カードファイト!!ヴァンガード 熱血の先導者と努力の先導者   作:先導

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来ました・・・ついに来てしまったんです・・・悪魔とでもいうべき花粉の時期が!もう目はかゆいし、くしゃみは頻繁に出るし、もうやになってしまいますよ・・・。

それはともかく、今回でいよいよ全国大会が幕が開けるのです!

それからこれはだいぶ前に1度言ったことですが、ロクビクやストビクのキャラクターを使っている作者さんもいますが、その人のキャラとは違いますので一応ご了承ください。

それではどうぞ!


全国大会予選編
波乱の幕開け!全国大会!!


真夏の日の全国大会当日、橘家のリビングでカズヤはデッキの最終調整を行いながら、携帯電話で話をしている。話をしているのはミサキだった。

 

「んじゃあすぐに向かうぜ。・・・大丈夫だって、任せとけ。んなことより、カーナビは任せたぜ。・・・はは、じゃあ、また後でな、ミサキ」

 

カズヤは携帯電話の通話を切り、携帯とデッキをポケットの中に入れる。

 

「兄貴、最近ミサキさんと仲いいな」

 

「そうか?」

 

「そうだよ。今じゃ、ミサキさんのこと下の名前で呼んだりしてるし」

 

「あいつが下の名前で呼ぶんだ。こっちもそうじゃねぇと失礼だろ」

 

全ての準備を整えて、カズヤは玄関に向かい、靴を履く。その様子にカズヤの母はくすっと笑う。

 

「んだよ、お袋」

 

「いいえ。あなたのその様子、夫にも見せてあげたいなーってね」

 

「へ、親父は関係ねぇだろ?それに、今日出るかどうかなんて知るかよ。んじゃあ行ってくる!」

 

「はいはい、いってらっしゃい」

 

「がんばれ兄貴!」

 

カズヤはアツシと母に見送られながらカードキャピタルに向かうのであった。

 

 

 

RIDE34「波乱の幕開け!全国大会!!」

 

 

 

カードキャピタルにはすでにアイチが外で待機している。店の中では私服姿の櫂と私服として運動用ジャージを着こんでいるリンが待機している。

 

「んだよアイチ、外で待機してたのか?中で待っとけばよかったのによ。こんなくそあちぃのに」

 

「あ、カズヤさん!おはようございます!いえ、ちょうど外の空気を吸いたくて」

 

「ま、気持ちはわかるぜ。なんせ全国大会だからな」

 

アイチはカズヤにお辞儀をして挨拶をする。その後はカズヤは中で涼もうと店に入る。

 

「アイチお義兄さん!おはようございます!」

 

「あ、カムイ君!おはよう!」

 

それから数字分後、カムイもやってきて、ようやくチームQ4のメンバーが到着した。

 

「へへ・・・む!」

 

たった今店から出てきた櫂とリンを見てカムイは気に入らないものを見るような表情になり、そっぽを向く。

 

「ふん!」

 

「全員揃ってますね。じゃあさっそく、出発しましょうか」

 

「へへ!俺、前がいい!」

 

カムイが車の助手席に向かおうとすると、ちょうど店から出てきたシンがストップをかける。

 

「ああ、助手席はダメですよ。ミサキが座りますから」

 

「え~⁉」

 

「道案内が必要なんだってさ」

 

不満たっぷりのカムイに店から出たミサキがそう答える。

 

「道がわかんないんだったらカーナビくらい買えよ~、か、か・・・」

 

「甲斐性なしって言いたいのか?」

 

「そう!それそれ!」

 

カムイの間違った言葉を使う前にカズヤがそう尋ねる。どうやら正解のようだ。

 

「ミサキがいるのに、カーナビが必要だと思います?」

 

「そ、そりゃそうだ・・・」

 

「道案内頼むぜ、ミサキ」

 

「たく・・・シンさんといいカズヤといい・・・」

 

道案内を自分に任せるシンとカズヤに呆れるミサキ。

 

「ちぇ~、しゃあねぇ。じゃあ俺窓際・・・」

 

カムイは仕方なく窓際の席に座ろうとしたがすでに真ん中にはリンが、後ろには櫂が座っていた。

 

