航空傭兵の異世界無双物語(更新停止中)   作:弐式水戦

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第51話~さらに増えた僚機!王都で魔人族と接触!~

F組の面々や騎士団と別れた俺達は、ユダの町へと進路を取っていた。

 

「…………」

「浮かない顔をしていますね、ミカゲ様」

 

不意に、俺の右隣を飛んでいるゾーイが話し掛けてきた。

 

「分かるか?」

「ええ。それなりの間、貴方の僚機をしているのですから、それぐらいは分かります」

「そうかい」

 

俺はそう返した。

 

今考えているのは、F組の連中の事だ。

女子の方には一応伝えておいたが、コレが男子にも渡ったら、どうなるだろう?

俺の事を兎に角拒絶してやがった連中だ。恐らく、『古代の言う事なんて信じるな』とか言ってそうだな。

 

となれば、男子は救いようが無いとして、女子の方は…………未だ何とか出来そうだ。

何せ、あの中には先生が居たんだから、いざとなれば、先生が引っ張ってくれる筈だ。

それに、天野や雪倉、さらに白銀と言った強力な3人が居るんだ。あの3人が居れば、大概乗り越えられるだろう。

 

もし、それでも無理なんて事になれば………出来れば、力になってやりたい。

何だかんだでF組女子には、俺が男子に嫌われてる状態でも仲良くしてくれたと言う恩がある。

それに報いるものだと思えば…………

 

「……ミカゲ様?ミカゲ様!」

「ん?」

 

不意に呼ばれ、俺はゾーイの方を振り向く。

 

「どうしました?ボーッとしておられましたが……何か、心配事でも?」

「あ~……ちょっと、F組の連中の事をな……」

 

心配そうに言うゾーイに、俺はそう返した。

 

「ラリーは、ちゃんと仲直り出来たかねぇ?」

 

ふと、そんな事を呟いてみる。

 

「どうでしょう……ラリー様達からの連絡は来ていませんが、恐らくは」

 

俺の呟きに、今度はアドリアが答えた。

 

「それで、ミカゲ様。彼女は………」

 

アドリアがそう言いかけた。恐らく、ユリシアをどうするかを聞こうとしているのだろう。

 

「まあ、取り敢えずガルム隊に入らないかって誘ってみるよ。ずっと独りぼっちってのも、寂しいだろうからな」

 

そんな話をしている内に、俺達はユダの町の上空に来ていた。

 

「さて、そうこうしてる間に着いちまったな…………降りるぞ」

 

そうして、ゾーイとアドリアは着陸してからの惰力走行などもあるために一旦離れ、俺はハリアーのVTOL機能を使って先に着陸する。

そして、着陸を済ませた2人が来ると、一旦エメルに連絡を入れて、ラリー達の居場所が俺とラリーの部屋である事を聞いた後、宿に入り、俺とラリーの部屋へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論から言うと、仲直りは上手くいったらしい。

 

ユリシアも、気が動転したあまりにラリーを撃墜してしまった事を後悔していたらしく、互いの過去などを話し合った後、ユリシアはラリーを撃墜してしまった事を、ラリーは、ユリシアを驚かせてしまった事について互いに謝り、和解に至ったと言う。

 

「……まあ、何はともあれ、上手く仲直り出来て良かったな」

 

話を聞いた俺はそう言った。

今となっては、ユリシアはラリーに懐いており、ベッドに腰掛けているラリーの膝の上にちょこんと座っている。

歳の離れた兄妹を見ているようで、微笑ましかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、それではこれからの事なんだが………」

 

あれから少しして、俺達はギルドに行き、改めて依頼達成の報告を済ませ、報酬を受け取った。

その後、ユリシアは少なくとも、夜な夜な轟音を撒き散らして町の人を不安にさせてしまったため、明日、ちゃんと町の人に謝る事を約束した。

 

その後、俺達は再び、俺とラリーの部屋へと戻っていた。

今後について話し合うためだ。

 

「なあ、ユリシア」

「は、はい!?」

 

小さな体をピクリと跳ねさせ、ユリシアが此方を向いた。

どうやら、未だ俺には慣れてくれていないようだ。

 

「率直に聞くが………これからどうするつもりなんだ?」

「…………」

 

俺の質問に、ユリシアは顔を伏せた。

 

