航空傭兵の異世界無双物語(更新停止中)   作:弐式水戦

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第34話~漸く分かった女性陣の行方!ガルム1、僚機の救出に向かいます!~

午後7時30分、エリージュ王国上空3000フィートにて………

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても彼奴等、マジで何処行ったんだよ………」

 

行方不明になっている、エメルとファルケン、そしてアドラーを探すため、F-14Dを展開してタロンの町に向かっている俺は、そう呟いていた。

飛んでいる最中、3人に僚機念話を試してみたが、何れも応答は無かった。

「エメルはおろか、ファルケンやアドラーも応答しないなんて………何かあったのかな……」

 

そう呟いていた時だった。

 

《相棒、聞こえる?》

 

ラリーから連絡があった。

 

《おう、どうした?そっちに居たのか?》

《いや、居なかったよ。一応、この町には来たらしいけどね》

 

成る程、あの3人ルビーンに行ってたのか。

 

《そっちはどう?見つかった?》

 

そう言われた俺は、ラリーからは見えないと分かっていながらも首を横に振りながら言った。

 

《いや、未だだ。そもそもタロンに到着すらしてないからな》

《そっか………》

 

ラリーが落胆したように言った。

 

《なあ、ラリー。彼奴等が王都に行った可能性って無いかな?》

 

試しに聞いてみる。

 

《まあ、有り得なくはないね。3人は王都に行った事は無いから、僕達が王都に遊びに行くって言った時に王都に興味を持って、其所に向かったと言うのも否定出来ない》

 

一応、可能性はあるようだ。だが、どうやったら其処から帰らない上に、僚機念話にも応答しないと言う状態に繋がるのかが分からない。

 

《王都の騎士団に捕まった…………とかは?》

《それは流石に無いと思うよ?そもそも彼女等は、騎士団にも勇者にも会ってないからね》

言われてみれば、確かにその通りだ。

 

《でも、王都には嫌な奴も居るものだからね………特に彼奴とか》

《………ああ、あの銀髪ナルシスト野郎か》

 

俺は、王都に遊びに行った時に、天野達をナンパしてた銀髪を蹴り倒した事を思い出した。

《他にも、同期でゴルドってのが居るんだけど、彼奴も中々ねぇ……》

《ゴルド?聞いた事ねぇな………それ、誰なんだ?》

 

新たに耳にした名前に、俺はそう聞き返す。

 

《ああ。ゴルド・コアンと言う奴で、コアン伯爵の息子なんだけど、彼奴がね………》

 

それから話を続けるラリー曰く、甘えん坊且つ我が儘な性格で、コアン家を継いだら家は1週間で潰れるとか言われてるらしい。

因みに、ゴルドとか言う奴は、王立騎士・魔術師士官学校騎士科を最下位で卒業したのだが、魔術科で最下位卒業した(謹慎受ける時の事件もあって、無理矢理最下位にされたらしい)ラリーと比べると総合的な点は上らしく、士官学校全生徒では、最下位から2番目らしい(当然ながら、最下位はラリー)。

 

《彼奴、僕の事を『女にモテない醜い奴』とか言ってたけど、僕から言わせてもらえば、彼奴の方が何倍も醜いよ。背は低いし、デブだし、何より顔キモいし…………一言で言えば、彼奴はオークの子供だね》

「ぶははははっ!」

 

口汚く愚痴り始めたラリーの言葉に、俺は盛大に笑った。

こんなにも悪口を並べ立てるラリーは、初めてかもしれない。

 

《まあ、取り敢えずだ。一旦王都に行ってみてくれねぇか?もしかしたら、王都に居るかもしれねぇからさ》

《ああ、うん。了解だよ、相棒》

 

ラリーの愚痴が長くなりそうなので、話題をすり替える。

そして念話を終えると、俺は、軽く溜め息をついた。

 

「(彼奴、俺等が召喚される前からスッゲー苦労してたんだな……)」

 

今度、ミノタウロスのステーキでも奢ってやるか。何時ぞやの約束もあるからな。

 

そうしていると、漸くタロンの町が見えてきたので、俺は町の門より数百メートル手前で着陸する。

それから機体を解除して町に入り、捜索を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

「………この町にも居ないか」

 

町に入り、捜索を始めてから30分。

あちこち走り回ってみたものの、やはり、3人の姿は見当たらない。

 

此所でもないとなれば、一体何処に………?

