バタン!
勢いよく扉が開かれ、其処には白黒の服と黒いとんがり帽子を被った金髪の少女がいた。
「パチュリーさん!」
パチュリーと呼ばれた少女は、長い紫色の髪をしており、紫色の縦縞が入った薄い紫色の寝巻きにナイトキャップの様なものを被っている。
「あら、魔理沙・・ん?今さんって」
「如何したのですか?パチュリーさん?」
魔理沙からの問いにパチュリーは、は?とでも言いたげな呆れた表情をした。
「それはこっちのセリフよ魔理沙、何か変な物でも拾って食べたの?」
「私が拾った物を食べるわけないですよ。そんな事をしたら、私は神に顔向け出来ません」
魔理沙の返答に対し、パチュリーは表情を呆れ顔から、何か変なものを見た様な表情になり、そして苦虫を噛み潰したような表情になりながら喉にまで出かかった言葉を飲み込んだ。
「はぁ・・・まぁいいわ、魔理沙このままじゃあ話が進まないから何故此処に来たのかを簡潔に言いなさい。どうせ貴方のことだから本を盗みに来「今迄借りていた本を返しに来たんです」は?」
「ご・ごめんなさい。よく聞こえなかったからもう一度お願い。私の耳がおかしくなったのか、今の今まで本を借りると言って、一度も本を返したことがないあの魔理沙が私に本を返すと言った様に聞こえたのよ」
「ええ私は本を返しに来ました。そして、ごめんなさい!今迄本を返さなくて。死ぬまで借りるなど其れは盗むのと同義です。盗みなど人として恥ずべき行為です。そんな事をやっていた私を、そう簡単に許していただけるとは思っていません。ですが!その償いとして何でもします!本当にごめんなさい!」
胸の前で手を組んだり、膝立ちになりながら片手は胸に添え、もう片方の手をまるで誰かをダンスに誘う様に上に挙げ、かぶりを振りながら懺悔する魔理沙はさながらミュージカルの主役の様であった。
「そ・そぅ本を返してくれるなら其れでいいんだけれど・・・貴方本当に魔理沙?」
「はい?私は霧雨 魔理沙ですけれど?」
パチュリーは魔理沙に対して疑惑の表情を向けている。
「そう、解ったわ。私は今忙しいから、返しに来た本は適当に置いておいてちょうだい」
「はい!解りました!では、私も用事があるので失礼させていただきます」
バタン
魔理沙は入る時ほどではないが、かなりの勢いで出て行った。
「・・・どう思う?小悪魔」
パチュリーがそう問いかけると、背中と頭から一対ずつ蝙蝠の様な羽と、先端がハート型になっている尻尾を生やした赤い髪の少女が、何処からともなく現れた。
「どう?とは魔理沙さんのことですか?」
「其れ以外に何が有るの?」
「愚問でした。見た限りだと、何か魔法や呪いをかけられている、とは考え難いですね。考え得るのは肉体的、又は精神的に何かあったのか、はたまた本人が自主的にやり始めたかですね。先程魔理沙さんの口から『神』という単語が出て来た事を考えると、何かを信仰し始めた線が濃厚かと」
「はぁ、まぁ何方にせよ彼奴があのままだと調子が狂うというか、吐き気を催すというか・・・取り敢えず私が一肌脱ぐしかないみたいね」
パチュリーは口では酷い言いようだが、何処か満更でもない雰囲気を醸し出していた。
「微力ながらも尽力させていただきます」
そんなパチュリーを見て、小悪魔は何処か微笑ましそうな表情を顔に浮かべながら、両手を前に組み ペコリ と上品にお辞儀をした。
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「ど・どど・如何したのよ!魔理沙!?」
「如何したもこうしたも私は神に出会ったのです」
私こと アリス・マーガトロイドは混乱の淵にいた。私の想い人の魔理沙がおかしくなってしまったのだ。魔理沙は何時も何処か抜けているところがあって馬鹿っぽくて可愛らしいというか、ついつい世話を焼いちゃうというか。これも惚れた弱みなのかなぁ〜とは思ったりもする。
別に魔理沙が美少女とかそんな事はなく、魔理沙は私から見てもお世辞にも可愛いどころか、普通とも言い難い容姿をしている(まぁ、私が人に言えた義理では無いけれど)。でも魔理沙には其れを補って余り有るぐらいに良いところが沢山有るのだ。
殆ど表情を変えたり反応したりしない人形の様な(それもとびきり不細工な)私に一日中楽しそうに話しかけてくれたり、美味しいものを見つけたらお裾分けしてくれたり。なんだかんだ言って最後は助けてくれたり。挙げたらきりがないぐらい魔理沙には良いところがあるのだ。
そんな私の魔理沙が何処の誰とも知らない、ろくでもない奴に誑かされているだなんて!絶対に其奴を(※自主規制)してやるんだから!でも、狂信的な魔理沙もこれはこれで、そそるなぁ〜えへへへへへ穢れを知らない魔理沙にあんなことや(※自主規制)したりしてグフフフフ・・はっ!?危ない魔理沙ワールド(アリス命名)に行ってしまうところだったわ。今は魔理沙を元に戻す方法を考えないと。
下手に刺激して魔理沙に嫌われでもしたら目も当てられない。余りの精神的ショックで消滅すること間違いなしだ。私は如何すれば良いのだろうか。
「其れではアリスさん御機嫌よう」
そう言い残して魔理沙は出て行った。・・・普段の呼び捨てもいいがさん付けもなかなか、おっと!乙女心が鼻から出そうだ。
この一件は私の手に余るわ。癪には触るけれど、何処の赤白巫女と、さっき魔理沙が本を返して来たと言っていた引き篭もりの淫乱紫を利用するしかないわね。
待っていてね!魔理沙!絶対に私が助けるし他の奴らに貴女を奪わせないんだから!
このままいけば魔理沙の軌道修正も可能なはず!アリスの心の中の話はあべこべ世界仕様なのでご了承ください。