ガールズ&パンツァー 逸見エリカの苦労日誌   作:まもる

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 ここからは劇場版を踏まえつつオリジナルストーリーになります。


幻のエキシビションマッチと決勝の傷跡

 

 優勝後だが、出所は分からないが聖グロリアーナ女学院と大洗女子学園が姉妹校として締結する噂が出ていた。理由は何となく解るが、島田流家元の島田千代師範の母校であることと両校が島田流の保護下にある学校である事が主な理由だろう。

 

 しかし、それが新たな問題を呼び込む事になる事と30年以上前の事件の真相を知るきっかけになる事は未だに誰も知らない。

 

 

 「「ハァー」」

 

 溜息の止まらない私と整備班班長の板野の二人。

 

 目の前には、決勝戦での激戦の結果、勝利して優勝はしたが参加した車両は無傷な戦車は一両も無く自走が何とか出来るレベルまでは直せたが戦車倉庫には修理が必要な戦車がほとんどだった。

 

 それもそうだろう。

 

 決勝戦とタンカスロンでほとんどの所有する車両は軒並み大破だった。

 

 取り分け、損傷が一番酷いのがシュトルムティーガーとエレファントだった。

 

 決勝戦ではプラウダ高校の主力部隊の奇襲を受けて砲撃支援小隊は壊滅。その際、装甲の堅さが祟りIS-3、T-44、ISU-152の七両による集中砲火を受けて撃破された。幸運な事に乗員は無事だった。

 

 普通に撃破されただけならまだ良いかもしれない。

 

 シュトルムティーガーの破損状況は深刻だった。ロケット弾を打ち出す為の主砲の内筒の破損した挙げ句、脱落して紛失しており、閉鎖器の重度の故障で閉鎖不可能では使い物にならない。それに加えて外部装甲が酷く損傷しており特殊カーボンに亀裂や剥落している箇所が多く学園艦の修理設備では修理が不可能であると整備班が判断して熊本の西住流が経営する整備工場に送る事になった。

 

 しかし、熊本の整備工場でも完全修理は不可と匙を投げられたが、車体だけは無事な事と西住流家元の倉庫に在庫して長年放置されていたティーガーⅠ後期型改造キットが在った事でティーガーⅠへ改修案が整備工場から出されたのだった。

 

 ティーガーⅠへの改修はみほの父親からの話でみほの一つ返事で改修が決定しティーガーⅠ後期型へ改修が決まったのだった。

 

 そして、隊長車であるティーガーⅡも自走出来るレベルまでは直せたが足回りの懸架装置が酷く損傷していた。

 

 もちろん、頭を抱えるのは私と整備班の板野だ。

 

 「ねぇ、板野?」

 

 「逸見さん、どうかしました?」

 

 「隊長車のティーガーⅡの修理ってまだなの?」

 

 「無茶言わないでくださいよ。サスペンションの棒バネが中で右側全部が折れてるし、初期生産型だからパーツだって少ないんですよ。今、熊本の工房でティーガーⅡのサスペンションの在庫がないか確認中ですよ」

 

 「じゃあ、シュトルムティーガーはティーガーⅠに改造は確定なの?」

 

 「あれは、酷くやられ過ぎて無事だったのは車体だけです。たまたま、工房に後期型改造キットが在ったからみほ隊長に確認の上で改造に踏み切りましたよ」

 

 「ちょっと、待ちなさい!そうしたら、砲撃支援はブルムベアーだけになるわよ」

 

 「そのための、ティーガーⅡ一両をヤークトティーガーに改造にするみたいです」

 

 「はぁぁ!?何よそれ!エレファントがあるでしょ!」

 

 「いえ、言いにくいのですが、エレファント二両とも廃車レベルのダメージでニコイチで一両に修理はできます。エレファントの修理で余ったポルシェ式サスペンションで隊長車のサスペンションを直したついでにヤークトティーガー(ポルシェ車体)にするって話がでてます。あと、ブルムベアーも熊本の工房に送ってⅣ号戦車H型に改造するそうです」

 

 「って、戦力のほとんどじゃない!現状で使える戦力はあるの?」

 

 「一応、こちらで修理して使える戦車はティーガーⅡ(ポルシェ砲塔副隊長車)とティーガーⅡ(ヘンシェル砲塔)、Ⅳ号戦車H型、Ⅲ号戦車J型が二両、パンターF型が三両、センチュリオンの九両だけですね」