「こ・・・この~!」

 

「なんだ?」

 

「窓際は俺の席だ!」

 

「なぜです?」

 

「お、俺様は車に乗るときは生まれる前から窓際って決めてるんだ!」

 

「知ったことか」

 

「個人の主義に付き合うつもりはありません」

 

「ぬぬぬぬぬぬぬ・・・!!」

 

「か、カムイ君!ほら、こっちも窓際の席だしいいじゃない!」

 

櫂とリンのおかげで一触即発の雰囲気が出たが、アイチがなだめてくれたおかげで大ごとにならずに済んだ。座席の順は運転席にシン、助手席にミサキ、真ん中にカズヤとリン、後ろの席は櫂、アイチ、カムイとなった。

 

「さ、出発しますよ」

 

シンは車を発車し、ミサキのナビを頼りに運転を開始する。

 

「そこ」

 

「はいはーい」

 

ミサキの指示のもとにシンは車を曲げる。何故か指示されていない左方向に。

 

「右だってーの!」

 

「ええ⁉」

 

「最悪だな・・・」

 

前途多難ながらも、チームQ4のメンバーは全国大会への会場へと向かっていくのであった。

 

 

それから数十分が立ち、目的地である全国大会会場の前にたどり着く。その場所はやはりというか、地区予選会場の時よりもかなり大きかった。

 

「おおお!」

 

「すっげぇ!」

 

「やっぱりでけぇな!」

 

「シンさん、こっち裏口」

 

「えええ?」

 

会場は会場でも、ここは裏口だったようだ。

 

「地区大会もすごかったけど、ここはそれ以上にすごい会場なんですね!」

 

「そりゃ、全国大会ですから。おかげで、駐車場もすでにいっぱい・・・」

 

「マジだ・・・」

 

シンの視線の先には多くの車が渋滞している姿が。それもこれもこの全国大会を生で見るために。

 

「僕は車を置いてきますから、みんなはこの辺で少し待っていてください」

 

「はい」

 

シンは車に乗ってあの渋滞している駐車場に向かう。

 

「帰ってくるのにしばらく時間がかかりそうね」

 

「のんびり待つしかないか」

 

「だな・・・ん?」

 

カズヤの視線の先にはカメラやマイクを持った大勢の人だかりができていた。

 

「ありゃなんだ?」

 

「ああ、テレビカメラだよ。今日の大会は全国中継されるからな」

 

「え⁉そうなの⁉」

 

「全国大会はいつも中継されているよ。見たことないの?」

 

「あ、はい・・・」

 

どうやらあそこにいるのは全員テレビ関係者のようだ。

 

「おおお!よく見りゃありゃ、ドクターOじゃないですか⁉」

 

多くのテレビ関係者が取材している人物はドクターOと呼ばれる白衣を着た博識のような人物だった。

 

「ヴァンガードTVのロケかな?お義兄さん、ちょっと見学に行きましょうよ!」

 

「え?」

 

「あんな珍しいものめったに見られませんよ!」

 

そう言ってカムイはテレビ中継の場に向かおうとしていると・・・

 

「うわ!」

 

「あ!」

 

「カムイ君!」

 

たまたま近くを歩いていた人物とぶつかってしまう。それを見たアイチ、カズヤ、ミサキは駆け付ける。

 

「いって~・・・」

 

「ごめん!大丈夫かい⁉」

 

「カムイ君!」

 

「そんな急ぐからだろ?」

 

駆け付けたアイチとカズヤはカムイを心配し、ミサキは男性が落とした本を見つけて拾う。

 

「ローマの歴史・・・」

 

「大丈夫、カムイ君?」

 

「大丈夫です、お義兄さん!」

 

「よかった・・・」

 

カムイの様子を見てほっと一安心する男性。

 

「よかったじゃねぇだろ!人の子と跳ね飛ばしておいて!大型トラックにぶつかったと思ったぜ!」

 

「大型トラックは言いすぎだろ・・・」

 

「ああ、ごめんごめん。けど、ぶつかってきたのは君のほうで・・・でも、ケガしてないならよかった・・・ごめん」

 