 

「おや、この前来てた子じゃないか!」

「ん?」

 

突然声を掛けられ、俺は声の主の方へと振り向く。

其所には、この町の住人と思わしきおばちゃんが居た。

 

「こんな時間にどうしたんだい?一応言うけど、もう怪物は居ないよ?アンタ達が見つけてくれたからね!」

 

そう言って、快活に笑うおばちゃん。

 

「あ~、実はですね…」

「うん?」

 

何やら話を聞いてくれそうな雰囲気だったので、俺は、エメル達が遊びに出掛けたきり行方不明になっている事を話した。

ファルケンとアドラーは、度々この町の上空を飛んでいたのもあるので、この辺に居るのではないかと思って来たと言うのも説明した。

 

「…………と言う訳なんですよ」

「成る程、そう言う事だったのかい………」

 

俺が話を終えると、おばちゃんはそう言った。

 

「てっきり喧嘩別れでもしたのかと思ったけど、そうでもなかったんだね」

「…………?それは、どういう事ですか?何か知ってるような口振りですが………」

「知ってるも何も、飛んでくのを見たからねぇ。この目でバッチリと」

 

そう言うと、おばちゃんは3人が飛んでいった方向を教えてくれた。

おばちゃんが指差した方向は、南西だった。

 

「此処から南西に数十㎞行ったら森があってねぇ。もしかしたら、其所に居るんじゃないかい?」

「成る程………ありがとうございます!」

 

よっしゃ!漸く有力な情報が得られた!早速向かお……

 

「あっ、ちょっと待ちな!」

「………え?」

 

おばちゃんに礼を言って、早速機体を展開して向かおうとした時、突然呼び止められてしまう。

 

「何ですか?」

 

そう言いながら振り返ると、おばちゃんが不安そうな表情を浮かべていた。

 

「アンタ、まさか………行く気なのかい?」

「そりゃ勿論」

「そうか…………なら、気をつけるんだよ?ちょっと前に、その森で盗賊らしき集団を見かけたって、結構噂になってるからね」

「盗賊?」

 

黒雲なら、結構前に俺とラリーがアジトごと消し飛ばした筈なんだがな………

 

「何でも、別の地域から遥々やって来た連中でね、今は何処にも被害は出てないんだけど、何時動くかも、そもそも何処を根城にしてるのかも分からないからね、森に行くと言うなら止めはしないけど、気をつけるんだよ?」

 

そう言って、おばちゃんは念のためと周辺の地図をくれて、そのまま去っていった。

 

「……………」

 

その後ろ姿を見ながら、俺は立ち尽くす。

 

ヤバい、スッゲーフラグ臭がするんだけど。

 

「取り敢えず、向かう前にラリーに連絡を入れなきゃな……」

 

そう呟き、俺はラリーに連絡を入れるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所を移して、此処はエメル達が連れてこられた森林地帯の奥地。

エメル達が閉じ込められている牢屋がある洞窟の隣には、比較的大きめの家が建っていた。

其所は、エメル達を拐ってきた盗賊のアジトだった。

 

「午後8時か………時間まで1時間ってトコか」

 

壁に掛けられた時計を眺め、1人の男がそう言った。

 

「クククッ…………にしてもコアンって奴等もワルだよなぁ……この国の貴族でありながら、こんな盗賊団に手を貸すなんてよぉ」

 

ソファーに腰掛けて酒を飲んでいるリーダー格の男がそう言った。

 

