変わらずですね、店長とマリンさん」

 

「おーう、いらっしゃーい。参加申し込みはこっちでやるよー」

 

「あら天城君に日向さん。ご機嫌麗しゅう」

 

「やっぱ知り合いだったか・・・」

 

「うん。その人はマリン・ソランベルジュ先輩。晴見高校の2年生でこの店をスポンサーしてくれてる企業のご令嬢さんだよー☆」

 

「何っ⁉スポンサーしている企業だと⁉」

 

「はっ!そういえばまだ自己紹介していませんでしたわ!私としたことが・・・」

 

女子高生は改めて咳払いし、今度は自己紹介する。

 

「改めまして、私、マリン・ソランベルジュ申します。本日はこのショップのお手伝いをしにまいりました。以後お見知りおきを」

 

「よ、よろしく・・・おい戸倉、ちょっと」

 

「な、何よ」

 

女子高生、マリン・ソランベルジュがそう名乗ると、カズヤは軽くお辞儀をした後、ミサキとこそこそと話しをする。

 

「おい戸倉、噂、本当だったみたいだぞ!」

 

「みたいね・・・」

 

「どこの企業かは知らねぇが、うまく交渉すれば少しは支援してもらえるチャンスかもよ!早速やってみようぜ!」

 

「・・・遠慮しとく」

 

カズヤはマリンと交渉してキャピタルに利益を与えようと提案したが、ミサキはそれを断る。

 

「何でだよ?支援してもらえれば利益になるぜ?」

 

「そうだとしても最初からそんなことする気はない。自分たちの店の利益は自分たちで掴む。他所の施しは受けないよ」

 

「なんだよ、俺たちの取り越し苦労かよ・・・だったら無理言ってわりぃ・・・」

 

「・・・いや、こっちもごめん。ちょっと根に持ち過ぎた」

 

カズヤとミサキは互いにバツが悪そうな表情をしながら謝罪した。そして、先ほどからこそこそ話しているのに怪訝に思ったマリンが声をかける。

 

「さっきからなんなんですの?2人でこそこそと」

 

「ごめんなさい、こっちの話。気にしないで」

 

「ああ。腕試しのショップ大会、楽しみだなーってな」

 

カズヤは話しを誤魔化してスバルに指を指し、堂々と宣言する。

 

「腕試しとはいえ、地区大会出場する勢いで行くからな!覚悟しておけよ!」

 

「僕だってやるからには勝ちにいきますよ。男として!」

 

カズヤの宣言にスバルは男を強調して堂々と受けて立った。

 

「俺らは代表に選ばれてねーし、どうしよっかなぁ・・・」

 

「カード買うかファイト見るかでいいんじゃない?」

 

代表に選ばれてないソウジとシズクは魁の内装を見るかファイトを見ることにした。

 

「てゆーか、参加するんなら、参加受付、してくんない?」

 

「「「あ、すみません」」」

 

 

ショップ大会が始まる時間帯になり、参加者全員は2階でショップ大会開始宣言を待っている。

 

「日下部ならこういうの、参加しそうなんだけどなぁ・・・」

 

「あいつって道場一家の娘だぜ?道場の習い事とかで忙しいんだろ」

 

「日下部道場の宿命ってやつか」

 

「日下部道場、か・・・」

 

カズヤとソウジがリンの話をしていると、シズクは何とも言えないような表情をする。そうしている間に、ショップ大会の説明を行われていた。ただし、説明するのは店長ではなくマリンだ。当の店長はカウンターでのんびりしている。

 

「ではこれより、魁のショップ大会のルールを説明いたしますわ」

 

「店長って肩書だけだろ、あの人」

 

「ショップ大会の内容は地区大会に合わせ、勝ち抜き形式ですわ。ファイトに勝利したものが次の試合のコマを進むことができますわ。腕試しの大会とはいえ、優勝者には店長から景品が贈呈されますので、優勝目指して頑張ってくださいまし。説明は以上ですわ。それでは、トーナメント表を確認した後、各テーブルについてくださいまし」

 