「ああ・・・その・・・俺のほうこそ、よそ見してました!すみません!」

 

「「すみませんでした」」

 

カムイは男性に言いがかりをつけようとしたが、自分に否があることを認め、素直に謝罪する。アイチもカズヤも謝罪する。すると、彼のチームメイトらしき人物が3人現れる。

 

「何やってるの、皇帝?」

 

「何かあったんですか?」

 

「いや、ちょっとぶつかっちゃって・・・」

 

「ぶつかったって、そのちびっ子と?」

 

「ルナ!ごめんね、僕。大丈夫だった?」

 

「ちびっ子⁉僕⁉子ども扱いするんじゃねぇ!」

 

カムイは女性と女子高生の自分の呼び方が気に入らなかったカムイが突っかかると、女性はカムイの腕を確認する。腕はこけたせいで血がにじんでいる。

 

「血がにじんでるわ。擦りむいたのね。ちょっと待って、絆創膏があったはず」

 

「た、たいしたことねぇよこんなの!」

 

「やっぱりケガしてたか・・・本当ごめんな」

 

「あ・・・いや・・・」

 

男性の気遣いの良さにカムイは珍しくたじたじになっている。ミサキはさっき男性が落とした本を男性に返す。

 

「これ・・・」

 

「ああ、ありがとう」

 

そうしている間に女性はカムイのケガに絆創膏を張る。

 

「はい、これでよし」

 

「れ、礼なんか言わねぇからな・・・」

 

「いいわよそんなの」

 

「・・・やっぱりちびっ子・・・」

 

カムイの様子を見て、女子高生はそう一言呟いた。

 

「・・・あ!あああああ!!お前のせいでロケを見逃したじゃねぇかよ!!」

 

「え?ああ、ごめんごめん、ごめんな」

 

「むちゃくちゃいい人じゃねぇか」

 

男性の人がいい性格にカズヤは思わずそう口にした。

 

 

全国大会では、アシスタントとしてウルトラレアも会場には来ている。そんなウルトラレアの控室で、3人は窓を見てチームQ4と男性たちのチームを発見する。

 

「あ、あの子たち・・・」

 

「何してるのかしら?」

 

「揉めてるみたい。あんなので今日の大会大丈夫なのかな?」

 

「どうかしら」

 

スイコは男性が所属しているチームに気が付く。

 

「あら、いきなりあのチームと知り合うなんて」

 

「わーお!運命の出会いってやつ⁉」

 

「ただの偶然でしょ?」

 

「運命か偶然か、それもこの大会に終わるころには、はっきりするわ」

 

「そうね」

 

「どういうこと?」

 

ウルトラレアはそんな会話をしながらアイドルとしての仕事場に向かう。

 

 

その後カムイは男性が所属しているチームを聞いて、驚愕の声と表情を表す。

 

「チームカエサルだとぉ⁉」

 

「有名な人たちなの?」

 

「何言ってんすか⁉前回準優勝、その前の大会の優勝チームですよ!!」

 

「ええ⁉優勝⁉」

 

「マジでか⁉」

 

今目の前にいる男性たちのチームが前々回の優勝、前回の準優勝チームと聞いて驚愕するアイチとカズヤ。かすかながら櫂とリンも反応する。

 

「チームカエサルだ!」

 

「おおお!」

 

「見ろ、光定ケンジだ!」

 

「あれは臼井ガイとユリの姉弟だぜ!」

 

「その臼井姉弟の従妹の月城ルナもいるぞ!」

 

「今回の地区大会も圧勝だったらしいぞ」

 

チームカエサルの存在に気付いたギャラリーは驚愕の声を上げる。

 

「・・・悪いけど、場所を変えてもらえないかな?目立つのは苦手でね」

 

(彼らが・・・元優勝チーム・・・)

 

「て、荷物荷物!ちょ、ちょっと待っててくれ!」

 

チームQ4は荷物を持って、チームカエサルと共にあまり目立たない場所へと移動する。

 

「ここなら大丈夫」

 

「その性分どうにかならないの?」

 

「いや・・・本当に目立つのは・・・」

 

