「できたぁ~!」
『東雲研究所』と書かれた家から声がした。
「な~の~!さ~か~も~と~!来て~」
「はかせ、どうしたんですか?」
「ガキ、昼寝の途中で呼ぶな!」
東雲なのと猫の坂本がはかせの部屋へやってきた。
「ジャ~ン♪『ビスケット君3号』です」
「ビスケット君3号です!」
はかせは、嬉しそうに紹介した。
「ああ、またですか」
なのは、興味無さそうに言った。
(『また』ってね…。まあ、僕はビスケット君2号をはかせが改造してできたからなぁ…)
「ビスケット君3号は、1号と2号とは違うの~!」
はかせは、猛アピールした。
「ビスケット君3号の特技は、野菜の早切りです!どうぞ!」
「了解です!台所をお借りします」
ビスケット君3号は、台所へ向かった。
はかせ、なの、坂本は、あとを追った。
タタタタタ…
「できました!」
こんもりとキャベツのみじん切りができていた。
「…」
なのは、黙り込んだ。
「反応、薄っ!てか、前と同じ展開・・・」
「なの、なんで、なんで、驚いてくれないの!」
「だって、早切りぐらいなら私にもできますから」
「でも、いつもゆっくりだよ!?できるなら、なんでのそのそやってんの!?」
「だって、そうした方が人間らしいじゃないですか~。あれ、前も同じこと言いませんでしたっけ?」
「確かに娘は言ってたぞ~」
はかせは、少し泣きそうになりながら言った。
「じゃあ、なのはこれができるの!?」
ビスケット君3号は、氷柱とスイカを取り出して、それらを素早く削った。
数分後・・・
「わぁー!すっすごいですね!ねぇ、坂本さん」
坂本の耳がピクッと動いた。
「そ、そうだな」
二人が見たのは、氷でできたサメの像とスイカでできた睡蓮の花だった。
「ねぇ、すごい?」
「はい、すごいです!パーティーの時にお願いしたいくらいです♪」
「えへへ~(^ー^)」
ビスケット君3号は、坂本に目をやった。
「疲れてるようですね。坂本さん、マッサージしてあげます」
ゆっくりと近づいていった。
「くっくるな!何されるかわからないからな!」
「えへへ~、大丈夫だよ」
そうしている間に坂本は、ビスケット君3号に掴まれた。
「じっとしててくださいね」
手を伸ばしていった。
「ぎゃーっ」
坂本は、思わず目をつむったが…
「気持ちい~い」
坂本は、ニタ~っとした。
「ね~、言ったでしょ~」
はかせとなのは、どさくさに紛れて、肉球を触っていた。
「おい、ガキっ!娘っ!どさくさに紛れるな!」
東雲家は、今日も平和であった。