カードファイト!!ヴァンガード 熱血の先導者と努力の先導者   作:先導

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今更ながら投稿の流れをお伝えします。投稿していく順は熱血と努力の先導者➡鋼と宇宙の正義➡ReLiveの順で行っています。

2話連続投稿という例外も一応ありますが、基本はそれでやっていこうと思いますのでよろしくお願いいたします。

今回は今回はミサキさんの回、後編です。

それではどうぞ!


記憶の先に

宮地学園高等部の昼休み、カズヤとソウジは互いに向き合って昼食を食べながら、話をしている。話の内容は昨日のミサキの様子についてだった。

 

「なるほどな・・・そういうことだったのか」

 

「あいつらもそうだけど、俺・・・無神経に戸倉さんの記憶力をほめたんだよ・・・それが傷つく原因とも知らず・・・はぁ・・・」

 

「それで、戸倉の奴は今日学校休んでんのか」

 

カズヤの視線の先は、ミサキは座る席だった。シンいわく、今日は体調がよくないとのことらしい。

 

「なぁ・・・俺、ていうか、チームQ4はどうすればいいと思う・・・?」

 

なかなか弁当のおかずを口にしないソウジの問いにカズヤは焼きそばパンを頬張りながら答える。

 

「こればっかしは戸倉の問題だ。俺らがどうにかできる問題じゃねぇ。ただちょいと戸倉を気にかけてやればいい・・・それで充分だろ」

 

「そんなもんなのか・・・?」

 

「そんなもんだよ」

 

カズヤの答えにソウジはあまり納得がいっていない様子だが、今はこの場を無理にでも納得させる。

 

「けど、そうなると今日はシンさん1人でやるってことか・・・あのおっさん1人で店大丈夫かね・・・」

 

「心配だったらバイトでもやってみればいいんじゃね?そうすりゃ、戸倉さんの様子をいつでも・・・」

 

「カードキャピタルでバイト・・・か。考えたことなかったな」

 

ソウジが不満たっぷりの声でそう答えると、カズヤは少し考える。

 

「・・・よし、ダメもとで頼んでみるか。お前はどうする?」

 

「あー、俺はいいよ・・・どうせ俺、戸倉さんに嫌われたし・・・」

 

「重症だな・・・」

 

カズヤはソウジの案を採用し、カードキャピタルのバイトを申し込むと決めた。ソウジはミサキに嫌われたと思い込み、顔が一気に沈んでしまう。

 

 

 

RIDE33「記憶の先に」

 

 

 

あれから数日後、アイチとカムイはミサキのことを考えながら沈んだ表情をしながら、近くの公園を通りかかり、入っていく。

 

「地区大会の日が、両親の命日だったなんて・・・そりゃ来れねぇっすよ・・・」

 

「うん・・・」

 

カズヤには学校の行事と言っているみたいだが、実際は両親の命日で墓参りに行っていたようなのだ。

 

「悲しいことまでずっと覚えてなきゃいけないなんて・・・記憶力がいいっていうのもきついですね・・・」

 

「うん・・・なのに僕、記憶力があってすごいなんて・・・考えもしないで・・・」

 

「それを言うなら俺なんか、チームの戦力に使えとか・・・地区大会に遅れてきたミサキさんのこと、無責任とかも思ってたし・・・」

 

「どうしたらいいんだろう・・・?」

 

アイチとカムイはミサキの心情を考えると、あの日の出来事がかなりショックを受けている様子だ。

 

「とにかく今は全国大会!ミサキさんに出てくれるように説得しないと!・・・だあああ!!でもあの日から店に出てこないしどうしたら・・・」

 

カムイが頭を抱えていると、近くのベンチから誰かが起き上がってきた。その人物は、ここでよく昼寝をしに来ている櫂だった。

 

「・・・そんなことで昼寝の邪魔をしに来たのか?」

 

「何をぅ!!」

 

「ご、ごめん!櫂君なら何かいい考えがあると思って、相談しにきたら・・・」

 

「のんきに昼寝なんかしやがって」

 

どうやら2人は櫂にこのことを相談しようとしていたらしい。その相談に櫂は・・・

 

「やめればいい」

 

「え?」

 

「やめたい奴はやめればいい」

 

そう冷たく言い放ったのだ。

 

「櫂、君・・・?」

 

「過去なんて誰にでもある。それをいつまでも自分の弱さを理由にするのは、ただの甘えだ」

 

櫂の冷たい言葉にカムイは憤慨する。

 

