航空傭兵の異世界無双物語(更新停止中)   作:弐式水戦

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先週受けたバイトの面接に合格だぁーッ!

\(^o^)/イェーイ!


そして皆さんに一言。


待たせたな!


第147話~始まる模擬戦と、各地の様子~

俺の復活&ギムレーの歓迎パーティーや、それが終わって一夜明けてから起こったプチ騒ぎも無事に収拾がついたので、エミリアやナターシャさんがクルゼレイ皇国に帰った後、ギムレーから空中戦(ドッグファイト)の申し込みを受けた俺は、彼女と共にルージュの外へ向かっていた。

「(そう言えば俺、僚機同士で空中戦するのって初めてだな…………)」

 

この後の空中戦を楽しみにしているのか、何やらニコニコと笑みを浮かべて歩いているギムレーを横目に見ながら、俺は内心そう呟いた。

今までの記憶を辿ると、俺はガルム隊メンバーと模擬戦をした事が1度も無い。

今までに経験した空中戦の相手は、基本的に飛行能力を持った魔物やドラゴン、そして王都で戦った魔人族の2人組だ。

まあ、何時かは誰かに模擬戦してもらおうと思ってたが…………まさか初陣の相手が、本物の"円卓の鬼神(Demon Lord of The Round Table)"になるなんてな。

こんな事、一体誰が予想しただろうか………………?

 

「おっ、ミカゲにギムレーじゃないか。2人で何処行くんだ?」

 

なんて考えながら歩いていると、この町の門番をしているマーキスさんが話し掛けてきた。

どうやら考え事をしている内に、もう門まで来てしまったようだ。

 

「ああ、ちょっと2人でやりたい事があってな。コレを町でやる訳にはいかねぇから、町の外に行こうとしてたのさ」

 

俺の代わりに、ギムレーが答えた。

 

「成る程な……………まっ、気を付けて行ってこいや。あんまり羽目外しすぎるなよ?」

「あいよ」

「どうもッス」

 

そう返事を返すと、俺達は町の外に出た。

 

「さて神影、取り敢えず今回の模擬戦のルールを決めようぜ」

「おう」

 

そうして俺達は、ルールをどうするかについて話し合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから約10分程の話し合いの末、ルールは以下の通りになった。

 

ルール1:両者共に、使用可能な戦闘機はF-15Cに限定し、それ以外の機体の使用や、途中での機体変更は禁止する。

ルール2:試合の舞台は基本的に平野の上空とし、町の上空を飛ぶ事は禁止する。ただし、王都は例外。

ルール3:他の町、村に被害を出してはならない。ただし、王都は例外。

ルール4:魔法など、機体の兵装と関係無いものの使用は禁止。

ルール5:どちらかのF-15Cに撃墜判定が出るか、続行不能となった時点で試合終了とする。その際、別の機体を再び展開する事は禁止する。

 

 

 

「………………とまあ、こんな感じでどうだ?」

「おう。俺は文句ねぇな」

 

俺が言うと、ギムレーは頷いた。

 

「それにしても神影、ルール2と3の後の方滅茶苦茶じゃね?"ただし、王都は例外"なんてさぁ………………お前、余程王都が嫌いなんだな」

「当たり前だろ。少なくともあの町に良い思い出はねぇんだから。ミサイルや機銃の流れ弾当てても何とも思わない自信があるぜ」

 

苦笑を浮かべながら言うギムレーに、俺はそう言った。

 

「そ、其処まで言うか……………まあ、昨日のパーティーでお前やラリーから聞いた愚痴からすれば、そうなるのは無理もないとは思うが……………せめて、死傷者だけは出さないようにしような?下手したら此方の立場が危うくなるし」

「了解」

 

俺はそう返した。

 

「それじゃあ………………始めるか?」

 

そう言って、俺はサイファー仕様のF-15Cを展開した。

「おう」

 

ギムレーも頷いて、俺のと同じF-15Cを展開する。

「正に、鬼神同士の戦いだな………………こんな展開になるとは、前の俺なら考え付かなかっただろうな」

「ああ、俺も全く同じ気持ちだよ……………それにしても、初陣の相手が本物の円卓の鬼神になるとは………………運が良いな」

「ははっ、そう言ってもらえると嬉しいぜ」

 

自分達の機体を交互に見ながら言うギムレーにそう返してやると、彼女は微笑んだ。

 

そして、俺達は其々の機体のエンジンを始動させる。

甲高くも小さな音が、やがて大きな音へと変わり、ジェット噴射の轟音も混ざる。

 

「~~~~~ッ!コレ、コレ!この音だよ!!」

 

すると、突然ギムレーが叫んだ。

 

「ッ!?ど、どうした?」

「おっと、悪いな神影。久々にこの音を聞いたから、つい興奮しちまったぜ」

 

そう言って、ギムレーは自分が纏っている機体に視線を落とした。

 

「ああ、今から久々の空中戦だ………クソッ、この高揚感……………マジ堪んねぇ!」

 

恍惚とした表情を浮かべて、自分の体を掻き抱くギムレー。

そんなにやりたかったのか………………?

