・下手な日本語
・クソ文才
・ご都合主義
・紅魔族
・中二病等々
・ぼっちがボッチしてない
雪那がどんどん重症になっていってる・・・
「ないな・・・」
俺は学校の図書室の古代文庫の棚に居た。
なぜ俺がこんなとこに居るのかというと、雪那を作った人物を調べるためだ。
理由は個人的に興味を持ったのと何故かその人に親近感を持っていたからとか色々ある。
「はぁ、ここを探しても無いとなるともう少し新しいのか?」
悩んでいたら、
「しょうた君、何かお探しかい?」
「あ、あるえか。いや、ちょっと昔の人について調べてて。」
「ふーん、どんな人か分かる?」
そういえばこいつは小説家を目指してたんだっけか。本のことはこいつに聞くのが一番か・・・
「なんか、紅魔族の英雄らしく、凄腕の魔導師らしく神器級の魔道具を作れたらしい。」
「二、三十年前にならそんな人が居た気がするけど・・・」
「に、二、三十年前!?そんな最近なのか?」
驚きだてっきり百年ぐらい前だと思っていた。
「君が探してる人とは限らないけどね。」
「いや、助かったよ。ここにあるやつ全部に載ってなかったから焦ってたんだ。」
「え!?ここのやつ全部に読んだの!?少なくとも二百はあるよ?いつから読んでいたのさ?」
「えっと、クレアの誕生日が終わってすぐだから・・・二日前からか・・・」
「そ、そんな短期間でこれ全部?」
本棚を見上げて言った。
「とりあえずありがとう。お礼に喫茶店でもどう?」
「え、いいのかい?でも、このあと定食屋のバイトがあるんじゃ・・・」
「そっちは雪那に任せてる。」
当分は行かせないつもりだったが、気にしないでと言われたのでその言葉に甘えることにした。
「そっか・・・」
「さて、本を探すか。」
「ふぅ、あるえが居たお陰ですんなり見つかったな。」
本を探し終わって喫茶店に来てた。
あるえはこの本を前に読んだことがあるらしくすぐに見つかった。
「いや、大したことないよ。でも、どうしてその人のことを調べる気に?」
「なんとなく気になっただけだ。」
「ふーん、変わってるね。」
ジュースをすすりながら言った。
「軽く読むからなんか注文しといて。」
「はーい。」
何故かつまらなそうに返事をした。
本によるとこの英雄の名前はひでりう。紅魔族の名前ってまじなんなん?
この人は若くして暗殺されたらしい。十中八九この人で間違いないだろう。
どうやらとてつもなく優秀だったらしい。全てのステータスが大幅に平均値を超えていたようだ。羨ましいなおい。
その後は雪那が言った通りのことが書かれてた。が、ある文に目が行った。その文とは、
『この英雄の友の一人に現族長の・・・・』
ガタッ
「え!?どうしたの、しょうた君?」
「なぁ、これが書かれたのっていつだ?」
「確か、三年ほど前だったかな。」
「その時の族長ってまさか・・・」
「今と変わらず、しょうた君のお父さんがやっているよ。」
これがいわゆる灯台もと暗しですか・・・
「帰ったら根掘り葉掘り聞いてやろう。」
「あぁ、確かその人の友人一人に君のお父さんが居たね。」
「お待ちどうさま、ケーキセット二つ。後、このメニューの名前を募集中。では、ごゆっくり。」
そのままの名前でいいじゃないか・・・
「それよりしょうた君、もうそんなとこまで読んだの?」
「いや、あらかた知ってる内容だったから、軽く飛ばした。」
雪那の話を細かく書いたようなものだった。
気になるのはその人が亡くなってる所まで来たのにまだ数ページ残ってる。死んでから何があったんだ?読み進めると、
『暗殺された後、犯人は特定出来ず、愛用の杖も無くなっていた。その後、紅魔の里に遺体が運ばれた。しかし、不思議なことに数日後には遺体は跡形もなく消えていた。』
遺体が消えたのか?とんだ変態趣味のお持ちのようで。
『不思議なことはそれだけではない。十数年後にその遺体が現れた。消えた前と変わりない状態だったらしい。』
腐敗せずに十数年後に現れたのか?どう考えてもおかしい。例えば遺体を凍らせて保存したとしてもその後に現れた意味がわからん。どうなってんだ?
