Fate/SN GO【本編完結】   作:ひとりのリク

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五節 刀剣ハザードⅡ

 

江戸城本丸御殿の玄関前。

崩落した門の守りに就く桃時と対峙する僕たち4人は、暫しの睨み合いを繰り広げていた。

主に重圧を放っているのは桃時と土方。肉弾戦が出来ない人間にも感じ取れる緊張感だ。怖気ないマシュと神楽にも脱帽する。

僕は我慢出来ずに後ろへと意識を向けた。似蔵や十右衛門の奇襲が気になってしまう。1分前まで四方八方から刃が降り注ぐ戦場を駆け回っていた後遺症だ。骸が山を成し、鉄屑が桜の木から舞い落ちる江戸城の内濠に比べれば、これほど落ち着ける場所はない。

 

だからこそ気味が悪い。

 

「あっ大丈夫大丈夫!時間は取らせねーよ。

パッとやってスカッと終わるヤツでいくから!」

「………は?」

 

睨み合いに幕を下ろした桃時の提案が不気味で仕方なかった。皆んな唖然としている、土方も眉をひそめて桃時に説明を促した。

 

「今からするのは一本勝負。漢の競技だ」

「ふざけてるのか、この状況で。敵地ど真ん中でスポーツマンシップに則れなんて言われても」

 

従う訳がない。

バカバカしいと斬りかかる土方が止まったのは、桃時の格好が変化していたせいだ。英霊との戦闘経験の浅さが、相手の意図を読めずに後手に回った。

 

神々しき烏帽子、雄々しい軍配団扇。室町時代の武家装束を彷彿とさせる緋い直垂(ひただれ)姿で不動の構えを取る。そして雄々しく高らかに!

 

「“幽けき桃時山の殺鬼土俵”へようこそ」

 

軍配団扇を高らかに掲げて、己が土俵へと一切合切を引き摺り込んだ。

 

「宝具だ!!」

 

一瞬の閃光は桃時から発生し、全員の視界を混乱させた。視界が復活したとき、そこは本場所だったのだ。

然し国技館でも、国際センターでもない。御殿玄関前に造られた急造、本日限りの大一番。

 

「土俵!? なによコレ…あいつの仕業??」

 

僕たちが立っているのは土俵へと続く花道。土に染み込んだ熱気が早く上がれと急かしている。無観客でも煽られる闘争心の理由は、桃時がかつて取組んだ熱量を共有しているせいだ。

 

「ヤバくなる前に仕留めるぞ!!」

「はいっ! 土方さんに続きます!」

 

土方が飛び出し、マシュ、神楽があとに続く。土俵入りするのは明らかな罠だが、既に服装が戻った桃時を見るに宝具は成立してしまった。これ以上、彼の思う壺にならないように仕掛けて倒してしまいたいが…不安が拭えない。

直感的に、足を止めるべきだと思った時には。

 

「は、入れません! 土方さん待って!」

「おいニコチン不味いわよ!戻れ!!」

 

1人だけ土俵に踏み込んだ土方を見て、事の手遅れを悟る。マシュと神楽は見えない壁に阻まれている。

この宝具は見た通り。競技と謳ったことに違わず、1対1のタイマンを成立させるものだった。

 

これを土俵入りとするなら、ここから土俵上での儀式が行われる筈だ。然し、土方はお構いなしと。孤立したことを気にも留めずに刃を振り下ろす。

 

「お前さぁ、葬式の礼儀とかシカトこくヤツ?」

戦場(ここ)じゃコレが礼儀だ」

 

違うか?と笑う土方の攻撃を受け止めた桃時は、メリケンを鳴らしながら宣言を開始した。

 

「良いぜ、威勢を買った! このまま続ける!