大会の参加者は全員事前に渡されたトーナメント表を確認し、指定された座席に着席する。カズヤもトーナメント表を確認し、指定された席に座る。カズヤの相手となったのは・・・

 

「まさか初っ端から相手になるなんて思わなかったぜ、スバル」

 

「よろしくお願いします」

 

チーム男前のメンバーであるスバルだった。カズヤとスバルは着席したと同時に、互いにデッキをシャッフルしファイトの準備をする。

 

(ここにいる連中は全員地区大会の参加者・・・中でもスバルは全国大会に行ったことがある奴だ。ゴウキと同じくらい強いに決まってる。けど、地区大会で戦うことになるかもしれねぇんだ。やってやるぜ!)

 

互い準備を終え、いつでもファイトできる態勢になった。それはここにいるファイター全員だ。

 

「準備はよろしくて?ほら店長、早く」

 

「はいはい・・・それじゃまー、ショップ大会初戦、スタートー」

 

店長の合図で参加者たちはファイトを開始させる。

 

『スタンドアップ・ヴァンガード!!』

 

「鉄壁竜シールドン!」

 

「案内するゾンビ!」

 

鉄壁竜シールドン  PW6000

 

案内するゾンビ  PW5000

 

(ゴウキと同じグランブルーか!)

 

「僕の先攻ですね。ドロー。伊達男ロマリオにライド!」

 

伊達男ロマリオ  PW8000

 

「案内するゾンビはスキルで自らを移動!

そしてさっそく、案内するゾンビのスキル!自身をソウルへ移動させ、山札の上から3枚を、ドロップゾーンへ!『お化けのちゃっぴー』『荒海のバンシー(☆)』『キャプテン・ナイトミスト』」

 

(!いきなりナイトミストがドロップゾーンにいきやがった!)

 

「ターンエンドです」

 

R ロマリオ R

R  R   R  スバルの手札5枚 山札40枚

 

「俺のターン!ドロー!ソニック・ノアにライド!」

 

ソニック・ノア  PW8000

 

R ソニック R

R  R   R

 

「ソニック・ノアでロマリオを攻撃!」

 

「ノーガードです!」

 

「ドライブチェック『希望の火エルモ』」

 

「ダメージチェック『モンスター・フランク』」

 

「ターンエンドだ」

 

PW8000➡PW8000  カズヤの手札6枚 山札42枚  スバルのダメージ1枚

 

「僕のターン。スタンド&ドロー。いきますよ。・・・光さえ届かぬ深き海の底に、不死の海賊は居る・・・例えこの身滅びようと海賊の魂は船と共に!ライド!キャプテン・ナイトミスト!!」

 

キャプテン・ナイトミスト  PW8000

 

「スキル発動!ヴァンガードのナイトミストはドロップゾーンに他のナイトミストがあれば、僕のターン中パワープラス3000!コール、ダンシング・カットラス!」

 

ダンシング・カットラス  PW5000

 

「カットラスのスキル発動!ソウルブラスト『案内するゾンビ』『伊達男ロマリオ』1枚ドロー!ダンシング・カットラス、大幹部ブルーブラッドをコール!」

 

大幹部ブルーブラッド  PW10000

 

ダンシング ナイトミスト ブルーブラッド

ダンシング   R       R

 

「ブルーブラッドでソニック・ノアにアタック!」

 

「ノーガードだ!ダメージチェック『ワイバーンストライクテージャス』」

 

「ナイトミストでソニック・ノアにアタック!」

 

「ノーガードだ!」

 

「ドライブチェック『伊達男ロマリオ』」

 

「ダメージチェック『砲撃竜キャノンギア』」

 

「まだです!カットラスのブーストをつけて、カットラスでソニック・ノアにアタック!」

 

「ジャランでガードだ!」

 

「ターンエンドです」

 

PW10000➡PW8000

PW11000➡PW8000

PW10000➡PW8000+SH5000=13000  スバルの手札4枚 山札37枚  カズヤのダメージ2枚

 

「俺のターンだ!ライド!砲撃竜キャノンギア!」

 

砲撃竜キャノンギア  PW11000

 