「しょうた君も遺体のことに引っ掛かってるんだね。でも、それは解明出来ないと思うよ。ここの人達が血眼になっても分からなかったからね。」
あるえはケーキを食べながら言った。
俺もケーキを食べよっと。
「後は、父さんに聞いてみないと分からないか・・・」
ケーキを口にいれた。
やっぱり店の方がうまい。
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「雪那、お前さ、父さんのこと知ってたんだな。」
家に帰って、何故か俺のベットで転がってる変態に聞いた。
「あれ、何でその事知ってるんですか?私言いましたっけ?」
「いや、調べた。ちょっと気になってることがあったから。」
ふーんと言いながら変態は布団に潜った。
「で、何でお前はここに居るんだ?」
「・・・趣味?」
しばくぞ。
「でも、ご主人様。調べて何か分かったんですか?一番身近に居た私が知ってることを話したんですから、収穫はそれほどなかったと思いますが。」
「一つだけあった。前の持ち主の遺体が十数年間消えてたらしい。」
「え、消えてたと言うことはまた出てきたってことですよね?おかしくないですか?」
「そうなんだよ。遺体が消えるケース何て人が持ち運ぶかモンスターに食われるしかないのにな・・・」
「いや、まだ一つだけありますよ。」
「え!?」
「肉体ごと転生する方法です。」
そんなことが出来るのか?
「前に女神様がやったことがあると。」
「それいつの話だ?」
「ご主人様が来る五年ほど前ですかね。」
「五年か・・・曖昧だな。」
というか、そもそもこっちで死んだ場合って転生できるのか?
「まぁ、詳しいことは聞いてないですけどね。」
布団に潜りっぱなしで言った。
「ていうか、出ていけ!」
布団を取り上げた。
「ひゃっ!ご主人様ってば乱暴。」
一回死んだらいいんじゃないかな、こいつ。
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あれから四日がたった。
今日は珍しく母さんもゆんゆんも居ない。
俺がリビングでくつろいでると、
「しょうた、ちょっといいか?」
いつもにまして真面目な顔をしている。
いつもそんなかんじでいてくれればいいのに。
「うーん、いいよ。俺も聞きたいことあるし。」
あの事について聞かなければならない。
「そうか、まず私からでいいか?」
「どうぞ。」
「まず、お前が最近調べてることがあるらしいな。」
「あぁ、ちなみに俺もその事を話そうとしてた。」
よく分からないところで意思疏通が出来るものだ。
「なら話は早い。そいつについて何故調べている?」
「実はその人が雪那の前の持ち主だったらしい。」
「ほんとか?と言うことはあの杖が・・・」
何かを思い出すように言った。
「もう一つ理由がある。それはその人に何故か知らないけど親近感が沸いた。」
「しょうた、お前をここに置いた理由がそれに近い。」
「ん?話が見えてこないんだけど。俺に親近感が沸いたの?」
「それに少し似ている。お前はあいつに似ていたからなんだ。」
「それ雪那も言ってた。目が凄く似てるって。」
「私もそう思う。特に真剣な顔をしている時は特にな。」
そこまで言われると他人とは思えなくなってくる。
「それがお前をここに置いた一つの理由だ。さて、次はお前が話す番だ。」
「その人が暗殺された後、遺体が消えてたんだよね?」
「あぁ、あいつの遺体はこっちに来てから二、三日で跡形もなく消えていた。」
「誰かが運んだ可能性は?」
「そんな趣味を持ってるやつも居なかったし、何せあいつは無愛想だったから交友関係も少ない。」
はぁ、となるとやっぱり雪那が言ってた転生しか無いのか・・・
「やっぱりかぁ、なんの手がかりも無し。父さんありがとう。」
俺は部屋に戻りながら考え事をしていた。
俺が転生したのはこっちの人口が減ってきた等とさまざまな理由がある。
仮にあの人が転生をしたのなら、どうしてこっち側からできた?どうしてもう一度遺体が現れた?