「お・・・お前・・・そんな言い方ねぇだろ!!少しはミサキさんの心配してやれよ!チームメイトじゃねぇか!!」

 

「ふん・・・」

 

櫂は話にならないと言いたげに鼻を鳴らし、その場を去っていく。

 

「んだよあいつ・・・」

 

「櫂君・・・」

 

そんな櫂の背中をカムイは忌々し気に、アイチは心配そうに見つめる。

 

「そこで何してるのですか?」

 

そんな様子の2人に話しかけてきたのは、大きなバッグを背負ったリンだった。

 

「お前・・・!」

 

「リンちゃん、その荷物は・・・?」

 

「他所の道場の合同練習です。他所の道場の戦力を知るのも、日下部家の務めですからね」

 

どうやらリンは日下部道場とは違う道場の練習試合を見学に行くところ、偶然アイチたちを見かけたようだ。

 

「そ、そうだリンちゃん・・・ちょっと相談があるんだけど・・・」

 

アイチはリンに相談してもらえるよう、あの日起きた出来事を話す。

 

「何かと思えばそんなこと・・・くだらない」

 

だがそれに対してリンは吐き捨てるようにそう言ってのけた。

 

「リンちゃん・・・?」

 

「お前!!くだらないなんてことねぇだろ!!」

 

「己の過去を理由に何かを挫折するということは、何かを諦めるということ。そんな者に、なぜ知恵を与えなければいけないのですか?」

 

「お前、かなり嫌な奴だな!!ミサキさんのこと心配じゃねぇのかよ!チームメイトだろうが!」

 

「チームメイト?ふん、それこそくだらない」

 

「なんだとぉ!!?」

 

「これ以上は時間の無駄遣いです。私はこれで」

 

リンは怒りをあらわにするカムイを放っておいて、そのままこの場を去っていく。

 

「なんだよ、どいつもこいつも!!」

 

「リンちゃん・・・」

 

結局解決法を見出すことができず、今日は仕方なく帰ることにしたアイチとカムイだった。

 

 

その日のカードキャピタルにて、カズヤは来ているのだが、今日はいつもとは違う光景が広がっていた。

 

「シンさん、注文していた商品が届いたぜ」

 

「ありがとうね、カズヤ君。そこに置いてもらえるかな?」

 

「うす」

 

今のカズヤの姿はカードキャピタルのエプロンを着て、店の手伝いを行っているのだ。先日、カズヤはソウジの提案通りにアルバイトの申請をして、面接に合格して晴れてアルバイト店員になったのだ。

 

「ミサキー!ちょっと新しい商品を並べるの手伝ってくださーい!!」

 

シンはミサキにも手伝ってもらおうと、声を大にしてあげる。実はカードキャピタルの2階はシンとミサキが住んでいるホームとなっている。

 

「・・・ダメですか・・・」

 

ミサキが出てくる気配がしないため、シンはがっくりとする。

 

「どうしたらいいんでしょう、カズヤ君・・・。私には見守ることしかできません・・・本当どうしたら・・・」

 

「おいおい、しっかりしろよ。あんたこの店の店長だろう?」

 

「そうなんですが・・・はぁ・・・」

 

シンとカズヤがそんな話をしていると、店長代理が届いた商品が入った段ボールを爪で引っ掻いている。

 

「わあああ!!何してやがんだ店長代理!やめろって!」

 

「ふしゃーー!!」

 

「いてててて!引っ掻くなーー!!」

 

カズヤがそれをやめさせようと店長代理を持ち上げると店長代理は今度はカズヤの顔を引っ掻く。

 

「あーあー・・・カズヤ君、大丈夫ですか?」

 

「いてて・・・容赦なしに・・・」

 

段ボールを見てみると、中身は爪の後で空いており、中に入っている商品は無傷の状態だ。

 

「お!来ましたね!新しいパックと構築済みデッキ!」

 

「おー!これが・・・」

 

新しいパックと構築済みデッキを見て、興奮の声を上げるシンとカズヤ。

 

「「あの・・・」」

 

「はーい、いらっしゃーい!」

 

「て、なんだアツシにエミちゃんか・・・どうした?」

 

店に入ってきたアツシとエミは何やら言いづらそうな表情でカズヤに問いかけようとする。

 

「今日カムイさん、来てないの?」

 

「カムイ?カムイなら今日はもう帰ったぜ。なんでだ?」

 

「今日学校で会ったんだけど・・・なんか元気なくって・・・挨拶しても、返事ももらえなくて・・・」

 

「カムイ君も?実は・・・アイチもなんだ・・・」

 