「俺の場にはリアガードがいねぇから、コストは無用だぜ!さらに、希望の火エルモ、突撃竜ブライトプス、翼竜スカイプテラをコール!」

 

突撃竜ブライトプス  PW9000

翼竜スカイプテラ  PW6000

希望の火エルモ  PW6000

 

スカイプテラ キャノンギア ブライトプス

 エルモ     R      R

 

「まずはブライトプスでナイトミストを攻撃!」

 

「ノーガードです。ダメージチェック『大幹部ブルーブラッド』」

 

「いけ!キャノンギア!ナイトミストに攻撃だ!」

 

「ノーガードです」

 

「ドライブチェック『槍の化身ター(☆)』クリティカルトリガー!スカイプテラにパワープラス5000、そしてキャノンギアの与えるダメージをプラス1!」

 

「ダメージチェック『突風のジン』セカンドチェック『キャプテン・ナイトミスト』」

 

「エルモのブーストつけたスカイプテラでナイトミストを攻撃!」

 

「お化けのちゃっぴーでガード!

ちゃっぴーのスキル発動!山札から不死竜スカルドラゴンをドロップゾーンへ!」

 

「ターンエンドだ」

 

PW9000➡PW8000

PW11000➡PW8000

PW17000➡PW8000+SH10000=18000  カズヤの手札3枚 山札38枚  スバルのダメージ4枚

 

「僕のターン。スタンド&ドロー。死の境界線を越え、生を彷徨う竜の恐るべき力を見よ!ライド!不死竜スカルドラゴン!!」

 

不死竜スカルドラゴン  PW10000

 

「さぁ、いきますよ。ドロップゾーンにあるナイトミストのスキル発動!カウンターブラスト!前列のカットラスを退却!蘇れ、キャプテン・ナイトミスト!」

 

「ちっ・・・やっぱ復活しやがったか」

 

「グランブルーデッキの特徴だもんね☆名付けて、無限復活地獄」

 

「俺もグランブルー使うけど、そんな特徴があったなんて知らなかったぜ・・・」

 

「海賊は何度でも蘇る。

ドロップゾーンにあるスカルドラゴンのスキル!カウンターブラスト!蘇らせたグレード2以上のナイトミストを退却させて、スカルドラゴン、復活!」

 

「復活したナイトミストを利用して、さらに強力なグレード3のユニットを出しやがったのか!」

 

「イービル・シェイド、荒海のバンシーをコール!」

 

イービル・シェイド  PW6000

荒海のバンシー(☆)  PW4000

 

「あなたとファイトしていると、ゴウキさんとのファイトを1つ1つ思いだしますよ」

 

「ゴウキとの?」

 

「ゴウキさんは、僕を本当の男にしてくれた、恩人なんです」

 

「本当の男だぁ?」

 

「小学校の頃僕は・・・たいしたことでも怖がって、男とはいえないような存在だったんです」

 

 

小学生のスバルはこの世の全てのものを怖がり、それが災いして、クラスからも浮かれ、中には彼をからかうものもいる。スバルは何もかも嫌気がさして、川辺で泣いていた。

 

「ぐす・・・ぐす・・・うぅ・・・」

 

そんな泣いているスバルにたまたま近くを通りかかった1人の大男が話しかけてきた。

 

「どうした?なぜ泣いている?」

 

「ひっ・・・」

 

「ああ、言いたくないなら別にいい。泣いてる奴に無理に問いただすのは、男前のすることじゃねぇ」

 

スバルその大男に不思議とどこか暖かさを感じ取り、無意識にも事情を話す。

 

「・・・僕、いろんなものが怖くて・・・人も、犬も、何もかも・・・そんな自分が嫌で・・・」

 

「・・・そうか」

 

大男はスバルに近づき、とある場所に来るかと誘う。

 

「うちに来るか?歓迎するぜ」

 

これがスバルと大男、大文字ゴウキの初めての出会いだった。

 

スバルはゴウキのその暖かさに便乗し、自分でもわからないうちについていった。そこで辿り着いたのが、カードショップ男前だ。

 