 

 「半分もないわね・・・・」

 

 「そうでね。後の残りの車両はこちらの施設では直せないので鉄道輸送で熊本の工房に送ります。付属中に貸し出し中の十五両の内、Ⅲ号突撃砲とヘッツアーだけも返却するようにしませんか?」

 

 「返して貰うならヘッツアーね。これなら、九チームは組めるわ。これはみほに伝えて置くわね」

 

 後に、この板野が九両以外の車両を修理の為に九州の工房に送った判断が私達の窮地を救う事になる。

 

 

 同じ頃、隊長室ではみほと愛里寿がエキシビションマッチで参加を申し込んで来た学校を選んでいた。

 

 「結構来てる」

 

 「そうでね。プラウダ、継続、サンダース、聖グロリアーナ、アンツィオ、知波単のほかに八校が来てるね」

 

 「うん、今年出場しなかった高校からも来てる。聖グロリアーナは確定だけど、どうする?」

 

 「そうだね・・・・私ならサンダースとプラウダかな。知波単も良いけど・・・・悩むね・・・・」

 

 「私ならお姉ちゃんのいる継続高校と組みたい。サンダースとプラウダを組ませるのも面白いかな」

 

 コンコン

 

 「入るわよ」

 

 来たのはエリカだった。

 

 「エリカ、修理状況はどうなった?」

 

 「ほとんど、ダメね。決勝戦に参加した車両は軒並み工房送りよ。後、これは板野がまとめた工房送りの一覧表よ」

 

 私は一覧表を見て顔をしかめた。

 

 無理もないとは思う。

 

 決勝戦に参加した車両で一番被害が酷かったのは砲撃支援小隊と遊撃小隊の車両だった。試合終了後はクロムウェル二両は継続高校に譲渡したけど、砲撃支援小隊無しでも火力があるのはマシとも言える。みほのティーガーⅡだってサスペンションを直せれば良かったが重量があるために学園の施設では直せない。マングースチームで使っていたティーガーⅡがあるから直るまではみほが使うだろう。

 

 「愛里寿ちゃん、ちょっと見せてくれる?」

 

 「はい、みほ」

 

 みほが受け取り一覧表を見ていた。

 

 「結構酷くやられたね。ティーガーⅠへの改造は何とかエキシビションマッチまでに間に合うから大丈夫です。私のチームのティーガーⅡは時間が掛かるけどそのまま直します」

 

 「じゃあ、みほはエキシビションマッチは何を使用するの?」

 

 「そうね。私も気になるわよ」

 

 「エキシビションマッチの編成だけど、私はティーガーⅠを使おうかな。ティーガーⅡにはキリンさんチームに任せたいから」

 

 「じゃあ、エキシビションマッチの編成はどうしてるのよ?」

 

 「一応、当日の配車だよ」

 

 人員配置と配車を見せた。

 

 私も気になり、エリカの脇から覗き込んだのだ。

 

 ティーガーⅠ あんこうチーム

 

 ティーガーⅡ(ポルシェ砲塔) ワニさんチーム(エリカ、小梅、藤木、内法、レイラ)

 

 ティーガーⅡ(ヘンシェル) キリンさんチーム

 

 センチュリオン レオポンチーム

 

 パンターF型 カバさんチーム

 

 パンターF型 アヒルさんチーム

 

 パンターF型 ウサギさんチーム

 

 Ⅳ号戦車H型 ヘビさんチーム

 

 Ⅲ号戦車J型 アリクイチーム

 

 Ⅲ号戦車J型 カモさんチーム

 

 ヘッツァー カメさんチーム

 

 「それと、エキシビションマッチで私達の学園がチームを組むのは継続高校と知波単の三校で相手はプラウダ高校、サンダース、聖グロリアーナの連合チームとだよ」

 

 「みほ、試合形式は?」

 

 「二十対二十のフラッグ戦で継続から四両と知波単からも五両が参加するよ」

 

 「継続高校と知波単が参加する車両は分かっているのみほ?」

 

 「うん、一応、継続高校からはⅣ号戦車J型が二両とⅢ号突撃砲が二両の計四両。知波単からは四式中戦車が四両に五式中戦車が一両の計五両が参加かな」

 

 「そういえば、アンツィオはどうしたのよ?」

 

 「うん、参加はするけど試合には出ないみたいです。こないだのサンダースとの練習試合で修理が間に合わないから代わりに屋台をやらせて欲しいって」

 