「ヴァンガードファイトしてる時は何ともないのに、不思議な人ですね・・・」

 

「それが皇帝」

 

チームカエサル内でそんな会話を終えると自己紹介を始める。

 

「では、改めて自己紹介といこうか。僕がチームカエサルのリーダー、光定ケンジだ」

 

「私は臼井ユリ」

 

「その弟でガイといいます」

 

「月城ルナ。晴海高校1年。ユリとガイの従妹」

 

栗毛色の髪の男性がリーダーの光定ケンジ、茶髪の短髪の女性が臼井ユリ、髪を結んだ男性が臼井ガイ、水色の短髪の女子高生が月城ルナとなっている。

 

「あれ?光定ケンジ?」

 

「さっきは違う名前で呼んでなかった?」

 

「それって皇帝のこと?」

 

「皇帝?」

 

「そう、光定(みつさだ)だから、光定(こうてい)

 

「ああ、音読みってことか」

 

どうやら光定の皇帝の呼ばれ方は、自分の名字を音読みにしているようだ。

 

「そうか、だからチームカエサルなんだ」

 

「どういうことだよ?」

 

カエサルの名前の由来を光定が説明する。

 

「カエサルっていうのはね、古代ローマの皇帝の称号なんだよ。もっともその名前の由来となったガイウス・ユリウス・カエサル本人は途中で暗殺されてしまい・・・」

 

「話が長い!」

 

いつの間にか歴史講座になっていき、それをユリが止める。

 

「ここからが面白いのに・・・」

 

「そんな歴史薀蓄、誰も聞きたくない。私も聞きたくない」

 

「じゃあせめて、オクタヴィア・アヌスの話だけでも・・・」

 

まだ歴史を語りたい光定にユリは黒い笑みで黙らせる。

 

「ご、ごめん・・・」

 

「ともかく、ローマの皇帝にあやかってチームカエサルの名前にしたとそういうわけなんです」

 

「そうなんだ!」

 

チームカエサルの名前の由来を知り、関心の声を上げるアイチ。

 

「うおおおおおお!!コーリンちゃーーん!!」

 

「森川君⁉」

 

何やら遠くで聞き覚えのある声が聞こえ、チームQ4はそこを見てみると、そこには売店で森川がウルトラレア、主にコーリンに関するグッズを買っている。井崎とメグミ、三和、ソウジ、シズクも付き添いで来ている。

 

「ふっふっふ・・・会場限定グッズ、全種類コンプリート!!今日の目的達成だぜ!」

 

「よかったなー、てっ、何しに来たんだよ⁉」

 

「あんたの趣味のために来たんじゃないんだってば・・・」

 

「チームQ4の応援は二の次か?」

 

「ふふふ、それはそれ、これはこれ。ウルトラレアファンクラブのポイントも大幅アップ!応援もばっちり!俺の生き様に刺客なしだ」

 

売店から遠く離れたアイチを発見し、一応の応援をする森川。

 

「な!アイチ!俺が付いてるぜー!」

 

「それで終わりかよ、しけてんなぁ」

 

「んだとゴラァ!」

 

ソウジの一言にいがむ森川。

 

「まぁ、ある意味スラッグスさせてくれるぜ、マケミ・・・」

 

「リラックス・・・」

 

「・・・俺、今リラックスって言ったよな?」

 

「そだね」

 

カムイの言葉に呆れ果てているミサキ。

 

「あ、ルナルナ先輩だ!やっほー☆」

 

「シズだ」

 

ルナを発見したシズクは売店から手を振る。ルナはそれを見て軽く手を振る。

 

「ん?お前、日向と知り合いか?」

 

「中学時代の後輩」

 

「世間って狭いな、案外」

 

どうやらルナはシズクとは先輩後輩の間柄らしい。

 

「そういえば、エイジ君とレイジ君いないね」

 

「まさか、電車乗り間違えたんじゃねぇだろうな・・・?ま、マケミが来てるんだ、迷うことはないし、そのうちくるっす」

 

「そうだね」

 

アイチとカムイでエイジとレイジのことを話している。

 

「こらあ!!俺はカツミだ!!ちゃんと覚えろ!!」

 

