航空傭兵の異世界無双物語(更新停止中)   作:弐式水戦

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さてさて、神影達の前に現れる化け物の正体とは何なのか!?

感想で色々な予想をいただいていますが、この話で明かされる化け物の正体に、皆さん大層驚くでしょう。
飲み物片手にご覧になっている方は、呉々も、噴き出さないようにご注意ください。


後半のF組サイドで、トンでもない話が出てきます。


第27話~化け物達は、まさかの………!?~

「それでは、作戦会議を始める」

 

日が傾き、段々と空が暗くなってきた頃、俺達"ガルム"のメンバーは、部屋で顔を突き合わせていた。

 

「町の人達に聞き込みをしたが、やはり、相手はエメルと同類………つまり、戦闘機の可能性が高い」

 

俺がそう言うと、2人は同意だとばかりに相槌を打った。

 

「恐らくそうだろうね。飛行系の魔物で、こんなのが居るなんて聞いた事無いし」

 

ラリーはそう言って、1枚の紙をヒラヒラさせた。

実は、町の人達に聞き込みをした際、実際に化け物を見たと言う人に会えたため、そのシルエットを描いてもらったのだ。

その紙には、上を向いた矢印と下を向いた矢印が描かれている。

「この絵から察するに、相手が戦闘機なら、片方はエメルと同じ前進翼を持ってるって事になるな」

 

エースコンバットのオリジナル機体の中で前進翼を持っているものとすれば、『ADF-01 Falken』や、『X-02 Wyvern』、『ASF-X 震電Ⅱ』等が怪しい。

逆に後退翼となれば、『XFA-27』や『ADA-01B Adler』とかだろうし、そもそも矢印みたいと言われるぐらいだから、『GAF-1 Varcolac』や『X-49 Night Raven』辺りと見た方が妥当だろう。

流石に今回は、『XFA-33 Fenrir』とか『CFA-44 Nosferatu』のようなデルタ翼機は、候補としては考えられないかな。

矢印みたいと言えるような形じゃないからな。

「取り敢えず、今から町上空での夜間哨戒をしようと思うんだが………」

「相棒、それは止めた方が良い」

 

俺が提案すると、ラリーがそう返してきた。

 

「僕等が飛び回ればジェット音が響くだろうから、魔物と勘違いして、きっと、また騒ぎになるよ」

「た、確かに……」

 

ラリーにそう言われ、俺は頭を悩ませる。

今まで普通にかっ飛ばして、相手を撃墜して解決って流れでやってきたから、それをするための機体が使えないとなれば、対策法を考え直さなければならない。

だが、どうすれば良い?

 

「そう言えば、例の化け物が飛び回るのって、この町の上空だけ?」

 

不意に、ラリーがそんな事を訊ねてきた。

 

「いや、この町上空と、その周辺だと言ってた」

 

そう答えると、ラリーが笑みを浮かべた。

 

「なら、僕に良い考えがあるんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、真っ暗になるのを待ってから、俺達はタロンの外に出ていた。

それも、全員が非ステルスの機体を展開した状態で。

 

「なあ、ラリー。こんな事して何になるんだ?」

 

攻撃ヘリであるアパッチを展開した俺が訊ねると、ラリーは此方を振り向いた。

因みに、ラリーはハリアーを展開しており、エメルは言うまでもないが、モルガンを展開している。

 

「よく考えてみなよ、相棒。相手が戦闘機なら、当然ながらレーダーを使えるだろ?」

「ああ」

 

ラリーの質問に、俺は頷く。

 

「エメルが知らないぐらいだから、恐らく相手も、この世界に自分達の同類が未だ居るとは、夢にも思っていない筈だ。そんな同類の反応が、一気に3つも確認出来たとすると………」

「不思議がって寄ってくるだろうな」

「そう、その通り!それを狙うんだよ!」

 

俺が答えると、ラリーは笑みを浮かべてそう言った。

 

「つまり、同類としての反応を利用して、相手を誘き出すと言う作戦なのね?」

「そうだよ、エメル。それから後は………」

 