それと、この胸のモヤモヤはなんなんだ・・・
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「では、授業を始める。今回は古代文字の解読の仕方を教える。」
俺は教室の後ろの隅っこでぷっちんの授業を見ていた。
俺、ここに居る意味あんのかな?
確かに前まではこの三人の情緒が若干不安定だったが、今はなんともない。そろそろと辞め時かもしれん。
席を立ち、教室を出て校長室へ向かった。
コンコンコン
「入りたまえ。」
ガチャ
「失礼します。校長先生。、ちょっといいですか?」
「なんだ、しょうた君じゃないか。どうしたんだね?」
チューリップに水をあげていたのか、ジョウロを手に持って振り返って聞いてきた。
「俺ここに要ります?」
ここに居たってなんも仕事ないし、ぷっちんの手伝いはさせられるし、メリットがない。
「そうだなぁ、あの子達もそろそろ落ち着いてきたから・・・辞めるのかい?」
「えぇ、冒険者として活動したいですし・・・」
俺がこの世界に来てからしたことと言えば学校に行き、魔王軍と戦い、あとはお菓子を作ったり・・・
何この生活?
「というわけで辞めさせてもらえませんか?」
「まぁ、いいだろう。」
「ありがとうございます。」
立ち上がり部屋を出た。
バイトの方もそろそろ辞めないとな・・・
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「いらっしゃ、あ、ご主人様!」
「あれ、しょうた君。学校の方はどうしたんだ?」
定食屋に入ると雪那出迎えてくれた。
「今日で学校の仕事は辞めました。」
「え!?まだ二ヶ月しかやってないですよね?辞めるの早すぎません?」
「そろそろ、冒険家業もいいかなと。」
席に着きメニューを見ながら言った。
「ということは、うちの方もそろそろということかい?」
「心苦しいですけどそうなりますね。」
ここを一人で切り盛りするのはとても大変だろう。
以前なら問題なかったと思うが今は確実に客が増えて、雪那のピークよりはましだが仕事が増えている。
そこを辞めるとなると店長のことが心配だ。
「しょうた君がそんなに気に病むことはないよ。元々はバイトなんだ。好きなときに辞めるといい。」
「あ、ありがとうございます。」
「ところでご主人様、どうして急に冒険者として活動しようと?」
不思議そうに雪那が聞いてきた。
「ん?そうだな・・・一つは犯人探しかな・・・」
そういうと雪那の目が険しくなった。
「犯人って何の犯人ですか?」
「勿論、前の持ち主を手にかけた犯人。」
すると、突然雪那に胸ぐらを掴まれた。
「何考えてるんですか?相手は貴族なんですよ!?それも暗殺出来るだけの権力を持つ!この間のチンピラ貴族とは違うんですよ!?下手したら殺されちゃいます。」
「何でそんなに怒ってるんだよ。意味わからん。」
「私、私はもう大切な人を失いたくないんです!私のためなんかにそんなことしないでください!」
「バカか、お前は俺の半身なんだ。だから俺のためでもあるんだよ。」
「ご、ご主人様・・・」
「でもしょうた君。そんな簡単に見つかるものなのかい?暗殺出来るだけの権力を持っているなら、その事件を握り潰す権力だってあるはずだ。そう簡単には行かないんじゃないのかい?」
話を聞いてた店長が眉間にシワをつくって言った。
「その辺は俺が神器を持ってるていうことを噂で・・・」
「だ、ダメです!そんなことしたら本当に殺されちゃいます。」
涙目で言ってきた。
「分かった・・・いい考えだと思ったんだけどな・・・」
もし暗殺を命じた貴族が神器を集める趣味だったら一発で行ける。
「何がいい考えですか。自分を犠牲にするのは止めてください。」
お前だって私欲の為に自分を犠牲にしてるじゃないか・・・
「何はともあれ無理はしないでくれよ。」
「大丈夫です。この世界でメロンパンを食うまでは死ねません。」
「毎回思うけどめろんぱんってどんなパンなんだい?」
「美味しいパンです。作り方が分からないから今は食べれないけど・・・」
作り方調べとけば良かった・・・
「じゃあ、ご主人様に一生メロンパンを食べさせなければ死にませんね。」
おいおい、怖いこと言うなよな・・・
「それじゃあ、しょうた君はめろんぱんを食べるの禁止だね。」
「食べるに食べれないんですけど・・・」
メロンパンが無いんじゃそんなの意味ないと思うけどな。
「願掛けってやつですね。」
成る程・・・
願掛けしても意味がなかったことが大半なような・・・
あれ?それって俺死んじゃうの?