「聞こえてたんすかね?」

 

「いや、多分勘じゃない?」

 

遠くにいるためアイチたちの会話は聞こえてないはずなのだが、なぜかマケミに反応した森川は憤慨する。

 

「んー、なんか忘れてるような・・・ま、たいしたことじゃねぇよな」

 

カズヤは何かを忘れているんじゃないかと考えるが、すぐに考えるのをやめる。

 

 

「おーい、みんなー・・・どこいったんだい?」

 

車を止めていたシンはみんなから完全に忘れられているのだった。

 

 

それから数分が立ち、モニターから開会式としてウルトラレアのライブセレモニーの中継が流れてきた。一同はそのモニターに注目し、森川に至っては画面越しで応援している。

 

「コーリンちゃーーん!!ほら、お前らも、声かけろよ!」

 

「俺らもか⁉」

 

「あったりまえだろ!俺たちはそのためにここにいる」

 

「「「「「違うって」」」」」

 

森川の言葉に三和たちはぴったりとツッコミを入れる。

 

「いやー、今回の開会式は派手だねー」

 

「前は違ってたんですか?」

 

「そうだね。盛大ではあったが、ここまでにぎやかではなかったなぁ。アイドルのライブなんてなかったし」

 

「僕は、こういう騒がしいのは好きにはなれませんね」

 

「うん。好きな音楽聞いてる方がマシ」

 

にぎやかな開会式にガイはあまり表情は浮かばれず、ルナはヘッドフォンをつけて自分好みの音楽を聴き始める。

 

「でもま、喜んでる人たちもいるんだし、いいんじゃない?」

 

「立ち入って聞こえた気がするなぁ・・・」

 

「コーリンちゅわーーーーーん!!!」

 

ユリの言葉を感じ取ったシズクは苦笑いを浮かべる。

 

「・・・くだらん」

 

「くだらない」

 

開会式に対して櫂とリンはそう一蹴する。

 

「!てめぇら今、くだらんって言っただろ!!」

 

また櫂たちの言動を感じ取った森川は憤慨し、井崎とメグミが必死で止める。

 

「「森川ー!!誰もそんなこと言ってないよーー!!」」

 

「そ、そっか?なんか聞こえた気がするんだけど・・・気のせいかな?」

 

「気のせいだろ。な?」

 

「「うんうん!!」」

 

(いーや言ったね☆聞こえなかったけど確実に言った☆)

 

(こいつすげぇ面白れぇ)

 

森川の超人的のようなそうでないような能力にシズクと三和は面白がっている。

 

「そういえば、君たちのチームは6人いるみたいだけど、ファイトには誰が出るのか、決めているのかい?」

 

「え?」

 

「やっぱり対戦相手によってチームオーダーを変える作戦なの?それとも、別の考えがあるのかな?」

 

「そ、それは・・・」

 

ガイの何気ない言葉にアイチは困ったような表情になる。

 

(そうだ・・・今日のファイトは少しだけルールは違うけど、地区大会と同じ4人一組のチーム戦・・・あの時はミサキさんとリンちゃんがいなかったから、僕とカズヤさんが出場したけど・・・このメンバーだと、やっぱり僕は・・・)

 

チーム全体の強さを考えて、アイチは今日の試合は出られないと思っており、がっかりしたような気持ちを抱いているのだ。

 

「やめなさいガイ。他のチームの作戦をあまり詮索しないの」

 

「あ・・・」

 

「ガイは無自覚の策士」

 

「る、ルナちゃん、そ、そんなつもりじゃあ・・・」

 

「構わん。作戦と呼べるものじゃないからな」

 

櫂の言葉に答えるようにリンが今回の試合の選出を口にする。

 

「簡単な話です。私たち6人の中で、最も弱い2名が抜ける・・・それで全て解決です」

 

リンの回答に櫂は首を縦にうなずく。その言葉でアイチは顔を悲しくうつむき、カムイが突っかかる。

 

「櫂!リン!」

 

「なんだ?」

 

「なんです?」

 

「てめぇ、言い方ってもんがあるだろ!!」

 

「ふん・・・」

 

