跳ね上がりまくってますので、椅子やベッドなどに座っている方は、驚きのあまりに、ずり落ちないようにご注意ください。
「ふ~む………」
ある日、俺はベッドの上で胡座をかいて唸っていた。
その原因は、俺のステータスにある。
名前:古代 神影
種族:ヒューマン族
年齢:17歳
性別:男
称号:異世界人、
天職:航空傭兵
レベル:92
体力:850
筋力:770
防御:790
魔力:500
魔耐:600
俊敏性:1000
特殊能力:言語理解、空中戦闘技能、僚機勧誘、僚機念話
…………うん、やり過ぎた。因みに、他のメンバーのステータスは以下の通りだ。
名前:ラリー・トヴァルカイン
種族:ヒューマン族
年齢:18歳
性別:男
称号:追いやられし者、
天職:航空傭兵
レベル:90
体力:800
筋力:700
防御:690
魔力:5000
魔耐:5600
俊敏性:890
特殊能力:詠唱破棄、全属性適性、魔力感知、空中戦闘技能、僚機念話
名前:エメラリア・モルガネード
種族:人型戦闘機(ADFX-01/02 Morgan)
年齢:17歳
性別:女
称号:戦う理由
天職:航空傭兵
レベル:90
体力:680
筋力:650
防御:600
魔力:900
魔耐:950
俊敏性:800
特殊能力:言語理解、空中戦闘技能、僚機念話
名前:ゾーイ・ファルケン
種族:人型戦闘機(ADF-01 Falken)
年齢:16歳
性別:女
称号:機械仕掛けの女神
天職:航空傭兵
レベル:89
体力:900
筋力:850
防御:700
魔力:800
魔耐:750
俊敏性:950
特殊能力:言語理解、空中戦闘技能、僚機念話
名前:アドリア・アドラー
種族:人型戦闘機(ADA-01B Adler)
年齢:16歳
性別:女
称号:ロマンティックな愚か者
天職:航空傭兵
レベル:89
体力:1000
筋力:1500
防御:1200
魔力:600
魔耐:650
俊敏性:900
特殊能力:言語理解、空中戦闘技能、僚機念話
…………うん、皆揃ってチートしてましたわ。
つーかラリーよ。お前、魔力系強すぎだろ。何一気に5000とか叩き出してんだよ?お前、昔の事故で魔力系の力9割以上失ったんじゃねぇのかよ?
え、何?『コレでも力は失われてる方だし、元々魔力系の伸びが異常な程良かった』だって?
良すぎるにも程があるわ!
つーか、んな事言ったらお前、力を完全に取り戻したら、魔力系のステータス値の単位が"万"超えるって事か?恐すぎるぞ。今の俺なら、お前が魔族でも驚かん自信あるわ。
それにアドリア。お前、俺等よりレベル低いのに力強すぎるだろ。
コレが攻撃機の特権と言うヤツなのだろうか?
それならゾーイとエメルは…………うん、全体的にバランスが取れてるって感じかな?それで良いと思うぞ?俺は。
まあ、こんなになった理由を簡単に説明すると、俺がファルケンやアドラー達と和解し、TACネームも決めてから今日までの数日間、何か変に調子が出てきたので、レベルアップのために近場のダンジョンに潜って魔物を狩りまくったのだ。
そして、どんどん強くなるのが分かり、それが嬉しくて調子に乗り、挙げ句の果てにはダンジョンを攻略してしまう始末。
それに、そのダンジョンは、この約100年の間、攻略者が居ないと言うダンジョンだったため、何れだけ強くなったのかがハッキリしてしまっていた。
其処で俺の頭に、ある事が浮かび上がった。
──コレ、王都の連中にバレたら色々ヤバいんじゃね?──
そもそも俺は、ラリーと冒険者登録をした初日に、難攻不落と呼ばれた盗賊集団、黒雲を壊滅させて、捕らえられていた女性達を全員救出。
その際に、ラリーがクルゼレイ皇国との国境線とも呼べる山岳地帯を魔法で7割程消し飛ばすと言うチートぶりを発揮。
さらに、エメルやファルケン、アドラーが加わってからも、ワイバーンの群れを狩りまくったりもした。
他にも、一つ目の化け物であるサイクロプスや、時には小型のドラゴンを狩る事もあった。
おまけに、今までどんな依頼も1日で終わらせていたため、どっかの町を訪れた際には、"最速仕事人"とか呼ばれた事もあった。
さらに、エメル達を拐った盗賊を皆殺しにして、そのついでとばかりに、その事件の黒幕的存在であるコアン親子を逮捕。
つまり、何が言いたいかと言うとだな…………
この1ヶ月ちょっとの間に、俺達はあちこちで盛大に暴れまくっていたと言う事だ。
まあ、別に依頼をこなした訳ではないので、パーティーランクは未だにSなのだが…………って、んなモン今は関係ねぇだろうが!
兎に角、この国に俺等のステータスがバレて変な奴等寄越されるより前に、この国を出なくては!