そう言うと、ラリーは俺に目を向けた。

 

「相棒、君の出番だ」

「………ソイツ等をガルム隊に誘えってか?」

 

そう訊ねると、ラリーは頷いた。

 

「……了解。上手く出来るかは分からんが、やれるだけやってみるよ」

 

そうして、俺達はタロンの町周辺を歩き回り、夜行性の魔物に注意しつつ、化け物が出てくるのを待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「………出てこないわね」

 

歩き始めてから2時間程経過したが、未だに化け物は現れない。

それどころか、夜行性の魔物にすら会ってないのが現状だ。

今日は飛び回る気分じゃないのか、それとも場所を変えたのか……はたまた、俺等を警戒しているのか……

 

「時間には多少の差があるらしいからね、こうなるのも仕方無いよ」

 

ラリーが、膝のライトで前を照らしながら言った。

 

「まあ、そうだよな………はぁ…」

 

俺は小さく溜め息をつき、頭にレーダーを思い浮かべた。

全く魔物に会わないので、レーダーをOFFにしていたのだが、それなりに時間も経ったので、もう一度ONにして辺りを調べようと思ったのだ。

 

「もう、この際魔物でも何でも良いから出てこいよな~、このままじゃ歩き損だし………ん?」

 

自棄気味に呟いていると、俺はふと、歩みを止めた。

 

「………ん?」

 

すると、俺が立ち止まったのを感じたラリーが振り返った。

 

「相棒、どうしたの?」

 

ラリーがキョトンとした表情を浮かべて訊ねてくる。

 

「…………」

 

俺は暫くの間、俯いた状態で黙っていたが、やがて顔を上げ、不思議そうな表情で此方を見ているラリーとエメルに向かって言った。

 

「………来た」

「「え?」」

 

俺の返答に、2人の声が重なる。

 

「10時方向から接近反応。数は2つだ」

俺がそう言うと、2人も直ぐ様レーダーをONにして辺りを警戒する。

すると、町の人達が言っていたように、凄まじい轟音を其処ら中に撒き散らしながら、2つのシルエットが頭上を掠めていった。

 

頭に浮かべたレーダーに、相手の機種が表示される。

 

「ッ!?う、嘘だろ………」

 

それを見た俺は狼狽えた。

モルガンの時もそうだったが、まさか、異世界生活が始まって1ヶ月経った程度の状態で、こんなのに出会すなんて………

 

「あ、相棒?どうしたの?凄い汗かいてるけど」

 

隣に居るラリーが、心配そうに聞いてくる。

エメルも此方を向き、俺の顔を見るや否や、心配そうな表情を浮かべた。

 

「…………」

 

俺は答える事も出来ず、空を見上げ、まるで獲物を狙う禿鷹の如く俺等の頭上を旋回している2つのシルエットを睨んでいた。

「………相棒?」

 

首を傾げるラリーに俺は振り返り、口を開いた。

 

「ラリー………俺等は今、トンでもねぇのと出会したぞ」

「え?」

 

俺が言うと、ラリーはキョトンとした表情を浮かべて空を見上げた。

 

「あれ、そんなにヤバいのかい?」

「………ああ、エメルのモルガンと並ぶ程のトンデモ機体だ」

そして、エメルの後継機のような存在………

 

ADF-01(ファルケン)に、ADA-01B(アドラー)、か……ククッ………揃いも揃って、マジでおっかねぇのが来やがったぜ………」

 

俺はひきつった笑みを浮かべながら、着陸体勢に入ろうとする2機を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は数時間程遡り、神影達がタロンの町で夜を待っていた頃、エリージュ王国の王都では、何時もと変わらず訓練が行われていた。

F組の勇者の面々の中では、剣や拳を使った近接攻撃を得意とする者や、後方に回っての魔法攻撃を得意とする者。そして、攻撃系が苦手な代わりに、回復魔法を得意とする者に分かれ始めたため、訓練も、其々の得意分野に合わせた、グループ毎の練習メニューへと移行していた。

 