「だから兄貴やミサキさんならなんか知ってるって思って・・・」

 

「なるほどな・・・」

 

事情はソウジから一応は聞いているため、カズヤは心当たりがあるといえばあるが、あえてそのことを触れさせないようにする。

 

「悪いが俺はなんも知らねぇよ。戸倉に聞いたらどうだ?もうすぐしたら来るだろうし」

 

「はい、そうします・・・」

 

「うん・・・」

 

エミとアツシはミサキが来るのを近くのテーブルの椅子に座って待つことにし、その間カズヤは新しい商品をカウンター席や店のカードのケースに並べていく。

 

それから十数分が立ち、ミサキが店の手伝いのために店に入店してきた。

 

「よう、やっと来たか、先輩さんよ」

 

「⁉橘⁉どうして・・・ああ、そういえば・・・ここでバイト、始めたんだっけ・・・」

 

店に入ってすぐにカズヤの顔を見た瞬間、その姿に驚いたが、シンに聞かされたことを思い出して、納得したしぐさを見せる。

 

「んなことより、お前にお客さんだ」

 

「「ミサキさん!」」

 

「エミちゃん、アツシ君?どうしたの?」

 

「あ、あの・・・こんなこと、ミサキさんに聞いてもいいのかわかんねぇんすけど・・・」

 

「質問?何?」

 

エミとアツシは先ほどカズヤとした質問を今度はミサキに問いかける。

 

「アイチが元気がないの。この前まで全国大会だって張り切ってたのに・・・」

 

「アイチさんだけじゃないです。カムイさんもなんです」

 

「!・・・ああ・・・そうなんだ・・・」

 

あの時のことを思い返して、ミサキはバツが悪いやら悲しいやらが入り混じった表情になる。

 

「もしかしたら、チームで何かあったのかなって・・・」

 

「ミサキさん、何か聞いてませんか?」

 

「さあ、知らない・・・」

 

本当は知ってはいるのだが、触れられたくないことなのでミサキはそう返した。その様子にカズヤは呆れたように頭をかく。

 

「そうですか・・・すみません、お邪魔しました・・・」

 

「まぁ待てって。せっかく来たんだしさ、2人ともゆっくりしてけって。ちょうど新しいカードも入ったわけだしさ」

 

「「新しいカード⁉」」

 

エミとアツシは帰ろうとしたところをカズヤが新しいパックを使って呼び止めた。興味を示した2人はそのカードをじっくりと見ていくのだった。

 

「これとこのカードかわいい!ね、ミサキさん!」

 

「そうね」

 

「わー!これなんかめっちゃかっこいい!あ、このカードも!」

 

「そうだな。お前には、ピッタリなカードかもな」

 

新しいカードを見て、エミとアツシは目を輝かせている。

 

「この子たちでどんなファイトができるのかなー?」

 

「試してみたいか?」

 

「うん!」

 

「よーし、じゃあ俺が相手になってやる!いいよな、シンさん、戸倉」

 

「もちろん、構いませんよ」

 

エミの試してみたい気持ちに尊重し、カズヤが相手になり、シンはそれを許可する。

 

「・・・いいよ。私、今そんな気分じゃないし・・・」

 

(ミサキ・・・)

 

ミサキは元気なさげでそう答え、その様子にシンは心配になってくる。

 

「よーし、ちょっと待ってな。すぐデッキを・・・あ」

 

カズヤはデッキを取り出そうとかばんをあさるが、思い出したかのような声を上げる。

 

「どうしたの?」

 

「そういえば俺のデッキ・・・反省文を生徒会に出さねぇと返ってこねぇんだった・・・」

 

「えー、兄貴デッキとられたの?」

 

「取られたんじゃねぇ・・・没収されたんだよ」

 

どうやらカズヤのデッキは生徒会に没収されたらしく、今は手ぶらの状態だ。

 

「それならちょうどよかった!そんな時こそこれ!じゃーん!」

 

「あ!新しいデッキ!」

 

「構築済みデッキじゃねぇか」

 

困り果てたカズヤにシンは新しい商品である構築済みデッキ、黄金の機兵と桜花の姫巫女を取り出す。

 

「そうです。エミちゃんにはオラクルシンクタンクデッキ、カズヤ君にはノヴァグラップラーデッキね」

 

「構築済みデッキってなんすか?」

 

アツシの純粋な問いにシンが答える。

 

「誰でもすぐにカードファイトができるデッキです」

 

「でも、デッキって時間をかけて作るものでしょ?」

 

