俺は隊長をなめきってます   作:ブロンズスモー

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プロローグ的なもの

尸魂界の2番隊隊舎。そこの隊長室に俺は深呼吸しながら入った。最近、霊術院を飛び級で卒業して、隠密機動隊に回されたので、隊長に挨拶しに来たわけだ。コンコンとノックをする。

 

「失礼します」

 

「入れ」

 

OKの返事が来たので、ドアノブに手をかけた。確か、砕蜂隊長、だっけ?どんな人なんだろうな。

ドアを開けて中に入ると、俺とそんなに歳は変わらなさそうな女の子がいた。隊長は不在か?まぁ、俺より先にここにいるってことは、この人も一応俺より先輩なんだろうな、挨拶しておこう。

 

「誰だ?」

 

「あ、本日より砕蜂隊長の元で働かせていただく、北山です。宜しくお願い致します」

 

「そうか。私は、」

 

「所で、砕蜂隊長は何処ですか?」

 

「そい……はっ?」

 

「や、ですから砕蜂隊長はどこですか?」

 

「私だ‼︎」

 

「えっ?あなたが?」

 

「そうだ!」

 

「……………」

 

いや、違うだろ。どう高く見積もっても150cmくらいしか身長ないよあの子。どう考えても………ああ、

 

「もしかして隊長ごっこかな?いいよ、付き合ってやる」

 

「違う!私が隊長の砕蜂だ!というか、霊術院で隊長の顔くらい見たことないのか⁉︎」

 

「ああ、一年の時に落書きしたから覚えてないんです」

 

「お前……!」

 

「で、砕蜂隊長は……」

 

再度、問い正した直後、別の奴が扉から入って来た。

 

「ちぃーっす、ってなんだお前」

 

かなり太った男だ。なんというか、関取みたいなオッさん。

 

「あ、もしかしてあなたが砕蜂隊長?初めまして、本日よりこちらでお世話になる……」

 

「いや、俺ぁ副隊長の大前田だ。砕蜂隊長はお前の目の前にいんだろ」

 

「へっ?」

 

マヌケな声と共に目の前を見ると、明らかに不機嫌そうな表情の女の子が俺をすごい形相で並んでいた。

 

「…………」

 

「………なにか言うことは?」

 

「大前田副隊長って、面倒見の言い方なんですね。こんな小さい子のごっこ遊びに付き合ってあげてるなんて」

 

「貴様はあくまで私の話を信用しないつもりか⁉︎」

 

うがあーっと俺に食ってかかる女の子。え、マジなの?

言い訳を考えながらまじまじと見てると、俺の視線を女の子は「信用してない目」と思ったのか、自分の衣服を指差した。

 

「これ見ろ!隊長羽織‼︎」

 

「………ああ、確かにそんな小さいサイズの隊長羽織なんてないですね」

 

「信用されたけどバカにされた気分だな‼︎」

 

「申し訳ありません、砕蜂隊長。本日より、こちらでお世話になります、北山です。よろしくお願いします」

 

「貴様ァッ……‼︎」

 

ふむ、マズイな。自分の上司を初対面で逆上させてしまった。これから先、働いて行くのに好感度マイナス値スタートは困るな。

何とかしてご機嫌取りしないと……ああ、そういえばお菓子持って来たんだった。

 

「こちらは、これから先お世話になりますゆえ、ほんのつまらないものですが」

 

俺は頭を下げながら紙袋を差し出した。中身はどら焼きだ。

 

「むっ、すまんな」

 

………あっ、少し機嫌直った。

 

「それで、俺はどうすれば良いでしょうか?」

 

「う、うむ、そうだな。大前田、案内を頼む」

 

「へいへい、分かりましたよ」

 

と、いうわけで、2番隊に入った。

 

 

 

 

翌日、俺は砕蜂隊長に呼び出され、2番隊の道場にいた。

 

「新人教育、ということで早速だが、貴様の剣の腕を見たい」

 

「はぁ」

 

「わかっていると思うが、斬魄刀というのは戦闘を重ねて行くことによって、自分の戦闘スタイルに合わせて進化して行く。分かるな?」

 

「はい」

 

「貴様に斬魄刀ができるまでの間は、見習いという立場に置くことにする。いいな?」

 

「わかりました」

 

「今の貴様にどれだけの腕があるか、確かめさせてもらう。木刀でいいから、本気でかかってこい」

 

「ちなみに、負けたらペナルティとかないですよね?」

 

「そうだな……私に勝てたら、一つなんでも言うことを聞こう」

 

「よし乗った」

 

「ただし、逆もあるからな」

 

「了解っ」

 

俺は木刀を握り締めて、右下からわざと大振りに木刀を振り上げた。それを、後ろに沿って隊長は躱すと、俺に突きを放った。

それを首をひねって回避しつつ、突きの手首を掴んで外側に捻りあげると、その腕を脇の下に挟んで膝を逆方向に曲げた。

 

「ッ」

 

直後、砕蜂隊長は俺の両足を蹴り払った。俺が回避した一瞬の隙を突いて腕を抜くと、俺の腹に拳をたたき込み、木刀で突きを放ってきた。

腹パンは食らったものの、突きの方は俺の木刀の柄でガードした。柄は砕け散った。そのまま鍔迫り合いになる。

 

「ッ……」

 

「中々やるな」

 

「本気出してない癖に……白々しい」

 

「いや、想像以上だ。が、ここまでだな」

 

直後、砕蜂隊長はニィッと口を歪ませると、手刀を構えた。そして、ヒュッと空気を切る音と共に、ものすごい速さの突きを放って来た。ほぼ手が消えたように見えるほどの速さの突きだ。

それを、俺はほぼ奇跡的に回避した。生まれつきの変態的な反射神経と動体視力でギリ回避できた。

 

「!」

 

躱されたのに驚いたのか、砕蜂隊長に一瞬出来た隙を俺は逃さなかった。砕蜂隊長の鳩尾に掌底を叩き込んだ。

反応が遅れた砕蜂隊長は、後ろに体を逸らした。その時、俺は自分の攻撃にミスを悟った。このままいけば、セクハラになる。途中で手を引っ込めるべきか、当てるべきか。

中途半端になった結果、砕蜂隊長のオッパイをガッツリキャッチしてしまった。

 

「うわっ、小さっ」

 

はい、この時うっかり本音を漏らしてしまった俺を誰が攻められるだろうか。

お陰で、砕蜂隊長は完全にブチキレました。霊圧をアホほど高めた挙句、俺の後頭部に思いっきり手刀を叩き込んだ。

 

と、いうわけで、俺は自分の部隊の隊長に思いっきり嫌われました。

 

 

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