壱、女人の土俵入りを認める」

「……あ?」

 

思考が混乱する。快活な声で、唐突すぎる発言。狂化でも受けたかと思う言葉は、土俵の意味を考えれば納得した。土俵は力士の舞台、守る者が居ては敗北のケチの捌け口にされて敵わない。故に神事と格上げしてきた舞台が大地の頂上だ、そこに女人の土俵入りを認めた。

 

「好き勝手に言いやがって」

 

土方を負かすと言ったのだ、当然だが本人は怒る。

 

刃の勢いが増す。メリケンの上からお構いなしに叩き潰そうとする姿は、新撰組の背中を思い出させた。

刀とは思えない豪快な打撃を右拳で受け止めた桃時は、左拳を解いた。開いた掌が土方をその内側に納めんと突き出される。所謂、鉄砲。相撲界最強の打撃が土方の心臓部へと炸裂した。

 

「ゴッブガ────」

「土方さん!?」

 

驚くべきは突きに伴う音だ。たった30センチの距離なのに空気を裂く音を放ち、音速を越えてきた。

 

「弐、場外で敗北とする!」

 

更に驚くべきは、臓物が捻り潰されかねない鉄砲を受けながら、左腕に絡み付いて吹き飛ばされるのを拒んだ土方の根性だ。勢いを引き連れて桃時の体勢を崩し、肩に刀を突き刺した。

 

「ゲェ! やろう! こんの離れろ!!」

 

痛みに顔を顰めた桃時は、片膝を着いたまま左腕に絡み付く土方に左の掌を当てて、溜め無しに放つ。

リロード無し。肩を回した勢いだけで掌に勢いを伝え、土方に絡まれながら2発目の鉄砲を放った。

 

「無茶苦茶な………」

 

離れかけていた土方だが間に合わず、ゼロ距離リロード無しの鉄砲が直撃して吹き飛んだ。抗いようもないまま土俵の外に弾き出されて、一本勝負の決着がつく。同時に、桃時の宣言が放たれた。

 

「参、敗北即ち退去とする」

「嘘……!?」

 

敗北、退去、それは土方歳三の宝具を借り受けている彼にとって、死も同義じゃないか。

慌てて駆け寄り、土方を抱き起こす。声を掛けると、土方はゆっくりと目蓋を上げてくれた。

 

「よかった、死んでない!」

「当然だ。ルールを設ける前にやっちまった。死ぬのは次からになるぜ!

ついでに肆、再戦は一巡後だ。当然4人で」

 

ついで、ということは土俵のルールは全て桃時の思うように変更出来るのか。最初に参のルールを入れないところに律儀さを感じるし、自分に傾けたルール追加をしない。彼は本気で競技をやるつもりなんだ。

 

……いきなり崖っぷち。

言葉通り、相手の土俵で勝つしかない。

 

「おい」

「土方さん?」

「………耳、かせ」

 

僕の襟を掴んだ土方は、3人に耳打ちした。

 

「羽織りが無くなった?」

「負けの代償、だろうな。動けっから、消滅した訳じゃない」

「無いのに動けるって、桃時の温情ってことよね。敵のくせに何がしたいのかしら」

「敵意はあまり感じません。競技を望んでいるので、桃時さんなりの考えがあるのかも…」

「はぁ。ただでさえ名前からして腹立つってのに、回りくどい考えしてんなら尚のこと────」

 

マシュの考えには同意だ。神楽の独り言は、無視しておこうか。

 

「オラどうした。

誰でもいいぜ、順番は選ばせてやる!!

俺さまと相撲するのはどいつだぁ!?」

 

急かす声、考える時間は無い。

下手に時間稼ぎしてみろ、どんなルール追加をされるか分からない。

土俵入りは1人、残された選択肢は自ずと…。

 

「あとな────」

「………なっ!?」

 

更に土方が小声で耳打ちした内容に眉をひそめてしまう。

 

大前提を揺るがす、とてつもない提案だ。

だけど、桃時の行動を見るに敢えてだとも納得した。この隙間は、彼の想いが見え隠れしている。

 

全員、決心がついた。

 

勝負に赴くのは当然、人理の盾。

勇しく神聖なる円蓋へと踏み入る。

土俵を踏みしめた瞬間、彼女の背中に緊張が走ったのが分かった。ここからでは分からない緊張感があるんだ。

 

「マシュ・キリエライト。

授かった英霊の真名はギャラハッド。

マスター藤丸立香! 人類最後の代表として貴方にはご退場願います!!」

 

呑まれかけた己を鼓舞するために名乗りを上げた。気合いは十分だ。

 

