ストライクウィッチーズ ~ドゥーリットルの爆撃隊~ 作:ユナイテッド・ステーツ・オブ・リベリオン
Vol.1:プロローグ
航空母艦「ホーネット」にある司令室で、「飛べないウィッチ」こと連合軍総司令官ジェニファー・ドゥーリットル中将は綿密なシミュレーションを繰り返していた。
「――敵部隊撃破、評価はAAA。パーフェクトですね」
結果は勝利、常に勝利だった。
“巣”に立て籠もろうと、正面決戦に出ようと……いかなる行動であれ、人類に負ける要素はない。仮に名将と名高いマンシュタイン将軍やモントゴメリー将軍がネウロイの司令官だったとしても、今回ばかりは人類を打破する術はないだろう。
来たる一大反攻作戦――それを担うのは人類の『連合国』である。その作戦指揮官たるドゥーリットルの指揮下にある部隊は、陸上兵力30万、車両7000両、大砲2000門、航空機2000機、艦艇120隻……後方支援要員まで合わせれば90万の大所帯だ。
「アフリカに回した部隊があれば、87パーセントの勝率が92パーセントにまで上がるんですが……しかたないですね。あちらにもネウロイはいますし」
それから、ドゥーリットルは手にしたファイルを横目で見る。最高機密の印が押されたそれは、統合軍司令部の秘密指示書だ。
(これを使う機会が無いに越したことは無いですけど……)
それを眺めるドゥーリットルの目には、どこか憂鬱な色が混じっていた。
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第501統合戦闘航空団『ストライクウィッチーズ』のメンバーを乗せた車列が、幾つもの検閲所を通り抜けながら、ポーツマス郊外の国道を進んでゆく。
目的地が近づくにつれ、周囲の景色は激しく変化していった。多数の軍用車両が行き交い、戦車や対空砲が至る所に配置されている。空では航空機とウィッチ達が編隊飛行を行っており、物々しい空気に包まれていた。
「これは……!」
カールスラント組を乗せた車の中で、窓の外を見つめていたバルクホルンが驚いたように目を見開く。
「トゥルーデ?」
ミーナもそちらに振り向き――そこで驚くべき光景を目の当たりにする。
長い歴史を持つポーツマス軍港は、まるで鋼鉄に充たされているかのように、多数の軍艦が停泊していた。戦艦から重巡と軽巡、空母に駆逐艦、潜水艦、揚陸艦、工作艦に病院船まである。
「あっちはブリタニア海軍のフッド級巡洋戦艦とグローリアス級航空母艦、こっちにはリベリオン海軍のカサブランカ級航空母艦にエセックス級航空母艦まで……!」
まるで軍艦の博物館だ、とミーナは思った。ありとあらゆる軍艦が所狭しと、ポーツマスの軍港に敷き詰められている。その手のマニアには堪らない光景だろう。
「見て、ミーナ! あっちにも沢山!」
エーリカが指差す先には、これまでに見たことが無いほど大量の高射砲がズラリと並んでいた。その更に後方にも無数の対空機銃があり、機動力を高めた自走式対空砲まである。
「30、40、50……いいえ、数えるだけ無駄ね」
軍歴の長いミーナですら、これほど多数の火砲を見るのは初めてだ。しかも火砲の大部分が野ざらしにされているという事は、暗に格納庫に収まりきらないほどの数があることを示していた。
対空兵器だけであの量なのだから、これに戦車や大砲も加えれば全軍の数は更に増えるはず。加えてそれを支える弾薬や燃料の総量を考えると、どれほどの兵器と人間が動いているか想像もつかない。
人類の総力を結集した『連合軍』による、一大反攻作戦……その主体となるのが世界最大最強の覇権国家リべリオン合衆国だという事は聞いていたが、まさか此処までのものだとは。
(リベリオンの生産力が底無しだとは聞いていたけど、いったい何が始まるというの……?)
>ミーナ「いったい何が始まるんです?」
「第三次世界大戦だ」
ブレイブウィッチ―ズ放送記念(終わってしまいましたが)に、昔書いてたSSを投稿してみようかと思います。