日常   作:アリス・リリス

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第九カフェ×ゆっこ パートⅡ

この前、第九カフェに行ったとき、大失敗した。

だから、もう行くのをやめようかと思ってたけど、勉強し直して行ってみることにした。

 

「ご注文は…」

 

「えーと…、じゃあ、ココアの、ショートで」

 

「ココアのスモールでよろしいでしょうか?」

 

(えええー!こ、この間は『ショート』だったのにー!なんでー!)

足元がふらふらしてきた。

 

「それで…いいです」

 

「…ホットにしますか?アイスにしますか?」

 

「ホットで!」

 

「ホットになりますと、ハァ…ハァ…、ソロとスウィートがありますけれど…」

 

(『ドッピオ』なくなってるー!てか、『スウィート』ってなに?『酢eat(スウィート)』?お酢を食べるの~?それじゃ、ココアじゃないよ~)

 

ぐるぐる目が回っていた。

すると、『本日のおすすめ』の文字が目に入った。

 

活路を見いだしたようだった。

 

「あ…、ほ…本日のおすすめにしようと思ってたんだ…アハハ…ごめん、ごめん…忘れてた…」

 

すると、デジャブを感じた。

 

「あのー、スゥーハァー、スゥーハァー、『本日のおすすめ』は、ホットココアになっておりますが…」

 

 

(ぎゃーっ、デジャブ!)

 

「それでいいです!」

 

「ですから、ホットココアになりますと、…ソロとスウィートがございますが…」

 

…ソロとスウィートが…

…ソロとスウィートが…

…ソロとスウィートが…

…ソロとスウィートがございますが…

 

(もうどうしたらいいのー!)

 

もうヘトヘトだった。

 

「そ…そこらへん、取り繕ってください…」

「は、はい!」

 

 

(また、同じ失敗しちゃったよ…。トホホ…)

窓際の席に座り、ぼんやり外を眺めていた。

 

「お待たせいたしました~、ホットココア・スモールです~」

 

店員がカップを置いて、札を取っていった。

その店員は、あの時の男性と同じだった。

 

(デジャブ続きだなぁ…)

 

デジャブとは違ったのは、カップの大きさが極小ではなかったことだった。

 

飲んでみた。

 

「甘っ!甘すぎる!」

 

あの時のコーヒー以上にショックが大きかった。

(涙が出るよぅ…)

 

なんとか激甘ココアを飲み干して、店を出た。

 

(みおちゃんに言ったら、笑われるかな…)

 

外に出ると、雨が降ってきた。

 

(第九カフェが…トラウマだよ…)

 

傘をささず、歩き始めた。

(これからは…ココアも…自動販売機でいいや…)

 

 

☆後日談☆

 

次の日、ゆっこは風邪で学校休みました。

ゆっこは、バカだなぁ…

by みお

 

ゆっこは、天才だよ。

…バカは、風邪引かないって言うでしょ…?

by まい

 

相生(あいおい)さん、甘いものを取りすぎると、体に悪いですよ。

by なの

 

はかせもココアのみたい!

by はかせ

 

ばっかなやつだなぁ…。

by 坂本


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