「俺としては、お前をガルム隊に入れたいと思ってるんだ」

「え?」

 

俺の言葉に、ユリシアが顔を上げる。

 

「知ってるとは思うが、お前のような"人型戦闘機"は、そう居ない。今分かってる中でも、其所に居る3人だけだ」

 

そう言うと、俺はエメルとゾーイ、アドリアの3人に目を向ける。

 

「じゃあ、その………ミカゲさんもラリーさんも、人型戦闘機ではないのですか?」

「ああ、そうだ。俺もラリーもヒューマン族だ」

 

俺はそう答えると、久々にステータスプレートを取り出して彼女に見せる。

こんな小さな娘にはキツい事だとは思うが、こう言うのは曖昧な言い方をしてたり、はぐらかしたりしてはいけない。

例え小さな娘が相手でも、言う時にはキチンと言わなければならないのだ。

 

「…………」

 

ステータスプレートを見たユリシアは、再び顔を伏せてしまう。

 

「別に、無理にガルム隊に入れとは言わないさ。一応、イリナさんが知り合いみたいだから、もしガルム隊に入らないなら、お前が安心して住める方法について、何とかならないかって交渉はしてみる」

 

俺はそう言った。

此方の都合で色々と引っ掻き回してしまった手前、コレぐらいはしなければな。

 

「…………」

 

ユリシアは顔を上げると、俺とラリー、そしてガルム隊女性陣を順に見た。

 

「え、えっと……その………」

 

胸の前で、その小さな手をモジモジさせながら、ユリシアは口を開いた。

 

「み、皆さんは………ずっと、クルゼレイ皇国(この国)に………居るの、ですか…………?」

 

不意に、ユリシアはそんな事を聞いてきた。

 

「いや、それは分からない。今は一応、この国の城で世話になってるが………何時かは、出ていくと思う」

「…………」

 

そう言うと、ユリシアはラリーの方に目を向けた。

 

「…………?」

 

目を向けられたラリーは、キョトンとした表情で首を傾げる。

 

すると、今度は俺に視線を向ける。

 

「「…………」」

 

そうして見つめ合うこと数分…………

 

「私………」

 

ユリシアが口を開いた。

 

「私、ガルム隊に入ります!」

 

どうやらユリシアは、俺達と一緒に行く事を選んだようだ。

 

「そっか………本気、なんだな?」

 

念のため、迷いは無いかを訊ねる。

 

「はい!」

 

ユリシアは、その小さな体に力を入れて、頷いた。

どうやら、迷いは無いみたいだ。

 

「了解」

 

そうして、俺はラリーやエメル、ゾーイ、アドリアに目を向けた。

4人は俺を見て、笑顔で頷く。

 

俺も頷くと、ユリシアに向き直った。

 

「それじゃあ、お前のコールサインは、ガルム6だ」

 

そう言ってから、手を差し伸べる。

 

「ガルム隊へようこそ、ユリシア」

「…………ッ!はい!」

 

そう返して、ユリシアは俺の手を取った。

 

こうして、ユリシア・フェリアーネのガルム隊入隊が決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

それから一夜が明け、ラリーに付き添われたユリシアは、夜な夜な轟音を撒き散らして、町の人々に迷惑を掛けた事を謝って回った。

事情が事情だったためか、皆、理由を話すと許してくれたらしい。

 

それから俺達は、世話になった宿の人に一言掛けて、クルゼレイ皇国王都へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~、スッゲー疲れた」

「お疲れ様、相棒」

 

王都へ戻るや否や、何処から聞き付けたのか姫様がすっ飛んできて、さらに抱きついてきた。

そのまま有無を言わさず姫様の部屋へと連行され、やれ『ユダの町で何があったのか』とか根掘り葉掘り聞かれた。

おまけに、『会えない間ずっと寂しかったから、遊び相手をしてください!』とか言われ、夕方まで彼女の遊び相手をする事になった。

つーか、ドンだけ俺に懐いてんのさ姫様?

因みに、その光景を影で見ていた女王陛下は、それはそれは微笑ましげな表情を浮かべていたとか。

 

まあ、そんなこんながあって、夕方の6時頃に漸く解放され、部屋に戻ってベッドに飛び込んだ俺に、ラリーが労いの言葉を掛けてくれた。

 

「ラリー、俺はもう疲れたよ………」

「あははは………それ何処の絵描き少年なのさ?」

 

ラリーが苦笑混じりにツッコミを入れる。

つか、お前こそフ○ン○○スの○なんて何処で知ったんだよ…………

まさか、この世界にも童話とかがあるのか?