「俺は坂田 桃時。今は鈍刀の屑鉄桃時。黄泉路から戻ったのは強いヤツと未来を語るため!」

 

立ち合い不要、ルール無用、時間いっぱい。

敗北は即刻退去。この世界でマシュ・キリエライトの退去が何を意味するのか、それは誰にも分からない。管制室との連絡が断たれた空想世界で、もしも銀の世界に捕まってしまえば…。

 

そんな心配は、彼女の背中を見れば吹き飛んでいた。

 

発気揚(はっけよ)い────」

 

真祖の大地も揺るがす取組が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜の木のうち、最も遠くに植えられた桜の木。

汐見坂を登った真横に植えられた桜の木には、江戸城関係者の限られた者に許された出入り口がある。

基本的にはここから出入りすることは無い。入った者が中で霊気を失うと、桜の木も伐採されてしまう。代わりに如何なる侵入手段も遮断する効果が付与されていて、本体の似蔵が敵を1人ずつおびき寄せるために使ったのだが……

 

「………俺ぁ退屈しねェなら何でもいいけどよ」

 

桜の木の前で、クー・フーリンを模った刀が呟いた。

視線は宙空を舞う模造刀似蔵、地上の敵をいったりきたり。似蔵には無謀な突撃を繰り返している。地上の敵にも呆れた視線を向けるが…それは正門以外からの侵入という横暴っぷりに対するものだ。

 

「お前さん。白昼堂々と外を歩いて大丈夫かよ」

「なんの話だ」

「ん。あ〜、空模様は夜に見えるだろ。あいつァただの模様で…」

「知ったふうな事を言う。江戸城(ここ)も、外にも太陽なぞ出てはおらんというのに」

「んな────」

 

クー・フーリンは内側からガツンとくる衝撃を受けた。真相の裏を確かめてもいないのに信じてしまったのは、模造刀に宿る僅かな魂がクー・フーリンを嗤ったからだ。

 

「気づいていないのはお前だけのようだ」

「………ま。喚いたところでだろ。

俺はどうもマスターの巡りが悪いらしいからな、そこんとこ受け止めなくっちゃ────」

「本来の霊気に救われたな、鉄屑」

「───────!」

 

鉄屑。

無縁であったその言葉は、こと模造刀クー・フーリンの精神を逆撫でした。

犬、と呼ばれた時のように。

 

「ワザとほざいたな、鳳仙」

「その煽りが効くのはサーヴァントの時から変わらんか。一芸のみは面白みがないぞ」

 

夜王は嗤う、時刻正午の空の下で。

夜空のように暗い空模様だが、地上は真昼のように明るい。相反することのない地上と青空の照度に酔いかねない筈の夜王は、強がりでもなんでもなく、必殺さえ許そうと宣う。

 

「先制は譲ろう。矮小な誇りがいかに無力かを吸血鬼に見せつけてくれる」

「そうか。後悔は太陽に向かって叫びな」

 

絶対の一撃を纏い、槍兵は地を翔けた。

射程範囲に入った瞬間、“夜王”へ向けて解き放つ。

 

刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルグ)!」

 

やけに洗練された魔力が満ち溢れ、朱槍の矛は宙へ向けて放たれる。突き技が鳳仙の頭上を通り過ぎた時、外れた結果が捻じ曲がる…同時に夜王は踏み込み、相討ち狙いの大傘の振り下ろしを実行した。

 

夜王鳳仙は真名解放を阻止しなければならなかった。言の葉を紡いだ時点で因果律は逆転し、その心臓は常識を飛び越えて呪いに穿たれる。クー・フーリンが模造刀だと侮ったのなら誤りだ、仁鉄の業は呪いとの相性が良いのだから。

 

「模造刀風情が宝具を真似たところで…」

 

果たして、最強の男に通じるのか。クー・フーリンが疑問に思うことはなかった。蛮勇を歩むのは若気の至りだと我に問えば良かったのだろうが、仁鉄の自信が込もる矛先に、後ろを向く柔らかさは欠けていて。

 

「紛い物に夜王の心臓が取れる訳なかろう」

「っほざきやがれ。ンもんに魂握らせやがって…俺が届くわけねェだろクソ」

 