「そうッスよねぇ。まあ、そんな連中であるお陰で、俺達は安全なアジトを手に入れられる上に、ヤバくなったら教えてもらえるんだから良いじゃないッスか」

「だな!」

「後は、あの3人をちょっと味見する事も許してくれりゃ完璧なんだけどなァ……」

「文句言うな。『美女3人を新品の状態で引き渡せ』ってのが、向こうの要求なんだからよ」

「そりゃ分かってるんですけどねぇ………」

 

最早、エメル達を"商品"として見ている男達。

成る程、この世界においては、人の命など軽いものだと言う、何時ぞやのラリーの言葉にも頷ける。

 

彼女等の仲間が向かってきているのも知らず、男達は依頼人の到着を待つのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

《………と言う訳だ》

《成る程、それなら何れだけ時間が経っても帰ってこなかった事や、何処を探しても見つからなかった事にも説明がつくね》

 

俺は機体を展開して離陸準備を済ませながら、僚機念話でラリーに連絡を入れていた。

 

《それにしても、他所から来た盗賊団か………黒雲を壊滅させた事に安心して、それの事をすっかり忘れてたよ》

 

ラリーが染々と言う。はっきり言うと、俺もラリーと同じだ。

 

《それで相棒、盗賊団のアジトの場所は分かるかい?》

《いや、其処までは聞いてない。何時動くのか、何処を根城にしてるのかも分からないって、おばちゃんが言ってたからな》

《そっか……》

 

俺が言うと、ラリーが残念そうに返してくる。

《だが、多分森の何処かに潜伏してると思う。おばちゃんから貰った地図によると、この周辺には、盗賊共がアジトに出来るような場所は、この森以外には無いからな》

《だとすると………多分、森の奥地だろうね》

 

ラリーがそのように予想を立てた。

 

《魔物が出るかもしれねぇのに、よく森の奥なんて選んだよな、その盗賊共》

 

俺がそう言うと、ラリーは同感だと返してきた。

 

《取り敢えず、僕も直ぐに向かうよ》

《了解。さっさと来ねぇと俺が全員殺っちまうぞ》

 

そう言うと、俺は念話を切り、道の真ん中に立つと、F-14Dを展開した。

エンジンノズルから、甲高い音が撒き散らされる。

 

「(また、人を殺す事になりそうだな………)」

 

目を瞑って、俺は内心そう呟いた。

 

だが、黒雲の連中を皆殺しにしたのが原因なのだろうか?

あの時のような戸惑いを、全く感じない。

寧ろ、連中に対して思いっきり殺意を抱いているのを感じる。

 

それは何故?そんなの簡単だ。

ソイツ等は、俺の僚機を……俺の大切な仲間を奪った。

 

エメルは兎も角、ファルケンやアドラーからの扱いは、酷いものだった………だが、F組の男子共と比べると、大したものでもない。可愛いものだとすら言える。

それに………

 

「1番機として、僚機を見捨てる事なんて出来るかよ、アホが」

 

そう吐き捨てると、俺はブレーキをキツく掛けた状態でアフターバーナーをフルで噴かした。

 

轟音が町一帯に響き渡ると、その音を聞き付けた町の人達が、何事だと家から出てくる。

だが、今は彼等に構ってる暇は無い。

俺はブレーキを解除する前、深く息を吸い込み、アフターバーナーの轟音を上回るような大声で怒鳴った。

 

「死にたくなけりゃ、其所を退けぇぇぇえええええっ!!!」

 

そう怒鳴り、俺はブレーキを解除した。

 

勢い良く飛び出すと、町の人達は皆、一斉に家の中へと引っ込む。

離陸した俺は、ハイGターンで向きを変えて、森の中へと突っ込んでいった。

 

捕らえられた僚機達を、救い出すために………




次回で蹂躙と言ったな?あれは嘘だ


あ、ごめんなさい石投げないでください。次こそはちゃんと蹂躙しますから!
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