 「じゃあ、これが相手チームの参加する戦車かな?」

 

 一枚の参加車両の一覧表だった。

 

 「うん、それだね。プラウダ高校からはIS-2初期生産型が六両がカツコフさん率いる白百合からの参加でT-34/85が三両とISU-152が一両が戦車道チームからの参加。サンダースからはM4A1/76が三両とパーシングが二両が参加。聖グロリアーナからはブラックプリンスが一両とセンチュリオンが二両とクロムウェルが二両の五両が参加します」

 

 それを聞いた私は大洗の町が壊滅するのではと一瞬、思ってしまった。市街地戦と機動戦ならこの編成は頷ける。普通なら二校のタッグだが、あえて三校の連合チームにしたのだ。

 

 

 

 

 

 一方、学園長室では怒り狂った弘子がいた。私は戦車道連盟と各流派の家元会議の結果を弘子に持って来た所だったのだ。

 

 「何なのよ!」

 

 ガッシャァァァン

 

 電話を本棚に投げてガラス張りの本棚の扉のガラスと電話が砕け散る。丁度、そんな時に入ったのだ。部屋は書類が散乱しており、本棚のガラス張りの扉はガラスが砕けて床に散乱していた。それを見た私は、いつも冷静沈着の弘子には似合わない光景だった。

 

 「落ち着きなさい!」

 

 昔の隊長だった頃の様に弘子を宥めるが

 

 「隊長!いえ、茜!落ち着いてなんか居られないわよ!あの子達になんて説明すれば良いのよ!ねぇ、教えてよ。どうしたら良いのよ・・・・」

 

 「一体、どうしたのよ?」

 

 私は聞きたくない事実を知る事になった。

 

 「娘が膝を抱えて久しぶりに泣いて居たのよ。私は杏に『どうしたの?』って聞いたのよ。そうしたら、なんて言ったと思う?『口約束は約束じゃないの?わたし、西住ちゃんや逸見ちゃんになんて説明したら良いのかな?』て言われたのよ。最初は意味が分からなかった。でもね、さっき学園艦管理局から電話が在ったのよ。そうしたら、8月31日付けで大洗女子学園は廃校だそうよ。娘の言っていた意味が分かったの。何故、杏が戦車道を復活させて必死に戦い優勝したのかさえ・・・」

 

 私も戦車道が復活する話は聴いていたから、エリカに協力する意味で私達が隠した戦車を使わせた。私のあの判断は間違ってはいないし正しいと思う。

 

 その意味・・・・

 

 「私は勘付いて、杏の机の引き出しで見付けたボイスレコーダーを再生させたの」

 

 弘子はポケットからボイスレコーダーを取り出した。

 

 再生内容は戦車道で優勝したら廃校を取りやめる。それも、杏ちゃんと学園艦管理局の局長の辻康太の肉声だった。

 

 「ひっ、弘子!完全に賭博じゃない!」

 

 「そうよ。完全な賭博。だから、廃校にしたくない一心で戦車道を復活させて、おまけに熟練度の高い黒森峰や他校の生徒が転校する噂や話を聞けば必死に説得して大洗女子に引き込もうとしたの。あの子の力では駄目だったけどね。そして、西住さんや逸見さん、赤星さんはその事を知らないままここに転校して来たのよ。その後は西住さんの所に黒森峰の親しい人達が集まってくれた。奇跡だった。そして、西住さんの指揮で優勝が出来た。でも、ひど過ぎるわよ!こんなのあんまりだよ」

 

 涙で顔がグチャグチャになっている弘子。

 

 私が出来ることをやろう。

 

 しほちゃんと千代ちゃんはプラウダ高校の風紀委員会の取り調べで、今は熊本の西住流家元に居るはずだ。

 

 「弘子、私はこれからしほちゃんと千代ちゃんに会ってくる。あと、これは家元会議の結果だよ」

 

 私は弘子に家元会議の結果を渡したのだ。

 

 「えっ?家元会議?」

 

 「うん、謹慎解除おめでとう。池田師範」

 

 そう言って、私は学園長室から出たのだ。そして、中では弘子が声を上げて泣いていた。

 