「俺は願掛けが無くても雪那が居れば死なないからメロンパンがあったら食べる。」
そんな願掛けなんてゴメンだ。
「わ、私さえ居れば・・・ぷ、プロポーズですか!?」
何処でそうなった・・・?
「も、もう、こんな公の場で大胆な・・・」
「プロポーズなんてしてない。クネクネすんな気持ち悪い。」
体をクネらせている雪那に言った。
「ひ、ひどい!?乙女の事を気持ち悪いなんて・・・」
心外だとでも言うような顔をしている。
「はっはっは、痴話喧嘩は他所でやってくれよ。」
「て、店長・・・」
冗談は止めてほしい。
「ち、痴話喧嘩ですって!」
「痛い痛い!叩くな!」
バシバシ雪那に叩かれた。
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「お兄ちゃん、ご飯出来たよ。・・・何してるの?」
どうやら俺を呼びに来たようだ。
「何って裁縫だよ。」
俺はボロっちくなった日本の唯一の品『制服』を修復していた。
「それ、お兄ちゃんの街の服なんだよね。」
俺はここに来る時、登校中だったので制服でこの世界に来た。
格好は半袖カッターシャツだった。
今はほつれた部分を直している。
「はぁ、どこまで女子力高めれば済むのよ・・・」
呆れたように言った。
高めたんじゃない、元から高いんだ。
「しかも、縫い目が人が作ったものじゃないし・・・」
「俺は料理より裁縫の方が得意なんだよ。」
針でチクチク作業をするのが楽しい。
「冒険者より主夫の方が向いてるんじゃないの?」
「うるさい。」
でも確かに家事の技能はそこら辺の主婦に負けない自信はある。
「んー、先食べといてくれる?もう少し掛かると思うし。」
目立たないように縫うのは少々時間が掛かる。
「ほぅ・・・」
「ゆんゆん?」
どうやら俺の手元に見とれてるらしい。
「へ?」
「へ?じゃない。先にご飯食べとけって言ったんだ。」
「う、うん。それはそうと何でその服を直してるの?」
「え、ボロっちくなったから。」
「でも、それ着るのってモンスター狩るときだけだよね・・・?」
俺の制服は可動域が広くとても動きやすい。だからよく狩りに行くときに着る。
「どっか行くの?」
「っ!?ちょっと冒険に。」
流石に隠しきれる自信がない。
「そう・・・気を付けてね。」
「あぁ、ありがとう。」
思いのほかすんなり納得してくれた。まぁ、前に冒険がしたいって言ってたからな。
「必ず帰ってきてね?」
「了解。」
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今は朝の六時半。
「じゃあ、いってきます。」
「しょうた、どのくらいで帰ってくるんだ?」
「分からない。でも、長くて半年ぐらいかな。」
ゆんゆんが卒業するまで帰ってきたい。
短く見積もってゆんゆんが卒業できるのがそのくらいだろう。
「何かあったらすぐに帰ってくるのよ。」
「分かった。」
父さんと母さんに見送られて小さな旅に出た。
俺はテレポート屋に頼み、王都には行かず中堅冒険者が集まる『スプリット』に訪れた。
雪那曰く中堅の街の方が安全でかつ情報が集まりやすいのこと。
俺としては王都で一暴れして犯人に気づかれた方がいいと思ったのだが・・・
『まだ不満なんですか?』
後々考えたら中堅の街で無双してる方が気付かれやすいと思った俺は雪那に気付かれないように渋々承諾したように見せかけた。
