Side龍哉
「遅かった!?…」
灰馬先生が僕と飛彩二人に今回の患者さんを任せた理由…それはもう一人付き添いで来ていた奥さんの方もゲーム病に感染している疑いがあったからだ。
確かにあの時まではバグスターウィルスが彼女の体の奥深くに潜伏していただけで発症はしていなかった。
そのせいで診断をスルーしてしまい、元々の患者さんである夫が完全に発症してしまった事で彼女も発症してしまったのだ。
「急がなきゃ!変身!」
『デュエロモンスター!♪~』
僕はガシャットを起動しながら現場へと足を踏み入れた。
Side秦
「これは非常に不味いな…」
「そうだね…」
「飛彩の奴は全く使い物にならない状態だしな…」
元々俺の変身するラヴァードのベースゲームは攻撃力が低いといっても過言ではない恋愛ゲームだ。
エグゼイドの方もアランブラの相手をするのに手間取っていて新たに出現したバグスターには対応出来ないでいた。
ブレイブはというと超素人プレイを未だに貫こうとしているせいで全く使い物にはならない。
「来ないならこっちからいくぜえ!
俺っちのターン!」
「「!?」」
バグスターが高らかにそう宣言したと同時に突如、何処からともなく縦状の物体が降ってきた。
まるであの物体はカードの様な…って事は不味い!?
「ふむ…これは素晴らしい引きだ!
この力で貴様等を叩きのめしてくれるわ!」
「エグゼイド、今の奴にはあまり近付くな!」
「え?…うわ!?」
「シャー!」
エグゼイドがチャンスと思ったのか奴の懐に飛び込もうとしたがその攻撃は奴が手に取った物体から出現した蛇に阻まれた。
『シャー!』
「成程…奴の能力の正体が分かったぞ!」
「ええ、たった今俺にも分かりましたよ」
流石は天才ゲーマーM、彼にもすぐに思い当たるゲームがあった。
「ああ、奴のベースゲームは間違い無く…」
『デュエロモンスター!♪~』
「そうそう!ってえ?…」
奴の正体を言い当てようとしたその時、何処からか別のライダーガシャットの電子音声が鳴り響いてきたのだ。
その先に現れたのは龍哉だった。
「龍哉!?それにそのゲームは…」
「ゴメン遅くなった!
秦、話は後にしてソイツの相手は僕に任せて!変身!」
『レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!?アイムアカメンライダー!』
「僕は仮面ライダーディスカ」
LV1音声の後に青いスカウターを左目に付けた水色の仮面ライダーに龍哉は変身していた。
Side龍哉
「飛彩の奴はやっぱり一人で突っ走っちゃってたか…その前にアイツを倒さないとな!」
「LV1のお前に俺っちと俺っちの下僕が負けるとでも?」
「お生憎様だが此方とらダゾグ、アンタのタクティクスは十二分に把握している」
デュエロモンスター、それは様々な種類のカードを駆使して戦うARTカードゲームだ。
バグスターは人に憑りつき悪さをするというモンスター、ダゾグのデータをスキャンしたらしい。
『ガシャコンディスク』
「カードは剣、力、知恵。
さあ、僕のタクティクス…いやオペティクスを構築しよう!僕のターン、ドロー!」
プレイマット型の武器を取り出し勢い良くそこからもう一つの力を抜き出す。
「よし!…まずはコレだ!
僕はコイツを場に出す!
炎塊の妖精(フレイマーフェアリー)!
そしてこのまま攻撃だ、いけ!【ファンタジックフレイム】!」
『ボー!』
僕は小さな炎の塊の妖精を召喚し、火球でダゾグの爪型武器を持つ蛇型モンスター「グレイズスネーカー」へと攻撃を加え倒す。
「ぬお!?中々やるな!だが…俺っちのネクストターン!
ふははは!これは又又素晴らしい引きだ!発動、『サルベージ』!
再び俺っちの下僕として蘇れ!」
「!」
先程倒したグレイズスネーカーが復活する。
「更にコイツも発動してやる!『BD(バグデータ)ウェポン』!
更に更にィー!進化!グレイズスネーカーよ更なる力を持って現れ出でよ!
グレイズソードスネーカー!」
「ムッ!?…」
『シャギャー!』
モンスターを進化させ、更に僕の知らないカード…恐らくバグスター化に伴い創造されたか!
「いけえい!グレイズソードスネーカーよ!奴のモンスターを粉砕しろ!」
「ぐう!?…」
進化したスネーカーの攻撃によって炎の妖精は跡形も無く吹き飛ばされてしまった。
だが…
「ふはっはは!見たか俺っちの新コンボを!」
「言っただろう…僕はお前のタクティクスを全て把握済だと!」
所詮は一段階コンボが増えただけに過ぎない。
「だがそうだとしても俺っちの進化しバグデータによって更なる力を得たスネーカーをどうこう出来るとでも?」
「ああ、可能さ!タクティカルLV2!」
僕はゲーマドライバーのレバーを引きLVUPシーケンスに入った。
『ガッチャーン!レベルアップ!相・棒シンクロ~!テ・ク・ニ・カ・ルパワー~!デュエロモンスター!♪~』
「さあ、オペティクスを再開しよう。
最もこのターンが僕のラストターンだ!」
「なんだと!?」
「その前に…」
僕は一旦背を向けて走り出した。
「まさか!?」
「そのまさかさ!」
『幸運』!
そう、僕はエナジーアイテムを取り次のドローを揺るぎないものにしたのだ。
「テメエ!…」
「運命に囚われているお前とは違う!
僕は己の手で運命を変えてやる!ドロー!
我の下へと現れよ!僕のエースモンスター、フレイムフォーシングフェアリー!」
「なっ!?そんな馬鹿な!
伝説の七聖妖精王の内の一体だと!?」
「更にフレイムフォーシングフェアリーに『ⅦスターWF(ダブルフレイム)』を装備!
その強大なる巴の炎の輝きで邪悪なる者を焼き払え!【フォーシングⅦスダブルフレイム】!」
『ハアッ!』
『シャギャアアァー!?…』
「しまった!?我が下僕が!?…」
「勝敗は決した!ダゾグ、コイツでオペティカルフィナーレだ!
プレイヤースキル、シンクロウェポン発動!」
僕はプレイヤーが使用可能なモンスターと同化するスキルを使用しガシャコンディスクにフレイムフォーシングフェアリーを同化させ、更にドライバーからガシャットを抜き装填した。
『ガシャット!キメワザ!DUELROMONSTAR!CRITICALFINISH!』
「【フレイムフォーシングⅦス…ライダースラッシュ】!ダゾグへダイレクトアタック!」
「ぐわああああー!?この俺っちがあああ~!?……」
『GAMECLEAR!』
炎を纏ったガシャコンディスクの先端ブレードでダゾグを若干のオーバーキルした事で勝敗が決しゲームクリアとなった。
「飛彩…どうやら僕が心配するまでもなかったようだね」
『タドルメグル、タドルメグル、タドルクエスト~♪』
一方、ようやく我に戻った飛彩は伝説の剣を手にし宝箱から取ったエナジーアイテムを手探りで使いながらエグゼイドとラヴァードの協力によってアランブラを見事撃破していた。
次回、「テメエ等のガシャットを全て寄越せ!」
「「はあ!?」」
突如現れ強襲するもう一人のライダー。
「我の天使力の前に恐れ慄くが良い~!」
「…お前は一体何をやっているんだ?…」
そんな秦達のピンチを救ったのは彼にも予想外の者であった。
「BANしたアイツとTENSHIがやってくる 前編」