「構築済みデッキだって、時間をかけて作られてますよ。初めての人でも楽しめるように、1枚1枚、愛をこめてね」

 

「「愛・・・ですか・・・」」

 

「!!」

 

シンの何気ない言葉にミサキは幼き頃、父と戯れていた時のことを思い出し、表情が沈む。

 

「はーい、中身は確認したかなー?空き箱を預かりますよ」

 

「ほんじゃま、始めようか、エミちゃん」

 

「うん!」

 

互いのデッキの空き箱をシンに預け、ファイトの準備を進めるカズヤとエミ。互いに準備を終え、構築済みデッキを使ったファイトが始まろうとしていた。

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」

 

「バトルライザー!」

 

「ロゼンジ・メイガス!」

 

バトルライザー(醒)  PW3000

 

ロゼンジ・メイガス(治)  PW3000

 

「俺の先攻だな。ドロー。叫んで踊れる実況シャウトにライド!」

 

『実況のシャウトでぇっす~』

 

叫んで踊れる実況シャウト  PW7000

 

「バトルライザーはスキルでリアガードサークルに!

さらに、シャウトのスキル!自身をレストして、手札1枚捨て、1枚ドロー!ターンエンドだ」

 

R シャウト    R

R  R   バトルライザー  カズヤの手札5枚 山札42枚

 

「私のターン!ドロー!バトルシスターめーぷるにライド!」

 

バトルシスターめーぷる  PW6000

 

「ロゼンジは移動!黒猫ちゃんをコール!」

 

カード、ダーク・キャットを黒猫と評して、シンはずっこける。

 

「く、黒猫ちゃんじゃなくて、ダーク・キャットですね・・・」

 

ダーク・キャット  PW7000

 

「へへへ、だって黒猫ちゃんだよね、これ」

 

「ま、まぁ、確かにな・・・」

 

エミの何気ない発言にミサキは幼き頃の記憶を思い浮かべる。

 

『ピンクのワンちゃん!』

 

『ふろうがるだよ、ミサキ』

 

『ふろうがる・・・』

 

「で、次が攻撃・・・」

 

「あ、待って」

 

「どうしたんですか、ミサキさん?」

 

エミがアタックフェイズに移そうとした時、ミサキがストップをかける。

 

「ダーク・キャットが登場した時、ヴァンガードサークルにオラクルシンクタンクがいれば、両方のファイターが1枚ずつドローできる」

 

「あ、そっか・・・」

 

「じゃあ俺も、1枚ドロー」

 

ダーク・キャットの能力を解決し、今度こそアタックフェイズ。

 

キャット めーぷる R

 R   ロゼンジ R

 

「ダーク・キャットで実況シャウトにアタック!」

 

「ここは、ノーガードで行くぜ」

 

『イッターーーイ!!』

 

ダーク・キャットの攻撃にシャウトは大げさに叫ぶ。

 

「ダメージチェック『超電磁生命体ストーム』」

 

「めーぷるでシャウトにアタック!・・・あ、パワーが足りないか・・・」

 

「大丈夫。めーぷるがアタックした時、手札が4枚以上なら、パワーが3000プラスされる」

 

「そっか!」

 

「これも受けるぜ」

 

「ドライブチェック『ラック・バード』」

 

『アウチッ!!』

 

めーぷるの攻撃にさっきほどではないが叫ぶシャウト。

 

「ダメージチェック『オアシス・ガール』」

 

「ターン終了!カズヤさんのターンです!」

 

PW7000➡PW7000

PW9000➡PW7000  エミの手札6枚 山札41枚  カズヤのダメージ2枚

 

(私もカズヤ君もまだ覚えてない入荷したばかりのカードをもう記憶したんですか。さすがですね、ミサキ。でもね、私はあなたに本当に思い出してほしいことがあるんですよ)

 

シンはファイトを見守っているミサキを見守る親のように見つめている。

 

「俺のターンだ。ドロー。キング・オブ・ソードにライド!NGMプロトタイプ、バターリング・ミノタウロス、オアシス・ガールをコール!」

 

NGMプロトタイプ  PW8000

バターリング・ミノタウロス  PW6000

オアシス・ガール  PW7000

 

ミノタウロス ソード  プロトタイプ

  R    オアシス バトルライザー

 

「よし・・・ミノタウロスでめーぷるにアタック!」

 

「ビクトリー・メーカーでガードします!」

 

「なら、プロトタイプでめーぷるにアタックだ!」

 

「ラック・バードでガードです!」

 