雪那の欠点、それは私欲の為に能力使うのにこういった比較的重要なときには使わない。
「いや、そういうわけでは・・・」
全くない。
『ご主人様はもっとご自身を大切にした方がいいですよ。』
「大丈夫だって、前も言ったように雪那が居ればそう簡単に死なないと思うし。」
『あまり私を過信しないでくださいね?でも頼りにされてることは嬉しいですが・・・』
そんなことを話してるうちにこの街のギルドに到着した。
朝だと言うのに中からは活気のある声が聞こえてくる。
ギギギィ
扉を開けた瞬間、熱気のこもった風が体を包み込み、それと同時に料理や酒の匂いが漂った。
ギルド内の人全員がこっちを見た。
多分この服装のせいだろう。
その視線の中を歩き、受け付け窓口に向かった。
『ご主人様、なんか見られてませんか?』
「こんなローブ着てるんだ。目立たない方がおかしい。」
紅魔族のローブはすごく目立つ。動きやすくて便利なんですけどね。
「すみません。ここのギルドに登録してほしいんですが。」
窓口まで来た俺は受付嬢の人に声をかけた。
「登録ですか?冒険者カードはお持ちでしょうか?」
ズボンのポケットからカードを取り出して見せた。
「ちょっとご確認させていただきますね。えっと、ヤマナカショウタさん。・・・え?」
え?なんか問題でもあったのか?小心者の俺にその『え?』は結構来るんですけど・・・
「このステータス、ソードマスターになれるのに何故冒険者なんかに・・・」
文句あるんですか?と思いながらもその意見には反対できない。
普通の人なら迷わずソードマスターを選ぶだろう。しかし俺は、魔法が使いたいというだけの為に冒険者を選んだんだ。そんな疑問を持たれるのは当たり前だ。
「何か不具合でも?」
取り敢えず固まってる受付嬢さんを動かすために聞いてみた。
「あ、いえ、失礼しました。登録料に千エリス必要です。」
財布からお金を出し支払った。
「はい、確かに。これであなたはここでクエストが受けられます。あそこにある掲示板がクエストを張り出している所です。で、そちら側がパーティー募集の掲示板です。」
ギルド内のことは丁寧に教えてくれた。
「では、あなたのご活躍を期待しております。」
決まり文句のように言った受付嬢を後に朝御飯を食べるために席についた。
『あ!ご主人様ズルいです!私も食べたい!』
「お前をここで出したら色々まずいだろ。」
『でも・・・』
「また今度食べさせてやるから我慢しろ。」
『うぅ・・・分かりました。』
食べるものを決めて注文し、待っていたら、
「隣いいかな?」
二十代前半くらいの男が話しかけてきた。
「別いいですけど・・・」
他の席も空いているのに相席をするって・・・
「君は何処から来たんだい?」
「えっと、紅魔の里です。」
「こ、紅魔の里だって!?じゃあ、君は紅魔族なのかい?」
「形式上そうなってますけど紅魔族の血は流れて無いんで魔力は平均値ですよ?」
「え?そうなのかい?じゃあ、あの受付嬢さんが驚いてたのは・・・」
「はい、カエルの唐揚げ定食です。」
話していたら料理が来た。
それを一口食べ、
「俺の冒険者カード見ます?説明するの面倒なので。」
カードをその男の人に差し出した。
「それじゃあ、失礼して・・・へ?」
カードをみるやいなやぽかーんと口を開けていた。
「それが驚いてた理由です。」
ここのカエル味濃い・・・
「どうしてこのステータスを持っているのに冒険者なんか・・・」
「魔法が使いたかったんですよね。」
