航空傭兵の異世界無双物語(更新停止中)   作:弐式水戦

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第11話~航空傭兵部隊、出撃!~

 さて、ラリーを僚機にし、盗賊団--黒雲--に囚われた女達の救出に乗り出す事に決めた俺は、早速、ラリーを俺の僚機にするため、俺の能力の1つである『僚機勧誘』を使おうとしていた。

 

「それじゃあ、始めるぞ?」

 

 右手をラリーの額につけて、俺はそう言った。

 

「ああ、何時でも良いよ」

 

 ラリーの言葉に頷き、俺は能力を発動させる。

 すると、様々な色を含んだオーラのようなものが、腕を伝ってラリーの額に向かっていく。そして、右手とラリーの額が触れている場所につくと、オーラのようなものは、そのままラリーの額に吸い込まれていった。

 

「…………ぐっ!?」

 

 オーラのようなものが完全に消えると、ラリーは突然、頭を抱えて蹲る。

 恐らく、『航空傭兵』と言う天職に関する情報や、戦闘機の纏い方や飛び方、今のラリーのレベルで使用出来る戦闘機などが、ラリーの脳に一気に流れ込んでいるのだろう。

 蹲るラリーに、俺は慌てて話し掛けた。

 

「お、おい、ラリー!大丈夫か!?」

「はぁ、はぁ………ああ、大丈夫だよ………ちょっと、頭が痛くなっただけさ」

 

 そう言って、ラリーはゆっくり立ち上がろうとしたのだが、やはりふらついている。

 俺は無理にでも立とうとするラリーを制した。

 

「無理すんなよ、ラリー。今のお前は、頭の中での情報の処理が間に合ってない状態なんだからな。ちゃんと落ち着いてから立つんだ、良いな?」

 

 そう言うと、ラリーは小さく頷き、そのまま地面に腰を下ろす。

 未だ痛むらしく、表情は優れない。

 

 だが、次第に痛みは無くなっていったようで、段々と表情が良くなっていき、数分後には普通に立てるようになっていた。

 

「良し、もう大丈夫だよ」

 

 そう言って、ラリーはスッと立ち上がって伸びをした。うん、これなら大丈夫そうだ。

 

「了解。それじゃあ先ずは、シルヴィアさんに言っておかないとな」

 

 そう言って、俺達は再びギルドへと入っていった。

 

 

 

 

 

 ギルドに入ると、やはり先程とは空気が違っていた。

 ギルドには酒場があるのだが、其所の雰囲気も、俺が登録しに来た時と比べると、どんよりしたものになっている。

 

「さて、シルヴィアさんは何処に……………ああ、居た居た」

 

 ギルド内を軽く見回していると、隅っこで項垂れている銀髪シスターを見つけた。シルヴィアさんだ。

 俺とラリーは互いに顔を合わせて頷くと、シルヴィアさんに歩み寄っていった。

 

「シルヴィアさん、ちょっと良いですか?」

「………はい」

 

 俺が話し掛けると、シルヴィアさんはゆっくり顔を上げた。

 俺とラリーが外で話している間に泣いていたのか、目は若干充血している。

 

「話があるんです、ちょっと来てもらえますか?」

「…………分かりました」

 

 誰にも依頼を受けてもらえなかったのか、半ば投げ遣り気味に返事を返して立ち上がる。

 シルヴィアさんを一旦ラリーに任せ、俺は受付カウンターに行き、エスリアさんに空き部屋を1つ貸してくれるように頼んだ。

 最初は怪訝そうな表情をしていたエスリアさんだったが、事情を話すと、先ずギルド支部長を呼んできた。

 改めて事情を話すと、支部長は奥の部屋を貸すと言ってくれた。エスリアさんに案内してもらい、ラリーとシルヴィアさんを伴って、部屋に入る。

 そして、クレアさんを椅子に座らせ、俺はエスリアさんに、誰も部屋に近づけないように頼んだ。

 そしてエスリアさんが部屋を出ると、俺とラリーは、シルヴィアさんと向かい合う形で椅子に座った。

 

「………それで、私に何かご用でしょうか……………?」

 

 暗い表情を浮かべ、投げ遣り気味な態度で、シルヴィアさんがそう聞いてくる。どうやら誰にも依頼を受けてもらえず、自棄を起こしているようだ。

 此処で変に言ったら話を拗らせてしまうので、俺は率直に言う。

 

「実は…………シルヴィアさんの依頼を、受けさせてほしいんです」

「はいはい、そうですか…………って、え?」

 

 思いっきりいい加減な返事を返したシルヴィアさんだが、次の瞬間には、間の抜けた声で聞き返してきた。

 