当時のスバルの性格では、当然そこにいるファイターたちに怖気づき、話しかけれると、恐怖を感じ取ってしまう。スバルはその恐怖に耐え切れず、思わず逃げ出してしまう。他のファイターはスバルのあの様子をどうしたことかと思っているが、どうにもゴウキはスバルのことが放っておけない様子でいる。

 

翌日、スバルはまた1人、例の川辺に向かおうとする。そこにはゴウキが先客として来ていた。

 

「多分にここに来るだろうと思ってたぜ」

 

「あ・・・えっと・・・」

 

「おっと、名前をまだ言ってなかったな。俺は、大文字ゴウキ!カードショップ男前の船長だ!」

 

「あ・・・あの・・・あぅ・・・」

 

「・・・そんなに怖いのか?」

 

「えと・・・はい・・・」

 

「だったら、何で昨日俺についてきた?怖いなら別についてくる必要はなかったはずだろ?」

 

「え・・・?」

 

「・・・お前、今の自分を克服したいんじゃないのか?本当の男になりたいんじゃないか?」

 

「え・・・?僕は・・・」

 

「いや何も言うな!俺は確信した、そうに違いない・・・。・・・昨日みたいに逃げても、何も変わらねぇぞ?」

 

「・・・・・・」

 

ゴウキの一言がかなり効いたのか、スバルは顔を俯かせる。

 

「お前が本当に望むなら・・・俺と来い。お前を、本当の男前にしてやる!」

 

「本当の・・・男・・・」

 

ゴウキの提案を聞いてスバルは少し目を見開く。スバル自身も、変わりたいという気持ちはあった。スバルにとって願ったりかなったりの提案だったゆえ、恐怖心は拭えないが、少しだけでも勇気を出して、ゴウキの提案を受けることにした。

 

それからスバルは、まずは人に慣れるためにカードショップ男前に毎日通うことにした。男前にいるファイターたちはみんなスバルを気を遣っているが、それでもやっぱり逃げてしまい、中々馴染めないでいた。それが何回も続いた半月後、ようやく慣れてきたのか少し程度だが、話せるようになった。そんな時期にスバルはゴウキに珍しく声をかけた。

 

「あの・・・どうして僕に、こんなに優しくしてくれたんですか?」

 

「う~む・・・そういやなんでだろうな?」

 

「え?」

 

「ただなんとなく、泣いてたし、同情だったのかもしれんが・・・けど、なぜか知らんが、お前のことは放っておけなかったんだよ」

 

「はぁ・・・」

 

「けど、そんなことは俺にとっちゃあどうだっていいんだよ。ナギサには劣るが、お前の成長を見守るのが、結構楽しいんだ。だったら、それで十分じゃねぇか」

 

「ゴウキさん・・・」

 

スバルは少しだけ嬉しそうに顔を俯かせる。そう話していると、ゴウキは思いだしたと言わんばかりに手をたたく。

 

「そういや、お前の名前、まだ聞いてなかったな」

 

「え・・・?」

 

「お前、よく逃げ出してたからさ、中々聞けなかったんだよな。よかったら、聞かせてくれ」

 

「・・・スバル、です。天城、スバル」

 

「スバルか・・・いい名前だな!」

 

スバルの名を聞いて、ゴウキは満足そうな笑みを浮かべる。

 

スバルはそれからもファイター同士の会話は続けている。スバル自身も人に慣れたのか、おどおどしくだが、しっかりと自分から声をかけてたりもする。その光景も、1ヶ月がすぎ、ようやく馴染んできたような雰囲気だ。だが、当のスバルは1番の問題点である恐怖心だけは抜け出せないでいる。そんな時、スバルとゴウキが初めて出会った川辺で2人だけで話をしている。

 

「どうだ?あれから1ヶ月経ったが、うちにはもう慣れたか?」

 

「はい、おかげさまで。でも・・・」

 

「でも?」

 

「みんないい人なんですけど・・・やっぱり性格からなんでしょうか。まだ、怖い気持ちが・・・取れないんです・・・もしも急に僕を置いてい行ったりっとか、裏切られたりって考えたりしちゃって・・・」

 