 

そうしていると、部屋のドアがノックされ、1人のメイドさんが入ってきた。

 

「ミカゲ様、ラリー様。夕食はどうされますか?」

「あ~、それは………」

 

俺はラリーの方を見た。今日はコイツと外食しに行きたい気分だからな。

ラリーも俺と同じ考えだったらしく、頷いてメイドさんの方を向いた。

 

「いや、今日は良いです。外で食べますので、夕食はエメル達の4人分だけで」

「畏まりました」

 

そう言って、メイドさんは部屋を出ていった。

 

「それじゃ、7時頃に町に行くか」

「うん」

 

そうして、俺達はそれまでの間、喋る事無くのんびりして過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、それじゃ何処行こうかねぇ~」

「相棒、ミノタウロスのステーキを奢る件、忘れてないよね?」

「も、勿論さ」

 

町に繰り出し、そんな会話をしながら歩き回っていた、その時だった。

 

「おーい、其所のお二人さん!」

「「ん?」」

 

不意に、後ろから声を掛けられた。

振り向くと、長く尖った耳に濃い肌を持った、俺等と同い年ぐらいの青年が、此方に向かって手を振っていた。

念のために辺りを見回し、自分達の事を言っているのか確かめるため、俺自身を指差す。

 

「そうそう!お二人さんだよ!」

 

どうやら、相手は俺等をご指名らしい。

疑問に思いながらも、俺達はその青年に近寄った。

 

「何だ?」

 

一先ずそう言ってみる。

 

「お前等………ガルムって冒険者パーティーのメンバーだろ?たった1ヶ月で、FランクからSSに上がったって噂の」

 

その青年は、そのように言ってきた。

 

「まあ、一応そうだが………?そちらさんは?」

 

俺はそう訊ねた。

 

「おっと失礼、未だ自己紹介してなかったな」

 

そう言うと、青年は1つ咳払いしてから言葉を続けた。

 

「俺は魔人族の、ロイク・アルバートってモンだ。コレでも、Aランク冒険者をやってる」

 

そう言うと、ロイクはギルドカードを見せてくる。

 

「魔人族も、冒険者をやるものなんだね」

「まあな。ラミアみたいな他の魔族とか、エルフやドワーフのような亜人種、他にも獣人族だって、冒険者をやったりするんだぜ?と言っても、この大陸じゃあクルゼレイ皇国や、他の細々した国ぐらいしか通用しないんだけどな。だって、エリージュみたいな人間主義国家じゃ、あれだろ?」

「まあ、そうだな」

 

どうやら、彼とは案外話が合うようだ。つーか、何だコレ?魔人族って、ヒューマン族に対してスッゲー友好的じゃん。エリージュ王国で聞いた話と全然違うじゃん。

こんなフレンドリーな連中が敵?下等で身勝手な種族?そんなの考えたエリージュ王国の人間ってマジで馬鹿だろ。

 

おっと、そうこうしてる間も無かったな。

 

「ところで………ロイクは俺達に何の用なんだ?」

「まあ、用っつーか何つーか………別に、大した事じゃないんだけどさ」

 

ロイクはそう言うと、何処か面映ゆそうに頬をポリポリ掻く。

 

「俺としては、あの有名なガルムが居るとなれば、色々と話したりしたくなっちまう性分でな…………良かったら、飯でも一緒にどうだ?一杯奢るぜ?」

 

いきなり夕食のお誘いを掛けてきた。

 

「………良いのか?俺等、ミノタウロスのステーキ食いに行こうとしてたんだが」

「それならちょうど良いぜ、俺も其所に行くつもりだったからな」

 

ロイクは笑みを浮かべてそう言った。

 

「この町には結構長い間住んでてな、良い店知ってるんだ。連れてってやるよ………ホラ、来いよ。此方だ」

 

そう言って、ロイクは先に歩き出す。

俺とラリーは、互いに顔を見合わせた後、ロイクの後に続くのであった。




さて、このロイクと言う男。一体何者なのか?
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