「ああ・・・喧嘩はダメだよ・・・」

 

一触即発の雰囲気に光定が止めようとするが、耳を貸さないカムイ。

 

「ほっといてくれ!これは俺たちチームQ4の問題だ!!」

 

「あ、ああ・・・」

 

「問題?・・・ああ、そうですね、大問題ですね」

 

「てめぇ・・・!!」

 

リンの一言に怒り爆発のカムイ。それを止めるアイチ。

 

「待ってカムイ君!」

 

「お義兄さん・・・」

 

「大丈夫・・・僕、外れるよ・・・」

 

「ええ⁉」

 

「1番弱いファイターが抜ける・・・リンちゃんの言ってることは正しいよ。そして、チームQ4の中で1番弱いのは・・・僕なんだ・・・」

 

「お義兄さん・・・」

 

アイチのさびしい物言いにカムイは思うところがある。

 

「さて、これであと1名・・・抜けるなら今のうちにお願いします」

 

リンの容赦のない言葉にカムイはさらに怒りを燃やすが、いったん落ち着く。

 

「・・・櫂、リン、1つ答えろ!お前らにとってヴァンガードとはなんだ⁉」

 

「より強い相手を求め、戦い勝利する・・・それが俺のヴァンガードだ」

 

「目標となる相手を超えるため、立ち向かう者と戦い、勝利を納め続ける・・・それが私の流儀であり、ヴァンガードです」

 

「・・・それだけか⁉」

 

「ああ」

 

「それが?」

 

「!!そうか・・・!」

 

カムイの問いに淡々と答える櫂とリンにカムイは顔をうつ向かせる。

 

「・・・俺はもともと好きでカードキャピタルに出入りするようになったわけじゃねぇ。ただ、チーム男前にいたくねぇ理由があったから仕方なく顔を出すようになったんだ。だからチームQ4だってそんなに思い入れのあるチームじゃなかった。けどな・・・今はいいチームだと思ってんだ。このチームで勝ちたいってな。なのにお前らは・・・!あの時だってそうだ!!」

 

カムイの脳裏に浮かび上がってくるのはミサキの件で悩んでいた時、櫂とリンが言った言葉だ。

 

『やめたい奴はやめればいい。過去なんて誰にでもある。それをいつまでも自分の弱さを理由にするのは、ただの甘えだ』

 

『何かと思えばそんなこと・・・くだらない。己の過去を理由に何かを挫折するということは、何かを諦めるということ。そんな者に、なぜ知恵を与えなければいけないのですか?』

 

『チームメイト?ふん、それこそくだらない』

 

「簡単にやめろだの抜けろだの、くだらないだの言いやがって・・・!!」

 

「「「・・・・・・」」」

 

「櫂!リン!お前ら仲間を何だと思ってるんだ!!」

 

「興味ないな。どう思おうが勝ち負けには関係しないだろ」

 

「このおお!!」

 

「なんです?」

 

櫂の言葉にカムイは怒りをさらに燃え上げた時、リンはカムイに憎悪にまみれた瞳で睨みつける。

 

「うっ・・・」

 

「リン・・・?」

 

「絆・・・友情・・・仲間・・・何もかもがくだらない。そんなもの、ただ有象無象が群れてるだけじゃないですか」

 

普段見せないリンの激しい憎悪が珍しいのか櫂は目を見開かせる。

 

「なぁ日下部・・・お前がそうまでいうなんてよ・・・お前と日向の間に、何があったんだ?」

 

「答える義理はないですね」

 

カズヤはリンに臆さずにそう問いかけるが、リンはそう言い放ち、相手にしようとしない。

 

「・・・やってらんねぇ!!」

 

「カムイ君・・・?」

 

カムイが急に発した言葉にアイチは理解が追い付かない。カムイは申し訳なさそうな表情でアイチに顔を向ける。

 

「お義兄さん、悪いけど俺・・・これ以上、こいつらと一緒に戦うことできません!だから・・・すみません!!」

 

カムイはそう言い残してその場から走って去っていく。

 

「お、おいカムイ!待て!ああ、たく!これだからあいつは・・・!」

 

「ま、待ってカムイ君!」

 