「そうか・・・」

 

「はは、ダメですよね・・・そんなことしないって、わかってるのに・・・」

 

「心配すんな。あいつらと一緒にがんばりゃ、きっと、その思いだって克服できるはずさ」

 

「ゴウキさん・・・」

 

「恐怖自体は悪じゃねぇ。それは己の弱さを知るということよ。人は弱さを知り、恐怖を乗り越えれりゃ、強くも、優しくもなれる。お前はまだまだ弱い器だが、鍛えていきゃ懐のでけぇ真の男前になれるぜ。それこそ、俺を超えるほどにな」

 

「ご・・・ゴウキ・・・さん・・・」

 

「もっと強くなれ、スバル。お前の強くたくましい男の姿、俺に見せてくれ。楽しみにしてるぜ」

 

ゴウキが自分をそこまで思ってくれていることに対して、スバルは顔を俯かせながら、涙をながしている。この時からスバルは、ゴウキの期待に応えるべく、懸命に努力をし、3ヶ月がたってようやく恐怖心を克服できたのであった。

 

 

「ゴウキさんがいてくれたから、今の僕は、ここに立っているんです」

 

「お前・・・」

 

「少し話し過ぎましたね。ファイトを再開しましょう」

 

スカルドラゴン スカルドラゴン ブルーブラッド

 ダンシング   イービル    バンシー

 

「荒海のバンシーのブーストをつけて、ブルーブラッドでキャノンギアをアタック!」

 

「スカイプテラでガードだ!」

 

「イービル・シェイドのブーストしたスカルドラゴンでキャノンギアをアタック!

イービル・シェイドのスキル発動!山札の上2枚をドロップゾーンへ!『スケルトンの見張り番(醒)』『ルイン・シェイド』スカルドラゴンにパワープラス4000!」

 

「ノーガードだ!」

 

「ツインドライブ!1枚目『ルイン・シェイド』2枚目『伊達男ロマリオ』」

 

スカルドラゴンは瘴気が纏ったブレスをキャノンギアに向けて放った。瘴気に触れたキャノンギアは至る所から激痛が走っていく。

 

「ダメージチェック『鉄壁竜シールドン』」

 

「ダンシング・カットラスのブーストをつけて、スカルドラゴンでキャノンギアにアタック!

リアガードのスカルドラゴンは、グランブルーのヴァンガードがいる時、このターン中パワープラス3000!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『暴君デスレックス』」

 

「ターンエンドです。ターン終了時には、パワーアップしたスカルドラゴンは退却して、ドロップゾーンへ」

 

PW14000➡PW11000+SH5000=16000

PW20000➡PW11000

PW18000➡PW11000  スバルの手札3枚 山札29枚  カズヤのダメージ4枚

 

「橘の奴、そうとう苦戦してるね」

 

「あ、戸倉さん!お疲れ様です!ファイト素敵でした!」

 

「そりゃそうっしょ?スバルんは全国大会に出場したことあんだからさ」

 

「(こいつ、見た目と違ってめちゃくちゃつえぇ!デッキも自密に計算してる・・・何より、思いが力に変えてやがる!けど・・・負けてたまるか!)

スタンド&ドロー!荒野に現れろ!巨竜と共にある一族の長!ライド!サベイジ・キング!!」

 

サベイジ・キング  PW9000

 

「サベイジ・キングのソウルブラスト『鉄壁竜シールドン』スカイプテラを退却!自身にパワープラス3000!

スカイプテラのカウンターブラスト!こいつを手札に!もう1度スカイプテラをコール!

もう1度サベイジ・キングのソウルブラスト『ソニック・ノア』パワープラス3000!

もう1度スカイプテラのカウンターブラスト!手札に戻す。この行動をもう1度だ!」

 

ソウルブラスト『砲撃竜キャノンギア』

 

「サベイジにさらにパワープラス3000だ!」

 

「なるほど・・・」

 

「スカイプテラ、槍の化身ター、シールドンをコール!」

 

槍の化身ター(☆)  PW5000

 

シールドン キング ブライトプス

 エルモ  ター  スカイプテラ

 

「エルモのブーストをつけて、スカルドラゴンに攻撃!」

 

「ノーガードです!ダメージチェック『ナイトスピリット(☆)』クリティカルトリガー発動!スカルドラゴンに、クリティカルプラス1、パワープラス5000!」

 

「ち・・・なら、ターのブーストをつけて、サベイジ・キングで、スカルドラゴンに攻撃!これで、とどめだぁ!」

 

「突風のジンでガード!