「そ、それだけの理由で最弱職に・・・?」
「お陰さまで上級魔法が使えるようになりました。」
「じょ、上級魔法!?」
どうやら上級魔法は取得するのが難しいらしい。
「君、うちのパーティーに来ないか?ちょうど魔法が使える人を探してたんだよ。」
「誘ってくれたのは嬉しいんですけど、最初の方はソロでやろうと思いますので・・・」
「そ、そうかい。パーティーを組みたくなったらいつでも言ってくれ。」
そう言って男の人は去っていった。
『良かったんですか?かなり腕が立ちそうでしたけど・・・』
「そうだけど・・・まずは今の俺の限界を知ってからだ。」
ご飯を食べ終わり、立ち上がり手頃なクエストを探しに行った。
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「あぁあ、囲まれた。」
『何やってるんですかご主人様。遊びすぎです。』
現在俺は初心者殺し二体に囲まれている。
知能が高いと聞いていたけどここまでとは思わなかったな。
交代で攻撃してきたと思ったら誘導されて、気が付けば挟み撃ちの状態に・・・
「下手しなくても雪那よりは賢いな。」
『な、何ですか!言い返せないのが辛いです!』
言い返せないんかい。
さて、このにらめっこ状態をどうにかしないと。
下手に動けば喉元に食らいつかれるな・・・
襲ってくるなら同時に襲ってくるはず、こいつらは思ったより俊敏だから避けるのは難しい。
となると『バーストモード』か・・・
タイミングはほんの数コンマ、やるしかないか。
一歩前に足を出した瞬間、二匹同時に飛びかかってきた。
まだだ。まだ間合いが遠い。もう少し引き寄せて・・・今だ!
「『バーストモード』!」
後数センチの所で発動させ初心者殺しの後ろに回った。
「『零氷斬』!」
この技はスキルでも何でもない。ただ『カースド・クリスタルプリズン』を『雪那』に纏わせてるだけだ。
しかし、こうすることによって魔力増強+雪那の切れ味が格段に上がる。
その出来事は一瞬だった。
俺に飛び掛かってきた初心者殺し二体が向かい合わせになったまま一刀両断された。
ドサッ
「ふぅ、安らかに眠ってくれ。」
俺は初心者殺しの目を閉じさせた。
『ご主人様、舐めプはダメですよ。』
「別に舐めプした訳じゃないただ予想外だったd・・・」
『舐めプだったら私にしてください!あ、舐めプってそういう舐めプじゃないですよ?物理的に舐め・・・』
「黙れ変態不良品。」
『へ、変態は自覚してますけど不良品ではありません!』
変態は自覚してんのな。
『それより、これでクエスト完了ですね。』
「こんな街の近くに住み着かなかったよかったのにな・・・」
この初心者殺し二体はつがいらしく最近この辺りに住み着いたらしい。ギルド曰く繁殖期がどうのこうのって言った。食料が必要なのは分かるがわざわざ危険な街の近くに来るなんて。
「モンスターも生きるの大変だな。」
『何言ってるんですか。ほら、早く報酬を貰いにいきましょうよ。』
「はいはい。」
雪那に急かされ街へ戻っていった。
はいはい、ねこたつむりですよ。
主人公が小さな旅に出ましたね・・・もちろんこんなの予定にありませんでした。
予定外のことが連続しているので元の路線が見えてこなくなってきた。
では、今回も読んでくださってありがとうございます。
次回も読んでくださるとありがたいです。
前回と前々回が長かったから今回凄く短く感じる。