 「うわぁぁぁぁぁぁ!?良かった・・・・・再興出来るよお姉ちゃん!あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 多分、中では弘子の十歳も上の姉の写真を抱きしめて泣いているのだろ。弘子の姉、池田輝子はこの世には居ない。あの事件で17歳の若さで亡くなっているからだ。だから、しほちゃんも千代ちゃんも家元の就任を待っていたのだ。池田流の謹慎が解けるまては・・・・

 

 私はしほちゃんと千代ちゃんに相談すべく、エリカ達が会議をしているだろう隊長室へと向かったのだ。

 

 

 

 

 私は未だにエキシビションマッチでどうやって市街地戦に持ち込むかで作戦を三人で練っていた。

 

 「やっぱり、ゴルフ場で聖グロリアーナをくぎ付けにするしかないわね」

 

 「それは、二人に同意見だ。ただ、プラウダ高校の突破力にどう対抗するかが肝心だ」

 

 「そこは、ミカさんと協議が必要ですね」

 

 「みほ、サンダースには誰を当てるの?そこは以外と肝心よ」

 

 「そこは、愛里寿ちゃんの小隊で充分です」

 

 「うん、シャーマンとパーシングならパンターとセンチュリオンで充分だ。私なら、ゴルフ場に入る前に撃破する」

 

 コンコン

 

 こんな、時間に誰だろと私は思う。

 

 みほが気付き、隊長室の扉を開けると立っていたのは茜叔母さんだった。

 

 「えっ?茜さん?」

 

 「大事なエキシビションマッチの会議中にごめんね。みほちゃん、エリカ、愛里寿ちゃんは私と一緒に熊本に来てくれるかな?無論、生徒会長の杏ちゃんも一緒」

 

 「何故、急になのよ?」

 

 「緊急事態かな。多分、エキシビションマッチも中止になる」

 

 意味が全く分からない。

 

 「なんで、エキシビションマッチが中止にならなきゃならないのよ!」

 

 「エリカさん落ち着いて!」

 

 「落ち着いて居られないわよ!もう、参加する学校だって決まっているのよ!自治体にも連絡済みで来週には開催なのよ!どうしてなのよ!」

 

 「まだ、答えられないわ。それだけ、重要案件なのは理解してエリカ」

 

 「叔母さん、後で説明してよ」

 

 「うん、必ず約束するわ」

 

 「分かったわ。熊本に行くから飛行艇を出せば良いのね」

 

 「お願い出来る?」

 

 「燃料の確認して準備をして来るわ」

 

 私は急ぎ、飛行艇へと向かい熊本に行く準備をしたのだ。

 

 飛行艇に乗り込んで来た杏会長の表情はとても優れない様子だった。好物の干しいもを食べようとするが手が震え上手く食べられない。みほ達が心配して見ているが、杏会長は

 

 「西住ちゃん、逸見ちゃんごめんね・・・・・本当にごめんね・・・・」

 

 と謝るばかりだった。

 

 それと、副操縦席には黒森峰の制服を何故か着ているレイラも乗り込んでいたのだ。

 

 「なんで、レイラまでいるのよ?」 

 

 「内容は言えないなけど、隊長から私も黒森峰の副隊長として来るように言われたから何も分からないかな」

 

 「気になるじゃない」

 

 「エリカちゃんに言われても、緊急招集だからね・・・・」

 

 

 私も気になるが飛行を続けなればならない。

 

 三時間ほどで熊本に着き、そこからは自家用車でみほの実家に行く予定だ。

 

 飛行艇が降りたのは熊本港である。

 

 何時もの逸見家が所有する係留場で飛行艇を泊めると私の実家の車が迎えに来ており全員車に乗り込んで、みほの実家である西住流家元に向かったのだ。茜叔母さんの連絡を受けていたのか、入口では使用人の菊代さんが待っていたのだ。

 

 「皆様方お待ちしてました。島田師範としほ様が広間にてお待ちしています。楼様はまほお嬢様が着いたら部屋に案内する様に言われてますので、このままお待ち下さい」

 

 「あら、菊代副隊長じゃない。久しぶり」

 

 「「「?」」」

 

 「茜様、みほお嬢様とお連れの方が困っていますので、その話は後ほどにお願いします」

 

 叔母さんが元黒森峰に居たのは知っている。

 

 だけど、使用人の菊代さんと知り合いだったのは初めて知ったのだ。

 

 そのままレイラとは別れ、私達は広間に通されテーブルの向こう側に座って居たのは西住師範と島田師範だった。特に、西住師範の表情が険しい事からとんでもない問題に直面している事が嫌でも解る。

