航空傭兵の異世界無双物語(更新停止中)   作:弐式水戦

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第104話~パーティー終了!~

どうもどうも。ガルム隊1番機、TACネーム"サイファー"こと、古代神影です。

 

さてさて、クルゼレイ皇国から帰ってきてから始まった、俺の恋人追加を祝うパーティー。

其処でラリーが姫さんを連れてきたり、何か知らんが置かれてあったフラメンコギターで、俺がエスコンの"ZERO"を演奏したり、ラリーが魔法で一発芸を披露したり、何故か俺とラリーで模擬戦やる事になって、ルージュ付近の平野を荒れ地にしたりと、兎に角大盛り上がりを見せたパーティーだが、やはり1日中こうして騒ぎまくる訳にはいかず、今は後片付けの真っ最中だ。

 

「えへへ…………今日のパーティー凄かったですね、ミカゲ様!」

「ああ、そうだな」

 

壁に掛けられた横断幕を外しながら、俺と姫さんはそんな会話を交わす。

このやり取りで多くの方が察してくれたと思うが、この後片付けには姫さんも参加している。

俺達が片付け始めると、『私も手伝います!』とか言って乱入してきたのだ。

俺やラリーは勿論、普段は誰でも平等に接するルージュの人達も、流石にコレには難色を示していたが、姫さんの強い要望に押し切られ、参加を許している。

 

「だが姫さんよ、本当に良いのか?」

「はい。こう言うのは皆でやるのが楽しいんですから!」

 

ニパッと笑みを浮かべて、姫さんはそう言った。

「パーティーの本番は勿論楽しいですけど、こうして皆さんと後片付けをするのも、また違った楽しさがあるんです!」

 

外して畳んだ横断幕を抱えて、姫さんは続けた。

 

「…………そうか」

 

そう返し、俺はギルド内を見渡す。

このパーティーに参加した人達が忙しなく歩き回り、床を掃除したり、テーブルの上にある食器を運んだりしている。

ゾーイやアドリア達ガルム隊女性メンバーやアルディアの3人、はたまたエスリアも、装飾を外したり、床を掃除したりしている。

 

「ねえ、エミリアちゃん!ちょっと手伝ってくれない!?」

「あっ、はい!今行きます!」

 

そう言って姫さんは、声を掛けてきた女性冒険者の方へと走っていった。

 

「姫さん、楽しそうだね」

 

其処へ、隣にやって来たラリーが声を掛けてきた。

「そうだな…………それにしても、まさか後片付けまで一緒にやりたがるとは思わなかったぜ」

 

そう言って、俺は女性冒険者とゴミ袋を運んでいる姫さんに視線を向ける。

ヨタヨタ歩く姫さんだが、本当に楽しそうだ。

 

「まあ、こんなドンチャン騒ぎや後片付けは、普通の上流階級の人間は先ずしないからね。姫さんにとっては、貴重な経験なんだよ」

 

ラリーの言葉に、俺は頷いた。

ずっと城で暮らしていた姫さんにとって、今回のは何れもコレも、"新しい経験"だったのだ。

「姫さん、城に帰ったら女王陛下達に自慢すると思うよ?」

「だろうな。少なくともこんなドンチャン騒ぎ、貴族とか王族とかの連中は先ず体験出来ねぇだろうし」

「おーい、其所の2人!サボってないで此方手伝ってくれ!」

ラリーと話していると、オッチャンからのお呼びが掛かった。

 

「んじゃ、行くか」

「うん」

 

そうして俺達は、オッチャンの方へと歩き出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、そんなこんなで後片付けが終わる頃には、もう日が傾き始めていた。

時計を見ると、針は午後5時を指している。

 

「ところで姫さん、今日はどうするんだ?せっかく来たんだから、泊まっていくか?」

 

そう訊ねると、姫さんは首を横に振った。

 

「いいえ、このまま帰ります」

 

そう答えた姫さんに、俺は目を丸くした。

今まで、兎に角俺に甘えたがった姫さんだから、てっきり泊まりたがると思ってたんだが…………

 

「実は、姫さんを連れ出す許可を女王陛下に貰った時に、『泊まるのは駄目』って条件を付けられてるんだよ」

 

ラリーが答えた。

 

恐らくコレは、姫さんを心配しての条件だろう。

何だかんだ言っても、彼女はクルゼレイ皇国の王女。次期女王になるんだから、女王陛下としても、色々思うところがあったんだろう。

 

「まあ、そんな訳で、ちょっと姫さんを送り届けてくるよ」

 

そう言って、ラリーは姫さんを手招きした。

 

「またね、エミリアちゃん!」

「また何時でも来いよ!一緒に騒ごうぜ!」

「……………はいっ!」

 

ルージュの人達に返事を返し、姫さんはラリーに近寄る……………かと思いきや、素通りして俺の方へとやって来た。

 

「ミカゲ様…………」

 

潤んだ瞳で、姫さんは俺を見上げる。

彼女が何を求めているのかは、この時点で分かっている。

 

「あいよ、姫さん」

 

そう言って、俺は姫さんにキスを贈る。

 

「「んっ………ちゅ……んんっ、んふ……ぷぁっ」」

 

長くも短くも感じられたキスを終えて、俺達は唇を離す。

 

「それじゃあ姫さん。また1週間後に、城で会おう」

 

俺はそう言うが、姫さんからの返事は返されない。

 

「むぅ…………」

 

それどころか頬を膨らませて、何やら不機嫌なご様子。

アルェー?なんでさ?俺、何か気に障るような事でも言ったか…………?