「オアシス・ガールのブーストをつけて、キング・オブ・ソードでアタックだ!」

 

「えーっと、ここは・・・ノーガードします」

 

「ドライブチェック『超電磁生命体ストーム』」

 

「ダメージチェック『メテオブレイク・ウィザード』」

 

「ターンエンドだ」

 

PW6000➡PW6000+SH5000=11000

PW8000➡PW6000+SH5000=11000

PW17000➡PW6000  カズヤの手札4枚 山札37枚  エミのダメージ1枚

 

「私のターンです!スタンド&ドロー!ソードダンサー・エンジェルにライド!ダーク・キャットを後ろに下げて、ソードダンサー・エンジェルをコール!」

 

ソードダンサー・エンジェル  PW8000

 

ソードダンサー ソードダンサー R

 キャット    ロゼンジ   R

 

「ダーク・キャットの支援で、ソードダンサー・エンジェルでキング・オブ・ソードにアタック!」

 

「シャイニング・レディでガードだ!」

 

「えー・・・それじゃあ・・・えっと・・・ごめんね、せっかく出てきてもらったのに・・・。ロゼンジの支援で、ヴァンガードのソードダンサーでキング・オブ・ソードに攻撃!

ロゼンジのスキルでパワープラス3000!」

 

「ノーガードだぜ」

 

「ドライブチェック『花占いの女神サクヤ』」

 

「ダメージチェック『NGMプロトタイプ』」

 

「ターン終了時、ロゼンジは山札に戻す・・・あーあ、ロゼンジ行っちゃった・・・」

 

PW15000➡PW10000+SH10000=20000

PW14000➡PW10000  エミの手札4枚 山札39枚  カズヤのダメージ3枚

 

「そういや、前はロゼンジを山札に戻したくないからスキルを使わなかったんだよな?」

 

「そうなんですか、エミさん?」

 

「だって、悔しかったんだもん!」

 

「はは、そうだな。攻撃が通らねぇと、悔しいもんな。んじゃ、俺のスタンド&ドロー。デスメタル・ドロイドにライド!」

 

デスメタル・ドロイド  PW10000

 

「バターリング・ミノタウロスを後ろに下げて、超電磁生命体ストームをコール!」

 

超電磁生命体ストーム  PW9000

 

 ストーム  デスメタル プロトタイプ

ミノタウロス オアシス  バトルライザー

 

「バトルライザーの支援を受けて、NGMプロトタイプでヴァンガードのソードダンサーエンジェルに攻撃!

さらにバトルライザーのスキルで、支援したユニットにパワープラス3000!」

 

「ノーガードします。ダメージチェック『セキュリティ・ガーディアン』」

 

「オアシス・ガールのブーストをつけて、デスメタルでヴァンガードのソードダンサーを攻撃!」

 

「橘、デスメタルはアタックした時、カウンターブラストを払うことでパワープラス3000するけど、どうする?」

 

「お?そうか。じゃあ、カウンターブラストを払って、これで20000か」

 

「う~ん、ここでガードに手札3枚を使えないよね・・・ノーガードします」

 

「ツインドライブ。ファーストチェック『オアシス・ガール』セカンドチェック『キャノン・ボール(醒)』スタンドトリガー発動!ユニット1体を選んでパワープラス5000させてスタンドできる!対象は全部NGMプロトタイプにするぜ!」

 

デスメタルはレーザーマシンガンをヴァンガードのソードダンサーに狙いを定め、乱射する。ソードダンサーは避けるが、全てを避けきることができず、弾の一部が当たってしまう。

 

「ダメージチェック『ダーク・キャット』」

 

「ミノタウロスが支援したストームでヴァンガードのソードダンサーを攻撃!」

 

「ノーガード!ダメージチェック『オラクルガーディアンニケ(☆)』クリティカルトリガー!ヴァンガードのソードダンサーにパワープラス5000して、クリティカルプラス1!」

 

「ストームのアタックがヒットできれば、ダメージゾーンの裏のカードを表にできるよ」

 

「おう、助かるぜ、戸倉」

 

「終わった・・・?」

 

「まだだぜ、パワーを乗せてスタンドしたプロトタイプでヴァンガードのソードダンサーを攻撃!」

 

「ええっと・・・ビクトリー・メーカーでガード!」

 

「やるなぁ、エミちゃん。ターンエンドして、バトルライザーは山札に戻るっと」

 

PW14000➡PW8000

PW20000➡PW8000

PW15000➡PW8000(+5000)