ジンのスキル、手札をドロップして、攻撃を無効化する!」

 

コスト『伊達男ロマリオ』

 

サベイジ・キングは斧を回しながら、勢いよくスカルドラゴンの体である骨を粉々に砕こうとしたが、突風のジンが現れ、暴風を巻き起こし、サベイジ・キングを吹き飛ばした。

 

「くっ!ツインドライブ!ファーストチェック『突撃竜ブライトプス』セカンドチェック『ドラゴンダンサーモニカ(引)』ドロートリガー!ブライトプスにパワープラス5000!1枚ドロー!スカイプテラのブースト、ブライトプスでスカルドラゴンに攻撃!これなら、少しは!」

 

「ルイン・シェイドでガード!そして、ブルーブラッドでインターセプト!」

 

「くっ・・・ターンエンド」

 

PW11000➡PW10000(+5000)

PW23000➡PW15000(完全ガード)

PW20000➡PW15000+SH10000=25000  カズヤの手札3枚 山札32枚  スバルのダメージ5枚(裏2枚)

 

「これが、全国大会出場者の実力・・・」

 

「・・・へっ、ファイトはこうでねぇとな!」

 

「その笑い方、まだ諦めないのですか?」

 

「お前の前列のユニットはスカルドラゴンだけ、それに手札もねぇ状況下の中じゃ、いくら復活しても攻めにくいはずだぜ」

 

「まだわかってないようなら言いますが、僕が守り切った時点で決着はついてるんですよ」

 

「なんだと!」

 

「スタンド&ドロー。サムライスピリットをコール!」

 

サムライスピリット  PW7000

 

「荒海のバンシーのスキル。自身をソウルに入れて1枚ドロー。そして、ルイン・シェイドをコール!」

 

ルイン・シェイド  PW9000

 

「何度でも言いましょう。海賊は何度でも蘇る。

ドロップゾーンのナイトミストのスキル!カウンターブラスト!カットラスを退却!ナイトミストを復活!

そして、ドロップゾーンのスカルドラゴンのスキル!カウンターブラスト!ナイトミストを退却!スカルドラゴンを蘇らせる!」

 

「ちっ、また万全な状態か!」

 

ルイン スカルドラゴン スカルドラゴン

 R   イービル    サムライ

 

「ルイン・シェイドでサベイジ・キングをアタック!

ルイン・シェイドのスキルで、山札の上から2枚をドロップゾーンへ!『突風のジン』『スピリットイクシード』ルイン・シェイドにパワープラス2000!」

 

「くっ、ノーガード!ダメージチェック『混沌竜ディノカオス』」

 

「これで決めます!不滅の竜の力の前には、如何なる存在も生贄となる!イービル・シェイドのブーストをつけて、スカルドラゴンでサベイジ・キングをアタック!

イービル・シェイドのスキル!山札の上から2枚をドロップゾーンへ!『お化けのりっく(治)』『お化けのりっく(治)』スカルドラゴンにパワープラス4000!」

 

「ガンルーとモニカで防御だ!」

 

「ツインドライブ。1枚目『不死竜スカルドラゴン』2枚目『ナイトスピリット(☆)』クリティカルトリガー発動!ヴァンガードのスカルドラゴンにパワープラス5000!クリティカルプラス1!」

 

スカルドラゴンはサベイジ・キングに近づき、瘴気を纏った剣を握りしめ、思いっきり振り下ろす。ガンルーとモニカが防御に入るが、スカルドラゴンが2体のガーディアンごとサベイジ・キングを斬り伏せたのである。

 

「くっ・・・ダメージチェック『翼竜スカイプテラ』ま、負けた・・・」

 

