EPⅠ「Im a KamenRider!!(導入編)」
Side秦
『「落紳士:その娘のトゥルー√を目指すならこの選択肢とこの選択肢を…そして主人公のパラメーターはこれとこれを…」』
『「名無しを名乗る者:では…おお!見事にトゥルー√へと到達出来ました!
本当にありがとうございます!いよっ!流っ石落紳士さんいや、様!」』
今俺はネットの掲示板で発売されてまだそんなに日が経っていない新作ギャルゲー「ドッキトッキラブメモリーズⅡ」の個別√攻略法を他のプレイヤーに教えていた。
「コラー!仕事をサボって一体何してるんですか?!」
「ゲッ!?おば…」
「ン~?!」
ベテラン看護師の羽柴さんに睨まれたのですぐに訂正する。
「じゃなかった羽柴おねえさん…いやこれはですね…」
「全くイイ歳してゲームなんぞにハマっているんじゃないわよ!…」
すまない流石に年増過ぎるのは範囲外(ガーターゾーン)なんだ…。
そう思ってうっかり口を滑らせそうになったがなんとか堪える。
「もう一人の新人研修医も仕事をほとんどサボってゲームしているし本当にどうなっているのかしらこの病院は…」
ほんとすみません…ってン?俺の他にも重度のゲーマーが居たなんて話は初耳だ。
後で個人的に会いに行ってみるかな。
さてと仕事だ仕事!
意気込んで取り掛かったのはいいが…
「おらっ!」
「ぶぼお!?」
ただいま中学男児患者に思い切りイイ蹴りをもらいました。
どうやら俺は彼に嫌われているようで…これだから同性相手は嫌なんだけどな…。
「コラ健司!ったく本当にすみませんね先生…」
「いや別に良いですよ。慣れていますし…」
母親の謝罪に顔を引き攣らせた表情でそう返す。
「とにかく私が連れ戻してきますので御母さんは此処で待っていてもらえますか?」
「ええ…」
すぐに飛び出した診察室を飛び出して行ってしまった健司君を探しに俺は急いで出て行った。
少し先で彼を見つけ呼び止める。
「素音原 健司君だったっけ?」
「フン!…先生か。
アンタみたいなイイ加減な医者に俺の病気が治せるもんかよ…」
「健司君…」
どうやら俺についての話はかなりの悪い形で広がっている様だった。
「ン?…そのラバーストラップは先日販売開始された「ドットラメモ」一番クジの由河姫奈の…」
「!?…」
俺がラバストの存在に気付くと彼はバッと顔を赤くしながら隠してしまう。
「わ、悪ィかよ?!俺がこんな物持っていたら…」
「嫌、そうじゃないよ。
俺だってドットラメモシリーズのヒロイン達が好きだしね!
しかし健司君は姫奈ちゃん推しか。
もしかして現実に凄く似ている子がいたりするのかい?」
「!?…///~」
どうやら図星の様だ。
「何故分かった!?…」
「嫌々、そんなにこれ見よがしにあちら此方にあまり隠しきれていない姫奈関連のグッズがあれば大体の予想は出来るよ。
特に俺の様なギャルゲーマーであれば尚更ね。
まあ…まさか現実に似ている子がいるとまでは流石に俺も合っているとは思わなかったけどな」
「…」
俺の話を真剣な眼差しで聞いてくれる健司君は何か言いたそうにしていた。
「俺さ…もしこの病気が治ったらアイツに…姫菜に告白しようと思っているんだ!
まあゲームみたいに上手くいくなんて事は微塵も思っちゃいないけどさ…」
驚いたまさか名前まで似ているとは。
「まあとにかく頑張れ!この俺、落紳士が応援しているぜ!」
「!その名前って…ウグッ!?…」
「健司君!?
一体何が!?…彼の病は只の喘息だった筈!…」
健司君が決意表明した途端彼は苦しみだして倒れてしまった。
俺は慌てて病棟に彼を担ぎこもうとすると目の前には俺にとって驚くべき人が現れた。
「あ、灯莉!?…」
そんな馬鹿な!?…彼女は五年前に俺のミスで…
「!!…遅かった…もう既に奴等が活動を再開し始めたのね…」
奴等?…灯莉に凄く似た女性看護師は健司君に聴診器を当てそう言った。
「えっと君は?…」
「今日から此処に所属する事になった新人看護師の陽向 遊羽です。
この患者はもう未知の「バグスターウィルス」に感染してしまっている!