PW13000➡PW13000+SH5000=18000  カズヤの手札4枚 山札33枚  エミのダメージ4枚

 

「兄貴ー、ちょっと本気でやりすぎじゃない?女の子相手だし、まだ始めたばっかりだって聞いたけど?」

 

「いやー、悪い悪い。けど、エミちゃんはもう立派なヴァンガードファイターだしさ、手加減しちまうほうが、よっぽど失礼だからよ」

 

「まぁ、それは確かに言えてるわね」

 

カズヤの言葉を聞いて、エミは笑みを浮かべる。

 

「うん!今までよくわからなかったけど・・・ドキドキしてすっごく楽しい!」

 

「おうとも!ヴァンガードは楽しいのさ!」

 

「!楽しい・・・」

 

エミとカズヤの楽しいという単語にミサキは反応し、自身の記憶が呼び覚ます。

 

 

『カード見るの、楽しいかい、ミサキ?』

 

『うん!いろんなカードがあるんだもん!』

 

『ミサキ、カード全部覚えたんですって!物覚えがいいわぁ』

 

『きっと俺に似たんだな!』

 

『私に似たのよ!』

 

ミサキの物覚えの良さは誰に似ているかでミサキの両親は夫婦喧嘩を始める。

 

『俺だよ!俺!』

 

『あなた、店の電話番号だって忘れるじゃありませんか!車だって、私が助手席でナビしないと迷う癖に!』

 

お互いににらみ合い、両親はヴァンガードで決着をつけることに。

 

『『スタンドアップ・ヴァンガード!!』』

 

『あーあ、また始まった』

 

『イケイケ店長!』

 

『おばさんファイト!!』

 

『おばさん言わない!』

 

このやりとりは常連たちにとっては名物のようだ。

 

『今月はお母さんが45勝、お父さんが14勝なの!』

 

『うわあ・・・おじさん!せめて勝率5割!』

 

『店長と呼べ!!』

 

『あはははは!!』

 

 

(!何、今の・・・?お父さんとお母さんが笑った・・・そして・・・私も・・・)

 

ミサキが見た記憶に戸惑っている間に、ファイトは進んでいる。

 

(えーっと、このユニットが登場した時、あなたのオラクルシンクタンクのリアガードを全て手札に戻す、か)

 

エミはカードの能力を確認し、ライドフェイズに移る。

 

「花占いの女神サクヤにライド!」

 

花占いの女神サクヤ  PW10000

 

「そしてこの2枚を手札に!新たにソードダンサー・エンジェル2体と黒猫ちゃんをコール!

黒猫ちゃ・・・あ、ダーク・キャットが出た時、オラクルシンクタンクがヴァンガードだったら、カードを1枚ドロー!」

 

「俺もドローだな」

 

「ソードダンサー・エンジェルのスキル発動!カードをドローした時、パワーが1000増える!オラクルガーディアンジェミニとお天気お姉さんみるくをコール!」

 

オラクルガーディアンジェミニ   PW8000

お天気お姉さんみるく  PW6000

 

ソードダンサー サクヤ ソードダンサー

 キャット   みるく  ジェミニ

 

「ダーク・キャットの支援!ソードダンサーでデスメタルを攻撃!」

 

「キャノン・ボールでガード!」

 

「んー・・・じゃあ、次はサクヤちゃんでデスメタルを攻撃!みるくの支援で、パワー16000ね!」

 

「ノーガードだ!」

 

「ツインドライブ1枚目『オラクルガーディアンアポロン』2枚目『オラクルガーディアンワイズマン』」

 

サクヤは手元にある花束の花びらを舞い散らせ、それを花吹雪のように舞い、デスメタルを攻撃していった。

 

「ダメージチェック『クイーン・オブ・ハート』」

 

「ジェミニのブースト、もう1回ソードダンサーでデスメタルをアタック!」

 

「甘いぜ、プロトタイプでエスペシャルインターセプトだ!シールドはプラス5000されるぜ」

 

「むぅ・・・ターンエンドです」

 

PW16000➡PW10000+SH10000=20000

PW16000➡PW10000

PW17000➡PW10000+SH10000=20000  エミの手札3枚 山札32枚  カズヤのダメージ4枚

 

「あーあ、ダメージ1枚しか増やせなかったー」

 

「いえいえ、たいしたものです。この調子で戦い方を覚えたら、かなりのヴァンガードファイターになれますよ!」

 

「本当⁉じゃあ私もいつかミサキさんみたいになれるかなぁ?」

 

「!」

 

エミの何気ない一言にミサキは目を見開き、幼き頃の記憶が呼び起こされる。

 