 

「さあ、神影!早くやろうぜ!!これ以上待たされたら、俺おかしくなっちまうよ!!」

「いやいや、お前今の時点で十分おかしくなってるだろうに……………」

 

聞き方次第ではエロく聞こえる事を平然と言うギムレーに呆れる俺だが、この空中戦が楽しみで仕方無いと言う事には同意する。

俺だって、初めての機体を纏った模擬戦の相手が、あの円卓の鬼神である事に、内心興奮しているんだからな。

 

「ホラ、早くやろうぜ!」

「はいはい」

 

早く早くと急き立てるギムレーに苦笑を浮かべながら、俺は足の裏から競り出ている車輪を転がして、彼女の左隣に並んだ。

 

「ところで、始めるタイミングはどうする?」

「特に決めてねぇな、お前に任せるよ」

 

即答で答えたギムレーに、俺は頷いた。

 

「そっか………………じゃあ、取り敢えず一緒に離陸してから互いに距離を取って、俺の合図で反転して試合開始って事で良いか?」

「おう!」

 

ギムレーの了承を得たので、俺達はエンジンの出力を上げて発進し、並んだまま離陸する。

そして、俺は左に、ギムレーは右に進路を取り、どんどん離れていく。

 

「(良し、そろそろだな……………)」

 

レーダーで、ギムレーからある程度離れた事を確認すると、僚機念話を使って彼女に通信を入れた。

 

《それじゃあ、カウント始めるぞ!》

《おう、何時でも良いぜ!》

 

ギムレーから返事が返されると、俺はカウントを始めた。

 

《5、4、3、2、1………………GO!!》

 

そう叫んだ瞬間、俺は反転して逆方向に向かっていく。

それはギムレーも同じようで、脳内に浮かべたレーダーに、接近してくる彼女の姿が映し出される。

そして、両者共に肉眼で捉えられる位置に来ると、同時に叫んだ。

 

「「ガルム1、交戦(エンゲージ)!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神影とギムレーによる空中戦が始まった頃、此処はクルゼレイ城にあるナターシャの部屋。

あの後、何とか体の火照りを鎮めたナターシャの元に、客が来ていたのだ。

 

「…………………成る程、ミカゲが元の体を………それはめでたい話ですね」

 

そう言って相槌を打っているのは、魔人族の青年、ロイク・アルバートだ。

 

「ええ、本人は凄く嬉しそうにしていました。それに加えて、これまでミカゲ殿が仮の体として使っていた体の、本来の主も復活したのですよ。名前は、確か……………ギムレー・オールダムとか」

「………………………」

 

ナターシャが言うと、ロイクは一瞬言葉を失った。

 

「驚くのは分かりますよ、ロイク殿。私だって、最初は信じられませんでしたから」

 

そう言って、ナターシャは苦笑を浮かべる。

 

「それにしても、彼奴が生き返って、おまけに元の体に戻って完全に復活したって事を知れば、グラディス様達は驚くだろうな~」

「ええ、その通り……………え?」

 

明後日の方向を向き、染々とした雰囲気を発しているロイクの呟きに同調したナターシャだが、其処で何かが引っ掛かる。

 

「あの、ロイク殿………1つ聞いても良いですか?」

「…………?」

 

ナターシャに話し掛けられ、ロイクは彼女の方へと顔を向けた。

 

「まさかとは思いますが………………ロイク殿、グラディス殿達にはこの事を………………?」

「ええ、未だ伝えてませんよ?ミカゲが女の体で復活したって事も」

「…………………」

 

まるで、『何か問題でも?』とでも言っているかのように、キョトンとした表情でナターシャを見るロイク。

そう。神影が何でもかんでも1人で抱え込もうとしたり、ど忘れしたりすると言う悪癖があるように、ロイクにも悪癖がある。

彼には、矢鱈と声が大きい事に加えて、重要な連絡事項を時折すっぽかすと言う、トンでもない悪癖があったのだ。

 

「ろ、ロイク殿…………」

 

若干歯切れを悪くして、ナターシャが口を開いた。

 

「す、直ぐにグラディス殿の元に行き、ミカゲ殿に関する事を全て伝えた方が………良いと、思いますよ………?」

「え?何故グラディス様が………………あっ」

 

其処で初めて、ロイクは自分がしくじった事を自覚し、一気に顔を青ざめさせた。

 

「…………俺、もしかしなくても詰みました?」

「………………」

 

その問いに、ナターシャは気まずそうに頷いた。

 

「あ、あはははは………オワタ、マジで完全にオワタ……………俺終了のお知らせ………………」

 

そう言ってガックリと項垂れるロイクに、ナターシャは内心で合掌した。

それから話を終えたロイクは、グラディスに今回の事を報告するため、その場で魔族大陸へと転移していった。

その場に残されたナターシャは、ロイクが無事である事を祈った。

 

 

 

 

その後、魔族大陸の城にある謁見の間では、頭に大きなたんこぶを拵えて正座させられ、グラディスに説教されているロイクの姿が目撃されたと言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またしても場所は変わり、此処はエリージュ王国王都。

