航空傭兵の異世界無双物語(更新停止中)   作:弐式水戦

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第108話~ガルム隊、交戦!~

どうもどうも。久し振り(?)に俺視点で語らせていただきます、古代神影でございます。

さてさて、ラリー達を一旦ルージュ上空で待機させ、一足先に王都にやって来たのだが……………

 

「(こりゃまた、酷くやられたなぁ……………)」

 

目下で広がる惨状に、俺は内心そう呟いた。

魔物の死体や魔物の体の一部が其処ら中に散乱しており、血溜まりも出来ている。

まあ、コレについては良しとしよう。だが、問題は次だ。

地面に倒れ伏してるヒューマン族側の奴が、あまりにも多すぎる。

騎士団は壊滅状態に近いし、F組の連中も殆んど倒れてる。

白銀曰く、『王都に残ったF組の中では最強』である御劔も、聖剣を杖代わりにして、もうマトモに立つ事も出来ないようだ。

まあ、長時間の戦闘が原因だろうし、後からやって来た俺がとやかく言う資格なんて無いんだけどな。

 

「ギュヤァァァアアアアアッ!!」

「ん?」

 

なんて思っていると突然、右方向から一体のワイバーンが、俺目掛けて突進してきた。

 

「神影君、危ない!避けて!」

 

地上から、焦燥に満ちた天野の声が聞こえるが、流石にブラックホークじゃ、アパッチみたいな事は出来ない。

だから俺は、右腕に装着されているM134ミニガンを向けて引き金を引く。

最大で毎分6000発と言う驚異的発射速度を持ち、生身の人間に当たれば痛みを感じる前に死ぬ事から、"無痛ガン"とも呼ばれるM134の銃口から放たれる7.62㎜弾が、そのワイバーンに次々吸い込まれていき、あっという間にワイバーンをバラバラにしてしまった。

その際に痛みを感じたかどうかは、今は亡きワイバーンでなければ分からない。

血肉を撒き散らしながら落下したワイバーンは、ドチャッ!と気持ち悪い音を立てて地面に叩きつけられた。

 

『『『『『『『『『『…………………』』』』』』』』』』

一瞬の出来事に、この場に居る全員が言葉を失ってる。

 

「(まあ、いきなりワイバーンがミンチになって落ちてきたら、そうなるわな)」

 

俺は内心そう呟き、呆然としている1組の男女に視線を向けた。

 

男の方は何処かの軍人を思わせるような黒い服に身を包んでおり、ガッチリした体格と長めの白髪を持っており、見た目からして強そうだ。

そして女の方は、胸元が大きく開き、体にピッタリ引っ付くタイプの赤い服を着て、紫がかったロングヘアに金色の瞳を持った美人さんだった。

 

「んで、テメェ等が勇者と騎士団(コイツ等)ぶちのめしてるって言う魔人族か?」

 

俺はそう問い掛けた。

 

「あ、ああ。そうだ」

 

若干の戸惑いを見せながら、男の方が答えた。

 

「俺はゲルブだ。魔人族の幹部の1人をやってる。そして此方が………」

「セレーネよ」

 

2人が名乗った。

 

……………って、ん?"セレーネ"って確か……………いや、ねぇわな。

あの人こんな姿してないし、そもそも王宮のメイドだからヒューマン族だろうし。

 

「ミカゲ・コダイ…………だったな?漸く会えたぜ」

「………………?」

 

ゲルブと名乗った魔人族にそう言われ、俺は首を傾げた。

 

「俺を知ってるのか?」

「ええ、勿論。今じゃ魔族大陸にも、貴方達ガルムの評判は流れてきてるからね」

 

セレーネが色っぽい声色で言う。

 

「それよかミカゲ・コダイよ。ちょっと俺等の相手してくれねぇか?ご覧の通り、勇者や騎士団はどいつもコイツも張り合いが無くてな」

「いや、数時間も戦えば流石に疲れると思うが……………?」

「………………」

 

あっ、コイツ目ぇ逸らした。おまけに相方笑ってるし。

 

俺は半ば呆れながら、改めて周囲を見渡した。

上空では、ワイバーンや他の飛行能力を持つ魔物が飛び回り、地上にもそれなりの数の魔物が居る。

それに、目の前に居る2人も強い筈。

 

「(……………面白いじゃねぇかよ)」

 