 

 「皆さん、座りなさい」

 

 島田師範に促され、座布団に座る私達。

 

 みほと愛里寿に私は何が起きているのか分からないが、杏会長の表情がさらに悪くなっている事から大体の予想が着いた。

 

 「さて、大洗女子の皆さんご足労ありがとうございます。みほ、優勝おめでとう」

 

 「はい・・・・」

 

 やっぱり、師範の前では緊張するのだろ。

 

 「逸見エリカ、あなたもみほを支えてくれてありがとうございます」

 

 「いえ、大した事も出来てませんが」

 

 「角谷杏さん」

 

 「はい・・・」

 

 「茜と千代から全て聞きました。角谷さん、とんでもない事をしてくれましたね。学校を守りたい一心だったのは分かります。ですが、賭博紛いの事をするのは些か問題です。間違いなく、文科相は大洗女子学園を廃校にするでしょう。ですが、大人の都合で約束を違えるのは私てしても由々しき問題です」

 

 「西住師範、私も守る手がなかったです。だから、戦車道の大会で優勝をして廃校を免れようとしました。大好きな大洗女子学園を廃校にしたくなかった。あれしか、手がなかった・・・・」

 

 「分かっているつもりです。ですが、私はあくまでも高校戦車道の理事長の点からも問題だったのです。千代と話し合った結果、大学戦車道連盟、高校戦車道連盟、中学戦車道連盟、戦車道連盟からはこの件は不問と致します。ですが、明日の13時に記者会見を開きます。あなた方にも参加して貰います。それと、大洗女子学園の戦車道の生徒は全員、12時までにここに来るように連絡して下さい。私はこれから、高校戦車道加盟校に対して隊長、副隊長の緊急招集を掛けます。ここからは、母親としてですが、今夜は遅いから泊まって行きなさい。それと、みほ、あなたには西住流と島田流の家元としての政治を見て行きなさい。いずれ、自分の流派を立ち上げなくてはいけない立場です。よろしいですか?」

 

 「はい、お母さん」

 

 「千代、あなたからは?」

 

 「私からも一つ、優勝おめでとう。大学戦車道連盟からは、こちらも緊急招集を掛けます」

 

 西住師範に言われた通り、みほの実家で泊まる事になった。

 

 エキシビションマッチだが、西住師範と島田師範の判断により中止となったのだ。

 

 

 

 私は久しぶりの実家で泊まる事になった。エリカさんと付き合う様になってからも一緒にお風呂に入るのは日課になっていた。そして、今日も一緒に入っていた。

 

 「ルン~ルン・・・あっ、石鹸がない・・・エリカさん、石鹸を取ってもらえますか?」

 

 エリカさんなら隣で体を洗っているはずだ。

 

 「はい」

 

 「あっ、ありがとう」

 

 声がおかしい。

 

 エリカさんじゃない?

 

 じゃあ、一体だれが?

 

 私が振り向くと、明らかに私より大きい胸にエリカさんにあるはずの割れた腹筋がない。

 

 じゃあ、誰?

 

 そして、見上げて行くと私に似た髪形でやや黒い色で鼻からは血が垂れていた。

 

 「お帰りみほ」

 

 「えっ?お姉ちゃん?」

 

 鼻血を出しながら親指を立てながら満足そうなお姉ちゃんが居たのだ。そして、私は浴槽を見ると頭にコブを作り、お尻をプカプカと浮かびながら気絶しているエリカさんの姿だった。そういえば、シャワーを浴びた時に桶が落ちる様な音がした時にお姉ちゃんがやったのだろ。

 

 「えっ、エリカさん!?」

 

 私は浴槽からエリカさんを救出すると私は桶を握っていた。

 

 「お姉ちゃん、どういう事かな?」

 

 じわりじわりとお姉ちゃんに近付く私。

 

 「いや、待て!話せば判る!みほ、早まったマネは・・・・」

 

 「何で、毎回なのかな?」

 

 「本当に済まない!だから、見逃し・・・・アッギャ!?」

 

 パッコーン

 

 お姉ちゃんの頭を桶で叩き意識を刈り取ったのだ。

 

 頭にコブを作りながら気絶するお姉ちゃんを放置して、エリカさんを担いで部屋に戻ったのだった。エリカさんをボコのパジャマに着せて私のベッドに寝かせると私はエリカさんを抱きまくらに眠りに着いたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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