 

『私もお父さんみたいなヴァンガードファイターになれるかな?』

 

『ああ。なれるさ。もしかしたら、お父さんなんかよりもうんと強くなれるかもな。ヴァンガードの世界はどこまでも広くてどこまでも楽しいんだ。ミサキもいろんな仲間とライバルをつくって広い世界へでるんだろうなぁ』

 

『全国大会にだって行けるかもね!』

 

『そりゃ大変だ!カードキャピタル上げて応援行かなきゃ!どーんとでっかい大弾幕、作ってやるからな!』

 

『横断歩道?』

 

『ああ!それくらいのでっかいやつ!』

 

 

「エミさんがミサキさんみたいに、かぁ・・・いいかも!」

 

「おいおいマジかよ。エミちゃん、戸倉みたいなヴァンガードファイターになりたいのか?」

 

「うん!だって、アイチに負けられないもん!いつも1人ぼっちでいつも私が付いていないと何もできなかったのに、今じゃ友達もいっぱいいて、全国大会に行っちゃうんだもん!だから私も!」

 

「そこまで言っていただけるなんて、構築済みデッキを渡した甲斐がありましたよ」

 

「「「?」」」

 

「言ったでしょ?初めての人でも楽しんでもらえるように、1枚1枚、愛をこめて組まれてるんですよ」

 

「!!」

 

シンの言葉にミサキ自身、1番忘れてはいけないことを思い出す。

 

 

『わぁ~!私のデッキ⁉』

 

『うん。ミサキのために、父さんが1枚1枚、心を込めて組んだんだからな』

 

『ありがとう、お父さん!!』

 

 

「・・・あのさ、シンさんがそれ言うと、かなりくせぇぞ?」

 

「ええええ⁉」

 

カズヤの辛らつな言葉にシンは思わず涙を流す。

 

(どうして・・・)

 

「俺のターン!スタンド&ドロー!キング・オブ・ソード、クイーン・オブ・ハートをコール!」

 

クイーン・オブ・ハート  PW6000

 

 ストーム  デスメタル キング

ミノタウロス オアシス  クイーン

 

「クイーンのブーストをつけてキング・オブ・ソードでサクヤを攻撃!

クイーンのスキルでキングをブーストしたため、パワープラス4000!」

 

「ソードダンサーでインターセプト!みんな、サクヤちゃんを守って!『オラクルガーディアンワイズマン』『ラック・バード』」

 

(どうして私・・・あの時のことを・・・思い出さないようにしてたんだろう・・・)

 

「オアシス・ガールのブーストをつけてデスメタルで攻撃!

デスメタルのカウンターブラスト!パワープラス3000!」

 

「の、ノーガードです」

 

「ツインドライブ1枚目『叫んで踊れる実況シャウト』2枚目『ゴールド・ルチル』」

 

デスメタルはレーザーマシンガンをサクヤに向けて発射する。サクヤは何の抵抗もできずに、球を何弾も受けてしまう。

 

「ダメージチェック『オラクルガーディアンワイズマン』」

 

「ミノタウロスの支援をつけて、ストームでサクヤに攻撃!」

 

ストームはサクヤに接近し、超電磁波を昨夜に放った。サクヤは守るすべをもなく、電磁波を受け、静かに倒れていた。

 

PW20000➡PW10000+SH15000=25000

PW20000➡PW10000

PW15000➡PW10000

 

ダメージチェック『オラクルガーディアンアポロン』

 

カズヤのダメージ4枚  エミのダメージ6枚  勝者カズヤ

 

(悲しいことだけじゃない・・・楽しいことだって、忘れちゃいけないことだってあったのに・・・)

 

ミサキはこれまでの思い返した記憶を振り返って、顔をうつ向かせる。

 

「あー、残念!でも楽しかった!ありがとう、カズヤさん!」

 

「いや、こっちも楽しかったよ。ありがとな、エミちゃん。なぁ、とく・・・」

 

カズヤがミサキに顔を向けると、ミサキは顔をうつ向かせ、ただ静かに涙を流している。

 

「「ミサキさん・・・?」」

 

「戸倉・・・?」

 

ミサキが涙を流す理由がわからない3人はどうしたことか戸惑う。

 

「ミサキ・・・」

 

「・・・シンさん・・・私・・・あの宝箱・・・鍵がないの・・・お父さんが組んでくれたデッキ・・・宝箱、開かないから・・・どうしよう、鍵・・・シンさん・・・!」

 

「やっと思い出してくれたんですね」

 