因みに、沙那は訓練には参加していない。体調不良を起こしているのだ。

実は、神影の捜索に失敗したあの日から、沙那は自室に閉じ籠っている。

神影を見つけられなかった事への虚しさに加え、神影の情報を聞き出そうとして、ラリーにキツく言われた言葉が、彼女に重くのし掛かり、自責の念によって精神を苛まれているのだ。

そのため、体調不良を起こした彼女を、シロナが付きっきりで看病していると言うのが今の状態だ。

沙那と同様、神影に好意を寄せている桜花は、沙那より症状は軽いものの、神影が離脱する前と比べると、明らかに調子を落としている。

 

 

「………はあっ!!」

 

そんな雄叫びと共に、F組の切り札とも呼べる男子生徒ーー御劔 正義ーーが放った斬撃が、数メートル離れた場所に置かれている藁人形を一刀両断した。

 

「おっ!マサヨシも中々やるようになったじゃないか!」

 

其処へ、彼の攻撃を見ていた騎士団長のフランクが声を掛けた。

 

「あっ、フランクさん」

 

それを見た正義はフランクの方を向いた。

そのまま頭を下げようとしたところで、フランクからの制止が掛かる。

 

「まあ待て、そんなに畏まらなくて良い。もっと気楽に接してくれ」

 

快活に笑いながら、フランクはそう言った。

 

「それで?訓練の調子はどうだ?」

「はい、順調ですね。皆も着々とレベルを上げていますし……」

 

そう言って、正義は訓練をしている他の男子達に目をやった。

フランクも、訓練をしている彼等を見て頬を緩める。

 

「どうやら、そうみたいだな……それにしても」

「……?」

 

不意に空を見上げたフランクに、正義は首を傾げた。

 

「出ていってしまったミカゲは、何処で何をしてるんだろうな」

「………ああ、古代ですか」

 

神影の話を持ち出したフランクに、正義は一瞬不快そうな表情を浮かべるものの、直ぐに表情を戻した。

 

「どうでしょう?彼奴は自分勝手に色々やってしまう人間ですから、今頃、何処かで呑気に生活していると思いますよ」

「………そうか」

 

然り気無く神影を貶すような事を言う正義に、フランクは一瞬、意味ありげな表情で彼を見た。

 

「じゃあ、俺はそろそろ他の連中の様子を見てくる。あんまり無理はするなよ?」

「は、はい!」

 

フランクがそう言って立ち去ると、正義は訓練を再開した。

 

「(沙那が、他の男子から性的な目で見られているのは知っていたし、古代が沙那を、そんな目で見ていないと言うのは直ぐに分かった。だが、何故それだけで、沙那はあんなにも、彼奴を好くようになるんだ?あんな協調性もやる気も無い、ただの戦闘機マニアな古代の何処が良い?俺なら、彼奴みたいに沙那を適当に扱ったりしない。それなのに、何故………)」

 

実を言うと、正義は沙那や奏とは幼馴染みで、かれこれ幼稚園からの付き合いになる。

長年自分と一緒に居た幼馴染みが、1年も一緒に居ていない男子生徒に好意を寄せている。

それは、彼にとっては不快で仕方が無かった。

そのため、彼の神影への接し方は、他と比べると冷たく、神影への評価も厳しかった。

 

その後も、フランクは其々のグループの元に赴いては、然り気無く神影の事を話題に出して様子を見た。

すると、男子だけが神影を毛嫌いしている事と、女子生徒が、一刻も早く神影が自分達の元に戻ってくるのを望んでいる事が分かった。

 

「(神影に関する意見は綺麗に2つに分かれてる………帰還を望む者と、排除を望む者………彼奴とクラスに、何があったんだ?)」

 

首を傾げ、腕を組みながら王宮内を歩き回るフランク。

そして遂に、彼はその疑問に対する答えを導き出す事は出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「勇者の皆様。本日の訓練も、お疲れ様でした」

 

夕方、訓練を終えて食堂にやって来たF組の面々を、エリージュ王国宰相のグリーツが迎えた。

 