必然的に、相討ちの様相を模した獲物の交差は、鳳仙の大傘のみがクー・フーリンの身体を捻り潰していた。

河川の道を続く限り歩いていくような姿を見て、ここには非常識が通じないと察すれば良かったものを。常識から逸脱出来ないことを知るには、この場所…江戸城は異質で異常。鳳仙の異常は隠れてしまっている。

 

「宝具を持たぬ生前だろうと届くものか。

夜王は誰ぞに晒す心は持ち合わせてないのだ」

 

弾かれた朱槍が消える。

偽りのクー・フーリンも消えた。

最後に残ったクー・フーリンの霊気は、各所から感じる魔術師の気配を察知して、少しの惜しみを抱いて消えた。

 

残された桜の木からは似蔵が生産されない。

リソースは有限ということを指し示すように、クー・フーリンの宝具の残り香が消えるまでは花弁が散ることはないのだ。

待つ理由は無し、鳳仙は大傘の一振りで伐木を試みて、理不尽な硬さに目を見張る。

 

「これも空想具現化の一部。

童が似蔵を殺さねば壊れぬか」

 

模造刀に預けた命。一矢報いる抵抗を見て、向こうで起きている復讐劇の終幕を待つことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カルデアを利用して裏口から入ってきたと。知恵が回る化け物は厄介厄介だ」

 

クー・フーリンが退去した場面を五階から目視した仁鉄は、身体に減り込んだ弾丸の破片を取り除きながら苦笑する。

アレも自信作だった。霊気から宝具の再現まで漕ぎ着けた数少ない刀なのだ、それを容易く破られてしまっては夜王に拍手を送るしかない。

歯痒い想いを押し込めて、本丸を見下ろせる狭間(さま)に移った。

 

仁鉄がいる場所は本丸の背後、北桔橋門から見上げた位置にある大天守。ここに仁鉄の鍛治工房は造られた。

1階に建設しなかったのは精神的な訳がある。死徒となった仁鉄は、大地から少しでも離れたかったのだ。その理由は後述するとして、本命の理由以外には見晴らしの良さが挙がる。

 

正鬼の計画に反対する勢力が江戸城に乗り込んでくることは予想していた。それらを一掃するために、工房から出て直ぐに内濠を見渡せて、刃の一振りを当てられる場所が欲しかったのだ。

戦術のイロハが無いための提案を正鬼は快諾した。

そのお陰ですぐに次の手を打つことができる。

 

「キャスター! この弾丸を解析しろ」

「承知しました」

 

キャスター…真名、メディア。

彼女もまた空想世界に召喚された英霊であり、正鬼との戦闘で敗北、仁鉄の手に渡った一騎だ。

仁鉄の仕業は侍に留まらない。伝説の騎士、アルスターの戦士、ギリシャの大英雄、数ある戦士の域を出て魔術師にも踏み込んだ。とは言っても、神代の魔術を引き出すには圧倒的に時間が足りない。

城の一部出入り口の異界化、鍛治工房の効率化、模造刀の魂の解析と付与への理解といった手助けに割り振っていて、魔力の効率化や属性への理解、正史の魔術の歴史には手を伸ばす暇がなく、メディア本来の霊気には遠く及ばない。

 

魔術への浅い理解を終えて、真選組が保有している対死徒用の弾丸の解析をキャスターに任せたのは、思いのほかダメージがあるからだ。

死徒の修復力が遅く、いつまでも精神に棘を刺された感覚が抜けない。放置すればどんな影響があるのか知って処置を施す。死徒という概念までは理解しても、サンプルが自分しか居ないために能力の理解に乏しい。理解が進めば、剣聖へと近づける。

 

その為にも、早く環境を整えなければ。

 

「ハァい、キャスター!