ミサキの様子を見て、ようやく待ち望んだという笑みを浮かべ、シンはポケットから1つの鍵を取り出す。

 

「私が預かってましたよ。ミサキの大切な思い出ですから」

 

シンはそう言ってミサキに鍵を渡す。

 

「・・・ありがとう・・・!」

 

鍵を受け取ったミサキは鍵を大事そうに抱え、また涙を流す。その様子を見ていた3人はよくわからないながらも、よかったなという気持ちになっていた。

 

 

翌日、全国大会開催まで残りわずかという日にちになった日のカードキャピタルの前にアイチとカムイは緊張した表情で立っている。

 

「カムイ君・・・僕、やっぱり・・・」

 

「いや、お義兄さん・・・それを言うなら俺のほうが・・・」

 

「そうだね・・・ミサキさんは大切な仲間・・・」

 

「土下座覚悟で・・・!」

 

2人が意を決してカードキャピタルに入り、深く頭を下げる。

 

「「み、ミサキさん!ごめんなさい!!」」

 

「僕、ミサキさんの気持ち考えてなかったです!」

 

「俺こそ・・・!」

 

「「お願いします!!一緒にヴァンガードファイトを・・・!」」

 

ミサキに対して深く謝罪しているが、2人を出迎えていたのは店長代理だった」

 

「「え?」」

 

「遅い!」

 

「「はい?」」

 

2人が中を見てみると、そこには後江中学3人組やソウジ、常連たちがやられたといったように机に突っ伏していたり、顔をうなだれている。

 

「こ、これはいったい・・・」

 

「何が起きたの・・・?」

 

「お、ようやく来たなお前ら」

 

「あ、アイチ!すごいんだよミサキさん!」

 

「はい!なにせ全戦全勝っすから!」

 

何が起こったのかわからない2人の前に、何やらやる気に満ち溢れているミサキが出てくる。

 

「たく、どいつもこいつもてんて相手にならないね。こんなんじゃ、全国大会の特訓にもなりやしない」

 

ミサキから全国大会という言葉を聞いて、アイチとカムイはぱぁっと顔が明るくなる。

 

「全国大会って・・・!」

 

「それじゃあミサキさん・・・!」

 

「ほら、何ボーとしてるの?次、さっさとしなさい」

 

「は、はい!お願いします!」

 

「手加減なしだよ」

 

「はい!」

 

アイチはミサキの元に駆け寄り、ファイトの相手になり、カムイはミサキがやる気になってくれたことにガッツポーズをとる。その間にカズヤは店の商品を並べていく。そんな時に、シンが話しかけてきた。

 

「カズヤ君、ありがとう」

 

「シンさん?急にどうした?」

 

「君やエミちゃんのおかげで、ミサキは思い出してほしいことを思い出してくれた・・・感謝してます」

 

シンの言葉にカズヤはあーといった表情になる。

 

「俺もエミちゃんもなんもしてねぇよ。あいつ自身が自力で思い出したことじゃねぇか」

 

「それでも、そのきっかけを与えたのは、カズヤ君じゃないですか。本当にありがとう」

 

「よせよ・・・何も出やしないんだしよ」

 

シンの感謝の言葉にカズヤは少し照れた様子になる。そうしている間に、ファイトが終わり、今度はこっちに声がかかる。

 

「ほら、次はあんただよ!仕事切り上げてさっさとしな、カズヤ!」

 

「!」

 

ミサキが自分の下の名前で呼んだことにカズヤは目を見開かせた。

 

「・・・おっしゃあ!俺が相手になってやるぜ、ミサキ!」

 

カズヤ自身もミサキの下の名前で呼び返して、やる気に満ち溢れている。ファイトの準備を進めているミサキの首には、大切な鍵をネックレスのようにかけていた。ミサキにはもう迷いはない。両親が残してくれた思いとともに、前に進んでいくのであった。

 

to be continued…




カズヤ「ミサキ、もう1戦だ!もう1戦ファイトだ!」

ミサキ「いいよ。今日は何回でも相手してあげる」

カズヤ「全国大会はカードキャピタル集合で車で行くんだよな?」

ミサキ「うん。道順は私が覚えたから問題ない」

カズヤ「地図を1回見ただけで覚えるなんてカーナビいらずじゃねぇか。変な意味じゃねぇぞ?」

RIDE34「波乱の幕開け!全国大会!!」

カズヤ「新たな出会いのイメージが湧き出るぜ・・・お、おいカムイ!いったいどこ行くんだよ!」

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