早い所天才ゲーマー「落紳士」を探し出して仮面ライダーになって貰わないと!…
貴方も手伝って下さい!」
「何!?それは…」
話を聞こうとする前に俺は陽向さんに手を惹かれ健司君を病棟に運び出す手伝いをするのだった。
「何処までいくんだ?…」
「地下の電脳救命センター通称「CR」にですよ。
そこでないとこの患者さんの様な「ゲーム病」に感染した人達の詳しい診断が出来ませんので」
「げ、ゲーム病だと!?…この子は喘息を患っていた筈だ!」
今迄聞いた事の無い病名に俺は首を傾げる。
「ゲーム病はストレスの増加によって増殖するバグスターウィルスによって発症してしまうんです!
恐らく今回は喘息も相まってこの患者さんのストレスがピークに達してしまった事で発症が早まってしまったんでしょう…」
「…その病は治療法はあるのか?…」
「…唯一の治療法はこのライダーガシャットとゲーマドライバーを使って仮面ライダーへと変身しバグスターと患者さんを切り離す手術を施さねばなりません!
ですが…コレに適応可能な者は極僅か…」
陽向さんが見せてきたのはなんとドットメモⅢのゲームカセットを模した物と結構の大きさのあるバックルだった。
そうか、だから落紳士を…この俺を探していたのか。
そうこう話をしている内に地下へと到着する。
「おお!遊羽くんもようやく来てくれたか!待っていたよ!」
「か、鏡先生!?…」
この病院の院長を務めている灰馬先生が現れ陽向さんを歓迎していた。
「ン?貴宮くん何故君が?」
「あ…」
気まずい…。
「何故部外者がCRに居るのかね?
明日那くんといい君といい…」
「彼にはゲーム病患者さんの搬送を手伝ってもらってたまでですが?」
何やら灰馬先生がぼやいていた。
もしかして健司君の他にもこの病気を発症してしまった患者がいるというのか?…
「此処まで患者さんの搬送の手伝いありがとうございました。
後は我々CRが処置を施しますので」
「いえ、私にもどうか此処に残らせて下さい陽向さん!
私は彼の担当医でもあるので」
「…別に構いませんが…貴方にやれる事は無いと思いますよ?」
「…」
陽向さんがそう言ってきたので俺は内心カチンとくるが抑える。
「今の所患者の病状は発症初期段階の様ですね…バグスターが完全体になってしまう前に早く彼を探し当てないと!…」
そう言って陽向さんはCRの病室から出て行った。
「健司君…」
俺は病床に伏せた健司君の様子を見て何故もっと早期に気が付けなかったのだと激しく後悔していた。
「う…うーん…此処は?…」
しばらく経って健司君は目を覚ました。
「健司君!目を覚ましたんだね!
此処は特別病棟だよ…ってあ…」
「と、特別病棟?…」
しまった…今本当の事を彼に言ってしまったら…
「俺は只の喘息の筈なんじゃ…」
「…」
仕方無い…ここはもう本当の事を彼に告げるしかない…。
「健司君良く聞いてくれ実は…」
俺は観念して彼にゲーム病を発症してしまった事を告げた。
「なんだよソレ!?…」
「本当の事なんだ…」
発症の事実を告げた瞬間彼の表情は険しくなっていく。
「なあ、先生!本当に俺助かるんだよな?…なあ?!」
そう言いながら彼は必死な顔で項垂れていた。
そんな彼の様子を見て俺も泣きそうになり堪えていた。
「大丈夫だ!…きっと嫌、絶対に君を助けてみせる!…」
「先生!…ウッ!?…」
「け、健司君!?…これは一体!?…」
健司君をなんとか落ち着かせたかにみえたその瞬間、彼は再び苦しみ出してしまう。
「うああああああー!?……」
健司君が叫び声を上げたかと思うと彼の体中から異形というべきモノが溢れ出てきて彼を完全に飲み込んでしまった。
「なっ!?…コレがバグスターウィルスなのか?!」
「ウルオオー!」
「ガッ!?…ま、待ってくれ!…クッ!?…」
俺は現れた異形バグスターに吹き飛ばされバグスターは健司君を飲み込んだまま姿を消していくのを見ている事しか出来なかった。
同時に同じ様な現象が他でも起きていた。
永夢の最初の仮面ライダーエグゼイドとしての患者は小学生男児でしたが此方はギャルゲーというジャンルである以上中学生以上です。
男性患者は最初限りの予定ではありますが。
次回、ゲーム病を発症した患者、健司を救う為秦は遊羽の静止を振り切り仮面ライダーへと変身する決意をする。
「駄目!それは素人が扱えるゲームじゃないの!」
【ドッキトッキラブメモリーズⅡ!】
「…なんだ?このご当地ゆっるゆるなキャラみたいな格好は…まあ良いぜ。
俺が君の心の闇(バッドエンドフラグ)…トゥルーエンドへと変えてやるぜ!」
「へえ…アイツ結構やるみたいだな」
そして同時に動き出すドクターライダー達は…
「Im a KamenRider!!(本編)」