それを見たカズヤは急いでカムイを追いかける。カムイとカズヤが曲がり角を曲がり、アイチもそこを通ろうとすると、みんなを探していたシンが偶然ここを通ってきた。

 

「よかったー、こんなところにいたんですかー。いやー、探しましたよ」

 

「ごめんなさい店長!今、急いでるんです!」

 

「え?どこに行くんですか?もう大会が始まりますよ?」

 

「えっ⁉」

 

「ライブも終わりましたし、この後組み合わせ抽選をしたらすぐに1回戦です」

 

「おお!もう始まるのか!」

 

シンの言葉を聞いて、アイチは先ほど去っていったカムイを心配している。だが大会も無視するというわけにはいかないのだ。

 

「リン、戸倉、行くぞ」

 

「はい」

 

「来い、アイチ」

 

「?」

 

「!櫂君・・・?」

 

櫂が自分を誘ってくるとは思わなかったアイチは目を見開かせる。

 

「葛城がいなくなり、橘が追いかけていった以上、お前が来なければ、チームQ4は棄権することになる。それでもいいのか?」

 

「カムイ君?棄権?何かあったんですか?」

 

「「さあ?」」

 

「「さっぱり」」

 

「「わからん」」

 

事情を呑み込めていないシンと森川たちは首をかしげている。

 

「ちょっといいかな?」

 

「皇帝?」

 

「光定?」

 

すると全てを見守っていた光定がアイチに声をかけてきた。

 

「全国大会は今日と来週の2日間行われるって知ってるかい?」

 

「は、はい・・・?」

 

「今日はその第1日目、予選が行われるんだ。そして今日勝ち抜いたら、1週間後の決勝トーナメントに進出できるってわけだ」

 

光定は全国大会のルールを説明し、笑みを浮かべながら答える。

 

「今は彼の後を追うより、予選を突破して彼の返ってくる場所・・・そいつを確保しておくべきじゃないかな?」

 

「!カムイ君・・・」

 

「どうかな?チームってそういうことだと思うよ」

 

「・・・はい」

 

光定の言葉を聞いて、アイチはカムイが返ってくる場所を確保するため、チームQ4のメンバーとして全国大会の予選に出場する決意を固める。

 

 

一方その頃、電車で会場に向かっていたエイジとレイジがようやく到着した。

 

「こっち裏口じゃないですか!」

 

「KYっす!誰だよ近道だって言ったのー!」

 

「はぁ・・・はぁ・・・ねぇもう始まってるんじゃないかな?」

 

「はぁ・・・はぁ・・・ZD!絶対大丈夫!まだファイトが始まる時間・・・」

 

エイジとレイジが息を整えながらそう話していると、走り去っていくカムイとすれ違う。

 

「あ、カムイさん⁉」

 

「え⁉」

 

大会に出るはずのカムイが走り去っていくのを見て驚愕するエイジとレイジ。

 

「おー!エイジ!レイジ!ちょうどいいところ!カムイをとっ捕まえてくれ!」

 

「え⁉え⁉いったい何が・・・」

 

「事情は後で説明してやるから早く!」

 

「あ、RY!了解っす!」

 

エイジとレイジとばったり会ったカズヤは2人の協力のもと、カムイを追いかけるのであった。

 

 

開会式の後、一仕事を終えたウルトラレアは控室に戻り、休憩を行いながら次の仕事の準備を行う。

 

「あー、疲れた・・・」

 

「そう?レッカ、歌うの好きだけどなー」

 

「私だって嫌いってわけじゃないけど・・・」

 

「あー、そっかとし・・・」

 

「うるさい!!あんま生意気言ってると、レッカのパート取っちゃうぞ?」

 

「わー!ダメダメ!!」

 

「・・・あら?」

 

レッカとコーリンがそんな話をしていると、スイコは窓からカムイが走り去り、カズヤたちがそれを追いかける姿を目撃した。

 

「ん?何?・・・あー」

 

「あの子たち・・・」

 

レッカとコーリンもその様子を見る。

 

「もしかして・・・」

 

「仲間割れ?」

 

スイコとレッカがそう推測すると、ドアからノックが聞こえ、スタッフの声が上がる。

 