「い、今……何て…………?」

「シルヴィアさんの依頼を受けさせてほしいと言ったんです」

 

 そう言い直すと、シルヴィアさんはパァッと表情を明るくした。

 

「ほ、本当ですか!?」

 

 声を張り上げ、身を乗り出して聞いてくるシルヴィアさん。

 

「はい、本当です」

「………………ッ!」

 

 俺が答えると、彼女の両目から大粒の涙が溢れた。

 

「良かった…………依頼を、受けてくれる人が……居た…………ッ!」

 

 嗚咽を漏らしながら、シルヴィアさんはそう言った。マジで追い詰められてたんだな、精神的に………

 

 

 

 

 

 

 

 その後、俺達はシルヴィアさんが泣き止むのを待ち、黒雲についての詳しい情報を要求した。

 彼女曰く、数は30~40人ぐらいで、捕らえた女達は、洞窟内に作った牢屋に閉じ込めているそうだ。

 それと、昼間は村を襲いに行ったりしているので、助けるだけなら昼間、潰すのも含めるなら、連中が帰ってくる夜が狙い目だそうだ。

 

「…………と言ったところです」

「成る程…………分かりました、ありがとうございます」

 

 そう言って立ち上がり、俺はラリーと一緒に部屋を出ようとする。

 

「あ、あの!」

「ん?」

 

 ドアを開け、いざ出ようとしたところでシルヴィアさんに呼び止められる。ラリーを先に行かせ、俺は彼女の方を向いた。

 

「あの、えっと…………」

 

 しどろもどろになっていたシルヴィアさんだが、一旦深呼吸して言った。

 

「依頼を受けてくれて、本当にありがとうございます!エレインや他の方々の事、よろしくお願いします!」

 

 そう言って、シルヴィアさんは深々と頭を下げる。そんな彼女に、俺は敬礼して言った。

 

「了解。必ず連れて帰ってきます」

 

 そう言って、今度こそ部屋を後にすると、エスリアさんに礼を言って、出口で待っていたラリーと合流する。

 

「さてと……それじゃ行くか、ラリー」

「ああ!」

 

 そうしてギルドを出た俺達はルージュの町を出て例の山岳地帯へ向けて歩き出した。

 

 

 

 

 

 

「…………良し、もうこの辺りで良いだろ」

 

 ルージュの町が見えなくなると、俺は歩みを止める。

 

「ラリー、ルージュの町から十分距離を取ったし、此処からは空を飛んで移動しよう」

「賛成。何時までも歩いていたら、夜までに着かないからね」

 

 そう返してきたラリーに、一先ずステータスと、現時点で使える航空兵器を見せてもらった。

 

名前:ラリー・トヴァルカイン

種族:ヒューマン族

年齢:18歳

性別:男

称号:追いやられし者

天職:航空傭兵

レベル:29

体力:155

筋力:125

防御:130

魔力:500

魔耐:650

俊敏性:120

特殊能力:詠唱破棄、全属性適性、魔力感知、空中戦闘技能

 

 

 

 ふむ、勇者基準だからよく分からんが、現地人のステータスは、大体こんな感じなのだろうか?

 まぁ、取り敢えず魔力と魔耐が高いな。これで力を失ってる状態って言うんだから、もし完全に力を取り戻す事が出来たら、コイツの魔力や魔耐は、何れ程にまで跳ね上がるのだろうか?

 まぁ、少なくともF組の連中が束になっても惨敗しそうだな。

 多分だが、王都の魔術師団が相手でも、コイツが力を取り戻したら圧倒されそうだ。

 

 

 等と考えながら、今度は使用出来る航空兵器を見せてもらう。

 

『戦闘機』

 

F-16C Fighting Falcon

Mig-21-93

Typhoon

F-14D Super Tomcat

F-15C Eagle

 

 

『攻撃機』

 

F-2A

F-117A Nighthawk

AV-8B HarrierⅡ plus

Su-25 Frogfoot

Su-34 Fullback

 

 

『多用途戦闘機』

 

F-4E

F/A-18F Super Hornet

 

 

『レシプロ機』

 

A6M5 零式艦上戦闘機52型

Bf 109 G-10

Spitfire Mk.ⅠXe

 

 

『攻撃ヘリ』

 

レベル不十分のため、使用不可

 

 

 

 

 

「うへぇ~…………」

 

 ラリーのステータスと使用可能な機体を見せてもらった俺は、感嘆の声を漏らす。

 レベルの高さやその他のステータスについては、この世界で生活した年月が桁違いな訳だから仕方無いが、問題は機体の方だ。俺より使用可能な機体が多い。

 まぁ、ラリーの方が俺よりレベルが高いんだから、当然と言えば当然だが…………何だろう、何か納得いかねぇ………これが嫉妬と言うものなのか?