 

「ミカゲ様。"姫さん"じゃなくて、ちゃんと"エミリア"って呼んでください。せっかく恋人になったのに、何か他人行儀みたいで嫌です」

「……………ああ、そう言う事か」

 

どうやら姫さんは、俺の呼び方が気に入らなかったようだ。

 

「じゃあ、改めて…………ゴホンッ!」

 

咳払いを1つしてから、姫さんに向き直る。

 

「また城でな……………エミリア」

「はいっ!」

 

満足そうに言うと、姫さん改めエミリアはラリーの方へと戻り、ルージュの人達に向き直った。

 

「それでは皆様、本日は貴重な体験をさせていただき、誠にありがとうございました」

 

そう言って深々と頭を下げるエミリア。

単純な動きなのに、普段のお転婆な雰囲気は引っ込み、王女としての貫禄が感じられた。

 

「また機会があれば、我が国にお越しください。一同で歓迎致します。それでは、ごきげんよう」

 

エミリアがそう言うと、タイミングを合わせたかのようにラリーが転移魔法を使い、2人の姿が消えた。

 

「………行っちゃったわね」

 

先程まで2人が立っていた所を見つめていると、ソブリナが話し掛けてきた。

 

「ああ、そうだな………」

 

俺はそう答え、天井を見上げた。

 

「エミリア、パーティーの最中はずっと大はしゃぎしてたわよね……………何時も、あんな感じなの?」

「"何時も"と言うか、何と言うか……………俺と居る時は、大抵あんな感じだな」

「成る程ね…………」

 

そう言って、ソブリナは意味深な笑みを向けてきた。

 

「な、何だよ?」

「いえ、別に。ミカゲが本当にモテる男なんだと言う事を改めて実感しただけよ」

「何だそりゃ?」

 

クスクス笑いながら言うソブリナに、俺はそう言った。

 

「エミリア、今頃何してるのかしらね?」

「女王陛下にパーティーの事を話してるんじゃねぇのな?」

俺はそう言った。

ついでに言うと、その際にラリーがクレアさんに絡まれてそうだな。

あの人はラリーに好意を抱いてるから、彼奴を見つけたら直ぐにアプローチを掛けているだろう。

 

「ねえ、ミカゲ」

 

なんて考えていると、ソブリナが俺の頬に手を添えて振り向かせる。

そして、目を瞑って唇を近づけてきた。

「何だソブリナ、エミリアに嫉妬でもしたのか?」

 

からかうようにそう言うと、ソブリナが目を開けてジト目を向けてきた。

 

「だって、貴方の恋人はエミリアだけじゃないのよ?こう言うのは恋人全員、平等に与えられるべきなの……………貴方も分かってるでしょう?」

「ああ、勿論だ」

 

そう言ってソブリナとキスを交わすと、残りの5人も呼び寄せてキスを交わした。

その際ルージュの人達や、クルゼレイ皇国から戻ってきたラリーに見られ、盛大に冷やかされたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあっ……はあっ…………や、やっと、着いた………!」

 

その頃、ルージュの門の前には1人の少女が居た。

美しい銀髪に透き通った紫色の瞳。そして、其処らのグラビアアイドル顔負けのプロポーションを誇る美少女、白銀奏だった。

 

「この、町に………古代君が…………!」

 

荒い呼吸によって、その豊満な胸がユサユサと揺れるのも気にせず、奏はそう呟いた。

 

魔人族の襲撃によって窮地に追い込まれた、勇者と騎士団一行。

その状況を打破するため、神影達ガルム隊に救援要請をする事に踏み切り、彼等が居ると言うルージュを目指して走ること数時間、漸く、彼女は町に到着したのだ。

 

「急が、ないと………皆が…………ゴホッゴホッ!」

 

無休で走ってきたために、体の内部に多大な負荷を掛けていたのか、盛大に咳き込む彼女は血を吐く。

だが、此処で立ち止まっている事は出来ない。

彼女の任務は、未だ果たされていないのだ。

ボロボロの体に鞭を打ち、ヨロヨロと歩き出した彼女は、門を潜ろうとする。

 

「ん?………おい、其所の者。止まれ」

 

すると、彼女に気づいた門番が、持っていた槍で彼女の行く手を塞いだ。

 

「通る前に、ステータスプレートを見せ…………?おい、大丈夫か?」

 

ステータスプレートの開示を要求しようとした門番だが、奏の様子が、普通の通行人にしてはおかしい事に気づく。

 

「……こ、だ………に………せて……」

「…………?すまん、何て言った?」

 

聞き取れなかった門番が聞き返す。

「…………!ゲホッ!ゴホッ!」

「ッ!?お、おい!」

 

それに答えようとするものの、再び咳き込んで血を吐く奏に、その門番は目を見開いた。

 

「おい、しっかりしろ!直ぐ回復師を呼んできてやるから!」

「……ッ!ま、待って!」

 

今にも倒れそうな奏を支えながらそう言うと、門番は回復師を探しに行こうとするが、奏は、彼の腕を掴んで止め、嗄れた声で叫んだ。

 

「回復師は要らない!それより古代君の所に連れていって!早く!!」

「…………わ、分かった」

 

"古代君"と言う人物が、あの黒髪に金色の瞳を持つ男だと悟った門番は、彼女の肩を支えながら、彼が居るであろうギルドに向かって歩き出した。

 

 

「(待っててね、皆……………もう少し、もう少しだから…………だからお願い、今は耐えて……どうか………死なないで……!)」

門番に支えられながら、奏は王都前に残してきたクラスメイトの事を思うのであった。

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