外に出ないと魔術カビるわよ?」

「なんでっ──きゃ!?」

 

そう意気込んだのも束の間。

背後から響いた、下水路から見上げてくる嗤い声に続き、乙女の叫びに震えて振り向く。

それは死徒であっても硬直する光景があった。宙空に生まれた割れ目から這い出た少女が、キャスターを引き摺り込んだのだ。一瞬の出来事に割り込む余地がない、天晴れな魔術だ。

 

「今の黒髪は…。真祖の寝床に孔を開けたのか、どうやって。キャスターは何処に連れていかれた!?」

 

故に感心が生まれた。

江戸城の内部は正鬼が魔術王戦での反省を活かして作り上げたもの。対魔術師の対策は足りないほどに尽くしている。それを難なく突破し、魔術の要であるキャスターを…。

 

外に出てキャスターを攫った敵を見つけ出さねばならない。魔術師ならば刀にする前に魔術の知識を引き抜かなければ、魔術王に再び敗北するだろう。

 

「………知識がほしい。

いまの黒髪か、或いは彼が」

 

まだ時間はあるが、じきに正鬼が戻ってくる。

その時間を逆算し、大天守から降りることを決めた。

 

 

 

 

 

───

 

 

──

 

 

 

 

 

 

 

「は〜緊張した」

 

どっ、と吐き出した疲労。

清廉な声音から繰り出される低音の安堵は、彼女のことを知る者の立場で見方が変わるものだった。

表の人なら驚愕と思考停止。裏の人なら呆れと計略。気心の知れた仲なら笑いと共感だ。

 

「ねぇ見てた、死徒の顔。

あと1秒でも目が合ってたら呑まれてたわ〜」

 

彼女の前にいるのは気心の知れた、というよりは知られた仲であり、向こうも似た者である。決死の作戦を終えて紅く笑っていられるのは悪影響だ。

 

「何が起きたか見えなかったんだけど、キャスターは間違いなく退去したのよね、外道丸」

 

似蔵の群れを身の丈を越える棍棒で蹴散らしながら歩くのは、頭頂部から左右に均等な距離で生えたツノを掻く、気力の感じない赤目の外道丸。

 

「間違いなく。キャスターは彼との会話で自分自身を取り戻しやした。貴女の役目は終わりでしょう、これから送り返しやしょうか、凛」

 

鬼の視線を受け止めて、選ぶわけもない選択肢にため息を吐く黒髪の彼女。

本気でここから抜け出そうとしている外道丸に、遠坂 凛は呆れを通り越した感慨をぶつける。

 

「……あんたって情緒ないわよね」

「凛に言われると胸が痛い。なぜでしょう」

 

鬼ってこんな奴ばっかり?

何度も思った感想を噛み殺していると、目の前に冬の城のお姫様が現れた。

 

『キャスターをなんとかするのはゲドーマルの役目でしょう! リンの役目はこれから! シロウの援護!!』

 

ほっぺに指を突き出しながらガーッと言うのはイリヤスフィール。本人だが、本人はここには居ない。目の前にあるのは映し出された映像、詳しくは忘れたが最先端の技術で作られたホログラムだ。だからほっぺを突かれたのは幻覚というわけ。いや、あのお子様のは執念か。

 

「はいはい。冗談ですよ。

銀時様のために働きますって」

「さっさと行きましょう。気まぐれに付き合うのも面倒になってきた」

 

画面の向こうの我儘お姫様の止まらない小言をBGMに、血気舞う戦乱の山を横断する。

 

目指すは桜の木。

士郎たちが囚われた、始まりの剣が刺さる場所だ。

 

 

 

 

 





【オマケ】
坂田 桃時の宝具

『幽けき桃時山の殺鬼土俵』

不死に無敵化なんでもござれ。
桃時が敷く“決着”は一般的な規則に収めるものとする。また、指定が無ければ武器の使用は認められる。
土俵の規則は、土俵入りしたものの最も補正値が少ないものの当たり判定を採用する。ダメージの有無を問わず、当たり判定を受けたものの補正値は全て相手に譲渡される。
譲渡したものは取組が終わり次第、持ち主へと返却されるが、勝敗に関わらず補正値は一定時間受けられない。

補正値とは、宝具によるステータス上昇低下、知名度補正、宝具、感情の起伏など、培った実力を上下させる全ての要素を指す。

相手は土俵入りを拒否することが出来る。
代償は無い。桃時を倒すための覚悟さえあれば拒むが良い。




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