「…………と言う訳で、そろそろ場所を変えようと思うんだ」
そして、ある日の事。俺は第1回ガルム隊緊急会議を開いていた。
「確かに、今までの僕達には、"自重"と言うものが足りていなかったからね………あっちこっちで暴れたから、流石に、国に目をつけられたかもしれないな…………」
ラリーが顔を伏せてそう言った。
「でも、今思ったんだけど」
其処へ、エメルが口を開いた。
「隣国に行っても意味あるの?私達の噂が向こうにも流れていたら、結局同じじゃない」
エメルの言葉に、俺は悩む。
確かにその通りだ。
「……………と言う事は、もう何処か人里離れた場所に隠居するしか、方法は無いのか……………?」
俺がそう呟くと、其処に待ったを掛ける人物が居た。
「エメルの意見も一理あるけど、やはり外国に行くと言うのには賛成だね」
ラリーだった。
「実は、この前お忍びで、王都の図書館に行ったんだけど、其所で面白い情報を入手したんだ」
「面白い情報?」
俺が聞き返すと、ラリーは頷いた。
「その通り」
そう言って、ラリーは本に書かれていた内容を教えてくれた。
ラリー曰く、元々、人間と魔族やその他の亜人族は、共存関係にあったらしい。
体質の違いで多少のいざこざはあったものの、大きな戦争に発展するような事は無く、中には異種族間で結婚すると言うケースも、少なからずあったらしい。
だが、ある時、突如として魔族勢力が人間勢力に攻撃を仕掛けるようになり、人間、魔族、その他の亜人族との戦争が起こるようになったと、その本には記されていたと言う。
「成る程なぁ………」
ラリーが話を終えると、俺はそう呟いた。
「ラリーが読んだ本では、完全に魔族が悪い流れになってるようだな」
「そうなんだよ。でも皆、此処で何かがおかしいとは思わないかい?」
ラリーがそう言うと、俺達4人の視線がラリーに集中する。
「こんな異種族間での戦争が起こっているのに、魔族は未だに攻めてこない………ねえ、相棒」
不意に、ラリーが話し掛けてきた。
「君は、この世界に召喚されてから、魔族に会った事はあるかい?」
その問いに、俺は首を横に振る。
「いや、1回も無い。まあ、あの時はレベルも低くて、城での訓練ばかりだったからなぁ………」
「そうか…………じゃあ、国王陛下にお会いした事は?」
「…………あっ」
そう言えば…………1回も無い。
「でも、国王って魔王に厄災の呪いを掛けられたんじゃ…………?」
「そうだね、僕もそう聞いてるよ。王立騎士・魔術師団士官学校の生徒や城の衛兵達にも勿論ね。それに、町の人には言うなって、口外を禁止されてる」
「それは、それを聞いた住人がパニックを起こすのを防ぐため、なのでは…………?」
「それはどうだろうね」
ファルケンの言葉に、ラリーはそう言った。
「相棒。その口外禁止と、国王が魔王に呪いを掛けられたのを伝えたのって、誰だと思う?」
「…………?誰なんだ?」
俺が聞き返すと、ラリーは黒い笑みを浮かべて言った。
「…………宰相、グリーツ・ボーアンだよ」
「ッ!?」
ラリーが答えた人物に、俺は息を呑んだ。
「あのジジイの事だから、何か企んでるんじゃないかと言うのが僕の考えなんだ」
ラリーはそう言った。
はっきり言うと、俺はその意見に同意だ。
彼奴は、俺達F組が異世界に召喚された日、御劔の一言で皆が魔王討伐に協力する姿勢を見せた時、『上手くいった』と言わんばかりの笑みを浮かべていた。
何と無く裏があるんじゃないかと思っていたが…………
「それに、矢鱈と魔族や他の亜人族に対して敵対的な事を言っていなかった?」
ラリーにそう言われると、俺は座学での授業を思い出した。
『魔族は人間を見下し、対等な存在として見ていない恥知らずな生き物だ』とか、『人間こそが崇高な存在なのだ』とか、完全な人間主義を掲げていたな。
それとか、『魔族は有り余る資源を独り占めにし、自分達だけ力を蓄えている』とも言っていた。
まるでヘイトスピーチを聞いているような気分だったのを、今でも覚えている。
そう言えば、今までエリージュ国内で亜人族に会った事も無かったような………
「そして、他にもポイントがあるんだ」
ラリーが話を始めたので、俺はラリーに目を向ける。
「この、人間族と、魔神と亜人族で睨み合いをしている中、幾つかの国は、他種族を受け入れている態勢を取っている。そしてこの戦争において、武力で相手を従わせようとするエリージュ王国や、エリージュ王国派の国々に対して、反発的な姿勢を見せている国があるんだ。場所を移すなら、其所に行くのがお勧めだね。亜人族達からも、良い情報が聞けそうだし」
ラリーがそう言った。
「成る程な…………因みに、何処なんだ?その国ってのは」
その問いに、ラリーは何処からともなく世界地図を取り出すと、ある地点を指差した。
「エリージュ王国の東に隣接する国…………」
そう…………
「クルゼレイ皇国さ」
序盤でツッコミまくりの神影君でした。