PW11000➡PW9000

PW20000(+5000)➡PW9000+SH15000=24000

 

カズヤのダメージ6枚  スバルのダメージ5枚  勝者スバル

 

「ありがとうございました。すごく熱いファイトでした」

 

「お、おう」

 

ファイトが終わった後、スバルはお辞儀をし、カズヤはスバルの実力に感服していた。

 

(完敗だ・・・これが、全国レベルの実力・・・。いつか見てやがれ、絶対にお前やゴウキ、それ以上の強さになってみせるからな・・・)

 

カズヤは心の中で今回の敗北を胸に、強くなろうと心に誓うのであった。

 

 

その後のショップ大会でスバルは当然といわんばかりに決勝戦まで上り詰めた。そしてその対戦相手は同じく勝ち上がってきたミサキとだった。そしてそのファイトは終盤に持ちかかっているが、ミサキが劣勢を強いられている。

 

「ああ!戸倉さんが・・・負けそう!」

 

「マジかよ!」

 

「相っ変わらずの強さだねー、スバルんは」

 

「くっ、ジェミニのブーストをつけたアマテラスでスピリットイクシードに攻撃!」

 

「ナイトスピリットとちゃっぴーでガード!

ちゃっぴーのスキルで、山札のスカルドラゴンをドロップゾーンに!」

 

「ツインドライブ!1枚目!2枚目!クリティカルトリガー!効果は全部サイレント・トムに!サイレント・トムで、スピリットイクシードに攻撃!」

 

「突風のジンでガード!手札を1枚捨てて、その攻撃を無効化!」

 

「くっ・・・」

 

ミサキの全身全霊の攻撃をスバルは何の戸惑いもなく、手札を全て使い切って、守り通した。そしてスバルのターン。

 

「コール!ドロップゾーンのスカルドラゴンのスキルで、ナイトミストを退却して、復活!」

 

スカルドラゴンを蘇らせて、アタックフェイズ。

 

「イービル・シェイドのブーストをつけて、スピリットイクシードでアマテラスにアタック!

イービル・シェイドのスキルで、山札の上2枚をドロップゾーンへ!スピリットイクシードにパワープラス4000!」

 

「オラクルガーディアンニケとメイデン・オブ・ライブラでガード!」

 

スバルのドロップゾーンを駆使した攻撃にミサキは負けじと必死にガードをする。

 

「ツインドライブ!1枚目。2枚目。クリティカルトリガー発動!スピリットイクシードにパワープラス5000!クリティカルプラス1!」

 

だがここでクリティカルトリガーが出てしまい、ミサキのガードは難なく突破されてしまう。ダメージチェックの結果はヒールトリガーなしでダメージ6となり、スバルの勝利だ。

 

「腕試しショップ大会、優勝は天城スバル君でーす、おめでとさーん」

 

「あ、ありがとうございます」

 

優勝がスバルと決まり、スバル自身は顔を赤らめてお辞儀をする。ミサキはスバルのレベルの高さに巨額していた。

 

(あれが全国レベル・・・こっちが全力を出しても、防ぎきれないなんて・・・)

 

「えー、ではでは、優勝した天城君には、景品が用意されていますわ。で、景品ってどれですの?」

 

「はーい、これでーす」

 

店長が取り出したのは、ネズミのような犬のような訳わからない生物のキーホルダー2つだった。

 

「・・・何ですの、これ?」

 

「景品のドグ君、マウちゃん人形でーす。これをスバル君に贈呈しまーす」

 

「この景品、絶対てきとうに選びましたよね?」

 

「あ、あははは・・・」

 

景品として渡されたドグ君とマウちゃんのキーホルダーにマリンは店長をジト目で睨み、当のスバルは苦笑い。

 

「あんまいらなさそうな表情だね、スバルん」

 

「えっと・・・正直に言うと・・・うん、いらない・・・」

 

「おいおい、店長の前でひどいな~」

 

「だったらそれうちにちょうだい!1個はうちのもので、もう1個はり・・・友達にあげるんだ~☆」

 

「うん、別にいいよ。じゃあ、はい」

 