「次の出番まで時間がありませんので準備をお願いします」

 

「はい」

 

「いっそげ、急げー♪」

 

スイコとレッカは次の仕事の準備に取り掛かり、コーリンはカムイたちが見えなくなった後の窓を見つめるのだった。

 

 

全国大会の予選抽選の時間となり、大会の出場チームは全員会場に集まっている。そこには、チームQ4のメンバーもおり、チームカエサルもいる。会場の壇上にMCミヤが上がってくる。

 

「さあここからの司会進行はご存知、私、MCミヤです!!」

 

MCミヤの名乗りに観客席にいる森川が文句を言い放つ。

 

「ご存知じゃねぇよ!!引っ込め!ヘボMC!!」

 

「!!?」

 

「そこのメガネ!!MCはつまんねぇからいらねぇよ!!さっさとウルトラレアを出しやがれ!!」

 

「「森川!!」」

 

「き、気にしていることを・・・」

 

森川の文句に井崎とメグミが止めている。MCミヤは森川の発言に若干ながらこめかみをひくひくさせている。

 

「さっさとコーリンちゃんを出せーーー!!」

 

「お、おい・・・」

 

「ちょっとちょっと・・・」

 

「「小指立てんなー!」」

 

「「こっちもかぁ⁉」」

 

「はぁー・・・」

 

「こ、この・・・」

 

まさかの三和とシズクも交わり、疲れがどっと出る井崎とメグミ。その様子にソウジは深くため息をつく。痛いところをつかれ、MCミヤは小指もひくひくさせる。

 

「それでは、温かい声援にお応えして、今回のアシスタントを紹介しましょう!ウルトラレアの皆さんです!どうぞ!」

 

MCミヤの進行に合わせて、ウルトラレアが登場する。それによって、会場が大きな歓声が響く。

 

『おおおおおお!!』

 

「待ってました!コーリンちゃーーん!!」

 

「待ってたって・・・」

 

「ほんの10分くらいだろ?」

 

「俺にはその10分が10年にも感じられるんだよ、わかる?」

 

「「「「「はいはい」」」」」

 

森川の扱いにも段々慣れてきた井崎たち5人は適当に返す。

 

「今日は絶好のヴァンガード日和だよね!」

 

「それじゃみんな、ヴァンがっちゃおう!」

 

『うおおおおお!!』

 

「元気よく、楽しくヴァンがろうね!」

 

『おおおおおお!!』

 

「レッツファイト!レッツヴァンガードー!!」

 

『レッツヴァンガードーーーー!!』

 

ウルトラレアの進行に観客が大歓声で答える。そんな中、大会に出場するチームカエサルはチームQ4のメンバーを見る。出場しているのは、櫂、リン、ミサキ、そしてアイチだ。

 

「とりあえず、棄権はしなくて済んだみたいだね」

 

「皇帝って本当、お節介ですよね」

 

「いいんじゃない?お節介とファイトの強さだけが取り柄みたいな人なんだから」

 

「うん。それが皇帝のいいところ」

 

「それはちょっとひどいなー。ま、その通りなんだけどね、ははは」

 

チームカエサルはそんな何気ない会話を始めている。

 

(カムイ君・・・待ってて・・・きっと、この予選を突破して、君を迎えに行くから。チームクァドリフォリオに帰ってきてもらうために)

 

アイチはカムイのことを思いながら、この全国大会の予選に挑む。こうして始まるヴァンガードチャンピオンシップ、全国大会は波乱の展開で幕を上げたのだった。

 

to be continued…




アイチ「カムイ君、もう戻ってこないのかな・・・?」

ミサキ「チームカエサルの人、言ってたじゃない」

アイチ「え?ああ!そうですよね!僕が頑張って勝つことでいつでも戻ってこれる場所を!」

ミサキ「うん。私も、がんばってみるよ」

アイチ「ありがとう、ミサキさん!」

RIDE35「ジュラシックアーミー」

アイチ「先鋒の僕が勝って、みんなに回して勝ち抜ける・・・イメージは完璧・・・先導アイチ!頑張ります!!」
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