今まで俺と張り合えるのはラリーしか居なかったからな。

 

「ああ、良いぜ」

 

俺は頷いた。

 

「どうせだから、俺の僚機達も交ぜてやってくれや」

 

そう言うと、俺はラリー達に僚機念話を繋いだ。

 

《お前等、出番だぞ!》

 

そう言った瞬間、空中に巨大な魔法陣が展開され、其所からラリー達が轟音と共に現れた。

 

その光景に、またしても連中は言葉を失う。

 

そんな奴等を他所に、俺はブラックホークを解除してF-15Cを展開すると、アフターバーナーを全開で噴かしてチームに合流する。

 

「やれやれ、随分と待たせてくれたじゃないか。相棒」

 

俺が合流すると、ラリーが話し掛けてきた。

 

「こんなに待たせてくれやがったんだ、盛大に暴れちまっても良いよなぁ?」

 

好戦的な笑みを浮かべて、ギャノンさんが言う。

 

「ああ、勿論。下に居る魔物も空飛んでる魔物も、全員俺等の餌だ!食らい尽くせ!1匹残さず駆逐してやれぇ!」

『『『『了解!』』』』

 

俺が叫ぶと、残りのガルム隊メンバーから返事が返された。

 

そして俺は大きく息を吸い、声を張り上げた。

 

「All aircraft, we're authorized to engage any hostile targets!(全機、敵性目標との交戦を許可する!)」

「ガルム2、交戦(エンゲージ)!」

『『『交戦!』』』

 

こうして俺達ガルム隊は急降下し、この場に居る全ての魔物や2人に魔人族に襲い掛かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………………」

 

神影に渡された収納腕輪からポーションを取り出して沙那と桜花に飲ませていた奏は、目の前で繰り広げられる激戦を前に言葉を失っていた。

 

空中でミサイルや銃弾が飛び交い、轟音が鳴り響く。

ワイバーンや他の飛行能力を持つ魔物が次々と撃墜されていき、錐揉み回転しながら落ちてくる。

 

 

勿論、それで地上に居る魔物が無視されていると言う訳ではない。

 

「ガルム6、Guns Guns Guns!!」

 

小柄な体に似合わない大型機であるXFA-33を纏って急降下してきたリーアが、両腕に搭載された機関砲を乱射する。

 

弾丸は、倒れ伏す騎士団員に追い討ちを掛けようとしていたサイクロプスの体を食い破り、サイクロプスは瞬く間に肉片へと姿を変えた。

 

「ガルム7、Drive!」

 

今度はグランの背中と腹部にあるウェポンベイが開いてVLS方式のランチャーユニットが姿を表し、小型ミサイルが発射される。

そのミサイルは彼女の周辺にばら蒔かれた後、其々の目標目掛けて一直線に飛んでいき、粉微塵に吹き飛ばした。

 

他にも、エメルとゾーイ、ギャノンの3人によるTLSの一斉放射によってキメラが縦に四等分されたり、ミノタウロスやオーガの群れが、アドリアのガンポッドと機銃による掃射攻撃を受け、リーアによって肉片にされたサイクロプスと同じ末路を辿った。

 

ラリーもその場の状況に応じ、他の僚機達の援護に回っていた。

 

その頃、神影は……………

 

 

 

 

「ガルム1、Fox2!」

「クソッ、さっきから何なんだよコレはぁ!?」

 

魔人族幹部であるゲルブとの空中戦(ドッグファイト)を繰り広げていた。

彼が纏うF-15Cから放たれたサイドワインダーがゲルブ目掛けて飛んでいき、ゲルブは必死に逃げ回りながら悪態をつく。

 

急旋回や急降下を繰り返すゲルブにはついていけないのか、サイドワインダーは進路を外れて民家に直撃し、粉微塵に吹き飛ばす。

それから尚も追い回す神影だが、F-15Cの機動力にも限界があった。

 

「仕方ねぇ、もっと高機動の機体にするか………………Terminator!」

 

神影が叫ぶと、先程まで纏っていたF-15Cが光を放って消え、次の瞬間、NATOコードネームでは″フランカーE2(Flanker E2)″、一般的な呼び名では″スーパーフランカー″の渾名をもつ、黄色の13仕様のSu-37が装着されていた。

 

「す、姿が………変わった…………?」

 