「皆様も着々と力をつけているようで、此方としても喜ばしい事です。さあ、どうぞ。本日の食事です。召し上がってくださ………あっ、そう言えば」

 

不意にグリーツが話を変え、F組の面々が彼を見た。

 

「どうかしましたか?」

「あっ、いえ……ちょっと、思い出した事がありましてな…………」

 

不思議そうに訊ねる正義に、グリーツが答えた。

 

「今から2週間程前に、このエリージュ王国と、隣国であるクルゼレイ皇国の国境線上にある山岳地帯を根城としている盗賊集団、黒雲が壊滅したとの情報が、今日の昼頃に入りましてな」

 

グリーツがそう言うと、F組の面々はざわめき始めた。

 

「その黒雲とか言う連中って、強いんスか?」

 

そう訊ねる功に、グリーツは頷いた。

 

「ええ。数十人もの大規模な集団で、全員レベルがかなり高く、並大抵の冒険者では到底敵いませぬ。今まで何人もの冒険者が、奴等に挑んでは返り討ちにされ、男なら殺され、女は凌辱の後に奴隷商人へと売り払われておりました」

 

その言葉に、F組の面々は戦く。

自分達が今居るこの世界が、こんなにも恐ろしいものだと認識したのだ。

 

「そして、話のポイントはこの次です」

 

話を続けるグリーツに、一同の視線が集中する。

 

「黒雲を壊滅させたのが、たった2人の………それも、その日に登録したばかりの新米冒険者で、あろうことか、その内の1人に、異世界人ミカゲ・コダイが居るとの事なのです」

『『『『『『『『ッ!!?』』』』』』』』

 

グリーツの言葉に、一同は騒然とした。

神影のステータスがどんなものなのかは、彼等もよく知っている。

相方が何れ程強いのかは知らないが、少なくとも数十人相手に勝てるなんて事は、有り得ないだろう。

「おまけに、山岳地帯の山々も、謎の大爆発によって7割が消滅しているとも言われております」

 

ラリーがやった事も話題に出され、クラス一同は騒然とした。

 

「う、嘘だろ……?」

「古代が……?あの無能が、盗賊を壊滅させた、だって………?」

「そ、そんなの嘘だ………あんなキモオタに、そんなの出来る訳ねぇ。大体、どうやって壊滅させたってんだよ?有り得ねぇよ」

 

神影が自分達より強くなっているかもしれないと言う事実を認めたくない男子達は、皆揃って『嘘だ』、『そんな事有り得ない』と呟いている。

 

「古代君が冒険者やってたんだって!おまけに盗賊を、古代君ともう1人で倒しちゃったなんて!」

「つまり、古代君は私達より強いかもしれないって事?だとしたら、それって凄い事じゃん!」

「なんで、そんな力持ってる事隠してたんだろ?その力があれば、一気に注目されるのにね~」

 

女子達は驚きを見せながらも、何処と無く感心したような表情を浮かべている。

 

「(クソッ………勇者の成り損ないの分際で、このような力を持っていたとは………)」

 

其々正反対の反応を見せているF組の面々を眺めながら、グリーツは内心でドス黒い感情を募らせていた。

 

「(これでは、私の野望が潰えてしまう……この国は………いや、この世は私を中心に回るべきだと言うのに………)」

 

ギリッ……と歯軋りするグリーツだが、此処で、ある計画を思い付く。

 

「(そうだ。こやつ等の中には、彼奴に敵意を抱いている者が居る。其奴等を利用すれば………さて、その計画を何時実行するか……)」

 

グリーツは、そんな残酷極まりない事を考えていた。

そもそも、F組をこの世界に召喚した真の目的は、魔王討伐ではなく、彼の"ある目的"を果たすためだった。

それが今後、F組の面々や神影にどのような影響を及ぼすのかは、未だ、誰にも分からない。




はい、それでは皆さん、ご一緒に……………
『想定外です!想定外です!』(何かのドリンクのCM風に)


前書きで注意しておきましたが、取り敢えず念のために………

つ『ティッシュ&ハンカチのセット』

ご自由にお使いください。
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