 

 

「え~っと………ミカゲ?」

「…………ん?」

 

 ずっとラリーのステータスやリストとにらめっこしていた俺は、さっきから肩をポンポンと叩いていたラリーに気づかなかった。

 

「おお、悪いなラリー………んで、何だ?」

「いやいや、『何だ?』じゃないよ。どうだったの?僕のステータスは」

 

 ラリーは、自分のステータスを気にしていたようだ。

 

「あ、ああ………そうだな、何と言うか…………」

 

 そう言いかけて、俺は少し考える。

 

「(体力とか筋力とかは、俺がラリーと同じレベルになったら恐らく追い越すとは思うが、あのチート染みた魔力と魔耐はなぁ………)」

「………?」

 

 黙り込んでいる俺を見て、ラリーは不思議そうに首を傾げている。

 取り敢えず、それらしい事を言っておくか。

 

「うん、そうだな………良いと思うぜ?レベルも俺の倍以上あるし、前に魔力を9割以上失ったって言ってたけど、それでも魔力は500、魔耐は650もあるんだ、十分やっていけると思う」

「そう?それなら良かったよ………じゃあ、戦闘機の方はどうなの?」

 

 この質問に対する答えは決まっている。

 

「使える機体多くて羨まし過ぎるから、取り敢えず1発殴らせろ」

「コレだけ即答!?と言うか殴られるなんて絶対嫌だからね!?」

「大丈夫だ、問題無い。本気でやるから」

「いやいや!それ全然大丈夫じゃないじゃないかァァァアアアアアッ!!」

 

 盗賊討伐に乗り出すまでに、こんなやり取りを交わしていたのは2人だけの秘密だ。

 

 

 

 

 

 

 

 それから数分後、落ち着きを取り戻した俺達は、改めて盗賊討伐&捕らえられた人達の救出に乗り出そうとしていた。

 

「さて、それじゃあ行くぞ、盗賊討伐&捕らえられた人達の救出に」

「了解!」

 

 そうして、俺達はリストを開き、『攻撃機』の欄からハリアーを選び、展開する。

 2人共眩い光に包まれ、その光が消えると、展開されたハリアーが装着されていた。

 若干斜めになっている主翼が背中から生えており、脛に水平尾翼、腰に垂直尾翼が付けられている。

 そして、ハリアーの大きな特徴である4つのエンジンノズルが、腰に2つずつあった。

 

「(成る程、ハリアーは展開したらこうなるのか………そういやガンポッドが付けられてないな、後から展開する形なのかな………)」

  

 纏っているハリアーを眺めながら、俺はそんな事を考える。隣に居るラリーに視線を移すと…………

 

「うわぁ……凄い…………」

 

 信じられないと言わんばかりの表情で、自分の体のあちこちを見ていた。

 俺は、そんなラリーを見ながら離陸体勢に入る。

 主翼が地面と水平になるように角度を変えると、腰のエンジンノズルも下を向き、垂直離陸の準備に入る。

 

「さて………おい、ラリー。感動するのは分かるが、そろそろ行くぞ」

「あ、うん。了解」

 

 俺が言うと、ラリーも俺と同じように離陸の準備をする。

 てっきり、『やり方が分からない』とか言われるんじゃないかと思っていたが、そんな事にはならなかった。

 普通に主翼が地面と水平になるように角度を変えているし、エンジンノズルも下を向いている。

 多分だが、『僚機勧誘』で俺の能力をコイツにコピーした時、各機体の扱い方とかも、一気に叩き込まれたんだろうな。

 

「(なら、武装の展開とかの説明も必要無さそうだ)」

 

 内心そう呟いた俺は、ラリーに話し掛ける。

 

「離陸準備は出来てるな?」

 

 そう言うと、ラリーは此方を向いて、力強く頷く。

 

「ああ、準備万端。何時でも行けるよ、ミカゲ!」

 

 そう言うラリーに頷くと、俺はエンジンノズルに意識を強く向ける。

 甲高い音が大きくなり、それによって強さを増すジェット噴射によって砂埃が巻き上がる。

 

「良し………離陸!」

 

 そう叫び、俺はゆっくりと離陸する。ラリーも少し遅れて離陸し、俺の横に並んだ。

 そして、主翼とノズルを地面と水平になるように向けて飛行モードに移し、俺達は、黒雲のアジトである山岳地帯へ向けてかっ飛ばすのであった。

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