自分が使役する魔物に指示を出していたセレーネが、姿を変えた神影に驚く。

 

「こうなったら…………"転移"!」

 

ただ逃げ回るだけでは埒が明かなくなり、ゲルブは転移魔法を使って神影の背後に回り込む。

 

「良し、コレで……………!」

 

そして魔力弾をぶつけようとするゲルブ。

だが次の瞬間、彼の表情は驚愕に染まる事になる。

 

「簡単に当たってやるかってんだ」

 

それを知った神影は、鋭い目で背後のゲルブを睨む。

 

「目ン玉ひん剥いてよぉ~く見ときやがれ……………こんなの、滅多にお目に掛かれねぇぞ!」

 

そう言うと、神影は姿勢を急激にピッチアップして、迎角を90度近くまで取り、まるで直立しているような姿勢になる。

Su-27や、その派生型が得意とし、一部では"変態機動"とすら呼ばれる空戦機動の1つ、"コブラ"だった。

 

「なっ!?」

 

それによる急減速により、スピードが乗っていたゲルブは神影の前に飛び出してしまう。

 

「(何だ?さっきの挙動は…………ミカゲ・コダイの奴が一瞬消えたかと思ったら、また俺の後ろに…………コイツは一体、どんなトリックを使ったんだ?)」

 

ゲルブの頭の中に、幾つもの疑問が浮かんでくるが、今はそれどころではないと頭を振った。

 

「(取り敢えず、さっきの変な動きについては後だ。後ろに回ってからが無理なら、最初から……………!)」

 

内心そう呟き、ゲルブは胸の前に両手を持ってきて魔力弾を形成する。

そして……………

 

「"転移"!」

 

再び転移魔法で神影の背後に回り込むと同時に、魔力弾を発射する。

 

「ッ!?成る程、そう言うやり方で来ましたか……………!」

 

神影はそう呟くと、ブレイクやシザーズ等のマニューバを繰り出して魔力弾から逃げ回る。

 

だがゲルブは、それに追い討ちを掛けるかの如く、さらに魔力弾を追加する。

 

「コレじゃキリがねぇな…………おっ」

 

悪態をついた神影だが、其処で何かを思いつく。

 

「(そう言えば、この世界でフレア使ったら、魔力弾にも効果あるのか?)」

 

本来のフレアは、主として赤外線ホーミングミサイルを回避するためのものであって、魔力弾相手に使うものではない。

フレアが魔力弾には通じないと言う実証が無いと言うのも事実だが、マトモにフレアをばら蒔くだけでは、恐らく効果は無いだろう。

 

「(それなら、フレアに魔力を込めるのを意識して…………)」

 

神影は、今から空中にばら蒔くフレアに魔力を込める事を想像する。

 

「良し……………放出!」

 

すると、フレアディスペンサーから大量のフレアが放出される。

 

「うおっ!何だコレ!?」

 

突如として現れた幾つもの光の粒に、ゲルブは驚きのあまりに動きを止めてしまう。

 

「あの変な魔道具版の目眩まし…………なのか?」

 

そう呟くゲルブだが、此処で驚くべき光景を目の当たりにする。

何と、彼が放った魔力弾がフレアの方へと飛んでいき、誤爆したのだ。

 

「(おいおいおいおい!こりゃ一体全体どういう事だってばよ!?追尾式の魔力弾が目標を間違えるって、そんなのありですかい!?)」

 

ゲルブの内心は、最早ツッコミの嵐。所々で口調すらおかしくなる始末だ。

 

「(何てこった…………俺等は、トンでもねぇ連中を呼ばせちまったみたいだな………はぁ、お家帰りたい…………)」

 

内心そう呟くゲルブだが、彼等の事情を知らない神影は容赦無く襲い掛かってくる。

「Fox3!」

 

反転して向かってきた神影が、右腕に装着されている航空機関砲、Gsh-30-1を撃つ。

 

「クソッ……………!」

 

小さな光の粒だが、それで何体もの魔物達が葬られているため、絶大な威力を持つ事を理解しているゲルブは、大急ぎで回避する。

 

「(彼奴等、絶対人間じゃねぇだろ。"人間の皮を被った化物"だろコレ…………!)」

 

轟音と共に飛んでくる神影に追い回されながら、ゲルブはそう呟くのだった。




何か今回、俺視点で語ったの短かったなぁ…………(by 神影)
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