「おいおい店長さんよ!せっかくの景品を目の前で部外者にあげちゃっていいのかよ!」

 

「ん~・・・まぁ、本人がいいんだし、いいんじゃない?」

 

せっかくの優勝賞品を参加者でもないシズクにあげるというスバルの前代未聞の行為にカズヤがツッコミを入れるが、店長はてきとうにそう返す。マリンは呆れた表情になる。

 

「コホン・・・店長」

 

「はいはい・・・それでは、腕試しショップ大会はこれにて終了でーす。お疲れーしたー」

 

最後までてきとうなあいさつで魁の腕試しショップ大会は幕を閉じた。

 

 

お客のファイターが全員帰った後、宮地高校生3人組は1階の販売エリアでカードを見てから、帰ることにした。

 

「ふーん、こういう風になってんだ。うちのショーケース、1つ増やそうかな」

 

(どっちに転んでも、戸倉さんにとって利点になったな!)

 

(ほかのショップの外装や内装を見るってのも、参考になるしな)

 

ミサキは店の外装や内装を見て、少しは参考にしているようだ。そう考えるとミサキを連れてきたのは間違いじゃないなと考えるカズヤとソウジ。そうしていると、店を手伝っているマリンが声をかける。

 

「ちょっとだけよろしいですかしら?」

 

「ん?なんだよ、俺らこれ見終わったら帰るんだけど?」

 

「すぐにすみますので」

 

マリンの用に対して、何用かと考える3人。

 

「単刀直入に聞きますわ。日向さんが言っていたカードキャピタルできた新しい友達って、あなた方ですわよね?」

 

「あ?そうなるのか?」

 

「結果的にはそうなるんじゃないの?」

 

「そうですか。でしたら、ご友人であるあなた方に少しお願いしたいことがありますの」

 

「初対面でお願いってどゆこと?」

 

「茶化すな。で、なんだよ、頼みって」

 

ソウジが何かと茶々を入れてきたが、カズヤがそれを制して、頼みの内容を聞こうとする。

 

「日向さんの支えになってあげてくださいまし」

 

「あの子の、支え?」

 

「このショップでたまにあの子を見ることがあるのですが、普通にいい子なのは理解できますわ。ですが時々、悲しそうな表情をするんですわ。まるで・・・一緒にいた友達とケンカしたかのような・・・そんな感じですわ」

 

「「「・・・・・・」」」

 

マリンの例えに心当たりがありまくりで、3人は思わず、互いに顔を見合わせる。

 

「なぜあんな顔をするのか、理由は存じ上げませんが・・・少しでも力になってあげたいんですの。だからあなたたちに限らず、彼女の知り合い全員にお願いしてるんですの。検討を入れておいてくださると、うれしいですわ。では、これにて・・・失礼いたしますわ」

 

マリンは3人にそう頼み込むと、お辞儀をした後、手伝いのために2階に上がっていった。

 

「・・・あいつと日下部の間に、いったい何があったんだろうな・・・」

 

シズクとリンの関係に何があったのかと疑問を抱き、首を傾げながらカードショップ魁を出て、カードキャピタルにそれぞれ自宅に帰る宮地高校生3人であった。

 

to be continued…




ミサキ「ねぇ、あんた前に他所のショップであの子会ったでしょ?」

カズヤ「スバルのことか?ああ。あの時はあいつのリーダーのファイトを見てただけだけど、あいつ自身もマジ半端なかったぜ」

ミサキ「そうね。ドロップゾーンの駆使した戦法も、ファイト中にも自密に計算していて、今のまま太刀打ちできないことがすぐにわかったわ」

カズヤ「それから、あいつのファイトだが・・・なんというか・・・男気みたいなのを感じ取れたぜ!男気を!」

ミサキ「私にはよくわからないけど・・・」

RIDE22「ハラハラ⁉エミの初ファイト」

カズヤ「ほぉ~、エミちゃんの初めての相手は森川か」

カムイ「ええ⁉何⁉そんなぁ!何で⁉俺の夢がぁ~!」

ミサキ「あんたどっから湧いてきたの?」

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