王都での一件で他の町や村から見放され、物資や食料などの支援が断ち切られたこの王都では、食料不足による影響が濃くなっていた。

食料も戦時中のように配給制となり、住人達は倹約を心掛けるようになったのだが、如何せん、貴族や大臣と言った国の上層部、そして勇者達に優先的に食料が回されるようになっているのだ。

そのために住人達は後回しにされ、さらに配給される量も勇者達より少なくなっている事から、不満を募らせていた。

 

この状況を打破するため、王妃であるロクサーヌや娘のユミールは、周辺の村や町に物資や食料の提供を求めているものの、相変わらず拒否されている。

ルージュの場合は、以前のブルームやドロワット達の一件もから、どうなったのかは言うまでもないだろう。

 

「はぁ…………」

 

自室のベッドに腰掛け、ロクサーヌは頭を抱えていた。

例の神影殺害事件があってからと言うもの、国内での王都の信頼性は失われている。

住人達も、その日を生き抜くのに必死になっており、最早他人を気遣ったり、勇者達の陰口を叩いたりする余裕など残されていないのだ。

 

信頼を失った町、加速する食料不足、住人からの不満、肩身の狭い勇者や騎士団…………………問題を挙げていけばキリが無い。

この王都の治安がスラム並みに悪くなるのも、時間の問題だった。

 

「それに、ガルムからの請求もあるし………」

 

ガルム隊から請求されている報酬は、神影殺害への賠償金を含めて、金貨800枚と高位ポーション36個。コレを3週間で用意しなければならないのだ。

既に金銭面では、彼女とユミールの個人財産から出し合って金貨200枚を用意しており、今日、シロナに渡す予定になっている。

後は、F組勇者達が残りを用意するだけだ。

 

「そして、もし報酬を出来なければ………勇者の方々は、ガルムの奴隷になる…………」

 

複雑そうな表情を浮かべ、ロクサーヌはそう呟いた。

 

借金などを払えない者が奴隷になると言うのは、この世界においては珍しくない。

それについては彼女も理解している上に、報酬を払えなかった場合、勇者達を奴隷にすると言うペナルティを撤回させ、ガルムを………………いや、正確には神影とラリーを王都に呼び戻す事を提案しようとしたユミールの考えを否定し、彼等の要求を受け入れる事に決めた手前、今になって、表立ってF組勇者達に課されたノルマに対して否定的な態度は取れなかった。

 

未だにはっきりしないルージュでの出来事、深刻化する食料や物資の不足、ガルム隊への報酬、住人達の不満…………………

あの事件から始まった負の連鎖は、確実に王都に住む者達を、肉体的にも精神的にも苦しめていた。

ある意味、"ガルムの呪い"と言っても過言ではないだろう。

 

いや、正確には"神影の呪い"かもしれないが………………

 

「一体、どうしたら良いの…………?」

 

そう呟いて深い溜め息をついた時、部屋のドアがノックされた。

 

「王妃様、シロナ殿が来ております」

「お通ししなさい」

 

ドア越しに話し掛けてきた衛兵に答えると、ドアが開かれ、F組担任の夢弓シロナが姿を現した。

 

「態々すみません、シロナ殿」

 

シロナが入ってくると、ロクサーヌはそう言った。

 

「お気になさらないでください」

 

胸の前で手をヒラヒラ振りながら言うシロナに礼を言うと、ロクサーヌは立ち上がり、机に置かれている大きな袋を持ち上げ、シロナに差し出した。

 

「私とユミールの財産を合わせて、金貨200枚が入っています。どうぞお使いください」

「…………………」

 

そう言うロクサーヌに、シロナは言葉を失った。

彼女が驚くのは、無理もない事だった。

いきなり報酬金の4分の1が手に入ったのだから、このような反応を見せるのも当然だ。

 

「い、良いんですか?こんな大金を…………」

 

ジャラジャラと音を立てる袋を受け取ったシロナは、袋とロクサーヌを交互に見ながら言った。

 

「ええ。この程度しか用意出来ませんでしたが」

 

その言葉に、シロナは首を横に振った。

 

「そんな、"この程度"なんて事はありません。本当にありがとうございます!」

 

そう言って深々と頭を下げると、シロナは昨日の迷宮探索で手に入れたアイテムを売りに行く事を伝え、何度も礼を言いながら部屋を出ていった。

 

「………………ご武運を」

 

閉ざされたドアに向かって、ロクサーヌは小さくそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、模擬戦を始めた神影とギムレーは……………………

 

「くははははッ!!!楽しいなぁ、神影!こんな楽しい事があるとは思わなかったぜ!」

「そりゃ良かったなぁ、ギムレー!それじゃあ、もっとブッ飛ばして行くぞッ!!手加減は一切しねぇから覚悟しとけ!!」

「よっしゃ、上等だぁ!来やがれゴラァ!!」

 

王都の雰囲気など知った事ではないと言わんばかりのハイテンションで叫び、機銃やミサイルの流れ弾を撒き散らすと共に、超音速飛行による衝撃波や爆音を其処ら中に響かせながら、飛び回っていた。

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